島本和彦『吼えろペン(5)』。
前巻くらいから、いや増しにオモロくなってきたなー。おおー絶好調!!
「駄作で金をもらってこそ、本当のプロ!!」
「まんが家ってやつらは…信用できん!!」
まさに吼えてるなぁーと思ってると、全4話中の最終話でいきなりペースダウン。まるでゴーストライターが書いたかのようなメリハリのない、ダラけたコマ割り。あれ?描きかけ?と疑うほどの気の抜けた作画。気のせいか、印刷もノリが足りなくなってきたような…。
まさに「駄作で金をもらってこそ、本当のプロ!!」を地でいってんじゃん!でも最後のあとがきでまた大笑いさせてもらいました。よし!
吾妻ひでお『うつうつひでお日記』。
大ヒット作『失踪日記』とはちがい、こちらは本当に何もない日常の「日記」。オビには「事件なし、波乱なし、仕事なし」と謳われているけども、オレが思うにこのマンガの一番の特徴は「オチなし」だろう。ほんとに「人に見せるマンガ作品」としての体をなしていない、とは言い過ぎだろうけど、とにかくソレくらい淡々と日常の「記録」が続く。その7割以上は一言・読書日記。
最初読んだときは「なんだこれ〜退屈そう〜」と思うのだけど、すぐに没頭してやめられなくなってしまう。その麻薬のような持続性が「オチなし」から来てると思うのだ。一日の区切り、一話の区切りさえどこだかハッキリしないくらい。このあまりの淡々ぶりは、マンガにして初体験ですヨ。あと全然本を読まないオレでも、一部ダブる感想を読んでるだけで興味深かったので、読書家の人は(SF寄りなら尚)もっと楽しめると思う。
ふと思ったが、この日記は、まるっきりオナニーの記述が抜けてるよな。なんか淡々とつなぎ目なく続いてるような(だから生活全部が描かれてるような)気がするだけに、ソレに気がついた瞬間は、ちょっと嬉しかった。ソレを入れたらさー。普通に3〜4割はオナネタの記録になるんじゃないかと、思うよ。いやそもそも奥さんの記述からして抜けてるのか…。うーむ。