カテゴリー: TV・映画感想

2023年に観た映画ベスト

2023年映画・ドラマ振り返り

2023年、劇場で観た映画は8本、自宅鑑賞が33本、計41本。多分。
例年に比べると劇場鑑賞がとても少ない(昨年を除き通常は20本程度?)。自宅分はまぁ、平均的な本数。

9月以降はずっと、何も観る気が起こらないというか動ける気がしない期間が続いた。なので年間ベストは上半期ベストと殆ど変わっていない。いくつか次点が追加されただけ。映画館に行く気力も自宅で観る気も起こらなかったけど、TVドラマは、特に地デジをいくつか追っかけていた。

あと特に後半、なぜか韓ドラがピタっと止まってしまった。気力がない。『D.P.』S1は例外的に完走したがこれは1シーズン6話という前情報があったから、だった。

それぞれの感想は #movie_tv_dsm に書いてある、のだけど今のインスタの仕様では10数本しか遡れないんだよな〜。残念。インスタ感想文は自分自身が読み返すため、というのが大きなモチベーションなので、この仕様変更をきっかけに映画感想zineをつくることを決心。したのだけど、未だ全然進んでいない。

映画よりもドラマの方がインパクトあった年かも…
よしながふみ原作『#大奥』『#きのう何食べた?』2作の奇跡的な実写ドラマ化については先日書いたばかり。

見返すとこのアカウントでの露出が一番多かったのは朝ドラ『らんまん』だった。観るたびに「黙ってられない!」て感じだったのだろう笑。久しぶりに毎朝が楽しみだった!心より感謝。

Netflix『#舞妓さんちのまかないさん』はたしか3回観た。色々メンタルが低空飛行している時期で、その頃一番助けられた覚えがある。サントラは今でも会社BGMリストに入っている。大傑作。

NHK『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』主演の河合優実が本当に素晴らしい。ダウン症当事者の弟役の吉田葵も。そうそう福地桃子も最高だった。このドラマは前半が特に素晴らしかったように思う。

Netflix『ONI 』は、『トトロ』の後継、新しい日本のスタンダードじゃん。と観てる間思っていた。日本とハリウッド(ピクサーOB)の融合。#トンコハウス の今後に大きく期待しています。

掲載していない作品で記憶に残っているのは
『君たちはどう生きるか』面白かったとは単純に言えないけど、絶対に映画館で観る価値があった。
『FALL』強烈なホラー。
とか、かな〜

今年は正直メモもあやしくて、落ちてる作品もありそうだけど、まぁいいや。
このブログに掲載している作品を見て、結構気が合いそう…と思った人はぜひ2024年一緒に「あれ良かったよね〜」話でお茶しましょう。そういう時間が好きなんです。

タイムリープ映画×『MONDAYS 〜このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』『リバー、流れないでよ』

タイムリープ邦画×2作。
どちらも面白かったが、特に『MONDAYS』大好き!

●『MONDAYS 〜このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
監督:竹林亮

○『リバー、流れないでよ』
監督:上田誠(ヨーロッパ企画)

■MONDAYSでは、小さな広告制作会社を舞台に1週間おきにタイムリープが起きて月曜に戻り、繰り返される。だがそのことに全員が気付いている訳ではなくて、少しずつその認知を広げていくことで繰り返しを止められるのではないかと考え、次第に皆が団結していく。その様子が爽快。最後に「気付かせる」べき上司がマキタスポーツ。彼がまた本当に良い。

普段から毎日が繰り返しのように感じてしまうハードワークを皮肉ったような設定。劇中の制作物も考証がちゃんとしていて(プレゼン段階というのもあるが)、広告業界モノにありがち、というか殆どそうなんだけど、できあがった完成物があまりに酷すぎてドラマに入り込めない、あの症状も起こらない。

最後にはオフィスの全員のことを、隅々まで全員好きになる。主人公は日々の仕事に疲れモチベーションを失い、当初は退職も考えている。彼女の最初の登場時と最後までの変化がいい。演じる #円井わん さん素晴らしいです!

