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娘近況2011年7月

長女4歳半。文字は自分や家族、友人の名前くらいは分かる。絵本の文章などはまだ全然読めない。友達に手紙を書くのがブーム。「『○○ちゃんへ』って書いて」と毎回見本を要求して、その通りに書くのだが相変わらず時計回りやらジグザグやら、タダでは書かない。

昨日つまらないことで怒って、そのせいで泣きながら俺に向かって言ったセリフ。

「あなたのせいで涙がとまらないの!」

ええ!
今まで「ととさま」「ととさん」としか呼ばれたことないのに!いきなり「あなた」って!

あとわが家は家族全員で一つの場所に寝ていて、だから両親が読む本を娘も読んでいる(文字は読めない)。今までで娘の一番お気に入りの両親本は『榎本俊二のカリスマ育児』。家族が出てくるのがとにかくお気に入りだ。他にはきれいなおねえちゃんが出てくるもの。『JIN』の野風とか花魁も大好き。

こないだ、よしながふみ『大奥』の新刊が出た。先に妻が読み、後から俺が読み始めて、その最中での会話。
俺「今回の大奥さぁ、まだ途中なんだけど、かなりつらいな。」
妻「ああ、江島のこと?」
俺「そうそう、あれ。悲し過ぎる」
娘「毛がもじゃもじゃなんだよね」
俺・妻「ええ!!!!!」

「江島」というのは『大奥』最新刊に出てくる登場人物で、極端に毛深く、そのせいで女性に嫌われていたが…というストーリーがあるのだが、『大奥』を娘に読ませてやったことは勿論ない(普通ないだろう…)文字が読めない娘が、なぜ「江島」のことを話しているんだと分かったのか。

あなどれない。

気にしているのはそこじゃない。

放射線・放射性物質による影響について。

学習院大学教授:田崎晴明氏による「放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説
を読んでの感想です。

放射線による影響でガンになる危険、その「確率的影響」なる理屈については、多くの方々が実に分かりやすい解説を書いていただいたおかげで、それなりに私も理解しているつもりです。おそらく311がなかったとしても、自分はほぼガンで死んでいたと思う。分かりやすいガン家系でもあります。

その、
「ガンになる確率」
「ガンにかかって、さらにそれが理由で死ぬ確率」
がそれぞれ0.5%やら1%やら上がったところで、私個人は、自分自身(いいとこ妻も含めて)正直あまり気になりません。
ここでいう「気にしない人たち」に入ると思います。

だけど今気にしているのは別の問題です。

1)子供〜乳幼児〜胎児に与える影響。
2)それが外部被爆ではなく内部被爆であった場合の影響
3)自分の子供たちが産むであろう、次世代の子供達への影響。
4)特に、ガン以外の遺伝子障害が生まれてくる子供に現れていることについて
5)低線量被爆を何年か浴びた場合の影響。

言っちゃえば、大人のことは二の次だと私達は思っています。問題は子供です。

1)は大きいことは明らかですが、その度合いが例えば胎児・乳幼児の場合にどうなるのか。もしくは3の生まれる前の女性の子宮に対しての影響がどうなのか。
2)には各論あるようですが、影響の大きさの度合いは不明。
3)と4)は有名なベラルーシの病院で、今まさに生まれ続けている、多くの障害を持った子供達の例があります。(ホットスポットのある村では出生児の8割に障害があると岩上安身さんの取材で出ているようです。田中優さんの講演でもイタリアNPOにより運営されているベラルーシの病院のVTRが紹介されました。「通常は隠される筈のこのような事態が、国の貧困さ故に外部に流出している」と現地の医者が漏らしていました。)
チェルノブイリとは飛散した核種が違うので、与える影響も違うかも知れません。
だけど、それは未だ誰にも分からないこと
5)も、これまでにデータを取れるほどの母数がなく、未だ誰にも分からないこと

以上が、私達夫婦が気にしていることです。

これらの、一番気になっていることに対して、

たとえば内部被爆に関して

ただし、少なくとも(日本政府や IAEA や ICRPが示している)「公式の計算法」にしたがうと、内部被ばくの効果はずっと小さいようだ。 食べ物や飲み物を通しての内部被ばくの影響も、ぼくには計算できない。

fromでは、実際にどれくらいの被ばくがあるのか?

