バレンタイン前のここ数日は、連日最高気温が11℃から15℃くらいで、冬コートの不要な日が続く。晴天の日もここ10年ほど覚えがないくらいに多い。
雪は相変わらず降らない。新潟市に限らず県内全域、全国的に雪は全然ない。
少し前の週末にやっと山間部で二日ほど降り、積もったそうだ。恵みの雪。
つい2年前の2月の状況が↓これ。半月ずっと積もっていたらしい。この違い!これからどう備えればいいんだろう。
バレンタイン前のここ数日は、連日最高気温が11℃から15℃くらいで、冬コートの不要な日が続く。晴天の日もここ10年ほど覚えがないくらいに多い。
雪は相変わらず降らない。新潟市に限らず県内全域、全国的に雪は全然ない。
少し前の週末にやっと山間部で二日ほど降り、積もったそうだ。恵みの雪。
つい2年前の2月の状況が↓これ。半月ずっと積もっていたらしい。この違い!これからどう備えればいいんだろう。
2月になってほぼ初めての降雪。積雪はゼロ。今日(2/5)やっと雪おろしの雷っぽいのが鳴っている。
1週間ほど前に会社のエアコンが壊れ、それぞれの補助暖房だけでやっているのだが、さほど問題がない。それくらい暖かい。
今週末に取替工事。約64万円。
とんでもない異常気象なのか、これからもちょくちょくあることなのか。
1月も下旬になるがまったく雪が降らず、それどころか青空の日が通算でこれまで1週間くらいはあったと思う。全県的に記録的な小雪暖冬。魚沼にも雪は無い。出張で北海道に来て今期初めての積雪を見た。新鮮!
『A Ghost Story』をAmazonレンタルで。
たしかぷらすとで松崎健夫さんかタツオさんが激推ししていてずっと気になっていた。A24製作。すごく静かで、相当変わった映画だけど、好きだわ〜。
仲の良い夫婦(ケイシー・アフレックとルーニー・マーラ)のうち、旦那がいきなり冒頭で死亡。直後にシーツを被った幽霊になって、妻を見守っていく…という話なのだが、後で結構予想もつかない展開になる。見終わった後の解釈も観客それぞれだろう。SFではないけどSF好きなら尚オススメしたい。すごく美しくて忘れられない夢、のような映画だった。
個人的にルーニー・マーラは勿論ケイシーも大好きで二人の魅力も存分に味わえる。
ずっと出ている幽霊のシルエットが本当に美しい。冒頭少ししか出ていなかった夫ケイシーの人柄が、その後少しずつ分かっていく構成も好み。
特に前半はカットが異常に長くて、好き嫌いは別れそうだけど、何か気になる要素が必ず画面の中にある。夫を亡くしたルーニーがただパイを食っているだけの超長い(多分10分位?)1カットがあるのだけど、ルーニーの様子は勿論、とある光の変化がずっと気になってたり、とか。たまたまだったのかも知れないけど自分はまったく飽きずに観れた。映画館だと尚良かったかも。最後も印象的で記憶に残りそう。
この子サイコーだった
NHK『みをつくし料理帖スペシャル』前後編合わせて140分強、オンデマンドで観ました!
期待をまったく裏切らない素晴らしい出来…。音楽はゆうに及ばず、改めて感じたのは照明監督の凄さ。ちょっと前の大傑作『眩(くらら)〜北斎の娘〜』も凄かったけどアレは撮影も独特だったしね。今回は撮影はオーソドックスだけど、ライティングで自然光に見せる技術の高さに驚いた。
前後編でまったく違う話を盛り込んだのも凄い。前編テーマが「仕事(生き甲斐)と結婚(色恋)」、後編が美味しんぼばりのグルメバトル(バトルではないけど)、それぞれに傑作で、この満足感たるや!!! ※あと前編は「エンドクレジット入るタイミングが鳥肌モノに格好いいオブザイヤー」を差し上げたい。
↓ここ!