皆が繰り返しにより少しずつスキルを積み重ねていって、上司に気付かせることを目的に団結していき通じ合っていく様子が、最後ちょっと泣いてしまうくらいぐっときた。この感動はアレだ『カメラを止めるな!』に似ている。あんな気持ちを味わいたいなーって人にお薦めしたい。

自分が以前からインスタをフォローしていた #夏生さえり さんが脚本というのも驚いた。
個人的に、歴代「広告業界モノ邦画&ドラマ」のナンバーワンです。

2023/11/10

○『リバー、流れないでよ』のタイムリープはなんと2分。舞台は京都・貴船の老舗旅館で、こちらは全員が最初からタイムリープに気付いている。だから繰り返しというよりもずっと続いているドラマのよう。手持カメラでずっと追っかけるスタイルで(ひょっとしてノーカット?)、旅館が舞台の演劇を観に来ているかのよう。MONDAYSよりもずっとコミカルでリアリティライン(そもそもだけど笑)も低い。2分でできることは限られている訳で、それをなんとか実現しようと皆が経験値を貯めて団結していく様子が心地良い。

こちらも良い脚本なのだけど、キャストを好きになる度、入り込み度はMONDAYSほどではなかった。シチュエーションもあるだろうしね。

でも最後のハッピー感はこちらもひけを取らず。演劇系演出とコメディ好き、ハッピーエンドを求める向きにお薦め。しかしこの舞台の旅館、聖地巡りで大変になっちゃうのでは…。自分も泊まりたいよう…!

●そういえば雪が降るターンと降らないターンがあったんだけど、何か意味があったのだろうか。結局分からなかった。誰か知ってる人教えてください!

2023/12/23

ドラマ『きのう何食べた?』会食シーン

シロさんが、ケンジのお母さんお姉さんたちと会食するこのエピソード、原作でもすごく印象的だったけど、ドラマも見事だった。そして原作イメージそのままの、このお母さん。

見るたびに、いつまでも静かに続いて欲しい…終わらないで欲しいなぁ…と思うのだけど、マンガと違ってドラマはあっという間にお別れが訪れる。寂しい。

同世代としてどうしてもシロさんに憧れがち。でも自分が見習うべきはケンジの「話す姿勢」だ。料理の美味しさ、パートナーへの「日々の」感謝、言葉にしなくても心の中では…と思っているのだけど、ケンジはちゃんと、言葉にして伝えられる。「思ってるだけ」と「言葉にすること」の間にある果てしない違い。そして話し方のニュアンス、伝え方など本当にケンジのあり方は勉強になる。

いつも見るたびに、俺はダメだなぁ。できてないなぁ。と痛感する。だからずっと続いて、気付かせていて欲しい。

映画『MONDAYS 〜このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』感想

Netflixに『MONDAYS 〜このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』が入っている!

前評判が異様に高いのでちょっとハードルを上げて観たのだけど、それでも予想以上の面白さ。

広告制作会社を舞台に、ある1週間が繰り返されていることに気付いた一部の社員が、そこから抜け出すために回りの社員を説得していく…というタイムリープもの。

うんざりするような制作会社の毎日が、タイムリープを抜け出す作戦を進める中で次第にすこしずつ変わっていく。自然と仕事のスキルも増していく様子が可笑しくて、気持ちいい。

広告業界ドラマは数あれど、自分は本作をいままでの歴代ナンバーワンとしたい!
という位に、仕事の描写もちゃんとしている。

最後には登場人物皆のことを好きになっているこの感じ、『カメラを止めるな!』にも似てる。あれが好きな人はきっと観た方がいい。最後じーんとしますよ。

主役の丸井わん、いいなー。『だから私は推しました』の桜井ユキ並みの素晴らしさ。
マキタスポーツは本当すごいね。最後にまとまるのも彼の演技あってこそ。

さくっと観れる快作です。オススメ!

映画『バビロン』感想

Amazonレンタルで『バビロン』を。
監督:デイミアン・チャゼル(『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』)

酒池肉林の乱痴気騒ぎには興味を持てず辟易しちゃうのだけど、それ以外は面白かった。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とセットで観るべき!というかまた観たくなるー!

