カテゴリー: マイブーム

自主朝ドラ『あまちゃん』北三陸編・最終週

自主朝ドラ『あまちゃん』は
ついに北三陸編の最終週になってしまった。

EP71
夏ばっぱが、25年前のあの日のことを、春子に初めて謝る。
東京に行くという彼女をひきとめなかった自分。廻りの大人達を説得しなかった自分。

「すまなかったな春子
25年間
この通りだ。
許してけろ。」

深く頭を下げる夏ばっぱ。

多くの人が抱えている、親との問題。確執。無意識下の束縛。どうしても拭いきれない身体の中に染みこんでしまっている影響。

40代になっても50代になっても、時には親が亡くなっても解消ができず、知らずのうちに自分と他人との関係に問題が出てしまう、大変なこの親子問題を、あまちゃんでは親が生きている間に、これ以上ないという方法で昇華してくれる。

希望のある、夢だ。

謝った後、ばっぱは深く長い溜息をつき
「ふー……すっとしたー」
と呟く。

しばし沈黙の後
「あたしも、すっとした」
と春子。

二人の名演技、静かな演出に痺れる

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あまちゃんで毎話こんな感想をいちいち書いているとキリがなくて。

でも毎回書きたいと思いながら、次のクライマックス、次の名シーンがどんどん出て来て記録が追いつかない。

あと、
現役で観ている時は、どんなに面白くても「1日15分のドラマ」だったのだけど。

それが今や配信のおかげで
時には「1話1時間半のドラマ」になっちゃう。

自主「朝ドラ」なんて嘘。移動中に、多い時は1日で1週分は観ている。
(この頃は土曜もやっていて、1週6話ある)

クドカンの凄い脚本で詰め込むだけ詰め込まれた1時間半のドラマ。

今回の#自主朝ドラ は、「舞い上がれ!」の半分位で終わっちゃいそうだ。

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そして次のEP72は、『あまちゃん』の中でも間違いなくベスト3に入る回。

15分の中にクライマックスが4回訪れる。

1)北鉄に乗ったアキを見送る春子のセリフ。
「あんたは変わっていない。だけどみんなに好かれたね。みんなに好かれた。あんたじゃなくて、皆が変わったんだよ。自信を持ちなさい。それはね、案外すごいことなんだからね!」
この時の春子の表情!
あれから10年経ち、我が家も娘達のとの関係が変わる中で、また一層春子の気持ちを思い、泣けてしまう。

2)25年前の、春子の出発シーンの回想。
浜で大漁旗を振って春子を送る夏ばっぱ。25年間恨み続けたあの時のことを、今、勉さんの告白によって春子が知る。
前71話で和解したその次の回で、畳みかけるようにこれだから…

3)現在。アキの旅立ち。
また車掌に話しかけられ、あやうく同じことの繰り返しになりそうなところを、他の乗客に救われる。
夏ばっぱの見送りと、その思いを存分に受け取るアキ。
春子の思いも、春子ができなかったことも、1つ1つ実現していくアキ。メインテーマ曲が鳴り響く。

4)間髪入れず、ユイの父が倒れ一緒に行けないという衝撃の展開。
観ているこっちの気持ちはもう大波のように揺れ揺れ。

2人を隔てる北鉄のドア。たたみかける哀愁のBGM。絶叫しながら電車にすがりつき見送るユイ。呆然として見るアキ。電車はアキ一人だけを乗せて、出発する。

そして次回。東京編へ「つづく」。
ここまでが15分の1話。


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当時以上に大号泣の、北三陸編最終週でした。
毎日毎日、名優たちの虜になっています。