今年のベストドラマは『だから私は推しました』『いだてん』『昨日なに食べた?』『みをつくし料理帖』『スカーレット』かな。
子供に対してはホントにクソ野郎だったけど、間違いなく愛情は山盛りあったとうちゃん。毎日泣かされているけど今日はもう号泣メーン…。
喜美子はホントすごかったな。よくこの父ちゃん相手にさ。
これからの展開も楽しみ。喜美子はどう変わるんだろう。
とうちゃん、安らかに。
Netflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』鑑賞。
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの倦怠夫婦離婚もの。実際に女優との結婚&離婚体験を持つノア・バームバックが監督。
裁判や親権争いのリアルさが本当に辛く、途中で「無理…」と思い挫折しかける。が、最後まで観て良かった。大傑作だと思う。ROMAのように、「ネトフリ映画クオリティ」を超えている一本。脚本が素晴らし過ぎるし、それに合わせたシーンの設定、カメラアングルも巧みで、苦しみながらその皮肉に笑ったり唐突に泣かされたり、まー忙しい。
これはもはや夫婦のアルアル話を通り過ぎて、普段の生活に入り込み殆どの人が気付けないもしくは気付かないふりをしている、根本的な男女「差別」の問題だと思う。無意識に差別している側と差別されている側では、そもそも理屈が咬み合う訳がない。それを作中で妻側の弁護士が20秒ほどのセリフで切って捨てていて、溜飲の下がる名場面だ。
(キリスト教とユダヤ教下では、女性は完璧な聖母マリアと比べられる。神は男性。妻の行動には完璧を求められるが、男性はどうでもい。悲しいがこれが現実)
差別に気付かないダメ夫に「何故ダメなのか」「妻も一人の人間であること」「根底に差別があること」を気付かせるには、妻が大変な犠牲と勇気と言語化能力を持ってしかも何度も夫に申し入れないと気付いてもらえない(それでも多くは気付かれない)のだけど、ほとんどの女性はこれまでの生い立ちや環境から、そんなことはできないのだ。この不条理。
だから弁護士が代弁する。弁護士に言われ今までの事実に初めて気付かされそうになった夫は、その(自分が差別していた)事実を認めることができず、力に力で反抗し、殴り合いの裁判沙汰になる。
夫アダム・ドライバー側の数あまたある問題に比べ、妻スカヨハ側に問題があまりない、という不公平感は指摘しようと思えばできると思うが、そもそも差別を明らかにしようとするこの場合に「公平」は必要ないだろう。
ただし観ているのは本当につらい。自分も何度も何度も言われていることだらけだ。自分は幸いにして弁護士に言われる前に気付いた(気付くことと直せることは別だが)。 ただ、すべての妻がこのようなことを気付かせてくれる訳ではない。ほとんどは言わずに、もしくは言語化することができず(当たり前だと思う)、限界を超えて噴出する
だから結婚した男性はこの映画を観た方がいい。感想を聴くのも自分にはちょっと恐いのだが…(男同士では得てしてお互いの男女関係について本当のころを話す機会がない…少なくとも自分の周りでは)。
ただ観た後はきっとパートナーのことが何倍も大切に思えると思うし、子供とのちょっとした意思の疎通で本当に嬉しくなる。
あと辛いのが、たまに聴いているラジオ番組で、某男性歌人が自分の離婚のことを何回か話したことがあるんだけど、相手(妻側)の弁護士のことをいつも酷く言うのね。で、その指摘する内容が、この作中のアダム・ドライバーそのものなんですよ。
嗚呼、そうなってしまったのは、そこまでの経緯に理由があったからじゃないのかなと…。
いやー色んな意味で精神的に大変な映画でした。でも傑作。二人の名演技は真に迫りすぎて1回観ただけじゃ名「演技」とは思えない位のレベルです。
ありがとう!いだてん!
ここまでちゃんと放送を守り抜いてくれた、すべての人々に感謝。
誰もが避けてきた「近代」を堂々と描く最高の「大河」で、スポーツドラマで、落語ドラマ!
最高だったよ〜!
ありがとう!ありがとう!ありがとう!
