2012観賞映画メモ
DVDで。夫婦揃って原作の大ファンなので、一緒に観た。(以下ネタバレあり)
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2012観賞映画メモ
DVDで。夫婦揃って原作の大ファンなので、一緒に観た。(以下ネタバレあり)
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2012観賞映画メモ
DVDで。高評価も確かに納得の見事な脚本。そうなったかも知れない数々の駄作が容易に想像できる、複数ヒーロー参加のお祭りモノ。それぞれのキャラをある程度掘り下げ見ドコロも作り、物語としてのカタルシスも見事に実現!とあれば絶賛してもおかしくないのだけど、おれ的感想は「…つーてもやっぱりアメコミモノだなぁ」。笑える箇所は多々あれど、エンドクレジット後の1シーンであれほどウケるとはね。サイコーでした。
★★★☆☆
2012観賞映画メモ
劇場で。いわゆる映画的カタルシスや盛り上がるストーリーは全然ないけど、170分もの上映時間の間、飽きさせません。あまりにリアルな出演者に圧倒されっぱなし。みんな実際に生きている、あすこに。間違いなく。忘れられない映画になると思う。できることならもう一度見たい。あのクライマックス。あんなクライマックスシーンがあっていいのか。ぞくぞくぞくぅっとなった。自分にとってまったく新しい映画体験でした。
★★★★☆
2012観賞映画メモ
劇場で。三部作の第一弾。映画版『ロード・オブ・ザ・リング』大ファンの自分としては「待ってました!」の期待を裏切らない出来だったけど、正直それ以外の人はこれ観て面白いのかどうか、分からないよ!テーマはLOTRの時と全然違うしね。何せ「黄金大好きドラゴンに奪われたお宝をかっさらいに行くぜ!」だもんな。リアリティラインがこの時点でぐっとサガってしまう。だけどそういうものとして、楽しめました。つづきが楽しみ。
「ホビット思いがけない冒険」の冒頭がフード的に神展開。旅の関係性を暗示して目が離せない。世界中のみんなに最高の“PANTRY(LARDER)”を魅せてやる!と誰かが本気を出したね。この食料倉庫は世界最高。英国児童文学の挿絵のイメージを漉し上澄で作った黄金のコンソメスープの味わい。
— 福田里香 ricca fukudaさん (@nerikirikinton) 1月 6, 2013
ホビット思いがけない冒険の冒頭の食料貯蔵室、IMAXを推奨。観て起想するのが「トムは真夜中の庭で」の挿絵のおばさんの貯蔵室、森薫さんの「エマ」、リアルならSFのBOULETTES LARDER。Alice Watersの片腕の店。 twitter.com/nerikirikinton…
— 福田里香 ricca fukudaさん (@nerikirikinton) 1月 6, 2013
★★★★☆
関連記事
●『王の帰還』2回目鑑賞
●『王の帰還』再見
2012観賞映画メモ
劇場で。誰かと学生時代のことを話したくなってしょうがなくなる映画。観終った後、妻と自分たちの高校時代について2時間ほど語り合ったほど。ちなみに妻は未見。最後、完全リア充でだけどどこか空虚感を抱えたヒロキが、神木君にふざけてインタビューするシーンは、ほんと「ぶわっ」という効果音がそのままって位に泣けてしまった。自分の高校生活は幸いにしてこのようなヒエラルキーや同調圧力とは無縁だったけども、絶対に体験したくない残酷な、モテるモテないが順列を決める共学社会。シチュエーションはかなり厳しいけど、出てくる皆が、何故か愛おしい。また逢いたくなる。★★★★☆
ちょっと前に映画館で鑑賞。なのでうろ覚えレビュー。これまでの二作いずれも映画館で観ている。
●驚いたこと。