自主朝ドラのススメ:『おかえりモネ』

ちむがこりゃあかん、となった3週目以降、NHKオンデマンドで毎日朝に1話再見するという「#自主朝ドラ」を始めていた。第一弾は『おかえりモネ』。

1日1話という縛りはあっという間に破られ、ガマンできず1日2話3話と観ていたら、ちむに先立つこと2週間以上前に終わってしまった…。

ハマった朝ドラをリアルタイムで1日何回も観たことはあったけど、完結後に時間をおいてすべてを見返す、というのは初めての体験だった。

その結果…
自主朝ドラは楽しい!良いドラマは毎日の活力になるばかりか、2回観るとさらに感動できることが分かった。
そして1回目以上に、おれの中には安達奈緒子さん(脚本)への絶大なる信頼、高木正勝さん(劇伴)への限りないリスペクトが生まれたのだった…。

最高です。『おかえりモネ』は、「あなたのベスト朝ドラ3」みたいなよく有るトピックには入りにくい。他と比べにくい朝ドラだったと思う。でも2回目見返して、自分にとってはある意味1位なんじゃないかと思っている。中でも脚本かな…。

今は第二弾の『あまちゃん』が始まっている。言わずと知れたそれこそ文句無しに「朝ドラ歴代1位」に燦然と輝くアレ。この半年生き延びることは保障されたと言っていいだろう。

(すごく良いシーンで弟がエキストラでちょこまか出てきて気になるのがマジ難点…)

そして新しいやつ始まってたの忘れてた…。

「自主朝ドラ」はじめました。『おかえりモネ』

先週から始めた「自主朝ドラ」おかえりモネ。

毎日のようにサントラ聴いてるのでいっそ、と思って始めたら、これが想像以上にメンタル的に良い。もっと早く始めれば良かった。

脚本の安達奈緒子さん本当にすごい。あーちゃんとした朝ドラってこうだったよね…毎日こんな気持ちだったよね…って相当久しぶりに思い出した。菅波先生だけは未だ「ツン」のサブキャラ的存在だけど。

でも1〜2週目のうちから、最後のクライマックスに繋がるプロットがバリバリに入っていて、見直す身としては全然序盤感がないのすごい。ひたすら細かく長くだらだら続くドラマではなく、巨大なひとつながりの物語というイメージ。

そして高木正勝氏の劇伴ね…。ほんと最高です。できるだけゆっくり見ていこう(難しいのだけど)。

『おちょやん』フィナーレ

この数週間のおちょやん、最高だったな。
毎日毎日、一瞬たりとも目が離せなかった。

超ハードな朝ドラのヒロイン。演じた女優さんは、途中で病気寸前て位にやられちゃうか、最後までノリノリで「終わらないで〜」って感じでこなしていく人か、半々くらいのように思うけど、杉咲花は後者だったよう。

ちよの啖呵が大好きだった。

このドラマの脚本、言うべき時に、言うべきことを、ちゃんと言っているから信頼できた。途中までどんなにイライラしても、最後そこだけしっかり押さえられていればいい。ちよのおかげで朝からスッキリできた。

杉咲は東京出身で、道頓堀弁をすべてドラマのために覚えたと聞き、驚愕。ほんとに役者ってすごいなぁ。

「子ちよ」の毎田暖乃(のの)ちゃん。最初の子供期が終わる時も本当に名残惜しかったけど、春子として再登場してからの変わりっぷりも、可愛くて可愛くて…。最終回の「もしも二人が別れていなかったら、大切な子達に逢えなかった」で抜かれる彼女。嗚咽…(ノД`)・゜・。

モデルになった人物達とは全然違うのだろうけど、不倫の子と親、新しく迎えた養子、いずれにも温かい目線と人生の見方を提示したこの1週間、見事なフィナーレでした。

今作は劇中劇がちゃんとドラマを盛り上げているのがすごかった。日本のTVドラマ、「劇中劇」とか「劇中作品」とか、ほぼそこでガッカリするから薄目で見ていなきゃいけないことが多いのだけど、おちょやんではちゃんとドラマと連動して盛り上げていて、笑わせ、泣かされた。

喜劇だよ?役者や演出陣にとってなんとハードルが高かったことだろうと思う。ドラマを成立させた上に、劇中劇で笑わせないといけないなんて。よくまぁこのクオリティでできたもんだ。

編集も好きだった。二人の会話を写す時に、カットバックせずに一人の表情を映し続けるのとか、カット尻がちゃんと意味を持って長いところとか。一瞬抜かれるセリフ無しの表情とか、その1インサートが、すごく印象深いの。

FOR座RESTやHello!BOOKSでお馴染みのチャンキーさん犬んこさんがOPをやったのも嬉しかったね!