Netflix『ボクらを作った映画たち』の『ダイ・ハード』回だけ鑑賞。なんつっても人生ナンバーワン映画ですから。
MADムービーのようなチープな映像と当時のさまざまな作品とのコラージュが楽しいドキュメントバラエティで、終始笑かせてくれる。30年経った今初めて聞く裏話もいくつかあり、同作ファンは絶対観た方がいい。
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そしてアラン…。最高だったぜチキショー! (ノД`)・゜・。
戸田恵梨香…?すっかり忘れていたけれど、『駆込み女と駆出し男』の鉄練りじょごか!アレ最高だったじゃん!と思い出しちゃったら我慢できなくなってAmazonプライムでぽっちりしちゃうとこれがもう止められない。観るのは4度目くらいだと思うけど、観れば観るほど、隅から隅まで好きなヤツ、だなぁ。
最初はほとんど期待しないで見始めた『スカーレット』だけど、子役の素晴らしさに始まって、朝ドラ定番を外しまくる地味で確かな演出、静かながら効果的な劇伴など、毎週毎週「今週は良かった!」「今週も良かった!」とずっと思い続けてる。
朝ドラの「決まり事」と言うのは「安心」ではないんだと『スカーレット』を見ていて思う。ドラマの決まり事、アルアルって実は、見るたびに心の中の気付かないところで少しずつちくっとしたりイラっとしている所もあるんだと思う。だからその「ちく、イラッ」が殆どない『スカーレット』がとても気持ち良い。
ナレーションで、セリフで説明しない。カット尻が淡泊。気持ち良い。
目下の興味は、オープニングアニメに出てくる4人目が、果たして今の十代田八郎君なのかどうか、未だに分からない(本編以外の情報以外一切見てないので)。時期的には未だじゃないか…と思っているんだけど。
信作、照子との幼馴染みどうしの会話がホントいいよなぁ。毎日「地味に」楽しみです。
Amazonレンタルで『GUILTY』を。傑作だった。
【あらすじ】
警察緊急電話(アメリカの911みたいなもの)のオペレーターであるアスガーが、ある日誘拐されている最中の女性から電話を受ける。犯人に気付かれないよう、電話から聞こえる音だけを手がかりに女性を助け出そうとするが…。2019年デンマーク映画。
90分の作品中、舞台はこの緊急電話の小さな指令室から動かない。主人公のアスガーの表情と、電話から聞こえる「音」だけで劇が進む。なのに飽きるどころか、最後までドキドキしっぱなしだ。素晴らしいラジオドラマを聞いた後のような、面白い小説を読んだ後のような、普通の映画とはちょっと違う満足感のような気がする。
これだけ舞台が変わらず、電話する表情だけで演技して、90分保たせることのできる主人公アスガー役の ヤコブ・セーダーグレンが凄い。彼のアップで映画が始まってすぐその表情に引き込まれ、あ、彼をずっと見ているんだったら保ちそうだな、と思う位に良い。
その期待は裏切らないんだけど、最初の印象は後になっていくにつれ…。脚本が良いので何の事前情報もなく観た方がいいっすよ。
小さい音が結構大事なので、ちゃんとした環境で観れない場合はヘッドフォン推奨。すべて電話越しの音声であるようだけど、実は巧みにそのフィルターを外したり入れたりして…音声でのめり込ませる手法が凄い。 「アトロク ギルティ」で検索すると最初に出てくるページ内で、この映画の特番が聴けます。最先端の音作りでアニメ制作に関わる音響監督:たなかかずや氏による『GUILTY』の音声演出の解説。すごく面白いのでこちらもぜひ。
『世界一キライなあなたに』をAmazonプライムで。2016年公開。
ゲームオブスローンズのデナーリス(エミリア・クラーク)主演に、タイウィン・ラニスター(チャールズ・ダンス)まで出ていた!嬉しい!