で終わらせたりだとか、
ガン以外の遺伝子に与える障害の「可能性」についてさえもまったく言及されていない、
ことだとか。

こんな文章で
「できるだけ短くてわかりやすくて正確な解説」
と言われても、
「はい確かにそうかも知れませんが、私達の不安を少なくする、何の助けにもなりません」
とつぶやくしかない。

「気にする・気にしない」で分けるというのは、確かに一利あるかも知れません。
だけど私はこう思う。

これまで例の無かったことに対して、

●後で「ああ、あの時せめてこうしていれば…」と後悔するのがイヤな人
と、
●後のことはしょうがない。今を気楽に生きることの方がよほど大切。気にして病んだら本末転倒

と思う人の違いではないでしょうか。

私は、子供に影響が出る「可能性」に関して、無関心ではいられません。

仕事をさせろ。

山形浩生氏HP「最近の噂」より引用

Voice の感想ついでに言うなら、復興の財源だのマクロ経済だのの話も、本来なら単純きわまる話なんだよね。日常なら、なんか公共投資の経済性とか、EIRRにFIRRをぼくみたいなコンサルに依頼して計算させたほうがいいわけだ。昔ぼくが、小野義康との議論であれこれ言ってた、失業者をなんでもいいから使えばいいのか、それとも効率いい投資をすべきか、なんている議論の余地もあった。でも、いまは話がちがう。ほとんどの人がある程度はもう事業を営んでいて、追加で出す金が追加の効果を出すかどうかわからないという状況とは話がちがう。仕事する気があって技能もある人がいっぱい仕事にあぶれてる状況だろ? 何やったって成果は出るんだって。

  • インフラを再生すれば(特にある程度人のいるところでやれば)確実に使われるし、いま避難所ですることなくてくすぶってる被災者が確実に生産活動に従事するようになる。絶対にお得だからインフラに投資しようぜ。
  • そういう人たちが店を作り直したり新しく船や工具なんか買ったりする資金を提供すれば、その人たちは確実に生産活動に従事するようになる。絶対に見返りあるから、融資してあげようぜ。
  • もしならなくったって、その人たちがそのお金を(キャバクラだろうと宴会だろうとパチンコだろうと)使えば地元の経済が潤うから絶対お得。四の五の言わずに出そうぜ。

話はこんだけなので、とにかく金出せや。財源は増税か国債か? うるせえなあ、速いほうでやればいいんだよ! 税金なんて集まるのは来年になるんだから、今はまず国債だろ。後代にツケを残す? いま避難所で淀んでる人たちがそのまま腐って年金や失業保険の受給者になるほうが、よっぽど負担で将来のツケだろ。ツケにもいろいろあるが、これはどう見てもむしろ後代にツケを残さないための借金。ホント、国債の額面だけ見てツケだ借金だと騒いでほしくないよな。そういうこと言うヤツは、「どうせ東北の被災者なんて金貸しても復興なんかしないで腐るだけ」と言ってるに等しい。東北への投資が、いまの国債金利程度(つまりほぼゼロ)の見返りすらないと思ってるわけだ。バカにしてると思わない? 東北が力強く再生だの復活だのって、ホントに信じてるなら、いますぐ国債発行してお金作って投資すべきなんだ。ぼくはそれを信じてるからこそ、復興支援の義援金をいっぱい出してるんだぞ。第二次大戦後、ピエロ・スラッファは「日本がこのまま潰れるわけない」と日本国債買いあさって大もうけしたんだって。これやろうよ。今更チマチマ義援金集めるくらいなら、東北復興債出してみんなに買ってもらえば? がんがん買うぜ?

