カテゴリー: TV・映画感想

野村さちよ

サッチーの事。考えるとどうしてもマイナスパワーの怒りが押し寄せ萎えてしまい毎度文章にするまでに至らない。ので「広告批評」8月号の橋本治のコラムより引用します。

〜前略〜
誰かが独り言のようにテレビで呟けばいいんだーー『なんでこんな人を、私達はテレビに出しちゃったんでしょうね』と。
〜中略〜
『ここ数年のテレビは、あまりにもネタがなかった。それであんなものを出してしまった。今後はもう少し気をつけよう』ってとこに行かずに終わるのは、ちょっとずるいと思いますな。
〜中略〜
『我々の不祥事』としてテレビが決着をつけてくれることを切に望みますね。

(太字:shiro)

謝れ。出したヤツ。でもな、ワイドショーの司会どもが「自分のコト」として謝んなきゃ気分的にはスッキリしないゾ。

『ズームイン!朝・総集編』

失敗したなぁ「ズームイン朝・総集編」。土曜夜の。半分位は見れたのだけど。アレ全部ビデオ撮っておきたかったなぁ。ラテの如何にもなアオリ文句には辟易だけど、実際はオモロかった。

素人出演のハプニング・感動モンも放映当時の世俗を見事に反映しててオモロいんだけどさ、羽田沖墜落とかホテルニュージャパン火災とか阪神大震災とか中国列車事故とか、歴史的な大事件を殆ど網羅してるんだもん。しかもキチンとした特集番組じゃなくてさ、その時のリアルな、生放送でのTV局の対応が見れて。

他にもね、カーナビとか今は当たり前になってる電子機器や文化が、最初に出てきた時の初登場レポートを特集してたのね。

カーナビの最初の製品ってどんなんだと思います? まず真っ暗な中に緑の点がひとつ、ポチっと動いてるのね。潜水艦のレーダーみたいなヤツ。ただし点だけ。

で、どうやって現在位置が分かるのかってね。思うじゃない。どーすんだろどーすんだろって期待ミチミチじゃない。

地図の印刷された透明フィルムをね、そのレーダーの画面の前にハメ込むのね。こう、下の方からスライドさせて、差し込むの。ペロンて。笑った笑った、もう。

コレってさ、どう考えてもさ、当時TV観てたヒトだって「こんなん使えっか!」って思ったんじゃん?オレだったらそう思うヨ絶対。

そのフィルム地図ってさ、1枚あたりにイイトコ町がひとっつきりしか入らないのよ。場所分かるための最低の縮尺考えたら当然そうなるわな。その地図いちいち取り換えるんだヨ?「よし、次は右に出たから、この(A-8)のフィルムだな、アレ違うじゃん!(B-2)か?あ?ココからこう入ったんだから…」 って結局ロードマップ拡げちゃうのな。「何だ、今ココにいるのかぁ」って。何だぁ、そっかぁって。

まぁそんなんやら何やら。夢中になって観てたら友達との約束時間に遅れちまった。 今見てこんなオモロいんだからさ、あの番組を全部CMごと撮っておいて、10年後に観れたりしたらもうお宝モンだと思うよね。

番組の中で「あの時代はこうでしたねぇ〜懐しいですねぇ〜」なんてやってる徳光サンの服装が、もうスンゴい懐しい訳ヨ。二重の意味で懐しく感じちゃえるワケ。今この時代に80年代の総集編番組を見直したら、その中で70年代懐古特集やってるみたいな。一粒で二つ美味しい。絶対オモロいと思う。CMはカットしちゃダメね勿論。 ああ失敗した。誰かオレにビデオ頂戴。ホンマに。

こりゃ信心深いヤツにゃ向かねぇ仕事だ。

日本全国で「本来のルパン」についての再認識が行われたであろう昨日。皆さんは観ましたか?「金曜ロードショー」。子供の頃観て忘れられなかった御仁はオレを含め多いと思うのです。人造人間マモーです。ルパンは明るいテンポで話している時はさほど気になりませんがシブいセリフをボソッと吐く時とかね。クリカンではやっぱこうはイカねぇよな、と古参ファンズラを決めてみたりした事でしょう。オレですが。

ルパン「夢ェ盗まれたからな。取り返しに行かにゃぁ。」

次元「夢ってのは、オンナの事か。」

ルパン「実際クラシックだよ、オマエって奴ぁ。」

大好きなシーンです。他のシリーズではまずあり得ない、次元も五右衛門もいないフィナーレへと向かう若きルパン。「カリ城」で
「俺は一人で売り出そうとやっきになってる青二才だった…」
としみじみと振り返る中年の渋みは未だ見てとれません。青二才の負けん気がこの映画には溢れています。

ルパンが「夢を盗まれた」と言うのは多分、ひたすらコケにされた悔しさの事だと思うのです。勿論不二子の事もあるのでしょうが。次元までのフェミニストではない。若きルパンはあんなふうにコケにされるのが何より許せ無かったと思うのです。自分のクローンを勝手に作り処刑され、ポリシーに反する欲しくもない永遠の命を与えるからと拉致され、睡眠薬や地震のトリックを仕掛けられる。しかも世界を破滅させ不二子と2人でやり直すと言う。自分の好きなオンナを汚い手を使い奪っていったあのとっちゃんボーヤ。

若い時期には至極マットウな「負けん気」から、ルパンはリュックを背負いマモーのアジトへと向かいます。青二才の正義感が清々しい。次元のフェミニストぶりも上の2人のやり取りもたまらなくカッコいい。シビレます。あらゆる意味でまだ若かった3人の男の生き様。ソレが一番の見ドコロだと思います。

「カリ城」がやっと評価され「風の谷のナウシカ」がヒットし始める頃、宮崎駿は「ルパンはもう死んでる。死人で映画は作りたくない」とゆう様な事をどこかで語っていました。「死んでる」というのは「時代に合わなくなってしまった」とゆう意味なのですが。この言葉をリアルタイムで聞いた時オイラは随分ガックリしたモノでした。28歳の今になってこの「vs人造人間」を観、「カリ城」を思い起こしてやっと納得がいった気がします。ルパンは時代に取り残されたスーパーマンだ、そんな気がします。今ムリヤリ若返りさせられ(死人を起こし)この時代に付合わされてるルパンは何だか滑稽で、もう自分で自分を笑ってるんだろうなぁと、
そんな事を思いました。