山村千鳥一座とか高城百合子さんのあたりが全然合わなくて観れなかったけど、最後は本当に面白かった。ありがと〜!!

『おかえりモネ』90話あたり

先週末から今週の『おかえりモネ』…ヤバい。というか最近は毎日2回観ている。以下忘れないうちに、Tweetしたまとめも兼ねて。


●みーちゃん(妹)の話、姉妹あるある、家族あるある。だけど忘れちゃいけないことをちゃんと描いている。長男長女である奥さんと二人で盛り上がった。

●「逃げる訳にいかないじゃん」「誰かが残らないと」
これまでずっと脚本の安達氏は、モネ達の両親に「どこへ行ったっていい」「自分の好きな仕事をやればいい」としつこい位に言わせてきた。その上での、みーちゃんのこのセリフ。

「強制されたんじゃないでしょ、自分で望んで地元に残ったんでしょ」そんな簡単な話じゃない。周りの人、特に家族は忘れちゃいけない気持ちがそこにある。

みーちゃんもりょーちんの跡継ぎに関して感じていることがあるから、自分は分かると言いたかったけど、そこまで心を許せるのは、やっぱり幼馴染みで「自分を恋愛の対象にしていない」モネなんだな。喫茶店の「(オムライス)好きだけどね」みたいな会話、ヤバい。

●みーちゃんに服を投げつけられた後、少し払うモネのあの感じ。素晴らしい。ここ最高だよねって盛り上がった。(90話)

この写真は後日の「あさイチ」から

●「ズルい」って言われがちな長男長女。お互い分かってるんだけどなって話。分かってるけど言っちゃうのが家族。姉妹の独特の感じ。だからって流していいものでもなくて(流しちゃいがちなんだけど)。

●おっさんとしてはもちろん「両親達のドラマ」は一番親身に迫るところでな。もう隅から隅まで名優たちの力が存分に味わえる名シーンばかり。

●火曜のさ、新次(りょーちん親父)の家の冷蔵庫の中で作ったあのおにぎり。あの海苔の安っぽさな。スタイリストさん最高。いかにも新次らしい、スーパーで一番安い海苔。ここも盛り上がったポイント

●月曜朝冒頭の喫茶店シーン。りょーちんにほんの1分位で「東京」の居心地の良さの本質を語らせるところ。脚本秀逸。そしてこの2人の醸す空気感たるや。

●期待に応えるのは楽なんだよ。最初はね。段々つらくなる。もいいなぁ。りょーちんここまで静かでいて、満を持して言わす感じ。

●東京と地元で親子がそれぞれ周りの人達に救われるあの同時進行の巧みさ。

●みーちゃんの辛さね。ここ数日で何度「みーちゃん!」って叫んだことか。おれたち長男長女だからもうなんつか、妹が可愛さ余ってもう、というか。でも社会人なんだからさ、とか。いやいや。あーだこーだ。

●友人のすーちゃん、この数日すごい。見せ場沢山。みーちゃんよりも色々経験してきたからこそ、幼馴染みで二人を見てきたからこそのセリフの数々。
でもモネをりょーちんところに一人で送った後の、無言の表情もすごいから。