(2011/5/16, id)

自分達と同じく役立たずだと思うなよ?バカにすんな。

1000円で髪を切ってみた

初めて、流行りの「1000円散髪屋」に行ってみた。

行く前の勝手な思い込みでは「1000円分までしかサービスをしないお店」だったのだけど、行って見たら違うことが分かった。

「できるだけのサービスをして、それでも1000円レベルに収まる店」だった。

●シャンプー台はない
●インテリアにかけるお金も最低限
●USENさえない
●技術は勿論ない(髪は通常濡らしさえしない)

この中で、それなりにできることをやってる印象。愛想も勿論悪くない。
これなら、アリだなと。気分的には許せるな。需要と供給が一致すれば良いんじゃない?と思えた。「髪切ったことあるよ?」と言ってる従兄弟のあんちゃんに切ってもらってるかんじかな。

さて、オレの求める基準までは満たされたかといえば…。まぁいいかなと。帰ってからかなり自分でも切りましたけど(笑)。
要は使い方だと思います。自分でことこまかに指示してあげればね。それなりになるんじゃないかな。

おとこの趣味

最近絵描きもモノづくりも大ブームな娘。


なのでこんなのがやたら貼られてる。うさぎ?犬?が小屋に入ってるのだな。

 

 


ん?その下に小さな何やらが貼ってあるぞ?

 

 


なんだ?

 

 

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こどものめ

最近自分の名前をちゃんとかける…かと思いきや逆さに描いたりする。

例えば手紙を書きたいというので相方が見本を書くとする。「○○ちゃんこの間はありがとう」「○○ちゃん一緒にえんそくいこうね」

この文字を、何故か時計回り気味にバラバラ配置したりするので驚きだ。

前にも、人の顔を逆さから描いてるのを見て驚愕したことがある。普通に逆から見た絵をすいすい描いてくのね。子供のカンカクって面白い。

あと小さい子って右左がクロスして逆に見えちゃうんだってね。靴の左右を良く間違う(というかそれが正しいと思ってる)のはそのせいもあるのだとか。

こうゆうひとつひとつがいとおしい。おねがい大きくならないで。

そのままでいて欲しい言いまつがいの例

「加島屋」→「かしやま」
「♪ずっと好きだったんだぜ〜」→「あい・か・ら・わず綺麗だな〜」

脱原発への…ああおれたちなにをしていたのだろう

今まで日本が何をしてきて、私達は何を知らなかったか。ポイントポイントで聞いた事はあったしそのたびに「ひどいなぁ」とは思っていたけど、これだけ隠されていたということに関して本当に驚くし、理路整然とまとめられると、本当にお金のためとは言えなぜこんなことがまかり通っていたのかと思う。以前引用した内田さんの言う、

「原子力というのはね、あれは金になるんだよ」
そう言われ、自分でもそう言い聞かせているうちに、原子力という「人外」のものに対する恐怖心が抑制されたのである。
なんだ、そうなのか。あれはただの金づるなのか。なんだ、そうか。そうなら怖いことなんか、ありゃしない。ははは。ただの金儲けの道具なんだ、原子力って。
全員がそういう語り口を採用したのである。
(中略)
どうして原子力のような危険なものを、こんなふうに「雑に」扱うのだろう・・・と海外の原子力研究者は頭を抱えたはずである。
そこまでして「コストカット」したかったのか?日本人は命より金が大事なのか?
もちろんそうではない。話は逆なのだ。
あまりに怖かったので、「あれは金儲けの道具にすぎない」という嘘を採用したのである。
原発の設備をあれほど粗雑に作ったのは、原子力に対する恐怖心をそうやってごまかそうとしたからなのである。

という理由くらいしか、当てはまらないと思う。

今見るべき動画です。

参議院USTREAM中継
脱原発への道 1/2

Video streaming by Ustream

参議院USTREAM中継
脱原発への道 2/2

Video streaming by Ustream

公開で原発推進記事を募集しています。お金出します。

政府が原発推進記事を募集してるよ!お金を出してくれるヨ!

