カテゴリー: TV・映画感想

『おかえりモネ』90話あたり

先週末から今週の『おかえりモネ』…ヤバい。というか最近は毎日2回観ている。以下忘れないうちに、Tweetしたまとめも兼ねて。


●みーちゃん(妹)の話、姉妹あるある、家族あるある。だけど忘れちゃいけないことをちゃんと描いている。長男長女である奥さんと二人で盛り上がった。

●「逃げる訳にいかないじゃん」「誰かが残らないと」
これまでずっと脚本の安達氏は、モネ達の両親に「どこへ行ったっていい」「自分の好きな仕事をやればいい」としつこい位に言わせてきた。その上での、みーちゃんのこのセリフ。

「強制されたんじゃないでしょ、自分で望んで地元に残ったんでしょ」そんな簡単な話じゃない。周りの人、特に家族は忘れちゃいけない気持ちがそこにある。

みーちゃんもりょーちんの跡継ぎに関して感じていることがあるから、自分は分かると言いたかったけど、そこまで心を許せるのは、やっぱり幼馴染みで「自分を恋愛の対象にしていない」モネなんだな。喫茶店の「(オムライス)好きだけどね」みたいな会話、ヤバい。

●みーちゃんに服を投げつけられた後、少し払うモネのあの感じ。素晴らしい。ここ最高だよねって盛り上がった。(90話)

この写真は後日の「あさイチ」から

●「ズルい」って言われがちな長男長女。お互い分かってるんだけどなって話。分かってるけど言っちゃうのが家族。姉妹の独特の感じ。だからって流していいものでもなくて(流しちゃいがちなんだけど)。

●おっさんとしてはもちろん「両親達のドラマ」は一番親身に迫るところでな。もう隅から隅まで名優たちの力が存分に味わえる名シーンばかり。

●火曜のさ、新次(りょーちん親父)の家の冷蔵庫の中で作ったあのおにぎり。あの海苔の安っぽさな。スタイリストさん最高。いかにも新次らしい、スーパーで一番安い海苔。ここも盛り上がったポイント

●月曜朝冒頭の喫茶店シーン。りょーちんにほんの1分位で「東京」の居心地の良さの本質を語らせるところ。脚本秀逸。そしてこの2人の醸す空気感たるや。

●期待に応えるのは楽なんだよ。最初はね。段々つらくなる。もいいなぁ。りょーちんここまで静かでいて、満を持して言わす感じ。

●東京と地元で親子がそれぞれ周りの人達に救われるあの同時進行の巧みさ。

●みーちゃんの辛さね。ここ数日で何度「みーちゃん!」って叫んだことか。おれたち長男長女だからもうなんつか、妹が可愛さ余ってもう、というか。でも社会人なんだからさ、とか。いやいや。あーだこーだ。

●友人のすーちゃん、この数日すごい。見せ場沢山。みーちゃんよりも色々経験してきたからこそ、幼馴染みで二人を見てきたからこそのセリフの数々。
でもモネをりょーちんところに一人で送った後の、無言の表情もすごいから。

●菅波先生は反面、サメからこっち大きな活躍はなかったけど…多分水曜からいろいろぶっ込まれる筈(予告より)。

「そういうときにこっちのことを忘れてしまう人のほうが僕は信頼できます」の電話で、ちょっとキュンとでしょ。モネは。

健太郎のアゴのラインは本当に素晴らしい。そして今回「菅波先生」というあり得ないほど素晴らしいキャラを生んでくれたことに感謝。

もうまだまだ1シーンことに言いたいことが沢山あるのだけども…。語りきれん。

珍しく奥さんも一緒にハマってるので(もちろん菅波先生がいるからだ)見たあとあーだこーだ言えるのがいい。

ホント気が滅入る日々だけど、毎朝の朝ドラに救われています。朝ドラがちゃんとしてるかどうかって、めちゃくちゃ重要なんだから!特にこんな時は!