あのすごいCGに、自分が既に飽きはじめているという事実、に気付いたこと。前2作ではあれだけすげえすげえと感動していたのに。戦艦のブリッジをクレーンみたいに動き回るカメラアングルとか見てて、「なんか今どきゲームのオープニングムービーみたいだなぁ(見たことないけど)」と思っていた。映画としての衝撃がない。まぁ今回はとんでもないデザインの使徒とかいないんで、そのせいもあるんだろうね。
でも前からずっと思っています。所詮計算で出てくる画には、想定を超える驚きは生まれないと。そんなんアニメの必要ないしね。だったら実写のSFXでいいじゃん別に。
●ストーリー。
前作は特にテレビシリーズと違い、じめじめした暗くてうざーい自分語りやセカイ系なアレがばさっとカットされていてワタクシ的にはとってもすっきりと楽しめたのですが(→前回感想)、この「Q」。後半はもう存分にアレですよ。うざーなセカイ系(←良く分からずに使っています)がボリュームを増して大復活。だからもう、俺様的にはどうでも良いです。確かにエヴァってこうゆうモンだね、と言われればそうかもね。つまらないけども。なんか不思議なワードや設定も散見されますが、謎解きにも(いや謎解き自体には)一切興味ないので自分。
●良かったところ。
冒頭の明らかな『ナディア』セルフパロディは少しアガりましたね。やっぱ。ネモ館長いたし(声だけで浮きまくり)。でもなー。いや好きなんですよ。庵野さんのコレ。エヴァより『トップをねらえ』世代だし。だけどなー。二十年たってもまだこれかー。と、ちょっと冷めちゃってる自分もいました。
いきなり時間が飛んで、主人公達が荒廃した別世界でレジスタンスと化している。これってまんま『マトリックス』な訳だけど、このシチュエーションには結構弱いぞ。いいねー。最終回に向かってのレジスタンス対ネルフは一番気になるトコロです。
●その他。
特撮博物館で上映していた『巨神兵東京に現わる』がエヴァ本編前に流れた。(上映されることを)まったく知らなかったので、最初は随分長い予告だなぁと思っていたよ。確かに今回の作品とのつながりもあるし、なるほどなぁと思わせたのも確かだけど。
だけどね、あの作品は「この時代に失われつつある特撮技術に敬意を表し、敢えてCGを一切使わないで撮った」という前フリがあってからこそ意味のある映画でしょ?博物館では少なくともそういう前提で観るシチュエーションになってた。だから今回何の説明もなくこれ放映されても、そういう意味が分からない人だっているだろうし。イヤおれは特撮博物館すごかったと思ってるけど、あの映画とメイキングのノリには正直あまりついていけなかったクチだし。なおさら。
アクション。前作もそうだけど、ごちゃごちゃしてて分かりにくいです。マイケルベイのアニメ版みたいです。もったいない。もっとレイアウト整理してくれたらなーと思うよ。
まぁ、前半だけなら、もう一回観たいかな。
★★☆☆☆
スタジオジブリ『熱風』2012/12号の特集は『エヴァンゲリヲン新劇場版:Q』。映画の内容には殆ど触れていないが、スタジオカラー、その元となった事務所カラー、を庵野さんと二人で立ち上げた轟木一騎さんの文章が興味深い。結構成り行きまかせ的だったんだね。あと冒頭の氷川さんの文章は、エヴァの制作環境・配給・宣伝を一手に自分で手がけるその姿勢を解説したものなのだけど、そのあまりのアニメ愛に最後は何だか泣けてきた。
送り手から受け手へとつながっていく感動と価値観の連鎖。その幸福感のストリームの上に、たまたま指標としての「金銭」が乗って流れる仕掛けが、運良く三十五年前にできた。(だが)筆者はいつでもその前の(何も流れの無かった)荒野に戻り、戦いを始め直す覚悟がある。「アニメが好きだ」という確かな情熱がその原動力と確認したから、怖いものはない。
※カッコ内太字は引用者の追記:スタジオジブリ『熱風』vo.120
大成功している今回の新劇場版などは特にその宣伝手法・金銭面の話題がピックアップされそうで、氷川なりの解説を入れた形なのだろう。分かる。あの時代のガイナックスの話を聞いている層にはきっとぐっとくる内容だと思う。