原発の事故で、まだまだ世の中が騒然としているこのときに、国民の目を欺こうとこんな募集が行われています。
募集しているのは、財団法人日本立地センター。
 http://www.jilc.or.jp/index.html

募集の内容は、経済産業省資源エネルギー庁の委託事業で、地域のフリーペーパーやタウン誌などを発行している企業に、「福島第一原子力発電所事故による風評被害対策と放射線に関する理解促進」を目的とした企画の募集です。

要は、紙面の実質的な買い取りによる政府広報です。しかも、この場合、「政府」というのは、決して、今の民主党菅直人首相の下の政権という意味ではなく、「経済産業省資源エネルギー庁」という名の「政府」なのですね。

エネルギー政策の行方について、これから国民的な議論をしていこうという、そのときに、推進派の立場で、紙面を作ることを要請されるのだと思いますね。もともと、こういう紙面を私たちは、いかにもそのメディアが自主的に作成したかのごとく読まされてきたのですが、こういうときにやるかよ!ということです。

いやいや、反対派の意見も入れてもいいですよ、というなら、いろいろと主張のあるタウン誌さんたち、ぜひ、そういう企画で応募してみてください。国民に正しい「風評被害対策と放射線に関する理解促進」を伝える企画なら、いくらでも作れますからね。そして、もし、タウン誌の方々が、ジャーナリズムの端っこで飯を食っているという自覚があるのなら、お金をいただかなくても、そういうことを毅然としてやっていただきたいものです。

また、今まで、そういうお金をいただいてきたというのならば、この際ですから、福島の原発事故についての共犯者としての反省の上に、新しい紙面をつくられることをオススメします。いやいや、ジャーナリズムなんて、もちろん考えていませんよ、という方は、紙面販売業として頑張ってください。

それにしても、天下りのたくさんいそうな財団ですねえ。こんな仕事で飯が食えるんだから、うらやましい。

今まで、原子力発電所の立地についてしてきた仕事の反省というところから、仕事をスタートしていただきたいですね。

「最近では、エネルギー・原子力の理解促進活動を行っているNPO等団体への支援」も行っているようです。

「脱原発の理路:内田樹の研究室」

私は主観的には脱原発に賛成である。

そして、たぶん日本はこれから脱原発以外に選択肢がないだろうという客観的な見通しを持っている。

けれども、その「適切な政治的選択」を私たち日本国民は主体的に決定したわけではない。

このような決定的な国策の転換でさえも、アメリカの指示がなければ実行できない、私たちはそういう国の国民なのではないかという「疑い」を持ち続けることが重要ではないかと申し上げているのである。

引用元: 脱原発の理路 内田樹の研究室.

全文は引用元を是非お読みください。浜岡原発停止の「そりゃーもっともとだわ」な理由。しかし今回の原発事故を機に記者クラブ制度がどーにか…ならんのかなぁ。ならんのだろうなぁ。やっしーも一度敗れ去ったし。やっしーでもできなかったんだよなぁ…。

※それでも岩上安身さんのような活動が常にオンタイムで見れるのは「Twitter以後」の大いなるメリットである。

私の反省

(中略)以前、原発を取材した折(『からくり民主主義』)、耐震設計や老朽化という点で原発は非常に危険だと知り、その日常性について書かせていただきました。しかしすでに原発はあり、稼働している。一基あれば二基、三基あるものも同じことという論理で次々と増設されていく。地元で反対運動などがあっても、それは「住民は不安を抱えている」というアリバイとして機能し、むしろ誘致を支える安全弁のような役割を果たしていました。人間は既成事実に弱い。私もそうでしたが、そこに「ある」ものは日常として受け入れてしまう。今回の事故はその弱さが露呈した大惨事で、これから必要なのは「生きる」ということに対する知性だと思います。被災された方々に「頑張れ」と言うのではなく、被災をまぬがれた人間が頑張らなくてはいけない。