ドラマ『Modern Love』S2-3話(ジョン・カーニー監督回)

Amazonオリジナル『Modern Love』シーズン2-3話はジョン・カーニー監督回。舞台はダブリンで、『シング・ストリート』のヒロイン、ルーシー・ボイントン主演(気付かなかったけどね)。そしてゲースロのキット・ハリントン!こんだけお膳立てが揃ってて面白くない訳がない。

ビフォアサンライズネタもゲースロネタもツボ過ぎて最高でした。このシリーズは1話30分位で見やすいのもいいけど、短いから軽い、んじゃなくて、短いからこそ記憶に残るエピソードもあるよな〜て思う。

『Modern Love』は30分程度で1話完結。シーズン1&2・各8話。ニューヨークタイムズの投稿コラムを原作に、今話題の監督や俳優達がさまざまな現代の愛を描くショートドラマ。待望のシーズン2配信が始まったのだけど、残りを観るのが勿体ないよ…

映画『イン・ザ・ハイツ』完走

『イン・ザ・ハイツ』をイオンシネマで。監督はジョン・M・チュウ(『クレイジー・リッチ』など)

ラテンヒップホップ系の『ラ・ラ・ランド』みたいな映画。ただし目指すはハリウッドではなく、自分がなりたい職業に就くことだったり、お金を貯めて故郷へ帰ることだったり。

舞台は中米系移民の街、マンハッタン北部の実在の街ワシントン・ハイツ。皆明るいが低賃金労働で苦しむ中、ドミニカ出身の主人公ウスナビはコンビニを営みながら、故郷で父の店を再び出すことを夢見て貯金をしている。彼が想いを寄せるのはデザイナーを目指し美容院で働くヴァネッサ。他に秀才で街の期待を負い名門大学に進学したものの、差別に耐えきれず退学してしまったニーナ、タクシー会社で働くニーナの恋人ベニーたちの日常。

物語の軸になるのは大停電だが、そこまでエキサイティングなストーリーがある訳ではない。「何度でも立ち上がる」ハイツ住民達の生き方を、ほぼ全編のミュージカルで描く。優しくて、ちょっとサプライズなエンディングが待ってる。

特に冒頭、セリフ込みですべて一編のラップになっている8分のアヴァンタイトルは圧巻(YouTubeで公開されているので是非)。これを見たのが今回のきっかけだった。『ラ・ラ・ランド』もそうだけど、『ベイビー・ドライバー』アヴァンの、全ての動きが音楽になっているあの感じも思い出す。

監督はアジア人オンリーの『クレイジー・リッチ』(最高に好きだし娘達は3回も観ている)でハリウッド初の大ヒットを飛ばし歴史を変えたジョン・M・チュウ。今作も多分ヒスパニック系以外の主要キャストはいないっぽい。

原作はワシントン・ハイツに実際に住んでいたリン=マニュエル・ミランダ作のミュージカル。アヴァンから移動かき氷屋で出てくるプエルトリコ系移民の彼は、ミュージカル、俳優、作曲で各賞を総ナメにしている超天才。

『シェフ』の余韻に似たところもあって全体的に好きなのだけど、ちょっと長いかな。

音楽のジャンル的にも『リメンバー・ミー』や『シェフ』『ベイビー・ドライバー』までは個人的にノれなかったというのもある。でも『ラ・ラ・ランド』みたいに綺麗過ぎないところも面白いし、ラップがカッコ良かった。アヴァンを観て「好き!」と思った人は迷わず映画館へ行くのが吉。(自分はナイト上映で全2人だった。空気感染も心配しないでいい)

それよりこの映画で一番好きだったのは、主人公のやっているコンビニや美容院、個人商店が成り立っているワシントン・ハイツの暮らしの質感・実感だったのだと思う。(地価高騰などでその生活も揺らいでいく最中な訳なんだけど)

コンビニはただ日用品を売っているだけではない。雇っている従兄弟と共に、毎日お馴染みの住人たちの悩み、喜び、心配ごとを聞きながら一緒に笑って暮らしていく。日本で言う「コンビニ」とは違う、昔田舎にあった「なんか屋」に近い。

店主の収入問題を考えなければ、個人商店の集合で成り立っている街は理想的だし、そんな所に住んでみたいと思う。だけどこの映画でも語られているように、地代が上がれば成り立たないし、そもそもCOVID-19でネット通販に一層慣れてしまった現代ではこの先も個人商店・○○屋の存続は難しいだろう。

自分が思う「東京の価値」って、この○○屋や個人商店や商店街がやっていけることが大きかった。維持できるだけの人口と経済基盤があること。それはNYも似ているんじゃないだろうか。

世界が変わってしまった今後は、一体どうなっていくのだろう。

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』感想


8月6日は『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を観た。Amazonレンタル。

邦画史上最長のノンストップロングランヒットを記録した前作に250カットもの追加と再録音、新曲を加えたニューバージョン。時間は40分ほど長くなったらしい。

おれ、初作のフルBOX持ってたんだけどなぁ…苦笑。でもこっちのCFにも参加しました。

前作は新潟公開時の最初の上映に行った覚えがある。たった二時間の映画なのに、劇場から出たらまるで何年も過ごしたかのような気持ちになった。映画自体はカット割りとかテンポとかむちゃくちゃ早いんだけどね…だからこそなのか?