マーゴット・ロビー、ブラピ、ディエゴ・カルバが素晴らし過ぎ。メキシコ人でアシからプロデューサーまでのしあがるディエゴ・カルバを観ていると何故か『映画大好きポンポさん』を思い出して幸せを祈るのだが、当然こっちはそんなに甘くないのであった…。

TBSドラマ10『大奥』幕末編スタート

ドラマ10大奥 幕末編、スタート。

医療編が終わって、強力に引っ張っていけるキャラも、赤面疱瘡という吸引力もなくなり「さすがにこれまでのクオリティを維持するのは難しいんじゃ…」と不安になりつつ、見始めた第1話。

結果、season2で一番感動する回だった。すごいよ。

阿部正弘(瀧内公美)の演技が、これまでの大奥から外れた、ちょっとぎょっとするような、ある意味わざとらしい、まるで現代人がタイムスリップして演じているみたいで、これはヤバいんじゃないかと思っていたのだけど…何故か節々で引き寄せられてしまう。この魅力、謎。脚本力が大きいと思う。
高嶋政伸も見事でした。

そして家定(愛希れいか)がとにかくめちゃくちゃ素晴らしい。元宝塚の方なんだね。いやーこの後楽しみ!そしてWEBの記事を見てたら、ええー!岸井ゆきの出るんだ!

相変わらず展開が急過ぎて、ちょっとはしょり過ぎのところはどうしても気になるけど。
もう脳内補完がすごいからね笑。
大奥ドラマ版のカタルシスは、時にLotRと通じるところがある。主君と家臣の忠義の美しさ。

どこまでも裏切らないなー。2023年日本キャスティング大賞は、映画ドラマ含めて『大奥』に決定でしょう。

朝ドラ『らんまん』最終週へ

いよいよフィナーレの『らんまん』。

最後まで来てまたドン下げか!という関東大震災(まぁ史実だからしゃあないのだけど)が起こりまた辛すぎる日々。

今週驚いたのがすえちゃんのこのセリフ。

目が見えなくなっても八犬伝を完成させた馬琴先生のことは、身分の違う特別な人だから出来たんだと思えた。でも図鑑を完成させようとする夫に対しては「万ちゃんを特別と思いたくない」「あなたは特別だから描けて当たり前って、そう思いたくないんです」というセリフ。

これってある意味、有名人をモデルにした朝ドラでは、メタな含みも感じるよな。て思って。
こんなセリフ、朝ドラで聞いたことないな。すごいなーと思った。

あと金曜のあさイチ、神木君の登場回。まぁ充実しまくっていました。最高。
この中で仲良しの志尊淳との役作りエピソードが色々紹介される中で

「万太郎がこのままでは嫌われ者になってしまう。なんとかそれは避けたい」

と、前後のセリフを工夫したり、竹雄のセリフ、それに対する万太郎のやりとりの声のトーンをコントロールしたり、恐らく相当な手入れと調整をしていることが感じられる話をしていた。

こういった名優(=名演出家でもある)たちの数多くの工夫によって、あの愛すべき万ちゃんが最後まで愛されるままでいられたんだな。

それができてない例って、今までの朝ドラで山ほど観てきたよね。愛したいけど、これでは愛せないよ、ってゆうディテールの杜撰さが、どこまで俺たちの思い入れ・没入を阻んできたことか。
愛されない主人公級のキャラ、いっぱいいたのですよ。これまで。
それを避けることができたらんまん、すごい。

あさイチは脚本家・長田育恵さんのコメントにもぐっときた。万太郎の「自分は競っている。人間の欲望と」ってゆうセリフ。明らかに戦争も指していて、今だからこそのすごいメッセージの強さを感じて、めちゃ印象に残っていた。ああこのドラマはちゃんとやる気なんだ、と。

このセリフなんと神木君のアイデア(本人覚えてなかったみたいだけど)。長田氏自身だけではあまりに強くて書けない言葉だったと。それを神木君が言ってくれたことでふっきれて、以降の脚本にも影響が大きかったそうだ。

裏側を垣間見れて楽しかった。

さて最終週だ。

映画『檸檬色の夢』限定配信

岩井俊二の過去作『檸檬色の夢』が、21木まで限定公開されているのを知ったのはインスタのタイムライン。お知りあいが美術関係を担当されていたらしい。岩井監督で主演が蒔田彩珠!