あらすじ
舞台はイギリスの田舎町。ルイーザ・クラーク(エミリア・クラーク)は、お洒落をすることが大好きな26歳。ある日、働いていたカフェが閉店することになったルーが新たに得た職は、バイクの事故で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失ってしまった超ハンサムな大富豪ウィル・トレイナー(サム・クラフリン)のお世話係をする期間6ヶ月の仕事だった。最初はルーに冷たく当たるウィルだったがルーの明るさが、ウィルの頑な心を溶かしていき、やがて2人は恋に落ちていく。しかしある日ルーは知ってしまう。
ウィルが決めた「生きる時間」があとわずかだということを・・・。
(WBサイトより)
大きなジャンルで言えば「難病モノ」になるのかな。きっと良くあるパターンなのかも知れない。でもエミリアと相手役のサムの魅力がはち切れる!エミリアの妹や家族たち脇を固める俳優陣もイイ。好きだわ〜
GOTでは笑顔さえ見せないエミリアだけど、メイキングを観た人なら誰でも知ってる、あの太眉をハの字にしておでこにシワを寄せた強烈チャーミングな笑顔。あの笑顔や困った顔が全開だ。
GOTメイキングから自分が勝手に思ってた「エミリアってきっと本当はこんな子」像を、そのまんま主演にしたようなイメージだった。でもそれは演技力の賜物で、かたや王国を束ねる革命の女王、かたや明るさばっかりが取り得の貧乏女子、どちらもこんなに違和感無く演じているエミリアの底力たるや。もっと彼女の映画を観てみたくなった。
「お洒落が好きでファッションの学校に行くのが夢」のルー(エミリア)が、いつも派手で妙チキリンな格好をしているんだけど、それを自然に魅せる彼女のキャラ造形が見事。お母さんから借りた80年代スーツにも爆笑。
尊厳死がテーマになっていて、物語の行方にも考えさせられる。他色々書きたいけどネタバレになるので省略。
良かったです。チャールズ・ダンスも!
Netflix『クィア・アイ in Japan』良かった。全4話。
夫婦の在り方とか住宅環境、日本と彼の国とはあまりに違っているところが最初気になるけども、大事なのは違うところじゃない。世界中の誰もが同じように感じる大切な部分、自分を愛すること、他人を愛すること、そしてそのいずれも大切にすること。それこそが大事だとファブ5が気付かせてくれる。浮き彫りにして、優しく包んでくれる。いやーすごい。in Japanを通じて改めて驚愕しました。
(とは言え同じ日本人の我々はあちこちで「イヤ彼女が望んでいるのはそーゆーんじゃないだろー」と苦笑し突っ込んでいる訳なのだが。それはソレ)
2話と3話は娘達と観ていたのだけど、小さい子にも大受けだった(4話は一緒に観るのはちょっと気まずいので注意)。どの話も必ず最後にはぐっときてしまう…。 人選から通訳、編集、そしてあんな狭い場所での撮影と、大変な困難続きだったことは想像に難くないin Japan。突っ込み所がないとは言わないが、欧米エンタメ市場にありがちな「うーん違うんだけどなー」日本描写じゃないところが、Netflixの底力。拍手!
ま、それとは別にクィア・アイに取り上げられることは世界中でとんでもない有名人になることでもあって、「あの部屋やヘアや衣裳を維持できたのか問題」と一緒に、5年後とか「あの人は今」レポートを日本のメディアで企画して欲しいものだ。
『バーバラと心の巨人』をiTunesレンタルで。
あらすじだけで面白いので、サントラの解説文をコピペ↓
世界が泣いたグラフィックノベル「I KILL GIANTS」待望の映像化!『ハリー・ポッター』シリーズクリス・コロンバス×アカデミー賞®受賞監督アンダース・ウォルターが描く 少女の苦悩と再生の物語。
自分の殻に閉じこもり周囲から孤立する風変わりな少女・バーバラ。だが、彼女にはある使命があった。それは、やがて襲来する巨人を倒すこと—。しかし、姉のカレンや先生、初めて友達になれた転校生のソフィアでさえも、すぐにそこまで迫る巨人の存在を信じず現実に向き合えと言うばかり。そして遂に、巨人がバーバラの目の前に現れる。果たして巨人がもたらす試練とは?
ジョー・ケリー(作)/ケン・ニイムラ(画)によるグラフィックノベル『I KILL GIANTS』を実写映画化したダーク・ファンタジー。音楽を担当するのは、日本・フランス・ベルギー合作映画『レッドタートル ある島の物語』を手がけたローラン・ペレズ・デル・マール。
主人公が森の中で、キノコの粉を採取し赤いスライム的なものに混ぜて、何かをおびき寄せている。冒頭の緻密な美術だけで引き込まれるんだけど、それがあとで切なさに変わる。
ファンタジーかと思わせて、現実のリアルな物語と密接に絡み合っている不思議なストーリー。映画の途中でとある事実が分かり、彼女の背景や家族の関係が徐々に明らかになるにつれて…
もう1回観たくなってきた。それ位ビジュアルが素晴らしいの!