その前作では省略されて、原作からの補完で想像するしかなかった、すず、リン、周作の関係が、
今作でより明確に出ている。このことで、周作とすずの夫婦としての絆…イヤそういう陳腐な言葉ではなくて、現実としての夫婦っぽさが、そのリアルがより感じられるようになった。最後にあの子供を引き受けることになったエピソードの感慨も、初見時とはまた違う。

だから見終わったときの「一時代体験した感」もさらに増している。前作好きだった人に是非オススメします。今更だけど。

映画『監視者たち』完走

Netflixで『監視者たち』を。2009年の香港映画のリメイクらしいけど、そちらは未見。
監督:チョ・ウィソク&キム・ビョンソ
2013年・韓国

良かった…。
ITや監視技術を存分に活用したクライムサスペンス。その技術の扱いにしょぼい所がまったくない。「それはちょっとないでしょ」的な突っ込みドコロもなく、むしろ驚きながら進んでいく。オーシャンズ8やミッション・インポッシブルのようなエンタメ感も存分に味わえる。

本当にここまで可能かどうかは知らないけど、街中に張り巡らされた監視カメラと、それを使ったセミオートの人捜しの凄さ。攻殻機動隊の世界が普通に現実になってる感ある。

主役の警視庁「監視班」チームの面々やエピソードもイチイチ良いのだけど、なんといってもこの映画の華は悪役のチョン・ウソン!徹頭徹尾かっこいい。痺れる。もう1度みたい。

東京オリンピックの地獄

書きたいこと・本来は書き残さねばいけないことが有り過ぎるのだけど、あまりに多すぎて、あまりに気力が削がれて、記録できない。

どう考えてもやるべきではない東京オリンピックが、いよいよ開催された。

と同時にとんでもない感染者数の増加。昨年6月は東京1日30人程度で「東京アラート」なんて言っていたのに、今は東京1日3000人オーバー。これも有症状者のみの検査結果だから、一概に他国とは比べられない、実際の状況を表しているとは言えない数字だろう。

インド由来・デルタ株の発生でことは大きく変わった。空気感染の可能性が出てきた。
ひとたびCOVID-19収束を宣言しマスクなしで大規模イベントを開催しはじめ、GDPも感染以前まで回復した筈のアメリカでさえも…このデルタ株のせいで急転直下。

今年の夏秋、世界がどうなってしまうのか分からない。恐ろしい。
でもこの恐ろしい世の中にあっても、その実感は人によって極端で、罹患していない人は気にしなければいつもの日常だ。一旦罹患するといつ死ぬか分からない(病気が殺すのではない。医療崩壊が殺す)恐怖に突き落とされる。
人によって症状が天地ほど違うのがCOVID-19の特徴なんだけど、これはきっと戦争とかでも言えるんだろうな。そう思ってないと自分達はきっと生きていくことができない。

「感染は明らかに広がるだろうけど、一旦始めてしまえばもう国民は金メダルの喜びであらゆることを忘れる。政権の感染対策の愚かさも、失敗しかないこの数ヶ月のことも。」
そういう意図で完全に政治利用のために(公言もしている)開催されたオリンピック。

いざ開催されてみると、想像以上の心理的作用があった。

オリンピックは見ていて楽しい。盛り上がる。やっている間はCOVID-19のことなんでおくびにも出てこない。
つまり画面の中でだけはユートピアが繰り広げられているのだ。

このことが、もう心配などをとっくに通り超して、癒やしや「救い」となっている。

我々の危機的状況を導いた、運営としては本当に糞のようなオリンピックだけど
その内容が、頑張るアスリート達の姿が今、心の救いとなっている。

何しろ今このオリンピックが終わったら、目の前には地獄しかないのだ。

オリンピックで盛り上がって政治の失策を忘れるとか、そんなレベルではない。そんな訳はない。

今はただ、この夢の世界に浸っていたい。そう思わせる。それ位、世界に救いがない。我が国に救いがない。
そんな今。2021年夏。

映画『野球少女』感想

『野球少女』をAmazonレンタルで。
2019年・韓国。監督:チェ・ユンテ

大好き。今年のベスト作品に入る。

なんでこんな邦題付けたのか最初分からないけど、タイトルの印象とは180度違う。まず、全体的に暗いし(褒め言葉)。「○○少女」映画のだとありがちな突っ込みドコロもない。脚本が素晴らしい。