●菅波先生は反面、サメからこっち大きな活躍はなかったけど…多分水曜からいろいろぶっ込まれる筈(予告より)。

「そういうときにこっちのことを忘れてしまう人のほうが僕は信頼できます」の電話で、ちょっとキュンとでしょ。モネは。

健太郎のアゴのラインは本当に素晴らしい。そして今回「菅波先生」というあり得ないほど素晴らしいキャラを生んでくれたことに感謝。

もうまだまだ1シーンことに言いたいことが沢山あるのだけども…。語りきれん。

珍しく奥さんも一緒にハマってるので(もちろん菅波先生がいるからだ)見たあとあーだこーだ言えるのがいい。

ホント気が滅入る日々だけど、毎朝の朝ドラに救われています。朝ドラがちゃんとしてるかどうかって、めちゃくちゃ重要なんだから!特にこんな時は!

『らんまん』

ここ数週間の『らんまん』にはずっと釘付けだし、そのセリフの説得力にブンブン頷いたり鳥肌立ったり涙したり。

この水木曜日、すごかったね。ぞくぞくっとした。溜めに溜めた大久保がここに来てクワーっと!!くわーっと!なんか今週は映画を観ているようだったよ。

この調子で最後まで行ったらとんでもない傑作になるんじゃないか。末恐ろしい子。

毎朝助かって本当に嬉しい。だから生きていける。朝ドラが面白いかどうかって、本当大事なんだから。

朝ドラ『おかえりモネ』序盤

おかえりモネ。いいなー。

平温、というのも少し違う。
ずっと、静か。
だけどキャスト皆が、それぞれの感情を、
その静かな中で表現してて。

モネの性格もそう。朝ドラヒロインには珍しい、受けの姿勢。受けて、考える。

仕事に対する真摯な脚本がいい。自分は日本のドラマだとまずここでひっかかることが多い。仕事がちゃんと描かれていること。視聴者を馬鹿にせず、おかしな「分かりやすさ」で本質を歪めないこと。

真摯に、大きな嘘をつかず、でも分かりやすい。この折り合いを付けるのはきっと難しい。

演出がいい。いつもの朝ドラならここで主人公が一言「○○…」と入れちゃいそうなところを、唇のちょっとした演技だけで見せる。間も見事。

劇伴もいい。たまにパイプオルガン入ったりするよね。ちょっとずるい。劇伴で泣かされたりする。

根底に流れるテーマもいい。西島演じる朝岡の、「何にもできなかったと思っているのは、あなただけではないです」というセリフ(ウロ覚え)。このセリフが出るまでの逡巡の演技演出が見事で、泣かされた…

キャストがいい。ああもうこれについてはキリがないので後で…

毎朝楽しみです。

夏の映画呑み会 on Zoom

昨晩はさくっと映画部呑み会from土間。なんだけどCOVID-19への意識差みたいな話がやけに盛り上がる。東京まじ大変。気の毒。

こないだ観た『Last Letter』に対する鬱憤を吐き出せたのもすごく気持ち良かった!岩井映画のイイトコ全然無いし○○いんじゃ!
好きなものを語れる同志も良いけど、誰にも言えないあの映画に対するアレな!ひどいよな!みたいな話ができるのもすごく有り難く貴重。(公ではあまり言いませんよ)

そして今はやっぱり若草物語ね。もう公開終わっちゃうから未見の人は是非。映画館は元から換気設備の基準がかなり高いし、喋らないのでリスクも低いと思いますよ。

自粛期間から最近までの配信お薦め。#movie_tv_dsm に感想あります。

Netflix
『ハーフ・オブ・イット』青春ラブ
『ザ・ファイブ・ブラッズ』じいちゃんベトナム再び
『37セカンズ』青春アドベンチャー
『アップグレード』SF
『オールド・ガード』アクション→今公開の『透明人間』へ