さらに同誌で驚愕的なのは、同映画のプロデューサー大月俊倫氏による文章。曰く、今回の企画では最初にエヴァに関しての長いインタビューをジブリから受け、のべ500字もの「大変に面白かった(編集部)」原稿に一旦仕上がったのだが、その内容は大月氏にとって、「自分の話し方のせいで自身の現実と違う部分が散見した。」ので、「自身の執筆原稿に変更させていただいた」のだそう。
その結果書かれたのは、エヴァの名前は一回も出てこない、日常エッセイ。そのエッセイの中で彼は「駅でホームレスの人が売っている雑誌(名前は出ないが明らかに『BIG ISSUE』誌)を買う勇気が持てなかった自分が、あるきっかけで初めて買うことができ、その時の売り子のホームレスの中年男性の笑顔を見て、何かが大きく変わったのだという。あるいはDVDで見た比叡山の「千日回峰行」のすごさに、フルマラソンを走って自慢げにしていた自分のあさはかさを嘆く。そのような内容のエッセイ。
文章は「私は50年生きてきても何も変わらず中身がない、日々生き恥をさらしている」ではじまり、
「私はやり直すことに決めた。」で締められる。
これがエヴァとどう繋がるのか。読みようによってはいくらでもこじつけられそうだけれど、まったく分からないというのが正直な感想(というかそんな詮索している暇はない)。掲載判断をした編集部もキツかったことだろうよ。
「エヴァンゲリヲン」は100人の受け手がいれば、100通りの解釈があるような不思議な作品です。その不思議な作品を作ったプロデューサーの不思議な原稿ということで、編集部ではそのまま掲載することとしました。
同誌「編集部より」
こじつけと思えばこじつけだけど、たしかにエヴァらしいとも言えるのかな。そういう感想が『エヴァQ』本体を見ての感想にもそのまま当てはまっちゃうのが何とも気持ち悪い。そうそう、エヴァQは劇場で鑑賞済みです。機会があればまた感想を。
昨年の地デジ化から一年経った。つまり、テレビ無し生活一年経過。そして、生まれて初めてテレビ無しのオリンピックを迎える。
勿論新聞やネット、他のメディアで接する機会はあるよ。概要はイヤでも知ることができる。
でも、テレビがないと、見事に興味ないのな、自分。相方も。我ながら呆れてしまふよ。
いよいよ公開された『ホビットの冒険』のトレーラーを観たら、もうLOTR熱が盛り上がり我慢できなくなって、アナログテレビをひっぱり出し夜中に『王の帰還』を再見。
当時リンクした評にも書いてあったけど、確かに長い、バランスが悪い。詰め込み過ぎ。一本の映画としてまとまりが悪いったらない。
でも最高だ。やっぱり最高だ。
個人的に「ココだけは観たかった!」と思っていたポイント
●セオデンが剣をカンカンして鼓舞するところ
●滅びの山で一度倒れたフロドの前に幻影として現れるガラドリエルが、フロドに手を差し出し、それにフロドが手を伸ばす。その後のガラドリエルの笑顔。何故か泣ける。
●アラゴルンが黒門に向かう際に振り返って言う「For Frodo」。このためだけに字幕版で観たい。
●その後真っ先に飛び出すメリーとピピン。
堪能しました。そしてまた上記の感想から引用させていただきます。
『王の帰還』を、いわゆる「よくできている」映画だとは思わない。しかしオレは、名もなき人々がつなぐ狼煙の炎の連鎖に、ボロミアへの思いを胸にゴンドールへの奉公を願い出るペレグリンに、死を賭してオークの軍勢に突撃するローハン軍に、指輪の幽鬼に立ち向かうエオウィンに、指輪所持者のために黒門で決死の戦いを挑むアラゴルンに、ひるまず彼に続いたメリアドクとペレグリンの突進に、体が震えるほど感動した。フロドとの友情に殉じ、シェロブやオークが相手でも一歩も退かぬサムワイズの覚悟に感動した。這うように滅びの山を登る2人の歩みのあまりの遅さ、遅々として進まぬその旅路の暗さに、あまりに長く苦しい道程に思いを巡らせ泣いたのだ。
今度は年末の『ホビットの冒険』の映画化、『ホビット 思いがけない冒険』です!期待してるぜPJ!!