【あらすじ】
青春の日々をすべて野球に捧げ、〈天才野球少女〉と称えられてきたチュ・スイン(イ・ジュヨン)。高校卒業を控えたスインは、プロ野球選手になる夢をかなえようとするが、〈女子〉という理由でテストさえ受けさせてもらえない。母や友だち、野球部の監督からも、夢を諦めて現実を見るようにと忠告されてしまう。「わたしにも分らないわたしの未来が、なぜ他人に分かるのか」──自分を信じて突き進むスインの姿に、新しく就任したコーチ、チェ・ジンテ(イ・ジュニョク)が心を動かされる。同じくプロになる夢に破れたジンテは、スインをスカウトの目に留まらせるための作戦を練り、特訓を開始する。次々と立ちふさがる壁を乗り越えたスインは、遂にテストを受けるチャンスを掴むのだが──。(公式サイトより)

原題は『Baseball girl』なので邦題は直訳か。問題は邦画や邦題に於いて『○○少女』という言葉が使われてきたこれまでの映画の内容、そこからくるイメージの方なんだろうな。

つまり、このイメージを逆手にとったタイトルなのかも知れない。

つまり、『○○Girl』『○○少女』と銘打たれるエンタメ特有の、男子社会の中で頑張っている女性「だから」取り上げる、女性特有の苦労やエピソードをクローズアップする、そのような取り上げ方に皮肉を呈する意味なのかも。

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後半少しスポ根風味のところはあるにせよ、これは決して「スポ根映画」じゃないし、そういう向きを期待してもアテが外れる。
これは、ジェンダーと社会と、それでも男女関係なく「自分であることについて」を貫いていく映画だ。

主人公のコーチが『秘密の森』のソ・ドンジュ検事(チェ・ジンテ)!
最初分からなかった位別人(まぁソ検事が独特だからね…)。嬉しいわ〜。

あとお母さんヨム・ヘランは色んなところで観るけど『カウンターズ』のおばちゃん!
最後の方では『秘密の森』『マイ・ディア・ミスター』でお馴染みのあの人も。
主人公スインのお父さんも、歌をやめた親友もいい。とにかく脇の俳優が良い仕事するからドラマが締まる。

もちろん主人公のスインを演じるイ・ジュヨンが最高。クールと熱っぽさの表現が素晴らしい。これからも追っていきたい。

映画では良く取り上げられそうな設定だと思うけど
脳内ツッコミをしなくて良い脚本の見事さ、演出、大好物です。
タイトルに違和感を感じた人にこそ、観て欲しい。

『秘密の森』『秘密の森2』

Netflixで『秘密の森』『秘密の森2』完走。
堪能しました。素晴らしい時間だった。

●過去の脳手術により、あらゆる感情の起伏が乏しくなった検事ファン・シモク(チョ・スンウ)が主人公の刑事・検事ドラマ。だから彼はいかなる場合でも感情に流されず、地道に下調べをして理性的な判断を淡々と下せるプロフェッショナルである。

見始めた時は、この手術の理由などが後でドラマに関わってくるのかと思いきや、一切関係ない。つまりこれは、主人公の冷静沈着な性格の、裏付&言い訳の為だけに存在する設定だった。

感情に流されない冷静なプロとしての判断力。そこに感じるカッコ良さやカタルシス。これは自分が刑事ドラマに求める一番の要素だ。
(NHK版『64』や映画版『クライマーズ・ハイ』みたいなアレ)

要するに秘密の森は、
最初の設定時点で、自分的に「おっっけぇーーー!!サイコーー!!」だった。
どんなにキツいことが起こっても、この主人公の冷静さで救われる。自分にとって一つの究極刑事ドラマだった。

●ベスト・オブ・ペドゥナ。
最高。元から大好きだった役者さんだけど、このドラマでのペ・ドゥナ=ハン・ヨジンは本当に良い。感情のないシモクとのペアなので、その分気持ちの表現が豊かで楽しくなっている。

ちょっと唇噛んだりとか、頬膨らましたりとか、目とかまばたきの時間とか、要するに演技スキルってことなんだけど、本当に上手いなぁと改めて感服した。世界的大女優に何を今さらですが。

で、感情表現豊かなクセに、現場で取り乱して(凡百のドラマならストーリーを動かすために必要な)おかしなヘマをやらかすこともない。だからもう、この二人だけで安心して見ていられる。
(逆に言うとこの二人以外は誰であったとて、完全に信用できる人がいない。そういうドラマ)