他レンタル
『キツツキと雨』田舎人情
『ボーダー二つの世界』ダークファンタジー
『500ページの夢の束』少女冒険

そこまで長くなかったのに一升瓶の残りが驚くほど減ってて妻にびっくりされた。

今度は「MIUなんだったのだ会議」で会おう。

『スカーレット』父ちゃん逝く

子供に対してはホントにクソ野郎だったけど、間違いなく愛情は山盛りあったとうちゃん。毎日泣かされているけど今日はもう号泣メーン…。
喜美子はホントすごかったな。よくこの父ちゃん相手にさ。
これからの展開も楽しみ。喜美子はどう変わるんだろう。
とうちゃん、安らかに。

スカーレット>戸田恵梨香と言えば

戸田恵梨香…?すっかり忘れていたけれど、『駆込み女と駆出し男』の鉄練りじょごか!アレ最高だったじゃん!と思い出しちゃったら我慢できなくなってAmazonプライムでぽっちりしちゃうとこれがもう止められない。観るのは4度目くらいだと思うけど、観れば観るほど、隅から隅まで好きなヤツ、だなぁ。

『駆込み女と駆出し男』再見

朝ドラ『スカーレット』感想

最初はほとんど期待しないで見始めた『スカーレット』だけど、子役の素晴らしさに始まって、朝ドラ定番を外しまくる地味で確かな演出、静かながら効果的な劇伴など、毎週毎週「今週は良かった!」「今週も良かった!」とずっと思い続けてる。

朝ドラの「決まり事」と言うのは「安心」ではないんだと『スカーレット』を見ていて思う。ドラマの決まり事、アルアルって実は、見るたびに心の中の気付かないところで少しずつちくっとしたりイラっとしている所もあるんだと思う。だからその「ちく、イラッ」が殆どない『スカーレット』がとても気持ち良い。

ナレーションで、セリフで説明しない。カット尻が淡泊。気持ち良い。

目下の興味は、オープニングアニメに出てくる4人目が、果たして今の十代田八郎君なのかどうか、未だに分からない(本編以外の情報以外一切見てないので)。時期的には未だじゃないか…と思っているんだけど。

信作、照子との幼馴染みどうしの会話がホントいいよなぁ。毎日「地味に」楽しみです。

森康二『こねこのらくがき』と『日本のアニメーションを築いた人々』

森康二氏が絵コンテ・原画チーフを手掛けた「東映動画」初作品『こねこのらくがき』

モノクロ短編、ほとんどサイレントなのに圧倒されるいきいきとしたその動き。これか!

復刊された叶精二『日本のアニメーションを築いた人々』は、『作画汗まみれ』に続く宝物になった。この数週間は、この本をめくっていればいつでも幸せになれた。時に涙が止まらなかった。

登場する6人のアニメーターそれぞれの人生。その仕事ぶりに迫る、淡々としていながら情熱を宿した筆致。どれも印象深いが、中でも印象的だったのは森康二の章( 『なつぞら』では井浦演じる「仲さん」のモデルとされる人)。最初から最後まで、小さな子ども達を楽しませることに徹し暴力や派手な感情表現を嫌った森氏の生涯。家では人の批判どころか仕事の話も一切せずロマンチストで寂しがり屋、「ぼくにはどぎつい仕事はできない」が口癖だったそう。「絵柄と志向から生き方まで終始一貫『不変の人』だった(同書)」。

これを読むと仲さんはモデルどころか一部モチーフ、ということが分かるが(他の人も同様だけど)、でも井浦の台詞やしぐさの節々で森氏の面影が垣間見える(制作サイドのリスペクトが見える)瞬間も、それは嬉しいものです。『日本のアニメーションを築いた人々』には同じくモチーフとされる奥山玲子、大塚康生、大工原章、そしてアニメ時代考証で #アトロク 出演でもお馴染み小田部洋一氏、新潟出身の近藤喜文らが章を割かれ、その生涯の仕事ぶりが分かるようになっている。

今となってはあたることも難しい各種の資料から引かれた貴重な言葉、叶氏の素晴らしい構成と文章でどんどん読ませます。当時入手していなかったのは残念だけど、こうやって『なつぞら』と一緒に読めるのも今ならでは。買えて良かった。