ええ!観たことない!うそ!と気付いたのが配信終了21日当日の23:45。作品は1時間以上とある。間に合わないじゃん…とドキドキしながら観始めたが…。0時でいきなり消えることはなく、最後までちゃんと観終わることができた。

岩井俊二監督『檸檬色の夢』は、今年の頭にLINE NEWS VISIONで全8話の縦型ドラマとして配信されていた。それを今回横型に再編集し、1本の映画にまとめた、ということらしい。
同監督の新作映画『キリエのうた』の公開記念企画。

今回の撮影にはあまり岩井俊二感は無かったが、脚本は往年のフジテレビ時代の岩井作品をちょっと思い起こさせるテイストで、相変わらず劇伴は最高オブ最高で、ちょっと最後じぃんと来るやつで、不思議テイスト入ってて。ああ見逃さずに良かった。でもこれきっと縦型の方が面白かったように思う。

なんでも岩井監督はLINEの主催する「LINE NEWS AWARDS 2021」で、翌年ニュースになりそうな人を表彰する“NEXT NEWS賞”に蒔田彩珠を選出し、その縁で今回の主演が実現したそうだ。21年というと『おかえりモネ』の年だね。

今年の冬とかもう完全に死んでてニュースも目に入らず見逃していたんだろうな。
岩井監督の近年の作品、ちょっと…というイメージだったけど、これで『キリエのうた』も観たくなった。『檸檬色の夢』の出演者も何人か出ているし『水は海に向かって流れる』観たばかりの広瀬すずだし。もういろいろ繋がってて。

あと今作のタイトルバックにもなってるドローイング、作中の蒔田彩珠演じる美大生の作品って設定なのだけどこれがどれもこれもメチャ素晴らしくて。誰の作品なんだろう。追っかけたいけど検索では見つからなかった。

映画『水は海に向かって流れる』感想

『水は海に向かって流れる』をAmazonプライムで。え?こんなに早く?
田島列島の大大大好きな原作を前田哲監督(『こんな夜更けにバナナかよ』)が実写映画化。

大好きだ!

俳優それぞれの演出が本当に丁寧。セリフのない目の演技とかを繊細に画面に映していて、俳優もそれに十二分に応えていて、すべてがナチュラルという、この手の漫画原作邦画ではあまりない(静かな)クオリティのように思う。

沖田修一監督による実写化『子供はわかってあげない』も独特な傑作だったけど、今作も田島列島のあの「間」をちゃんと再現しようとしていて、結果を残している。田島作品はギャグが特徴でそれも実写化の心配事だったけど、頻度は少なくてもちゃんと独特の笑いに繋げられていた。

広瀬すずが榊さんで良かった。直達君役の大西利空君と合わせ、年齢とルックが絶妙な頃合い。
榊さんが彼を恋愛対象として見られないことが良く分かる、でも絶妙な、境目のふわふわした年頃。
楓ちゃん役の當真あみさんも良かった〜この3人はベストキャスティングだと思う。

すぐにでも見返したくなる名シーンがいくつもあった。
榊さんのお盆投げ!
榊さんのドロップキック!

楓ちゃんの
「何を隠そうこの私。この私のことです。」「ご理解いただけたか!このハート泥棒」
はこの映画屈指の名シーン。

実際に見返しちゃってる。演技演出もそうだけど、編集のキレがめっちゃ良いんだよな。
榊さんと楓ちゃんの対決シーンもほんっとうに良かった!

漫画から実写になることで色々なことがリアルになってるんだけど、特にグサッと降りかかってくるのが、彼らの親世代への共感。特に直達君のお父さんの空回り具合とか、「せめて自分を良い人間と思いたい」とか、もうあーて感じで辛すぎる。

あと…忘れちゃいけないのが猫の名演技ね。
エンドクレジット見ると1匹だけみたいだけど、一瞬出てくる散歩中の柴犬も見事で、これは動物タレントコーディネイターの力量なんだろうな。
あと美術さんも(キッチンとか道具とか)スタイリストさんも(直達君のファッションだとか)良い仕事してました。

というかんじでこれは映画館で観たかった〜と思わせる、数少ない邦画体験でした。

━−━−━−━−━−━−━−━−━−━−━−━−━

最後に苦言を少々。
ニゲミチ先生役の高良健吾だけはちょっと…うーん。もうちょっと合ってる人いたんじゃないかな。彼のこういう使われ方はもういいや、てゆうか彼が可哀想じゃね?
最後の終わり方。そっかー。「何を隠そうこの私です」があまりにも名シーンだったので、榊さんがそれっきりなのも寂しいし、ラストの笑い方もなんか納得いかない。それまで全てのシーンで納得してたのに、最後「え?」て感じ。原作がどうかは別として、映画の中の流れとしてすんなり納得できなかったなぁ。