●悪役含め登場人物たちは皆好きだけど、特にお気に入りは…ハンの元同僚、刑事チームの面々かな。


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〜以下ネタバレあります〜
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●2の最後の終わり方も良かった。最大級の感動でフィナーレ、などでは全然なくて、仕事に対して純粋に真摯な二人はやっぱり生きづらさを感じる職場なのだけど、その中で少しだけ、希望が見える。自分たちがやってきたことが間違いじゃなかった証拠が、少しだけ見えて終わる。その瞬間瞬間に、号泣。

●ラス前、挫けそうになるハン・ジヨンの携帯に、元の同僚たちから呑み会の誘いがかかってくる、あそこね。一番泣いた。この2シーズンを締めくくる嗚咽。

●シモクとジヨンの間に一切男女のアレコレが発生しなかったのも最高に好み。途中ひょっとして?と思わせる箇所もあったが、お互い踏み込まず。最高。

●2のウ・テハ検事がやっぱりどうしようもなく鬼畜だったのはちょっと残念だったかな。その代わりキム・サヒョンへの疑いとその結果には少し救われた。

●2でのハンジュの関わりも、結局そうか…というところでウ・テハのスキャンダルに収束された感あって、もうちょっとあっても良かったかな。だって結局会長の兄さん出てこなかったじゃない。ユンボムも…ひと目見たかった。

●最後2話は、あの二人を差し置いてウ・テハとチェ・ビッが主役かってくらいの話だった。でもこんな感じも秘密の森っぽくていい。「ドラマっぽいことが主線じゃないんだよ」ってゆうのか。

●個人的にはペ・ドゥナにとにかくやられてしまった全32話でした。ファッションも、いいよね。チェ・ビッのあの感じも。関係ないけど最近やってた刑事ドラマ、最初の見始めで広末涼子の衣裳があまりにもあまりで、すぐに見るのをやめてしまった記憶がある笑。

さてさて、次は何を見ようかな。
絶対に面白いだろう韓ドラが目白推し。観るのが遅いので全然総数が少ないけど、今までのベスト韓ドラは

1)シグナル
2)マイ・ディア・ミスター
3)愛の不時着

かな。でも完走できたドラマはどれも本当に面白かったです。

『らんまん』

ここ数週間の『らんまん』にはずっと釘付けだし、そのセリフの説得力にブンブン頷いたり鳥肌立ったり涙したり。

この水木曜日、すごかったね。ぞくぞくっとした。溜めに溜めた大久保がここに来てクワーっと!!くわーっと!なんか今週は映画を観ているようだったよ。

この調子で最後まで行ったらとんでもない傑作になるんじゃないか。末恐ろしい子。

毎朝助かって本当に嬉しい。だから生きていける。朝ドラが面白いかどうかって、本当大事なんだから。

朝ドラ『おかえりモネ』序盤

おかえりモネ。いいなー。

平温、というのも少し違う。
ずっと、静か。
だけどキャスト皆が、それぞれの感情を、
その静かな中で表現してて。

モネの性格もそう。朝ドラヒロインには珍しい、受けの姿勢。受けて、考える。

仕事に対する真摯な脚本がいい。自分は日本のドラマだとまずここでひっかかることが多い。仕事がちゃんと描かれていること。視聴者を馬鹿にせず、おかしな「分かりやすさ」で本質を歪めないこと。

真摯に、大きな嘘をつかず、でも分かりやすい。この折り合いを付けるのはきっと難しい。

演出がいい。いつもの朝ドラならここで主人公が一言「○○…」と入れちゃいそうなところを、唇のちょっとした演技だけで見せる。間も見事。

劇伴もいい。たまにパイプオルガン入ったりするよね。ちょっとずるい。劇伴で泣かされたりする。

根底に流れるテーマもいい。西島演じる朝岡の、「何にもできなかったと思っているのは、あなただけではないです」というセリフ(ウロ覚え)。このセリフが出るまでの逡巡の演技演出が見事で、泣かされた…

キャストがいい。ああもうこれについてはキリがないので後で…

毎朝楽しみです。

映画『ファーザー』感想

ユナイテッド・シネマ新潟で。

アンソニー・ホプキンス&オリヴィア・コールマン出演。
戯曲家フローリアン・ゼレールの初長編監督作。

認知症の老人「アンソニー」から見た、娘との暮らしを描く。

アンソニーの目を通した世界、といっても主観視点ではないので、これは現実なのか、妄想なのか。これは誰なのか、ここはどこなのか、さえ確信が持てず物語は進む。

日本版のポスターを見て「末期老人と娘の関係を描いたハートウォーミングもの」とか勘違いする人もいそうだけど、まったく違う。

映画自体はサイコスリラーの面白さもある位。舞台の殆どが一つのフラット(階段のない共同住宅)内で進む。同じ部屋…のように見えるのに「??…なんか違う?」とか、ドアの向こうは…ええ?とか、驚くような使い方。