高橋秀実「アンケート 作家たちの『あの時』と『今、思うこと』」en-taxi vol.32

二次災害というべき原発事故について、原発をめぐる政財官の癒着構造や東電の隠蔽体質、手抜き工事、データ改竄、原発ジプシーと呼ばれる下請け労働者の存在など、現在指摘されている原発にまつわる問題の多くを、私を含めた多くの人が以前から知っていたはずだ。だが二項対立的な反対運動に身を投じることにはためらいを覚え、その危うい電力に依拠した都市生活を享受してきた。東電や政府を非難する前に、私はまずこの事実を恥じ、謝罪したい。
失われたコミュニティ、さらに未来の世代に至るまで払い続けなければならない代償はあまりにも大きいが、死者から与えられた「日本社会のあり方を根本的に変える機会」を無駄にしないことが、唯一の償いだと考えている。

※改行:shiro
橋本麻里「アンケート 作家たちの『あの時』と『今、思うこと』」en-taxi vol.32

まったく同感です。自分はいつも言葉に救われて、言葉によって方向性を見い出し、生きる明るさと拠り所を得る人間です。今後も震災に関して「いつでも見直せるようにしておきたい」言葉を引用させていただきます。

子供の書く絵

自分の子供が描く絵、というモノがどうしてこんなに嬉しいのか。嬉々として飾っちゃったりしてるのは何故か。関係ない人から観たらちょっと奇異というか、まぁ単なる「親ばか」で済まされる話なのかも知れないですけども。

ええと、アレなんですよ。この気持ちを突き詰めていくと恐らく、絵の出来栄え云々の理由ではないんです。
自分達が産んだ子供が、初めて絵を描くというのは、要するに「再生産」が始まったということなんです。それまでも自分達が産んだ子供を可愛い可愛いゆって育ててるんですけども、それはあくまで「赤ちゃん」。その赤ちゃんが筆を持って段ボールのオブジェやら意味のある絵を描き始めると、つまりそれは再生産が始まった瞬間ということなんです。モノを「生む」生物を自分達は産んだんだ。綿々と続く世代のリレーを、今、繋いだのだ。とその時初めて実感するから、なんだろうと思うのですね。とても感動します。とっても。

ええ、親ばか言い訳シリーズその1ですけれども。

TPPが心配です。

昨日、浜岡原発の停止が決まったようです。勿論額面通り受け取れることばかりではないですが、歴史的な1日。まずは喜ぼう。
そして同時に心配な6月のTPP加盟の問題。これまでの歴史だとこういうバヤイはほぼ確定(参加)みたいだし。日本の食を、そしてすべての経済活動をがたがたにしてしまうだろう。

(管首相の「開国」宣言について)そもそも、日本は十分に開かれている。たとえば、日本の全品目の平均関税率は、韓国は勿論アメリカよりも低い。それどころか、農産物に限定しても、日本は各国やEUより平均関税率が低い。むしろ、日本の食料自給率の低さを考えると、「国を開き過ぎだ」という批判すらあってもおかしくないほどである。

それにもかかわらず「開国する」というからには論理必然的に関税以外の障壁、いわゆる「非関税障壁」を撤廃して対外開放を進めようということになるだろう。
(中略)
これは、関税の撤廃よりも深刻な自体をもたらす恐れがある。なぜなら、「非関税障壁」とは、社会的規制、安全規制、取引慣行、果ては言語や文化まで、外国企業が日本市場に参入する歳に面倒だと思うものすべてが含まれうる概念だからである。

『季刊地域 No.5』〜自ら進んで国内制度、文化を破壊する「開国の精神」〜中野剛志

原発への不安と、どう折り合いをつけてきたか。

何故あんなモノが、誰が考えてもおかしい仕組みが、これまで成り立っていたのか。
内田樹氏の説明は非常に腑に落ちた。

神仏習合以来、日本人は外来の「恐るべきもの」を手近にある「具体的な存在者」と同一視したり、混同したり、アマルガムを作ったりして、「現実になじませる」という手法を採ってきた。

一神教圏で人々が「恐るべきもの」を隔離し、不可蝕のものとして敬するというかたちで身を守るのに対し、日本人は「恐るべきもの」を「あまり畏れなくていいもの」と化学的に結合させ、こてこてと装飾し、なじみのデザインで彩色し、「恐るべきものだか、あまり恐れなくもいいものだか、よくわかんない」状態のものに仕上げてしまうというかたちで自分を守る。