あと、巻末で安藤雅司さんが近藤喜文展で同氏を語っている内容がめちゃ胸アツ。『赤毛のアン』をどうしても観たくなる!

https://www.amazon.co.jp/dp/4835456858/

新元号発表(2019.4.1)

今日、1ヶ月後からはじまる新元号が発表されました。
天皇崩御前の新元号発表ということで昭和64年とは違いおめでたムード。発表の直後もおおよそ好意的な印象がTLを埋めていました。かくゆう自分もファーストインプレッションは「うん、いいじゃん。」。

発表前までは「タノムから元号とかやめてくれ。面倒臭いだけ。誰も得しない。」としか思っていなかったのに、いざ発表されるとこの「リセット感」なかなかイイじゃない、とまで思ってしまう。「新年」や「新年度」やとにかくリセットが好きな我々に向いているっちうことだね、元号。

あとは期待に反して脚本や劇伴のイマイチさが目立った『まんぷく』が先月終わり、今日からは東映動画時代の女性アニメーター(大塚康生さんや宮崎駿さんと同期)を主人公にした広瀬すず主演の『なつぞら』が開始。朝ドラ100本目だそう。いかにもなベタベタ朝ドラっぽい演出と演技がちょっと心配だけど、1話目から期待させる出来です。OPがアニメ!

『アンナチュラル』最終回メモ

遂に最終回。
この日が来て欲しくはなかったけど。でも期待に違わぬ素晴らしいクライマックスだった。今年、これ以上のドラマが果たして登場するだろうか。中盤以降は、毎シーン涙なしには見れない。野木脚本が見事過ぎるのは勿論、名優達の演技、あと今回は特に編集の良さが印象深かった。これまで9回分のありとあらゆる伏線を回収しつつ、シーンやモチーフを対で見せていく、最高の回でした。

ぐっとキたポイントをメモ。
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『アンナチュラル』がすごい。ARATAの想い出

『アンナチュラル』あと2話って!もうお別れって!寂しすぎるよ~。ミコト&東海林コンビも、中堂&坂本も、中堂&葬儀屋も、重版出来!に引き続きデスク役の所長も、みんなみんな大好き。石原さとみ、どこまでチャーミングなんだアンタは。

個人的にいわゆる「謎解き」カテゴリってあまり好きじゃ無い。このドラマ、表面上は謎解き要素が取り沙汰されそうだけど、実は謎解きを通じて見えてくる「人」を語ることこそがメインだから、最後にはもう…必ず泣かされるよね…。

重版出来も逃げ恥にもハマり過ぎて「やっぱり原作モノは野木さんだ!」などと思っていたら、初のオリジナル脚本でこのハッチャケ具合ですよ。今の世の中に対する物申し加減も実にキレが良くて、気持ちいい。涙出る。俺もう野木教に入ります。

中堂ことARATA君は、大学時代にサークルの後輩でした。と言っても彼は二部生だしモデル活動が当時から忙しくて殆ど逢ってないけど、勿論中堂とは似ても似つかない優しくて本当の人格者で誰からの評判も良く、皆に好かれていたのですよ。しゅっとしてて。それがまーアンタ、こんなドス声の中年おっさん役まで見事にこなすようになって…。おいちゃん嬉しいよ。皆太るんだよ。

どっかに当時の写真ないかな~と思ったけど、あの時代は皆プリントなのです。探すの超面倒。デジカメのデの字もなかった。そりゃお互い歳も取るわな。

ひよっこ最終回・感想

ついに終わってしまいました。これ書いてるのは終わってからもう1週間近く経っている時なんだけど…。ひよっこの無い毎日が寂しくて慣れない。おかげで風邪もひいてしまった。

