大友克洋『童夢』実写版パイロットフィルム

3/20と21は、新潟国際アニメーション映画祭で大友克洋さんのトークを2日連続で聞いていました。


ああ、あの大友克洋が目の前に実在して、話しているんだ…という感慨でいっぱい。19日の永野護氏に続き、自分にとっては二人の創造神に2日続けて出会うという、とんでもないスケジュールでした。

20日はりんたろう監督の新作『山中貞雄に捧げる漫画映画『鼠小僧次郎吉』』の上映。大友氏はキャラクターデザインで参加。

21日はシネ・ウィンドでの大友克洋レトロスペクティブ企画。『ロボットカーニバル』『GUNDAM: Mission to the Rise』『童夢(パイロットフィルム)』『老人Z』の4本上映。中でもほぼ初公開お蔵出しとなる『童夢』実写版パイロットフィルムがafter6junctionでもかなり話題になっていましたね。

さて大友さんの漫画は、AKIRAから入り、その後初期の短編集に出会ってゾッコンになったクチ。『童夢』との出会いはもうトラウマに近い位のインパクトでした。

その漫画へのリスペクト度がずば抜けてとんでもなくて、もはや神様レベルなので、当時彼が参加したり監督した映像作品を観に行く時も、事前の期待・ハードル値がバク上がりしていました。その結果、『AKIRA』を除いては(というかAKIRAのおかげで更にハードルが上がり)殆どの作品で、およそガッカリして帰ってきた記憶ばかり笑。

今回1番の目的は『童夢』。

これまでスニークプレビューで上映されるのみで、ほぼ存在さえも知られていなかった、大友氏自身が監督する7分20秒のパイロットフィルム。10年前の制作なのでCGにしてもなんにしても今観ちゃうときっと厳しいし、あまり期待しないでおこう…と思っていたのですが(とは言いながら寸前で原作を読み直し気持ちはアガっていたのだけど)思ったよりずっと引き込まれました。これ、予算も手間も相当頑張ってるよね?という印象。

短いパイロットフィルムなので、選ばれるシーンによってはティーザー的な内容かも?と予期していたのだけど、なんとあのマンション上下逆の名シーンが入っていて!これは皆びっくりしたと思う。

そして全編通してチョウさんの不気味さが実写ならではの演出で伝わってきました。主役の女の子は後ろ姿のみ。この作品って、ある意味刑事たちが主役だと思うのだけど、彼らを匂わせる雰囲気も良かった。一部爆発シーンもあって、出来も想像よりずっと良かった。

原作のモデルとした団地はロケの許可が取れず他の団地を使っているそうなんですが、あの大きな団地の不穏な感じ、エレベーターなんかを効果的に使って、かなりゾクゾクさせられました。ちなみにあの世界イチ有名な「壁ドンッ!」シーンはありません。

上映後のトークは『老人Z』の北久保弘之監督と一緒に藤津亮太氏の司会で、1時間以上にも渡る長いものでした。北久保監督の「職業監督ぶり」エピソードにかなり長い時間が割かれて、これが業界裏話的に面白い。くりぃむレモンとかやってたんですね。

大友さんは自作についてはあまり語りたくない笑とのことでしたが、童夢についてはその端々から、かなり予算的にも内容的にも当時最大限頑張ってらした様子が伝わってきました。

あと大友氏の映像への関わり方(自作以外含む)が時系列で知れて、これはきっと大友全集とかにまとまるのかも知れないですけど、今までおよそ知らなかった内容で非常に興味深く聴けました。



ところでこういう業界トーク、たとえ客層がマニアックだとしても、聞き取れないような単語、専門用語、説明無しの個人名、通称・愛称などはできるだけ司会が補足すべきですよね。藤津氏はもうなんか「そういうトーク」の空気になってて、そう、空気感はとてもいいのですけど、少し残念。(ラジオ出演いつも楽しく拝聴しています!)
場合によっては、この補足説明だけでトークの満足度ってすごく上がったりするじゃないすか。自分の時も顧みなきゃと思いました。

新潟国際アニメーション映画際、こんなに素晴らしいラインナップにもかかわらず、コンペ作品が1つも観れなかった…。スケジュール的に無理。これでもいっぱいいっぱい。
できればもう少し、長期間かけてできればいいんでしょうけど、回を重ねて少しずつ、なんでしょうね。

19日の永野護トーク後の呑み会では「サンライズロボットアニメ特集、見たいよね」でもやるなら多分、自分達がやんなきゃなんだな、とか話してました。そういう歳だし。次回以降、何かご縁あれば!

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