日本人は原子力に対してまず「金」をまぶしてみせた。

これでいきなり「荒ぶる神」は滑稽なほどに通俗化した。

「原子力は金になりまっせ」
という下卑たワーディングは、日本人の卑俗さを表しているというよりは、日本人の「恐怖」のねじくれた表象だと思った方がいい。
日本人は「あ、それは金の話なのか」と思うと「ほっとする」のである。

金の話なら、マネージ可能、コントロール可能だからだ。
なんでも金の話にする人間というのがいるけれど、あれは別に人並み外れて強欲なのではなく(そういう面もあるが)、むしろ人並み外れて「恐怖心が強い」人間なのではないかと思う。

(中略)

どういうロジックで行動するのか見えない人間に対して恐怖を感じると、彼らは「それもこれも、結局は金が欲しいからなんだよ」という(自分でもあまり信じていない)説明で心を落ち着かせるのである。

その手を日本人は原子力相手に使った。
「原子力というのはね、あれは金になるんだよ」
そう言われ、自分でもそう言い聞かせているうちに、原子力という「人外」のものに対する恐怖心が抑制されたのである。
なんだ、そうなのか。あれはただの金づるなのか。なんだ、そうか。そうなら怖いことなんか、ありゃしない。ははは。ただの金儲けの道具なんだ、原子力って。
全員がそういう語り口を採用したのである。

(中略)

福島原発のふざけた書き割りを見たヨーロッパやアメリカの原発関係者はかなり衝撃を受けたのではないかと思う。
その施設の老朽ぶりや、コストの安さや、安全設備の手抜きに心底驚愕したのではないかと思う。
どうして原子力のような危険なものを、こんなふうに「雑に」扱うのだろう・・・と海外の原子力研究者は頭を抱えたはずである。
そこまでして「コストカット」したかったのか?日本人は命より金が大事なのか?
もちろんそうではない。話は逆なのだ。
あまりに怖かったので、「あれは金儲けの道具にすぎない」という嘘を採用したのである。
原発の設備をあれほど粗雑に作ったのは、原子力に対する恐怖心をそうやってごまかそうとしたからなのである。

卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ

小島慶子『キラ☆キラ』で紹介された、震災で卒業式が中止になった立教新座高校の校長先生が卒業生に向けてホームページに掲載したメッセージ。サブ情報として『キラ☆キラ』では、この学校がいわゆる私立エスカレーター式の、比較的裕福な家庭の生徒が多い高校であることであること、それ故の意味の深さについても小島アナが言及していた。

全く同感だ。私の思う「大学時代」の意義を、これだけ明確に(しかも教育者側の人間が)表現しているのを初めて見れた気がする。そしてさらに付記するなら、都会っ子大学ではない全国規模の話で言うなら「自分の生まれ育った土地から離れた場所で」自分の管理する時間を過ごすことだ、と加えたい。将来高校生になった娘に、読ませたいので全文転載する。

元のページ:「卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ。(校長メッセージ)

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Do you have a Honda? CMまとめ

宮崎あおいがブルーハーツを唄うCMを見て、ブルーハーツのCMといえばコレでしょう!と「Do you have a Honda?」のCMを久しぶりに調べました。「日曜日の使者」がテーマのこのCMはかなりの種類があるんだけど、あきらかに後半期は「燃え度」が下がっていて、shiroが好きなのは以下の6本です。

実は当時このCMがホントに泣けるほど好きで、なんとかDVDとかもらえないもんかとか色々調べたんですけど。ないのね。ノベルティグッズでも出せば良いのに。
ライツ関係よく分かりませんが、CMとか曲のプロモビデオとかさ、宣伝のために作られた物を入手しようと思う時に、なんでこんなに苦労するの?って思うね。じゃんじゃんDVDとか配ったらえらくイイ宣伝になるだろうにさ。WEB上の動画も削除されたり、残ってても解像度めちゃ低。う〜ん。
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Twitterの楽しみ方