映画的な仕組みがそんな風にとっても優れていることに加えて、アンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマンですよ。圧倒的演技。アンソニーは自分の今までの印象とはかなり違っていた。主演男優賞も当然。オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』のクイーン)も目立たないけど、これだって助演女優賞ものじゃん。

いつも冷静なアンソニー・ホプキンスが、今作だけは(自分の父親を思い出し)感極まって撮影を少し中断したことがあるそうだ。(パンフレット町山さんの解説より)

全体を通して説明は一切ないけど、こだわった背景と、登場人物の表情だけでも、すごく情報量が多い。

認知症が中後期にさしかかった自分の父のことを思った。だけどそれ以上に、自分自身をアンソニーに反映させて考えてしまう。容易に想像がつく。
で、最後はすべてが無に帰す。当たり前のことが、リアルに、しかし美しく語られる。

スクリーンを出た瞬間から何故か涙が溢れた映画。今までにない体験。

※写真の女性は、オリヴィア・「ウィリアムズ」の方。こちらも大変に重要な役。なにしろ俳優が全部で6人しか出てない。

映画『佐々木、イン、マイマイン』感想

Amazonレンタルで。
すごく好き。
新潟市出身:内山拓也監督。

時代は相当違うと思うけど、自分の高校時代とか、浪人時代とか、大学で日雇いバイト通ってた時とか、色んなこと思い出しちゃった。

詰まっている「空気」を強烈に感じる。むせそうなくらい。撮影が美しい。劇場で観れたらもっと良かったのに。

主役:悠二役の藤原季節(めっちゃ美人の男性)、ちょっと追っかけたくなるくらい良い演技。

その友人、多田役の遊屋慎太郎。こういう奴、イタ〜!!!!てゆう、彼の存在感が映画全体にもたらすリアリティがすごい。長身でスタイルも見た目もよく2ブロック、どこか世間が見え過ぎちゃうせいか斜に構えた姿勢。彼の表情がめちゃいい。

佐々木役の細川岳。
彼のしばしば見せる真剣な眼差し。悲くて胸に迫る。

彼らの圧倒的な実在感。そして自分の周りにいた友人達との、煙ってた日々。

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パチプロのくだりを見たら東京や新潟の日雇い労働で出会った何人かの人達のことまで思い出した。
彼らの抱えるどうしようもない空虚を。会話したその中身を、30年経った今でも覚えている。

美術のお仕事がまた素晴らしい。佐々木の部屋とかお店とか。
ああ、末井昭さん自伝の映画化『素敵なダイナマイトスキャンダル』、アレを見た時の感じに似てる。

https://www.instagram.com/p/Bt4o7hVBVMi/
自分が過ごしてきた「あの時の空気」が、そのまま映画に封じ込められてる感。

部屋を真っ暗にして入り込んで見ると良いと思う。
CFやって出来た映画なんだね。知らなくて申し訳なかったなぁ。

『大豆田とわ子と三人の元夫』7話

娘が出て行く際のセリフ
「勘違いしないで。ママがきちんと育ててくれたから、私は自立しようと思ったんだよ。大丈夫」
とかさ、
(これまでの「離婚3回の親に対する世間のアレコレ」的な伏線が効いてて…涙)

かごめちゃんのこと、オダギリの話とか

買収交渉に毅然と対応するとわ子さん(かっこいい!)とか

あちこちで泣かされたかと思いきや

なんなん!