やっと最終回のまとめができます。
これ以上ないだろっていう素晴らしい最終回でした。
いつもの朝ドラだと、ちょうど最終回の1つ前くらいがドラマのクライマックスですんごく盛り上げて、最終回は結構さらっと流すことが多かった気がするのだけど…
珍しく、最後にとんでもないクライマックスを入れ込んできました。しかもこれアドリブ?(前日のあさイチで有村さんが予告してた)ってのが何カ所もあって…。すごいなぁ。楽しかった。

ただ目の前の仕事を淡々とこなし、何者にもならない主人公。朝ドラでは異色だけどスタンダード。大好きなドラマでした。ありがとう。

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ひよっこ#155(9/29)最終回1つ前。感想



「しあわせもんだな〜わたし!」
プロポーズとは、かくさりげなくありたい、というシーンでした。
全編通してしみじみと良い。ついに明日、最終回。

↓こんな破顔した笑顔みたことなくて、最初見たときに高瀬アナって分からなかったよ!!

ひよっこ#154(9/28)感想

みね子は奥茨城に帰り、谷田部家の花卉の畑を見て驚く。父の実(みのる)は、もう仕送りをしなくていいと告げる。谷田部家は変わる。今までありがとう、と家族全員が、一人ずつみね子に頭を下げる。みね子は嬉しさとどこか寂しさも感じている。みね子の帰省に合わせ、懐かしい面々が谷田部家に集まり、新しい門出を祝う。その中心にいる実。



記憶喪失後の実はずっと別人の表情のまま、と昨日書いたけど、今日の実さんはどこか以前の表情も少し取り戻したように見える。みね子にもそう見えていたはず。


彼氏(秀俊)のことを聞かれ照れるみね子。元すずふり亭のホール係で三男の家に嫁入りした高子さんもすっかり奥茨城の皆に馴染んでいた。

「みんな笑っている。大丈夫なんだな〜と思いました。」2つの大丈夫をみね子は感じている。1つは、お父さんはもう大丈夫。2つは、私がいなくても、大丈夫なんだな〜という、大丈夫。

全体にゆったりといつものペースで進んだ回。毎日詰め詰めの最終週にこんな回が入ると、ついに終わりなんだなぁという感慨が深まっていく。じっくりと楽しませてもらいました。

いつもの朝ドラだと、最終回の1つ前がクライマックスになることが多い。明日だね。そしてあさイチゲストもいつも通り、主役の有村架純ちゃん。最終回前のこのタイミングで観ちゃうと気がそぞろになるので、あさイチは来週観ることにします(これもいつもの習慣)。最終回は何時観るか。次の更新は何時になるかなー。

ひよっこ#151〜153(9/25〜27)感想

いよいよ最終週。これまで未解決だったアレやコレやを毎日すごいイキオイで回収していく詰め込みまくりの毎日。とても全部は書けないと思うけど覚えてることだけでも。

#151
すずふり亭の新メニューが決まり、お客様にも好評の様子。みね子がデザインした新ユニフォームもお披露目。三男はさおりの告白に答える。これだけ自分を必要としてくれる人がいる、そのことへの幸福を丁寧に話す三男。とても自然で良い。(その前のさおりの一人芝居もにも(笑))

最後、米袋に突っ伏して泣く米屋のオヤジさん。もらい泣くってば。

#152
世津子の仕事復帰宣言。でもあかね荘には居続けたいという嬉しい告白に、半ば別れを覚悟していた面々は肩すかしを食う。そんな中、早苗がずっと待っていた例の彼氏がいきなりアメリカから彼女を迎えに帰ってくる…。

呆然となる早苗。

このお富さんの表情!

