まず今年ベスト10に入るだろう面白さ。同タイトルのドキュメンタリー番組をフジの『NONFIX』で制作したディレクターが著者。「放送禁止歌」を「放送」するという同番組を完成させるまでの経緯を軸に、放送禁止歌というモノは実際には存在しないという意外な現実、表現の自由に対して思考停止しているマスコミの実態、触らぬ神にタタリなし状態の被差別部落問題に鋭く、赤裸々にツッコんだノンフィクション。
本文中に、「(差別について)知らない自分だからこそココまでやれたのでは」というような記述があるけど、ソレはまさに本書をオモロくしてる大きな要因だと思う。カッコつけず、分かったフリをせず、まっとうに突っ込んでいる様が気持ち良い。最後は少し泣いちゃった。そして文章構成がめっちゃ上手。まさに、上質なTVドキュメンタリーを見ているようだ。
被差別部落についてはホント学校で少し習った記憶があるくらい、ソレさえも殆ど忘れていたという恥ずかしい自分だけど、この本をきっかけに色々読みたいと思いました。絶対オススメの1冊。
森 達也
知恵の森 (2003/06/06)
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