Twitterをいつから始めたのかハッキリと分からないんですが、おそらく4〜5ヶ月前ってトコロでしょうか。最近、周りでも始める人が増えてきて「何したら良いのか分からな〜い」という声が聞こえてくるので、この4〜5ヶ月の経験で分かったことを書いておこうと思います。
(追記:最近Twitterの登録日が分かったのですが、2008年4月でした(笑))

あくまで現時点でのお話なので、何ヶ月後には全然違うこと言ってる可能性もありますが、そこは何卒ご容赦を。mixiからかなり離れてしまった自分としては、このTwitterも「いつか急に『もうイイや』になっちゃうんだろうな」と思いながら続けています。今は、ね。

「Twitterの楽しみ方」などで検索すれば、同様の記事はワンサカ出てきますのでそちらもご覧ください。以下の記事は、あくまで「フォロワー50人程度、ライトユーザーのshiroの場合」の意見を、知り合いの初心者に向けて書いたものです。
webのことは大して詳しくもないので間違いなどあったらごめんなさい。

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島本先生ラブ

以前リンクで紹介したけど、何回読んでも好きなので引用。島本和彦先生のラジオがなくなったのが本当に残念。ぜひpodcastで復活して欲しい(以前の本放送は北海道だったので)。正月に1回放送したらしいんだけどpodcastやらなかったんです。残念。

羽海野
炎尾先生って、誰かに相談されると一緒に悩んじゃって、悩んでいる過程もダダ漏れで。最後に出す結論が正しいかわからないけど、やっぱりいいんですよ。こんなに正直にマンガを描いて、みっともないくらいオロオロしてるのにかっこいい。「私はこういうマンガ家になりたい」と思うし、あのおかげでアシスタントさんに対する接し方が楽になりました。弱音吐いてみたり、逃げちゃったり、「怖くてもいいんだ、先生」って。

志村
塀内夏子さんのマンガ指南書みたいな本があって、私、それが大好きなんですけど……。

羽海野
私も買ってみます。

志村
そのなかでも、島本先生との対談というか、会ったときの話が書かれてるんですよ。で、島本先生は「私を炎尾君と同一人物と思わないでください」って言うんですけど、編集というかマネージャーをされてる方が「いえ、ほぼ一緒と考えて結構です。そのまんまです」って、すごく冷静に言う(笑)。

羽海野
私もそう思います。

志村
やっぱりそうなんですね(笑)。

羽海野
これ、ちょっと自慢なんですけど。島本先生がメールを下さるときに、まず「羽海野! 元気か?」って書かれてて。で、ダーッとスペースが入って「よーし、いい返事だ!」って書いてあるんですよ(笑)。

志村
かわいい!

羽海野
もう「大好き!」って。本物の炎尾先生だなあって思います。ああいう先生になりたいな。

志村
なりたいです。

フジテレビ『青い花』公式サイト・羽海野チカ×志村貴子スペシャルトークより(太字shiro)

町山智浩-新井英樹対談を聴く

こんなん買っちゃいました。
町山智浩の、漫画師に訊け!新井英樹の巻(全巻セット¥1,100)』
価格分の価値があるかどうかと言われれば、同額の書籍を読む時間と対比すると考えると「ない」と思うし、中身から受けるカタルシスやレア度から言うとかなり「アリ」ですね。

自分は新井英樹の著作を殆ど持っていますし、その全部を二度以上読んでいます。だけど彼の作品は、本来自分の趣味とは対極の世界。普段見たくない世間のイヤな所、人間のイヤな所、殺人、いじめ、不条理、抵抗できない権力や絶対的な暴力、考えるとホントどうしようもなく、答えを出したくないような問題について、イヤでも考えさせられる。最低の世界が全開のマンガです。

でもね、読んでしまう。彼の著作には魅力がある。他の凡百な青年誌アリガチ暴力グロセックスマンガとは違います。要するに「怖い物見たさ」で見てるのではないんです。そこには本当のリアルがある。

