「忘れんといてな。いつも側にいてるさかいな…」
最後まで。最後まで、あさのことを気遣いながら亡くなった新次郎。
すばらしいドラマをありがとうございます。明日はいよいよ最終回。
毎日泣いてましたけど今日はもう画面が見えんほどやった…
「忘れんといてな。いつも側にいてるさかいな…」
最後まで。最後まで、あさのことを気遣いながら亡くなった新次郎。
すばらしいドラマをありがとうございます。明日はいよいよ最終回。
毎日泣いてましたけど今日はもう画面が見えんほどやった…
あの怪物松坂慶子を前にしてまったく負けていないこの風格と美しさ。波留さんの今後が楽しみや…。最終週のこのゆったりした脚本も好きです。
旦那が亡くなった直後のぼう然としているこの表情が異色で忘れられない。
#120 「今、話したい事」
シリーズ中最大の事件が起こる回。すさまじい熱演に唸る。
娘・千代とのすれ違い。どうしても言い合いになってしまう二人。普段自分は長女と妻のとやりとりを見ているのでどうしても投影してしまって、泣けて泣けてしょうがなかった。母娘だからこその難しい関係が、すごくリアルに表現されていた。
日本初の女子大設立に力を入れていることが悪い噂を呼び、預金の解約まで出ているとの話。反論しようとするあさを無言で諌める進次郎。ここですっとひくあさが見事。シリーズ通して、この「強情を通し過ぎない、ひき際」が見事。見ていて余計なストレスを感じないのはこういうところも要因だろう。
酔っ払って加野銀行であさと女子行員に対し侮蔑の言葉を吐く萬屋。暴力をふるう寸前に後ろからすっと出て腕をひねり上げる進次郎。絶好過ぎるタイミング。いよ!待ってました!その後のセリフも決まりすぎ。
「萬屋さん!わてはな、大概のことは気にならへんのだすけど、2つだけ、どないしても腹に据えかねることがありますのや。それはな、男がおなごに手をあげることと、わての嫁さんに的外れな悪口言われることだす!」
萬谷「なんやと!」
新次郎「帰っておくれやす!!!」
(鳥肌ぞくぞくっ!)
かーー!!!!最高や!
一方場面が変わり、帰ってきた千代を道端で「もっと話がしたい」と呼びかけるあさ。「話すことなんてない」と無視して歩き続ける千代。「どさっ」という音とうめき声に千代が振り向くと…
萬屋に刺され、倒れ込んだあさ。
しばしぼう然となる千代。事情を理解した後、絶叫する。
その声に飛び出してきた進次郎。
これまでの「あさが来た」にはなかった、玉木宏の強烈な演技が圧倒的。
病院。危篤状態のあさに呼びかける進次郎。見ているこっちはもう涙で前が見えない。
これまでの仲良し夫婦の関係が、フラッシュバックで蘇ってくる。
その呼びかけに応え、奇跡的に生還したあさ。
つづく。
#113「みかんの季節」
加野屋に働きに出る長男・藍之助を見送るはつの顔。
この前に
「大きくなろうやなんて思わんかてええ。
地に足つけてしっかり歩くことさえできたら、それでええんだす」
というセリフ。ベタベタなシーンだけど、宮崎あおいが演じるとこれまでの苦労をすべて背負った奥さんとしての経験を見事に感じさせる説得力のあるシーンに。
メモ。
『ブリッジ・オブ・スパイ』2D字幕・シネコン
ひたすらに地味な映画だったが好み。ソ連のスパイ役好き。たまに流れる音楽の使い方。バーでトムハンクスがCIAに啖呵を切るところ、ゾクゾクした。トムハンクスってほんと、「特別感」がないじゃない?彼を観に行くような俳優じゃないし、アップでポスターに出てくるとめちゃくちゃ既視感ありまくりでなかなか映画館に足を運びにくいんだけど、町山さんのたまむすび評をきっかけに行っていたら、やっぱり良かった。
トムはなんだかんだでいつも裏切らないのだ。
★★★1/2☆
『怪盗グルーの月泥棒』吹替・iTunes
年末『ミニオンズ』から立て続けにシリーズを制覇しどれも傑作だったけど、1作目のこれが1番好きかな。シリーズみんなキチガイ映画(褒め言葉)だけど、これは子供達とのほんわかエピソードもあり、好み。
★★★☆☆
『カンフーパンダ』吹替・iTunes
完全になめてた。何コレ大傑作じゃない。モーションキャプチャーを一切使わなかったというカンフーアクションは、これまで観たことのないクオリティ。これはアレだ、宮崎駿が昔にやっていた「漫画映画」、あのスピリッツを引き継ぐ作品ですよ。ストーリーも、語ろうとしているテーマにも共感。子供と観るにもすごくオススメの良作。
★★★★☆
『カンフーパンダ2』吹替・iTunes