朝ドラ『らんまん』フィニッシュに向け毎日クライマックス

9月に入ってからの『らんまん』は、毎日がクライマックスで、とても心が追いつかない。
フィニッシュに向けてこれでもかこれでもかと盛り上げていく。

このドラマの凄さって、ひとつひとつの細かい努力の積み重ねを、時には説明無しに、でもちゃーんと丁寧に描いていて。
だからあとで報われた時の説得力が半端ない。時にカタルシスになって、感動がどどっと押し寄せてくる…

そういう総決算を最終月で毎日やってくれてる。すごいサービスというか何と言うか。

モネ以来久しぶりに「朝ドラが楽しみな毎日」を実感できた今シーズンでした。辛い展開もめっちゃ多くて楽しいばかりじゃなかったけど、ほんといちいち説得力がすごいし、「学問の魅力」を圧倒的な細部の描写と設定で見せてくれました。学問に限らずだな。だからお仕事ドラマとしても最高。

次の朝ドラがどうなるのか分からないけど、ほんと寂しいよ…。
ええ、もう?てかんじ。
関係者の皆さん、ありがとうございました。

NHK夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』はじまる

個人的にずっと推してる『重版出来!』『おかえりモネ』の、あの!蒔田彩珠と、
『ベイビーわるきゅーれ』の超絶JK殺し屋こと髙石あかりのW主演だなんて…そんなん期待しちゃうでしょーよ。
tofubeatsの劇伴もいいかんじだ。今4話で全32話。

蒔田彩珠を初主演に据えてくれたプロデューサー様様、ありがとうございます!きっと後で自慢できる筈!

朝ドラ『らんまん』底には底が…

先週末からの『らんまん』。

いったいどうなるんだ…と思っていたら底にはまだまだ底があって…という展開。

先週末の教授の決別宣言から
まぁーしんどい。

しんどいのだけど、すべての人物描写がとても丁寧なので、ドラマの作りに対するストレスは殆ど無くて。

嗚呼、人生ってしんどいよね。
てゆう、それだけだ。
しんどい。

そんなしんどい中でもぎゅっとくる場面がいくつもあって。
あまりにも毎日すごい展開だったので忘れガチなんだが。

記憶も新しい今日(金曜)で言えば、分家のあのおっさんのセリフ。腐造は酒蔵ならどこでも起こる、俺でも起こっていた。この人が言ってくれるからこそ、救われるよね…。
ヒョロのあの断り方と、最後のハグとか。
朝号泣。

そして…園子ちゃん、亡くなったんか。
小さい子供が亡くなる以上に辛いことはないと思うが、この時代は今よりもっと身近だったんだろう。

いやそれにしてもしんど過ぎる。
まさかこんなドラマだったとは。
だからこそ、この後もしっかり見届けたいわ。

映画『『C’MON C’MON(カモンカモン)』感想

Amazonレンタルで『C’MON C’MON』を。
監督はマイク・ミルズ(『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』)。A24製作。

NYでジャーナリストをしていたジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹ヴィヴ(ギャビー・ホフマン)から頼まれ、9歳の甥っ子ジェシー(ウッディ・ノーマン)を預かり、しばらく一緒に暮らすことになる。

すれ違うばかりの甥っ子や妹ヴィヴとのやり取りで最初は「これきついな〜」と思ってたけど、最終的には今年観たベストじゃないかってイキオイで、好きになった。

子供と大人の関係はもちろん、自分たちと親の関係、兄弟との関係、人間たるものの、すべての問題や悩みが作品に詰まっているように思う。
問題が解決される訳ではないけど、その温かい目線で少し救われた気分になる。包み込まれているような感じが、すごくいい。