例えば『ザ・ワールド・イズ・マイン』では、出た直後に惨殺され、その後一切出てこないような脇役にもすべて「命」を感じます。殺される前の日常描写が異様に執着を持って描かれているからです。それこそこの箇所だけでも、他の追随を許さないくらいに。セリフの1つ1つ、表情、服装、エピソードまでもが、その殺される人を表わすために描かれます。

もちろん主役級に関しては言わずもがな。ああ、こんな人いるよな。でも普通マンガで書かないよな、何故なら楽しくないから(笑)ってキャラクターも沢山出てきます。

これらのこだわりが新井マンガの魅力だと思うのですが、インタビューではその裏の意図について、どういう気持ちで書かれたかについてが、本人によって語られています。

何より意外だったのが、新井氏が弁が立つこと(笑)。町田氏のラジオをそんなに聞き込んでる訳でもないshiroにとっては、最初町田氏と判別が付かない位に、ちゃんとしゃべる。「そのように書いた意図」ってゆうのは、話したがらない漫画家もいる訳じゃないですか。しかし彼はちゃんと理論立てて、しゃべることができる。すごい。

個人的には『宮本より君へ』の話題があんなに聴けたのが意外ですっごく嬉しかった。あの衝撃のラストは実は○○○によるものだと分かったり。『ザ・ワールド・イズ…』と『キーチ!』の比較だとか、それによる『キーチ!vs』の今後の展開だとかの話も、まずここでしか聞けないんじゃない?裕木奈江擁護論だとか、あの人のモデルが高田純次だとかって話は笑い転げるほどウケた。

で、町田さんの解説がウマイじゃないですか。ファンが聴いててカタルシスを感じるツボを分かってて、誘導してる気がする。それに新井さんもちゃんと答えてる。いやーこの人には、もっとしゃべって欲しいなぁ。なんてゆうんだろう、下手したら軽くなりがちだったり端折らなければならなかったりするヒトや世間の「本質」的な話ね、そういうのがすらすらと出てくるのがすごい対談ですよ。

これは絶対活字よりも音声の方が面白いね。イイ企画でした。
新井英樹ファン限定ですが、オススメです。

関連記事
新井英樹ブーム
キーチ!ショックとパーム最新刊の製版

TV版『JIN』

TVドラマ版『JIN』が終わった。といってもまだまだ続きを予感させる終わり方だけど。
近年まれにみるマンガ原作・TVドラマ化の成功例だったと思う。毎週楽しみだった。マンガはまだまだ続いていて終わる気配もないのだけど、そんな中でうまくプロットを取捨選択してTVのクールに収めている。脚本が本当に良い。終わり方も好きだ。

中谷美紀と武田鉄矢の存在が大きかった。特に中谷美紀はこのドラマ成功の立て役者だろうな。他にもいい働きをしてた脇役がいっぱいいた。予算がちゃんとついてるのか、小道具や美術もTVドラマにしては見事。NHKの連ドラよりもずっとちゃんとしてるんじゃないか。あの時代での医療器具も、ちゃんと考証されてるのが伝わってきたし、出来もよかった。

原作も大好きで当初からずっと読んでるけど、これはある意味原作を超えたと言えるね。坂本龍馬とタイムリープの関わりなどは全然原作にない話だけど、引き込まれる。

もし続編が映画になるんだったら、これは楽しみだね。

クリスマス

昨晩帰ったら、相方に「英語で『キミのお父さんのコーヒーをもらったよ』って書いて」って言われて。何かと思ったらツリーとプレゼントの横に飲み終わったコーヒーカップが置いてある。他にも部屋には色々サンタさんの痕跡があり…。アンタそんなに凝り性だったんだ…。

いつまでもつか分かりませんが、とりあえず楽しかったムスメ3歳のクリスマスでした。
プレゼントは3歳でも遊べる簡単なボード?ゲームと絵本。絵本はイエスさま生誕もの。メリークリスマス。

ABOUT

1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。