1作目がすごかったのでさぁ2は…と思ったら…予想以上にすごかった。「1」プラス、ロードオブザリングといった感じで世界観が広がっている。相変わらずのオススメ。
★★★★☆
『ピクセル』吹替・iTunes
期待外れ。ゲームのカタルシスもリスペクトも感じられない。アクションとは関係ないところで延々と続くしょーもないギャグにうんざり。半分位はそんな感じ。展開には驚きも全然ない。ドンキーコングが25mで終わるって何よ。(しかも普通速効でワープする面だし)語ろうとしているテーマにも、ちっとも共感できない。ナムコ黄金期にアーケードゲーマーだった自分にとっても、ひじょーに残念。
★1/2☆☆☆
『マイ・インターン』字幕・iTunes
期待通りのハッピーハッピー映画。誰も悪い人は出てこず(出てきても改心し)、イヤな気持ちになる箇所も殆どない。アン・ハサウェイとデ・ニーロを存分に堪能できる。ストーリーも想像通り。だけど、こういうありきたりの物語を、そのままちゃんと作って引っ掛かりもなく気持ち良く見せるのって相当な技術だと思う。だって希有だもの。
★★★☆☆
『駆け込み女と駆け出し男』iTunes
すごく好き。1/3位は聞き取れない江戸言葉で分からないままどんどん物語は進む。やけにリアルな美術と相まってぐいぐいと引き込まれる。女性達が気持ちいい。
最後の侍女子と鉄鋼女子のバディ感は特にぞくぞく。洋ちゃん見事なハマり役。原作も読みたくなる。ちょっと不思議なぶつ切り編集がたまに気になるけど、それも含めて個性かな。所作が粋で気持ち良い。樹木希林も見事。
★★★★☆
『オデッセイ』吹替4DX・シネコン
原作からあちこちカットされているのはしょうがないといえどうしても気になった。それと(自分のミスでそうなっちゃった)4DXにあちこち気をとられてしまった。キャストは文句つけようのないベスト配役。『アポロ13』+ギャグ、といった全体の方向性も見事。ただひたすら問題に向き合って、考えて、解決する登場人物達。美術、演出、すべて圧倒的に見事。映画化に際して(ドラマをアツくするための)余計なエッセンスを追加していない。だからこそ、アツくならずにはいられない。早くもう1回、2D字幕で観たい。
★★★★☆<今のところ
もう毎日毎日安定した、しかもひたすら高水準のドラマ『あさが来た』。そんな中でも2016年2月4日放送#106と05放送#107は実に気持ちの良い回で、仕事や男女のことについてのツボ突きまくりなセリフの数々で何度涙ぐんだことか(多分そんな人はあまりいないと思う)。
見事にカタルシスを呼び起こすセリフが本当に良かった。全部を書き起こしたいくらいだけど、とてもそんな時間はないので、備忘録代わりに名シーンを貼っておきます。
初めての女子行員採用を説得するあさの啖呵!波留はやっぱり啖呵なのだ。
選び抜いた4人を前に心意気を語るあさ。この4人の表情も実にいい。
母とぶつかってばかりの娘・千代に、人の「器」について、あさの例で話す新次郎。大阪でクサってないで、知らない土地京都で女学校に行くことを進める。
登場しただけで引きつけられるはつ(宮﨑あおい)。苦しいながら農家で既にやってきている奥さんの貫録が見える。
家業をけなした長男・藍之助を「許しまへん」と一喝するはつ。
藍之助に「ここにいていいと言いたいけど、あさが絶対に許さないだろう」と話すよね(風吹ジュン)。「銀行に一番大切なのは『信用』」と、これまで何度も劇中語られてきた言葉が回収される。やさしく天然なだけではない、大御所のこの説得力。
「大奥様…」と深々と頭を下げるはつ。表情ひとつでもう…。
帰り際「やっぱり加野銀行はいいのお…」と話すお客の声で、思わず立ち止まる藍之助。
その藍之助を厳しく咎める母の顔。シーンごとの、相手ごとの見事な演技。説得力。宮﨑あおい、凄すぎる。
出てくる俳優どれも良いんだものなぁ…こんなドラマを毎日観ることができるなんて、なんという幸せだろう。
アーサー・ランサムの『ツバメ号シリーズ』に関して自分が書いた感想を読んでいた。そして気付いた。
このシリーズの子供たちの振る舞いこそ、
『キングスマン』の名セリフ、「MANNER MAKETH MAN(マナーが人をつくる)」を、そのまま体現してる。
イギリスものが好きな人の気持ちが、なんとなく分かった気がする。
2014年から観た映画の記録をつけはじめました。2015年末には映画仲間とその年のベストを語る呑み会(それぞれが一覧と感想を配り、語る)を開催したので、ブログでも掲載しようと思います。
続きを読む
3月の日本アカデミー賞で獲って欲しい作品・人たち!
