倉本聰『破れ星、燃えた』感想

倉本聰『破れ星、燃えた』(幻冬舎)読了。
作者の自伝で脚本家として仕事を始める60年代から現代までを描く。
少年時代からその歳までは前作『破れ星、流れた』(未読)に。

営業的なアレで、帯には
「今でも、黒板五郎の幻影を見かけることがある。」
こんなコピーが出されているが、『北の国から』については後半少し割かれているだけ。

メインはなんといっても60年〜70年代の、脚本家としてめきめきと頭角を現す時代。
高倉健、北島三郎、笠智衆、石原裕次郎らといった錚々たる面々の素顔。TV局の名物P、芸能プロダクションの伝説的人物の描写。圧倒的。圧倒的過ぎて劇的過ぎて、好き嫌いはあるかも知れない。

自分は学生時代から倉本氏の書籍をぽつぽつ読み続けているので、北の国からの話はおよそ読んでいるし、他のエピソードについてはいくつかはきっと既読だったりするのかもしれない。だけど改めてこうやって一冊にまとめて読み直すのは感慨深い。あと倉本聰関連書籍はいつも北書店にあって、佐藤店長と彼の話をすることもあり、最近は北書店で買ってるかも。

倉本氏の運命を変えたNHKとの大げんか、その後のフジテレビとのやり取り、今も続く日曜劇場の当時の話、『海に眠るダイヤモンド』の記憶も新しい炭鉱閉山の話、どれもこれも面白く、読んだばかりの岡室美奈子『テレビドラマは時代を映す』と横糸が通る感じもあって…

テレビドラマの話が読みたい人、倉本聰のファンにはもちろんオススメ。

この2冊を読んでいると観たいドラマがいくつも出て来て、そのいくつかは配信で観られるのがなんとも嬉しい。が、あくまでフジ系を除いてだ。なんかFODのみ配信って文化の断絶じゃないかとさえ思う。

『君は海を見たか』とか『ライスカレー』とか、今見てぇーーーー!

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