「遅い…」の呟きの後、泣き顔で彼に駆け寄っていく。

その後は…


シリーズ中今まで見せたことのない笑顔で、アパートの住民全員とハグして、長い黒髪をなびかせなながら、彼氏とアメリカに出発するのでした。初登場からこっちのツンキャラが最後にきてこれだもんなー。参りました。

#153
なんだか最初から最後まで泣けてしまった回。
みね子と秀俊の毎週のデートで訪れたレストランでは、以前の乙女寮のシェフと再会。悲しい別れだっただけに、才能を生かして元気そうにやってる姿に涙…。

愛子さんとシェフ省吾は結婚!アパートの向かいのお宅に引越することに。みんなの愛子さんに対する思いが聞ける。

中華料理屋夫妻は養子をもらうことに。同じく養子であるヤスハルが優しく諭す。ヤスハルを通したこの「養子」ってエピソードもひよっこの中で印象深い。女の子はすぐにあかね坂商店街裏庭のアイドルになる。

みね子の髪型、微妙に変わっているんじゃ?おつき合いしている二人、実家からの手紙を見て帰省の相談をする。

花卉栽培をはじめた二人。宗男さんの相変わらずのオーバー演技も良いけど、記憶をなくしてからのお父さんは明らかに以前とは別人の表情のまま。その別人のまま、だけど性格は一緒だから、同じように奥茨城を好きになり、同じように誠実に美代子を愛し、その気持ちを正直に告げる様が、これまでとても丁寧に描かれてきた。

帰省するみね子。妹弟に「お姉ちゃんも綺麗だぁ〜」と言われるのも確かに。女子高生時代から比べたら少ししゅっとした感。朝ドラの撮影地獄でやせたかな。

バスの車掌だった次郎さんは何故か村長選挙に立候補!

贅沢なロケ撮影もひよっこの醍醐味。超詰め込み回なのにこのカットだけはすごい長回しで、田舎にかえってきたことをぐぐっと体感させる。

ひよっこの古谷一行はホントすごかったね。何も語らずとも…という奴です。

そして、つづく。この畑、よく作ったな〜。お疲れさまでした。ここまでで15分。すごい!

ひよっこ#150(9/23)感想

昨日、和久井映見のベテラン演技に泣かされたと思ったら今日は佐々木の蔵ちゃんがそれを上回る説得力と見事な脚本の力で魅せまくり。


過去の告白と今の恋について悩みを打ち明ける愛子さんに対し、自分の奧さんとの別れ、後悔、今も少しも変わっていない思いについて語り、「私達は一緒ですね」というシェフ省吾。お互い亡くなった人への想いをなくさずに、でも恋はできるんじゃないかと優しく告げる。

観ている俺はと言えば、立ち聞きをしていた由香が放つこの台詞、そのままだ。
「もう無理!泣きすぎて頭痛い!」

(これ、獸木野生『パーム』ファンならお馴染み、フロイドのあの台詞を思い出すね)



今までハマった朝ドラはいくつもあるけど、最初始まった時から、最終週のこんなところまであまりテンションが変わらずに進む、こんなタイプは初めて。主人公は何も成し遂げないし、何モノになる訳でもないし(最後になるのかもだけど)、特に成長する訳でもない(経験は沢山積んだ)。

くしくも『ひよっこ』が始まる時に自分はこうTweetした。

情報ゼロで2話まで観ました。通常1週目は子役と過剰な演出に辟易し2週目でやっと本領発揮、そこで観続けるかどうか判断するという流れなのですが、1・2話でこれだけすんなりと入り込めたのは初めて。違和感がない。どうなるんでしょう。そして今回の主人公が何者になるのか

予想してみますた。(1)料理研究家(料理&畑好きから)(2)女優(女優志望の親友を追い越すあまちゃんスタイル)(3)脚本家(親友をサポートするうちに…)(4)流通王(実家の野菜を営業するウチに才気を見せ巨大スーパー立ち上げ)う〜む…ここから芸能モノになったら凄いな…

この予想のどれもが外れていた。主人公は何にもならない。このドラマは「○○モノ」ではない。だけど、これぞ人生。

来週いよいよフィナーレ!

ABOUT

1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。

過去の投稿