●最優秀作品賞
『百円の恋』『海街diary』うーん迷う…
やっぱり最近観た分だけ『海街…』にココロ傾いてるなぁ。何せ『百円…』は昨年アタマだもんね。
●最優秀監督賞
『百円の恋』
●最優秀主演男優賞
『駆け込み女と駆出し男』大泉洋
まだ観てないけど(笑)。イイに決まってるよ。
●最優秀主演女優賞
『百円の恋』安藤サクラ
●最優秀助演男優賞
『百円の恋』新井浩文
●最優秀音楽賞
『海街diary』菅野よう子
●最優秀撮影賞
『海街diary』瀧本幹也
ってほぼ2作品やん!
子供が産まれてからは、恒例だった年末の振り返りタイムを作ることが叶わなくなりました。だからって別になんだ、というアレじゃないんですけど。以前は手帖に1年の総まとめを何時間かかけて書いてたものです。
昨年末は仕事納めと同時にインフルエンザにかかった自分。今年は一家揃ってなんの病気もありません。休みに入ってからはずっと家族で家のことをしていました。飽きたら買い物出たり。皆で料理つくったり。本当に、これ以上ないシヤワセな時間です。たまには娘のバレエの時間やなにかを使って一人で映画を観る(今年からはずっとAppleTV内iTunesレンタルを使ってる)時間もあって。最高です。
今年は長女が早い反抗期(小3)に入りいつも家庭内がギスギスしていましたが、自分が家にいてフルサポートしていれば、結構な平和です。なんのことはない、妻の不満は半分以上、普段家庭にあまりいない夫に対して発せられてるワケで。母娘喧嘩はありますが、今は頻度も少なく長続きもしない。長女も、夫婦揃っていることによる家庭の平和な感じを敏感に感じているようです。
姉妹には今どちらにも好かれています。まだ、家族がちゃんと繋がっている感じがちゃんと実感できる時期です。子育て、というか子供と共に育つ人生は、常に一瞬一瞬が、繰り返すことのないかけがえのない時間だと思います。
家のこと。年末近くに妻が普段の収納の不満を一気に解決すべく、これまで俺が許さなかった(笑)無印良品のプラスチック収納ケースを強行手段で大量に導入。そこでストレスが一気に下がったというのもあるんだろうな。相談しても言葉だけ聞いて(「古道具でそのうち探すから」が口癖)対策もとらない俺に郷を煮やし、これは「相談せずに強行」が最善策だと判断したそうです。いちいちごもっともでした。良い判断だと思う。しかもちゃんと表には見えない場所にだけ導入している。これはありがとうを言うべきところです。
マンガ問題。これは今も悩んでいます。家の設計上、父の部屋は開かれた半公共スペースになっています(これは自分が自営業で、会社にいくらでも自分の場所を作れているから)。子供は親の目を盗めばいつでも父のマンガを読むことができる。それ自体は問題ないと思っていたのですが、やはり反抗期も重なり、放っておくとそのことだけで何もしなくなってしまう。妻の悲痛な訴えにより、今年は殆どのマンガを段ボールに入れて出せないようにしていました。その結果、娘の自由時間は増え、その間に図書館から借りてきた年相応の本を読んだり絵を描いたり、まぁなんでもやるワケですよ。空き時間が増えた。
年始は大勢のお客が来るので、この段ボール状態も申し訳なく思い、この休暇中にまた一度すべて本棚に戻しました。で、今後は「娘に読ませたくないマンガ」を置かない、という自分内ルールを決めて、対象のマンガを一挙処分。「娘に読ませたくない」というのは、「自分の中でも解釈がハッキリしていない」ことでもあります。刺激や、何かの打開のきっかけとして読んでいたもの。そういうものは、俺からじゃなくて自分で出会って欲しい。高校生とかになったら別ですけども。自分も、1番マンガに出会ったのは高校生だったし。
それだけでなく、「俺が手許に残しておく意味ないだろ」というシリーズも処分。たとえば『バガボンド』『ブラックジャックによろしく』とかね。