『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』、この回がやたら面白かった。
「なぜどこもかしこも不況の最中、角川書店とアニメイトは好調なのか?」
→【前編】
→【後編】
※上記記事内にポッドキャストへのリンクがあります。
アニメック、アウト、アニメージュ等々…アニメ雑誌の黎明期の話が盛りだくさん。アニメ誌の元々の出自が良く分かります。
『アニメージュ』がガンダムを盛り上げ、そしてガンダムを裏切った経緯。鈴木氏が『アニメージュ』誌で初めて宮崎駿特集をやった時は、ガンダムのおかげで返本率10%だったのに、一気に50%になってしまったこと。雑誌の部数が一旦減ってしまうとどうなるのか。
アニメージュ時代の鈴木Pと宮崎氏の出会いについては色々な媒体で語られているけども、ここでは当時の「雑誌編集」というものを、ビジネスとも絡めてかなり赤裸々に語っています。現アラフォー・当時アニメ大好き男子達にはたまらなく懐かしいお話でした。尾形英夫アニメージュ編集長の話も痛快。あと鈴木Pと富野監督の関係とか。
宮崎駿にハマりガンダムを裏切った鈴木Pが、『未来少年コナン』を観た後の富野監督に言われた捨てセリフとは?当時の熱さで想像すると楽しいです。他にも聞き所イロイロ。
しかしこの番組はいつも思うけど録音状態悪いよなぁ。きっと色々こだわりがあるんでしょうけどね。
『タンタンの冒険』を映画館で。3D。もう自分の観れるレイトだと3D以外の選択肢がないんだもの。
●何回も書いたけど3Dの意味は殆ど感じられない。すげーとか思ったのはステッキがこっちに向けてびょいーんて突きつけられた時くらいかな。でもこういううの、ストーリーに入り込むには逆に邪魔。
●タンタンが主人公だと思うとすげー色々気になるのでオススメしません。この映画での相方、ハドックさんが主人公だと思って観るのをオススメします。タンタン、そもそも人間的に何を動機に動いている人なのかが不明過ぎて(特ダネ追いにしてもねぇ…)そっちがいちいち気になっちゃう。
●何しろクライマックスが早くやってき過ぎちゃって、後がちょっと間延びなかんじ。これも主人公をハドックにすると少しマシに思える。
●実物と見間違う位リアルな顔だちなのに、お茶の水博士みたく、マンガチックで異常に鼻の大きい登場人物たち。正直ちょっと気味悪いですよ(笑)。
●服の質感とか異常。WETAの手によるCGはどこもかしこも驚愕のレベルの高さです。
●ダムが壊れてからの一連のシークエンス(この映画一番のヤマ場)はもうずっと爆笑しっぱなしだった。楽しい。
●楽しみ方の短さもストーリーのいいかげんさも浅さもみんな、たしかに『インディージョーンズ』シリーズにそっくりですな。
●この題材と舞台であれば、実写のものも観てみたいなぁ。『ヤング・シャーロックホームズ』みたいな。そういえば『インディー…』の3の冒頭でリバー・フェニックスが演じてた若きインディーが、まさにスピルバーグの中の「タンタン像」だったようだ。時期的に。宇多さんがラジオで言ってた。
●最初動機不明なタンタンも、しばらく観てるとそれもまた不思議な魅力になってくる気がする。
●もう一回観たいです。きっとまだ色々見つかりそう。
宇多丸氏と決して映画の趣味が合うわけじゃないけど、ここまで言われるとさすがに観たくなる。『サウダーヂ』。
というか↓冒頭に紹介される「60歳女性」の感想に感動です。
→シネマハスラー:『サウダーヂ』(MP3直リンク)
だってね、こんな映画ですよ。この映画を観た60歳女性の感想が…まぁラジオ聴いてください。
ところで先日、待望の『エンディングノート』観てきました。しみじみ良かった。これまでの薄い映画体験の中では、間違いなく目から出た水の量、最大。なのにあちこちで笑わせたり。監督である娘のナレーションが素晴らしい。当初は某ベテラン男優にお願いするつもりだったらしく、きっとそうなれば随分別のニュアンスになっただろうし、それはそれで見たかったけど、この「娘ナレーション」もいいんですよ。特に最後のセリフが効いてます。人が亡くなる映画ですが、じんわりと幸せな気分になること、保証付き。「普通」の幸せがそのままてらいも飾りもなく詰まっています。「普通」を映画にすることはきっと難しい、特にこのような題材だと
このタイプのものが100本作られたら、
99本は失敗すると思うんですよ。
ほぼ日刊イトイ新聞:『エンディングノート』が、あまりによかったので
らしいのですが。いくつもの奇跡が重なり、エンターテインメントとして結晶化しています。あまり「残る」タイプの作品ではないと思いますけど、好きです。この映画。ハナレグミの音楽も最高。
最近のも少し前のもありますがつれづれに一言感想。
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お盆休みはひたすら家族と過ごした。極力外にも出ず、外食もせず、うちにあるものといただきものを料理して食べた。子供とビデオや昔の写真を見たり、ボードゲームやかるたをしたり、本を読んだり掃除をしたりして過ごした。いつもこういうことを書くべきかどうか、もしくはどう表現したら良いのか分からないけど、これ以上ない至極の幸せだ。色々な細かい条件や運や風向きや偶然やちょっとの努力なんかがすべて合わさってこのようなことが実現できる訳で。当たり前のことなどと、思ったこともない。
おかげでお金は殆ど使わない連休だったけど、外食に行かなかったのは申し訳ない。食材の関係で今家族全員で外食できるお店は、ごく一部の知り合いの店のみ。外食担当の自分はせめて明日から復活しガシガシお気に入りのお店を廻って買い支えますよ!