また最後になって「ええええ〜!!!」
坂元氏のなすがまま。翻弄されてる。

前回のセクハラパワハラ社長なんて、ほんの序章、飾り、雑魚キャラ、ミスリードじゃんか。
いやーまいった。楽しい。

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同クールに楽しみなドラマが何本もあって、それぞれ全然別の魅力があって、個人的にちょっとここ数年ないくらい地デジ見てるなー。
積ん読も多くて、Netflixとアマプラのドラマは少しお休み。

『コントが始まる』6話

なんて優しい物語なんだ…。
隅から隅まで好き。

また太賀がイイところもっていったな〜。
神木君の女神カワイイな〜。
菅田将暉と有村架純の安心感。
古川琴音もいいねぇ。芳根京子も今回良かった〜。
あの高校時代の砂浜のエピソードとか、凡百のドラマだったらどっちらけになるシーン。
成り立たせてるのはあの3人の見事な演技と演出。

あとこのドラマ、衣裳がいい。太賀がいつも着ているあの紅白のヤッケみたいのとか、神木君の変な模様の部屋着とか!
あれでちゃーんと暮らしぶりとか生活とか性格が分かるよね。調べてみたら衣裳は伊賀大介さんだった。さすが!のいい仕事ぷりでした。

もう一つ褒めたい、美術さん。
このドラマ、出てくるお酒やドリンクの殆どが、スポンサーの関係か架空の製品、架空のラベルだ。(人気俳優が沢山出てると大変ね)
こういう架空製品のデザインがあまりにしょぼくてドラマを邪魔することって結構あるんですよ。こんなこと気にするのデザイン業界の人だけかも知れないけども。

いつもマクベスの3人が呑んでるあの緑の発泡酒缶のラベル!最初に見た時から、その「馴染み感」に感心してた。
まち中華の壁に貼ってあるビールポスター!メニュー!皆めっちゃ自然。気にならない。絶妙な「アルアル感」。すごい。

マクベスの公演フライヤー!wordですごく頑張ったか、Illustratorで素人さんが作ったくらいの。マクベスだとプロのデザイナーには頼めないかな、知り合いの誰かが作ったのかな?じゅんぺーが作ったのかな?という、そのあたりの絶妙な頃合いを、実にちゃんと再現している。

(確認できないけど、太賀の実家の酒屋さんに並んでいる日本酒や焼酎も、結構な割合でオリジナルじゃない?)

こういう風にキチンとデザイナーが仕事を果たしているのを目の当たりにすると、じんわりと嬉しい。

そんなことは置いといてて、毎回最高に幸せになるドラマだな。好き〜

『今ここにある危機とぼくの好感度について』4話

いやー今回も凄い。

前回の学長会見は、まんま今の首相の「同じフレーズ繰り返すだけ国会」のパロディだったし、今回と次回は、やめるに止められるぬオリンピックをそのまま思わせる切り込み方。

野木亜紀子さんがずっと地道に生活レベルの話題でやってきたことを、渡辺あやさんは今回もっと政治的に、明確に批判してみせている。そのオブラートの包み方がまた絶妙。

自分は色々な意味でここしばらくずっと日本人を恥じている部分があるけど、その恥じている部分を逆手にとって「ほら、これだったら問題ないでしょう?」「たしかに!」となるようなニュアンス…とでも言えば良いのか。敵の武器をうまくオブラートに使っているというか。ああこれは見事だ。拍手です。あやさん大好きだ。

前回から変わった学長(松重豊)、やっぱりこの人が演じると悪人じゃなくなるんだな。好き。古舘寛治もまたいい役だね〜。

それはともかく、2話ほどで舞台から退き、恐らく次回最終回で再登場する鈴木杏の、ショートでメガネのあの感じ…。デジャブだよね。知り合いならきっと彼女を思い出すよね。そう。▲フラスコの彼女。似てる。

映画『スペース・スウィーパーズ』感想

Netflixオリジナル映画『スペース・スウィーパーズ』

宇宙のデブリ屋達が主役のスペースオペラ。韓国版の『カウボーイ・ビバップ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』といった体で、全体がベタベタな設定とストーリーなんだけど、これが良かった!爽快。最近SF欲を満たしてくれる作品がなかったので嬉しい。インテリの女船長が好き。

もともと好きなジャンルだとは言え、何が良かったんだろう。演技?演出?撮影?美術?多分そのどれもだ。さすがの韓国映画力。

実は「韓国初の宇宙SF」らしい。満を持した最初の宇宙SFがギャグタッチのスペースオペラだなんて、その抜き具合もセンスいいなぁ。今後も楽しみ。

映画『ブックスマート』感想

2020年末に『ブックスマート』をAmazonレンタルで。(今はNetflix入りしているよ!)