前述の自分の中で整理できない『アイアムアヒーロー』とかも含めて、かなりキレイな状態のマンガもたくさん含めミカン箱2〜3箱ブックオフに持っていったのに総計3,000円弱。いつも間違いなく期待を裏切ってくれるぜ、あの店は。
年末に「今年の映画ベストを語る呑み会」を開催してからすでに数本鑑賞。特に『キングスマン』『海街diary』は完全にベスト上位に入る傑作。『海街diary』は原作信者としても本当に驚くほどの出来。吉田秋生原作映画としても勿論歴代No.1は間違いなし。BD出たら買いたい位です。あらゆるシーンの画の美しさったらない。そしてすべての演者が光ってる!原作の脳内補完も合わせて夢のような時間でした。
今年観た映画は、劇場、レンタルなど合わせて50数本。huluに入ったのも大きかった。レンタルはすべてiTunesに移行。TSUTAYAという会社の姿勢や店員教育など色々なことが好きじゃなくて、あそこにお金を落としたくなかったので、その目的は達せられて満足です。延滞もないし(つまらなかった映画に限って延滞するよね!)、全部貸し出し中で残念!ってこともないし、夜中でもその気になればすぐ観れるし、配信ていいですよ。500円は高いけど、レンタル往復のガソリン代だけでも結構使ってるよね。延滞1回で300円とかあるし。ただiTunesだけではとても観たい映画を全部フォローできないけど。基本新作ですね。検索なんかもAppleTVは超使いにくい。
あ、時間があればブログで50数本の一言レビューとかやってみたいな〜。難しいだろうけど。
さて、気持ち的にはTwitterじゃなくできるだけこちらのブログで書いていきたいのだけど、なかなか難しいかったです。来年はきっと新しいMacBookを買うので、それで少しでも移行したいと思う。来年に期待!
(ちなみに2015年、Facebookからはかなり離れました。完全に仕事宣伝用です。)
昨日のあさのラストの表情…。
この目…。
目だけの演技で、色恋や単なるビジネスパートナーを超えた深い感情を想像させる素晴らしいシーンだった。この波留の演技力が今の朝ドラに深みを与えていると思うのです。
iTunesレンタルで、字幕。
観終った後の気持ちは、『第9地区』と似ている。手放しで「面白かった〜!」と言える映画ではなかった。
ただきっと後で、もう一度二度、観たくなる。色々な暗喩が(それと気付かなくとも)魅力に昇華している映画の特徴なのかも。理由は分からないけど、観直したくなる。
でも後半のさ、
人の意識(これ攻殻の「ゴースト」だね)をUSBに入れて移動とか、そりゃさすがにないんじゃないかと。その設定はなかなかに呑めない。もともとのAIであるチャッピーと、「人」の意識はちゃうだろうし。「脳波」を伝える機械で意識がコピーできるってのもひっかかる。
↑ネタバレ。
ブリアレオスそっくりのヒューマノイドがほんと普通にスムースに動いているのはちょっと感慨深かった。
★★1/2☆☆
移動中に『インターステラー』4回目の鑑賞。初めての吹替。自分は字幕の方が好きだな。
何度観ても、イヤ見れば見るほど、ミラーの星(海の星)をめぐる一連のシーンは最高だ。「何時間無駄にした?」「おそらく…数十年」この絶望。SFならではのゾクゾク感。
あと吹替だとCASEが妙にカワイイことに気がついた。
インターステラーはどうしても「地球を出なければいけない必然性」にハテナがついちゃうのだけど、それ以外は最高のSF。大好き。音楽も最高。
***************
ラストシーンを観たのは、翌日の朝、通勤時。
空は突き抜けるような快晴。
映画の中のことは決して絵空ごとではないと思える。
我々はあの向こうにある月に行くのさえやっとで、その先のことは何も知らない。
火星も木星も惑星は勿論、恒星なんて、銀河なんて…
自分たちが今存在しているこの空間のことさえ(自分たちが考えた理屈以外に)何一つ「知って」いないんだなぁと思うと、すうーっと意識が平らになる。
そして校了10日前なのに内容決まってないとか、そんなちょろいことはどうでも良くなってくる。
