DVDを車で鑑賞。
ネットの評判を読むと「映画よりNHK版が断然上」という意見が殆どで、ずっと気になっていたんだけど…やっと借りてきました。
結論。面白かった。だけど総じてどっちが上とか全然思えない。この二作は別物だと思います。テレビドラマでコレは最善だと思うし、映画であればやはりオレは映画版の方が好き。原作は読んでないので忠実度や原作者の意図などはまったく分かりませんが。ずっと「暗い」のが映画版、少しでもまだマシなのがテレビ版、ってとこ。
まず、演技と演出は映画の緊張感の方が断然リアリティがあるけど、テレビ版はテレビなりの上質な演出になっていた。これは媒体の違いで、比べて優越つける気にはならない。どっちも良かった。でもね、映画のあの異常な緊張感、クライマックスのアレは特別ですよ。ここだけは、NHK版では絶対に敵わない。
脚本が違ってて、例えば主人公と息子のすれ違いが映画版にはまったく書かれていなかったのでNHK版見てやっと理解できたカンジ。映画版のエンディングはちょっと寂しかったね。だけど、この家族のエピソードをあの映画版に入れるってどうかと思うし…。
さすがNHK版だけあって当時のニュース映像がバリバリ流れるのはすごかった。ああそういえばこのアナウンサーNHKだったっけ、みたいなヒトが。これはちょっとずるいけどでも臨場感イヤ増し。
佐藤浩市って全然すきじゃないんだけど、要するに「使われ方」が好きじゃないんだなって、うすうす分かってたけどこの映画で実感した。ムスメに慰められるシーン、あすこの泣き顔はぐっとくるねー。
クライマックスで「抜き」を外してしまった後の社長とのやり取り(テレビでは投書が原因)も随分違うんだけど、オレはどっちのパターンも好き。映画版ではさっさと辞表を突きつけるカタルシス、テレビ版ではなんとも即答できない現実のじめじめしたリアルが、それぞれ良かった。そしてあの機内で書かれた手紙には、毎回号泣。ムスメを持ってしまった自分にはあまりにも…。
女子大生?の投書のくだりはちょっとどうかな。無い映画版の方が良かった。
山登りシーンはNHKがもう断然上。観ながら震え上がること間違いなし(どうやって撮ったの?)。あの登山(登攀か)の持つ意味もNHKではとても丁寧に描かれていた。
まぁとにかく、どっちもオススメですよ。是非両方ご覧ください。NHK版は前後編で150分で、そんなに長い訳でもないです。
※今月日航機の新しい残骸が見つかったんだってね。NHK版観た直後なんですげえ驚いた。
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