あらゆるところが刺さってしょうがなかった。ホアキンが何度自分に重なったか。
大傑作です。


※『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』も大好き。

NHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』6〜8話

【6話】

神回2話からはとにかく淡々と進んでいるのだがこの熱の低さがただならぬというか。毎回どこかでやられている。

ついにストーリーは主人公が売れっ子作家になりシンクロをはじめて、この先どうなるんだろう。

そしてこの錦戸亮たるや。
主人公の河合優実たるや。
坂井真紀、美保純も素晴らしい。ダウン症当事者#岸本草太 もすごい。撮影エピソードがまたぐっとくる。

【8話】

もう嗚咽してまうわ…。しかも何度も、何度も。

大九明子演出の凄さに圧倒される、NHKBS『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』8話。

今回はお祖母ちゃんの過去と現在を巡るカットバックが本当に凄くて。何も語らずともあの昭和と今の家族の問題を浮き彫りにしていて。

そしてスキップとローファーばりの、マルチ(福地桃子)とのやりとり。


またしても神回。

撮影、美術、劇伴、すべてのクオリティが超絶や…

あと何回あるんだろう。そろそろ原作買おうかな。

映画『スパイダーマン・アクロス・ザ・スパイダーバース』感想

『スパイダーマン・アクロス・ザ・スパイダーバース』2D字幕版をユナイテッド・シネマで。

満足!観に来れて良かった。

そもそも自分はアメコミ映画(MCU、DC)と相性がそんなに良い訳でなく「満点で80点」といつも思っていた位。特に『スパイダーマン』は相性が合わなかったなぁ…

そんな自分でも『ガーディアンズ』シリーズと『スパイダーバース』は違っていた。年間ベストに入るような、特別な作品。
そして前作「スパイダーバース」はアニメの歴史を変えるような衝撃作だった。

続編である今作は、前作を更に上回るビジュアルと音楽。相当な満足度。

140分と長い中、途中少々中だるみ感があるものの、それは多分前半がものすごく詰め込み過ぎだからで、あの調子で全編いってたら、もう頭がパンクしちゃうだろう。若いひと達にはちょうど良いかも知れないけど。
最後もちょうどアガるところで「続く」となり、ケレン味とカタルシスを重要視する同シリーズだからこそこれはもう楽しみ過ぎるわ。

ビジュアルの情報量があまりに多すぎて、今回も字幕版より吹替の方が良さそう。自分はどうしても最初は原語が聴きたい〜ってなっちゃうのだけど、スパイダーバースシリーズは、字幕で全部を追っかけるのはとても無理。

始まった最初からエンディングの最後まで目が離せない、相変わらず近代アニメの最高峰。間違いないです。観に来て良かった。

※お気に入りのキャラはジェシカとホービー

※入場特典でもらえるカード、QRコードをスキャンすると、SNSシェア用の画像がずらーっと並んだページに行く。これはいい。今後のスタンダードになりそう。

NHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』2話が神回

NHK BSPドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第2話。

これはヤバいドラマが始まった…と思ったら、2話にして神回。そんなドラマあるか?
(1話が神回だった『アンナチュラル』はあるが、アレはその後もずっと更に面白さが上がっていった)

お昼休みに見てたらご飯止まっちゃう位にボロ泣き。
主役の河合優実はもちろんなのだけど、坂井真紀の演技力がすさまじい。いやその演技をちゃんと切り取る演出と撮影もすごい。坂井真紀ってこんな役者だったんだ。福地桃子もそうだけど、役者の魅力をここまでもかと引き出す大九演出。

ただの会話だけでも目が離せない。

未見の人、周りの評価が高くて気になるって人、ぜひ2話は見逃さずに。NHKプラスは1週間だったっけか?

これから一体どうなるんだ。

NHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』はじまる

NHK BSPドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第一話。

えええ!なにこれ。ヤバい。大傑作の予感。
撮影・編集・演出・劇伴、めちゃくちゃかっこいい。これ映画じゃん?ていうルックの良さ。
俳優陣もなんだか皆、魅力MAX。

1話から観られて良かった〜!
岸田奈美さんの原作は未読だけど、noteは購入してかなり読んでるファンから観ても、岸田文のペーソスがにじみ出ているかんじ。いい。

演出誰だろう…と思ったら…大九 明子さん!
『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』の監督だ。

主役陣の他にも『舞妓さんちのまかないさん』以来の福地桃子がこれまた1話から魅力爆発。最高。

これからも楽しみだ〜!