これぞSFの楽しみだよな。
★★★★1/2
このシーンだけでも『インターステラー』って映画はとんでもなく最高としか言えないでしょ。BGM最高。
このBGMをパイプオルガンとピアノで演奏。激燃え。
たまってきたので後で書く。星は暫定。
『スライ・ストーン』劇場で。★★★☆☆
『インサイド・ヘッド』劇場で。★★★★☆
『ターミネーター4』huluで。★★1/2☆☆
『小さいおうち』huluで。★★★☆☆
『ジェラシック・ワールド』劇場で。★★★☆☆
『バードマン或いは何たらかんたら』iTunesレンタルで。★★☆☆☆
『学校』huluで★★★☆☆
『学校II』huluで★★★1/2☆
『青天の霹靂』iTunesレンタルで再見。★★★★☆
シネコンで2D字幕。
冒頭から、映像に何の「タメ」もけれん味も感じられず、何だか軽い演出で淡々と続いて終わる。全体はそこそこ楽しめるし最後まで観れるけど、どこかTV版の総集編のような印象。ターミネーターシリーズの「新しさ」はゼロ。迫力もない。
ジョン・コナーが初登場シーンからどことなく感じ悪い(単に顔のせいなんだけど)と思っていたら、ああゆう展開になるのか。
うーん。カッコ良さのないターミネーターって、こんなにも物足りないんだね。
★★☆☆☆
iTunesレンタルで。
とても良く出来た映画だと思うが、描こうとしている主題に興味が持てない。
これって、『私の男』を観たときの感想(→リンク)に似ている…。
そもそも宮沢りえが恋する相手の大学生男子なんだけど、
初登場シーンから最後に至るまで、1ミリも魅力を感じられない。
ここだけで物語の吸引力に欠けている。
最後の破滅に至る過程も、「ま、そうだろうね」「ま、そうなっちゃったら、そうなるだろうね」という感想…これも『私の男』と一緒だ(笑)。
あと宮沢りえのステロタイプなカワイくておしとやかな良妻ぶりがすさまじくて、我が家の環境から見ているともはや絶滅した珍獣を見ている思いだ。夫と話す時の声のトーンとか。で、宮沢りえが美しく見えない。自分的には、今までで見た一番美しくないりえちゃんだったと思う。ここでまた吸引力が落ちる訳。
小林聡美がイイ!って聞いてたけども、まぁ勿論彼女はいつも素晴らしいし、色んな映画でその魅力を出しているから、特にこの作品で!という思いはなかった。勿論とても良い演技でしたよ。
汚い部屋で無我夢中になり書類偽造に走るりえちゃんにはちょっとぐっとくる(いわゆるそういう意味ではない方で)。あと最後に走るシーンもイイ。
だけど、その元になるのがあのどーでもいい男子ってのがね…共感度ゼロでした。
★★☆☆☆
iTunesレンタルで。
評判通りの痛快作。同監督の『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』などはどこか引っかかる所が多くて心から楽しめなかったけど、これは文句なしのエンターテインメント。伊藤英明、優香、長澤まさみなど助演陣誰もがすばらしい演技を魅せる。伊藤英明は言わずもがなだけど、長澤、優香の「実在感」!すさまじい。田舎モノに美人女優が入った時の違和感がない。それだけでも観る価値はある。クライマックスのお祭りの様子も、普通「なんでもありどっちらけ」に行いきそうなところを、映像の重厚感とで絶妙なバランスに落とし込んでいる。
途中、主人公の同級生の大学生「スローライフ研究会」が見学に来た時に、最初一緒に楽しんでいたんだけど、大学生のセリフに対し最終的に主人公がキレるシーンがある。
ありがちな状況だけど、セリフや演出の「頃合い」が良かった。「いつになったら帰れるの?」とか「こういう人達がいるから、俺達の生活が成り立ってるんだもんな。有り難いよ」とかのセリフ、まあ普通に考えそうではあるけど、それ本人達の前では言わないだろうっていう微妙なライン、つまり「敬意」「想像力」が足りない、無知がもたらす振る舞い。その言動に主人公がキレる。
