相変わらず『クウネル』(マガジンハウス)にはヤられっぱなしだ。今号はハワイ特集。同じような他誌の特集と比べても『クウネル』のはやっぱ違う。レイ作りの名人おばさんのお話、サーファーおばさんとその仲良し一家のお話、小さい町のとある食堂の1日を追ったレポート、ドレもコレも登場するのはひたすら地味なソコらへんの人達ばかり。なのに、ぐいぐい読ませて、ほんわりと気持ち良くさせてくれる。生活することの美しさとか喜びを、とっても美味く文章にしてる。写真もイイけど、やっぱしライターの力量、そして編集力の勝利だと思う。
『クウネル』の名付親でもあるマガジンハウス最高顧問・木滑良久氏のロングインタビューが『編集会議』5月号に載ってる。そこで彼が
「(クウネルは売れてるから月刊化しようという話が出るんだけど)自分は反対だ。熟成してない今月刊化して編集部のスタッフが増えたら、今度は売るための雑誌を考え出すから。そうするとつまらなくなる」
というような事を言ってて、ちょっと安心した。良かった。今の『クウネル』のようなクオリティを維持しつつ毎月刊行されるって、ちょっと想像できないもの。ちうかこの誌面のノンビリさが、隔月刊というペースにもちょうど合ってる気がするしね。
だけどもし、「方向性を変えるコトのないまま」月刊化できるのなら、ソレはソレで嬉しい。『ラピタ』月刊化の頃を思い出す。当時はかなーりイヤだったけど(そして確かにクオリティの低下を招いているように思えたけど)、今現在までの流れを見ても『ラピタ』はよくやってると思う。ましてマガハなら。