巨人を殺すことが自分の使命だと信じているバーバラ、すごくカワイイ。ローラ・パーマーの小学生時代という感じ。こんなにカワイイ子がクラスで浮きまくってる設定や、映画全体の不思議な浮遊感は、彼女の演技力があるからこそだと思う。今後楽しみな女優さん。
友人役の子も、美人のお姉さんも、いじめっ子も、ガーディアンズのガモーラ(ゾーイ・サルダナ)も、みんないい。あれ?男のイメージがまったく残ってないな…。 あちこちで「大人気の」「世界が泣いた」と書かれている原作のグラフィックノベルを読んでみたい。
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【苦言】また邦題問題!「ワンダと巨像」好き狙い撃ちかよ!と思っちゃう邦題だけどw、これはひどい。本当に最悪。ダメ邦題とか以前の問題。ポスターの違いもなぁ…
月曜祝日。朝起きた時は仕事だと思い込んでいて、祝日だと気付いた時の嬉しさたるや。しかも次女と2人でお出かけできる日。
中一長女はこの半年ほどで完全に両親とギスギスしてしまい、一緒にいても厳しい。お互いうまくいっていない。
そんな中次女と2人きりで過ごせる滅多にない1日。
安田のどうってことない子供用の遊び場でも、多分オーダーを忘れてとんでもなく待たされた上にレトルトみたいなミートソースが出てきた水原のレトロ喫茶だって、寒い寒い公園だって、次女と一緒ならすべてが楽しい。一緒にいる人をこうやって幸せにできる彼女のキャラクターは本当に凄いと思う。家族みなで居る時は姉妹の関係もあり我が儘が出たりして問題も多いのだけど。
この日の記憶だけを反芻して生きていきたい、大袈裟に言えばそんな1日だったよ…。
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Amazonオリジナルドラマ『モダンラブ』は、3話までがジョン・カーニー監督!(シングストリートやはじまりのうた、ONCEダブリンの街角で)豪華キャストもあって早速観ましたよ3話まで。一話30分の恋愛オムニバスドラマ。原作はNYタイムズのコラム。
2話の主役は、大傑作『ライオン 25年目のただいま』のイケメン、デーヴ・パテールで、大切なシーンに『動物園から未来を変える』のブロンクス動物園が舞台になってて個人的に嬉しかった。キャサリン・キーナーとアンディ・ガルシアによる中年ひとときの逢瀬は大好きな「ビフォア」シリーズみたい。
3話の主役はアン・ハサウェイ。躁鬱病。彼女の怠惰でダメダメな演技はいつだって良いなー。堪能。
ドラマ的に相当軽いし、出来すぎ感はあるけど、少なくとも3話までは楽しめた。キャストがみんな美しくてシヤワセ…。落ち込んだ時にオススメ、かな。
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【苦言】
「今日もNYの街角で」てゆう邦題、うっせーわ!