お盆休みのもろもろ。
『ヒックとドラゴン』は何度観ても面白い。4歳の長女は少しでも怖いシーンや意地悪なシーンがあると号泣して観れないのだけど、この映画にはなんとそのようなシーンが一切、ない。それでも極上のエンターテインメントとして成立させているのだからすごい。伏線と回収、主人公とトゥースレスの魅力、まわりのバイキング達の魅力、見事に矛盾なく組み立てられたストーリー、なにもかもが「気持ちいい」。飛翔シーンやバトルシーンなど、アニメ技術的な見どころも多い(リピート鑑賞できるポイントだよね)。うーん。弱点が見当たらない…。
小さい子と観るのにもオススメです。是非。
『クウネル vol.51』で、長野陽一さんが自宅を建てる際のレポートがとっても「うんうん」な内容。タイトルは「ふつうが いちばんむずかしい」。そうなんです。つるつるの漆喰壁が当たり前じゃん!と思ってなんとかそれを目指したけど、実現することがどれだけ難しかったか。外壁、サッシ、床、壁、屋根…すべてにおいて自分が「ふつうだと思っていたこと」が、今の住宅業界では全然「ふつう」じゃないことに、まず愕然とするところから、家づくりは始まりました。逆境に向かうのが別に楽しみでもない自分は、だから無事家作りを終えた時に本当にほっとした。ひとより努力したとかそんなことは全然思わないけど、「なんでふつうのことができないの!」とは思い続けていて、それが逆境に向かう原動力になりました。長野さんの記事、本当に激しく同意。この夏久しぶりに自宅の取材を受けて、改めて建築当時のことを懐かしく思い出した。
益子スターネットの馬場さんの震災との向き合い方はとても勉強になった。あと「あれはセンサーを外して生きているんだよ」って、自分も良く思うことだ。なんで?なんで?は未だに消えない。消えない替わりに、身の回りに「なんで?」って思うような人は少なくなっている気がする。どっちが先なのか分からないけど。
永井宏さんの伝言。残念ながらご存命中にお会いすることは叶わなかったし、これまで多くのことは知らないままでしたけど、身近に大きな影響を受けている人達が多く、お話は聞いていた。今更だけどいくつかの書籍を読み、この「伝言」に出会って、やっとその理由の一端が分かった気がした。遅いですけど、これから少しでも軌跡を辿りたいと思う。
何冊か読んだマンガの中では吉田秋生『海街diary 4』が最高。吉田さん、まさかこの路線に来ていただけるとは、くらもちふさこの『天然コケッコー』に継ぐヨロコビ。YASHAとかのミーハー路線があまりにもソリが合わなかっただけに、このフトコロの深さが見れたのは本当に嬉しい。『ラヴァーズ・キス』も良かったけど、もう断然こっちの生活感が好き。4巻は純粋コイバナが花開くのですけど、これはもう40代以上限定の中学生恋愛物語じゃないだろうか、と思ってしまうくらいクラシックでオーソドックス。
西炯子の新刊『恋と軍艦』…「なかよし」連載ですからね。って読み終わってから気付いた。
西さんは『姉の結婚』がまったく琴線にひっかからない内容で、その前にも色々『ふわふわポリス』とか『ちはるさんの娘』やら色々…つか最近どうしたんですか?という位多作ですねという中でちょっと自分的に流し見な内容が続いていましたのです。基本全部買ってますけど。