それに対する大学生達の反応もリアルだった(ちょっと逆ギレ的に去っていく。まぁ言った内容からしてもそうなるわな)。1歩間違うとすごくチンケになっちゃうようなやり取り。
でもこの大学生達のセリフの勘違いって、実は映画全体がこんなテイスト(勘違い)になっちゃう危険も往々にして有る訳だなぁ、と思った。
称賛しているようでいて、当事者から見たら腹が立つというよくあるケース。
取材して分かったような気になって、それを感動の材料に使うだけ、的な。あるいは取材の内容はちゃんとして、志はしっかりしているのに、作品に落とし込む時にそうはいかない例とか。
ココの違いは「敬意」が表現されているかどうか、なんじゃないだろうか。観ている人にも(この場合は「林業」に対して)敬意を感じさせることができるかどうか。
この映画は、林業のさまざまな所作の説明も、できるだけ俳優本人を使いつつ、決しておざなりにすることなく丁寧に描写している。そのシーンだけは本当に神聖なテンポになる。このことが、作品全体の基礎となり土台を固める。つまり丁寧なディテールの積み重ねの上に、演者のリアル、セリフのリアル等諸々が積み重なって初めて「敬意」に繋がるのだろう。でもそれって、出来た作品を見てる我々はあまりそうは実感できないけど、実はきっと奇跡のようなことなんだと思う。
いわゆる業界モノ作品の、取材内容の反映のさせ方については、以前『海街diary』について書いたこと(→リンク)に通じるかも知れない。
もう1回観たいな。
★★★★☆
シネコンで。
細田守監督の新作『バケモノの子』がすごく良かった。最近は『ベイマックス』やら『ヒックとドラゴン2』やら、ジャパンアニメの良さをすべて吸収しさらに高みに到達している(脚本はもうレベルが全然違う)とんでもない作品を観ちゃったせいで、知らないうちに(もうジャパンアニメはいいよ…あまり期待しない…)などと諦め気分だったんだけど…。
この『バケモノの子』を観ると、これからのジャパンアニメに希望が持てる。楽しみになっちゃう。気持ちが変わる。残念ながら「今年ベスト!完璧な作品!」とは言えないけど、今まで観た事ないような要素がいくつもあった。特に脚本は独特。新しい日本作品の良さが、『おおかみおとこ…』からの細田作品で、ついに明確化された気がするのです。
脚本、音楽、美術、どれも素晴らしい。演出はこれまでの細田節をさらにグレードアップさせたかんじ。まったく役所広司には驚かされたよ!
関連キャンペーンで、細田監督の過去作(他にもあるけどとりあえず一般的に「細田監督作」として知られているもの)がhuluで8/末までの限定公開されていた。
(こういうCPはとても良いので今後もどんどんやって欲しい!)
で、結局全部観たのだけど、
『時をかける少女』:再見。全体ダラダラで印象薄い。タイムトラベルものならではの感涙ポイントは抑えながらも、それだけの印象。全然種類は違うけど新海誠監督の盛り上げ方も彷彿とさせる。
『サマーウォーズ』:再々見。盛り上げ方は本当に上手いのに、細部の設定がひどいというか常にツッコミドコロ満載で、没頭できない。ひっかかる。楽しめない。自分は結構「まぁまぁまぁそれはそれとして…」楽しめる方だと思うんだけど、この作品はダメなぁ。コンピューター周りを中心に、もろもろ。リアルがちっとも感じられない。
ということでワタクシ的には『おおかみおとこの雨と雪』から初めて「細田守監督ヤバイ!」ということになったのでした。(→当時の一言感想へ)ただ、総じて言えるのは「カタルシス・ポイントを作るのがとっても上手な人」ということでしょうか。
今後の日本作品を背負って立ち、勿論「世界のホソダ」になること間違いなしの監督だと思います。
『バケモノの子』★★★★☆
※パンフレットも良かった。普通「声優のインタビューとかマジ紙面の無駄」と思っちゃうw自分ですけど、これは監督の人柄か、関わっている人の心意気か、どれもすごく読み応えのある内容に。氷川竜介の解説もすごい力の入れよう!