『蜜蜂と遠雷』原作読了。
自分は映画→原作の順に入ったのだけど、これが正解だったように思う。
最初に何の予備知識もなく観た映画版は、とても良かった。
すぐに原作を読みたくなった。
原作は厚めの文庫で2冊のボリューム。これを2時間の映画にするのだから、相当割り切って作らなければいけないのは当然で、その割り切り方もアレンジも、今思えばとても見事だったと思う。
原作は、大袈裟に言えば別物だった。出てくるピアニスト達の心理描写も、バックボーンも、関係性も、映画ではその殆どがカットされるか、もしくは説明がされていない。何より演奏シーン。原作は「小説でしかできないことを」目指して書かれた「音楽小説」だ。
原作でも演奏シーンの割合はとても多い。普通考えたら飽きてしまいそうだけど、一気に読んでしまう。見事な構成と表現力。何度もカタルシスが訪れる。「音楽」への愛に溢れるクライマックスに何度も泣かされる。
演奏シーンは、あらゆる小説的技法を使って、恐ろしい没入度で描写されていた。背景にはそれぞれのピアニスト同士の関わりがあり、思い出と経験があり、音楽を極めるもの達だからこその精神の繋がりがあり、曲それぞれの分析があり…。その結果文章だけで驚きの「音楽」体験を実現している。
そもそもが、映像で不可能な描写によって「読者の頭の中でそれぞれの音楽が鳴る」もしくは「音楽が鳴らずとも音楽の素晴らしさを体験させる」ことを目指した小説だったのだから。
「映画化する」と言ったら「??」となるのが当たり前。そもそも矛盾している。
だけど、見事な映画化だったと今でも思う。
映画と小説の情報量は、1:10くらいじゃないだろうか。でもそれは映画から入ったせいで、原作を知った今ならきっとその比率は1:5にも1:3にもなり得る。そういう風に作られた映画だったと思う。
だけど最初に原作を読んだ人は…
自分みたいに1:10には思わないだろうけど、それが1:5だとしてもやっぱりがっかりするところはあるような気がする。短い中で人物の個性を表現するために、今思うと残念な変更も僅かにある。減点法は、加点法に比べてやっぱり寂しい。
だから自分の思う『蜜蜂と遠雷』のベストな流れは
映画→原作→映画
だ。
気になってる人はまだやっているうちに是非映画を観て!
新潟シネ・ウィンドさんがFacebookで激推ししていた『無限ファンデーション』の最終上映に。ナイト上映はありがたいな〜!ネタバレ無し感想。
とある発表会を巡る演劇部女子高生の日常を、なんとほとんど「即興」で撮った作品。2018MOOSIC LAB参加。監督は『お盆の弟』大崎章。『リンダリンダリンダ』の監督補をやっていたのを知った時はなるほどと思った。匂いが似ている。
こんな「演技」は滅多に観れるもんじゃないな。どんな演出もきっと叶わない、ドキュメンタリーとすれすれの生々しい演技。当然セリフも被ったりするし。どう展開するかも役者まかせだったそうだ。途中で女子アルアルな分裂に入った時はウチの娘の様子や昔の記憶も被ってちょっとひいちゃうところがあったけど、全体になんとも言えない魅力があって惹き付けられる。で、きっと自宅のTVで見ていたらこうはいかなかっただろう。
(お互いそうだと思うけど、「男だけだったら絶対こんな嫌な感じにはならないよな…」って類いの女子グループのギスギスあるじゃない。アレのめっちゃ静かでリアルな描写があってね。コミュ障主人公が「女子ってもっと素敵な生き物だと思ってた」ってセリフに苦笑)
すごく難しいだろうけど、できれば「即興で撮った」という前情報は無しで観たかった…。ストーリー展開が任されている以上、役者はその後の物語にどうしたって責任を感じちゃう部分があるだろうな〜なんて想像しちゃうし、「後でこうするために、だからこういう反応だったのかな?」って余計なノイズが入っちゃうところがあって。それは残念。
劇中に出てくるウクレレとピアノで歌うシンガー、西山小雨。歌も、天使のような役柄も最高!最高!彼女だけでも観る価値があった。観終わってCD買っちゃったんだよ…。(YouTubeにもあるのでぜひ)
コミュ障で服飾デザイナーに憧れる主人公を演じた南沙良もすごく良かった。『だから私は推しました』のハナを思い出す。これは撮り方なのかも知れないんだけど、南沙良、シーンによって驚くほど違う顔になる。別人?と一瞬思うほど。
即興演出の結果が通常の映画演出を「超えた」とは思わないけど、別物で、これはここでしか観れないものだったし、観る価値はすごくあった。
【苦言】先生役の人の演技がちょっと…。演出をしない、という手法が裏目に出ちゃった例ではと個人的には思う。
女子高(当作は女子高じゃないけど男子生徒は一人しか出ないし殆ど喋らない)の演劇部モノといえば吉田秋生の超名作『櫻の園』、随分前の作品だけどもう1回観てみたいな…
あと藤田貴美の『ご主人様に甘いりんごのお菓子』に入ってる短編が神作で、あれはぜひ映像化して欲しい…
ウィンドでは安藤さくら&井浦新『かぞくのくに』と『ボーダー二つの世界』が面白そうだった。要チェック。