朝ドラ『らんまん』東京編へ

東京編になってからどんどん好きになってる『らんまん』。

研究室のこの2人が本当に大好きなんだけど、今日(6/14)の、夢中になってる万さんの後ろでの会話、すごく良かったな。脚本の会話センスがいいのよ。そしてここに竹雄が参入!もう最強布陣。最高多幸感。朝ドラありがとう。なんなのこの可愛さ。

この後の、寿恵子(浜辺美波)とダンス先生とのやりとり、「愛に生きろ」…ベタ過ぎるほどベタなのに演技と演出で泣かせる。

今週ずっと良くって盛り上がっていって、この後どうなるんだろう。楽しみ。

『マイ・ディア・ミスター』再見

最近また『マイ・ディア・ミスター』を完走した人と話す機会があり、今見ている韓ドラもそこまでハマっていない事もあって、つい10話から見始めたら…あっという間に最終回まで突っ走ってしまった。これ連休中に再見予定で最初からにすれば良かった…

とにかく見どころが多くて、ぐっときたポイントを後で話そうと思っても色々忘れているんだよね。

なので今回はメモをとっておいた。
12話くらいから最後まで。2回目〜3回目なのでちょっと脇道の方なのかな。

●終電に間に合わそうと会社の皆で走っていくシーン

●父が昔言ってた。「なんてことない」と。今は誰も言ってくれない。
だから自分で自分に言い聞かせる。

●ドンフンが常務になり兄弟と母が抱き合って喜ぶシーン。
その後ジョンヒの店から帰るお母さんとドンフンの挨拶。

●ユニ「あの子は全力であなたを守っていたわ」

●ドンフン「感謝している。
情けない俺の人生を聞いても、味方してくれて。」

●1番温かかった言葉が「何か要るか?」だった。
おばさんに言ってた。

●ハルモニが亡くなった時のIUの演技

●最後の「ファイティン!」

家族・友人・幼馴染みとの絆。
そして、それ故の呪縛。

以前は「物語としては大好きだけど、自分にはこの呪縛は厳しい…」と思っていた。だけど今回また見直して、その呪縛の安心感をたっぷりと感じている自分も居て。

要するに、そんな簡単に良いも悪いも言えない話ってことなんだけど。描きたいことがまた分かったように思えました。

やっぱりキャラ全員について話したくなるよね…。

どうもここしばらく、このベスト3どころか完走できる作品にも巡り会えてなくて、だから次はスタッフから繋げて『ミセン』(ドラマ版・監督と脚本が同じ)に行こうと思う。

しかしキム・ウォンソク監督って作品少ないのね…そして検索しても4作品しか出てこないTVドラマの中の2つがマイベスト3だという…(もう1作は『シグナル』)。最近作の情報ご存じの方がいらっしゃったら、教えて欲しいっす。

映画『人生はビギナーズ』感想

『人生はビギナーズ』(2012)をAmazonレンタルで
監督はマイク・ミルズ(『20センチュリー・ウーマン』)。

なんで『カモンカモン』も観てないのにこれ…と自分でも思うけど、気分なんだよ気分!
ずっとプレイリストに入ったままだったこの作品、昨晩になって急に「これだ!」てなって。

まんまと良かったです。

【あらすじ】
38歳独身男性オリバー(ユアン・マクレガー)は、母の死後、75歳の父(クリストファー・プラマー)からゲイであること、これからはゲイとしての人生を謳歌することを宣言される。美術館長を務め仕事一筋の厳格だった父に、やがて若い恋人ができ、話し合う機会も増え、次第に父がどういう人生を送ってきたかを垣間見るようになる。そんな中パーティーで出会った女性(メラニー・ロラン)と、おっかなびっくり恋に落ちていくのだが、彼女も父とは複雑な関係を持っていたのだった。

まずこのカミングアウトしたお父さん:クリストファー・プラマーがむちゃくちゃキュートでオシャレで最高過ぎる。お父さんの映画だよね…

恋愛にはまったく縁なく、恋愛メインのドラマ映画にはほとんど興味を持てない自分でも、なんだか恋したくなったよ!違うな、他人の恋のほにょほにょに浸りたくなったよ!恋愛映画としてもとっても魅力的だと思う。

お父さんがゲイのグループに入ってまさに人生の最期を謳歌するさまと、過去の両親の微妙な空気感が、交互にカットバックされ、彼の人生とは、を考えさせる。
またこの亡くなったお母さんもソーキュート。

主人公のとんでもなく繊細で気ぃ使いなオクテ中年をユアン・マクレガーが見事に演じている。この優しさには恐れ入る。皆こういう人と結婚した方がいいと思う。ただユアンは大変そうだ。

いやな人は誰も出てこない。だけど皆が少しずつあるいは大幅に食い違って、時に傷ついて、でもなんとか自分を少しずつ変化させて、ビギナーズから先に進もうとしている。自分の人生を生きるために。

とっても好きな映画です。

ABOUT

1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。

過去の投稿