【映画.comあらすじ】
「リチャード・ジュエル」「トロン:レガシー」などの女優オリビア・ワイルドが長編監督デビューを果たし、女子高生2人組が高校最後の一夜に繰り広げる騒動を描いた青春コメディ。高校卒業を目前にしたエイミーと親友モリーは成績優秀な優等生であることを誇りに思っていたが、遊んでばかりいたはずの同級生もハイレベルな進路を歩むことを知り、自信を失ってしまう。勉強のために犠牲にしてきた時間を一気に取り戻すべく、卒業パーティへ繰り出すことを決意する2人だったが……。主演は俳優ジョナ・ヒルの妹としても知られる「レディ・バード」のビーニー・フェルドスタインと、「ショート・ターム」のケイトリン・デバー。「俺たち」シリーズのウィル・フェレルとアダム・マッケイが製作総指揮。

前評判通り、クソ面白くて気持ちいい。最高最高最高

イヤな奴の出てこないスクールカーストもの。
という括りではしっくりこないか…。
まさに現代の、イヤ少し未来の、理想の未来の、学園青春映画。

主人公2人が、お互いのことを絶賛する様子がカワイ過ぎる。下ネタの切れ味も素晴らしい。とにかく、この世界で学生生活を送りたかった!と思ってしまう。先生も生徒たちもイイ。音楽も。最後も。良い良い良い

一昔前のスクールカーストもののように、アメフト部とチアを使わなくても、イヤな奴を出さなくても、最高に面白い学園ドラマは作れるんだ。
超オススメ。

2020年に観た映画ベスト

「2020年に観た」映画ベストはこんな感じ。
映画館はたった8本!しかもほとんど1-2月。
自宅鑑賞は約75本。普通は40〜50本なので、かなり多い年だった。

多くが自宅での鑑賞なので、今年公開作は頭に「●」を入れた。
旧作の( )内は日本公開年。多少前後あるかも。
数作以外は#movie_tv_dsm に感想をアップしています。

行く機会が激減した分、劇場の良さを再確認した年。
コロナ禍から復帰した一発目が『ストーリーオブマイライフ』で、すごく幸せだった。まぁ公開延期の時は本当にガッカリしていたけどもね。傑作だとそんなことも吹っ飛んでしまう。

『ハーフ・オブ・イット』と『ブックスマート』という、多分この先も名作として残り続ける新しい時代の傑作青春ドラマが登場したのも印象的。

そして自分的には『愛の不時着』から始まった、「韓国ドラマ元年」でした。今も観ているドラマは殆ど韓国。ベストドラマもちょっと前の作品だけど『シグナル』。観終わってからも相当ひっぱられた。自分の中で韓国ドラマブランドを確固たるものにした2作。『みつばち』とか見逃した作品も多い。イヤもうそりゃ沢山ある。2021年のお楽しみ。

また今年も、ベスト映画呑み会が楽しみです。

映画『ワンダーウーマン1984』

駅伝のために生きている妻と、実家預けの娘達のおかげで『ワンダーウーマン1984』を元旦朝から観に行けた。

ワイスピからずっと彼女のファン。今回も素晴らしかったガル・ガドット!

設定や脚本がかなり杜撰で、目を瞑るには余りにも…という感じなんだけど、冒頭含めすさまじくエモーショナルなシーンがいくつかあってトータルでは嫌いになれない。というかこんなに杜撰な脚本でも、彼女の神性がまったく穢されないのが凄い。WW。

特に冒頭15分くらい?過去と現代のオープニングは最高にアガる。80年代に合わせた敢えての少し粗い画像も良い。音楽も、ちょっと間抜けなヒーロー物の空気感まで、あの頃の色々な作品を思い出す。

ハンス・ジマーの劇伴も今回はすごく(あの頃の)王道で、ジョン・ウィリアムズっぽさまであるベタで格好良いオーケストレーション。特にエンディング曲!これがガルのWWにハマるんだよな〜。

余りにあまりな子供騙し的御都合展開が連発するのでガル・ガドットやヒーロー映画ファン以外にはオススメできないけれど…パンフレットも買っちゃった位、好き。クリスパインも大好き。設定がイマイチで生かし切れてないけど、今回のヴィラン二人もどちらもいい。

年の始まりにふさわしい映画だった!

金曜ロードショーで『カリオストロの城』

昨晩は『カリオストロの城』だった。
軽く10回以上は観ていると思うけど、この数年は少しご無沙汰だったかも知れない。
あまりに泣けて泣けて驚いた。

今はもうない「カッコ良さ」が詰め込まれている、というかベースになっていると思う。
余計な説明をしない。プロとしての矜恃がすべてのキャラの行動に表れている。

このブログが旧サイトからお引っ越しする時に「残した」記事で、最古に近いものがルパンの感想文だった。20年前。
今でも同じことを思う。

こりゃ信心深いヤツにゃ向かねぇ仕事だ。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。