『恋と軍艦』。雑誌の対象年齢なのかどうなのか、キャピキャピおばか中学生女子が40オーバーの男性に抱く恋心、という、枯れ専も極まれりというか(笑)いや全然「枯れて」る男性ではないんですけどね。とにかく私的には非常に感情移入しにくい設定なんですけども、この相手の40オーバーの町長さんと、謎の同居をしている外国人のエロ漫画家ヒゲオヤジという二人のキャラの佇まいが、何だか中学生相手らしからぬ「西臭(にし・しゅう)」を放っていまして。一巻だけではどうにも判断できない潜在能力を感じているのです。西さん、アンタ中学生相手に何をやらかすつもりだい。え?これ位今は常識?新橋にたむろするネクタイ頭巻きサラリーマン萌えの中学生女子とか普通?←そこまで言ってない。
2011年の盆休みでした。生活の底にはすべて、福島の事故と日常をめぐる放射能問題が横たわっており、相方は毎日食材に悩まされています。
スタジオジブリ『借りぐらしのアリエッティ』をDVDで鑑賞。
もうすぐ5歳になる娘と相方と3人で観た。娘はジブリのメジャーどころは大方相方の実家で鑑賞済み。彼女はすっごく期待していた。公開時は(観てないけど)洗濯ばさみをポニーテールに挟む「アリエッティごっこ」がブームだった。
以下ネタバレになるので一応隠します。
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TBSドラマ『JIN』が、2シーズンを費やして完結した。
歴史に残る名作になったと思う。
1stシーズン完結の時にも書いたけど、マンガ原作を忠実に再現し、さらに映像ならではの設定が追加され、俳優陣の名演と控えめな演出、時代考証、良質な脚本により、最後の最後までまったく外れなしとなった、奇跡的なTVシリーズだ。マンガ原作ドラマでは、迷うことなく生涯ナンバー1。
今ほど最終回を見終えたのだけど(超特大バカ地デジテロップが入る前で、本当に良かった)、もう最初っから「号泣メーン!」。一つ前の回で大きなクライマックスを終え、最終回はいわば後日談的な空気感で始まることも良い。これだけのフロシキを畳むのは、切ったはったのアクションクライマックスと一緒の回では落ち着いてできないだろう。
咲が緑膿菌に感染し、母の栄が見舞いを断るシーン。恭太郎(原作では最後に死亡)の上野行きから始まる橘家の一連の見せ場は、最終回の前半をこれ以上なく盛り上げた。栄役の麻生祐未の演技が泣かせる。
最後の着地点は原作にかなり近いものの、そこに至る細かな設定は至るところで書き換えられていて、その修正のいずれもが、見事に映像にマッチしていて鳥肌ものだ。現代に戻ってから、タイムリープの概念を「小説の設定として医者の友人に解説させる」やり方にも、そこで明らかになる整合性にも、なるほどなるほどの感心しっぱなし。で、自分がもといた世界の恋人(の祖先?)と、江戸での想い人が繋がり子孫を残したという、あの設定!(いずれも原作とは異なる)野風の出産前後のシーンが伏線となり、ここで見事に回収される。第1話との整合性もとられてるので、細部を確認しにまた最初から見直したくなる。
南方がいなくなってからも一人記憶を残す咲。その記憶が薄れる中ですぐさま文書で残そうとするその聡明さ。書いた手紙が子孫を通して現代に戻った南方に渡る。南方が消えた後、野風の子を養子として引き取り、一生独り身で、医師としての生涯を終えた咲。その記憶写真や手紙を前に涙を流す南方。手紙を通して繋がる現代と江戸時代。タイムリープの定番ネタながら、これ系にぐっと弱い自分はもうずっと泣かされっぱなしですよ。(原作では、歴史の記録に南方仁が残っている。南方と咲は結婚していたことを現生で知り、龍馬の力を借りて、一瞬だけ結婚当時のことを想い出す。)綾瀬はるかサン、これだけの当たり役に恵まれることはもうないんじゃないの?って位魅力的だった。多少演技のアレな所だって、江戸時代の言い回しと咲の性格を考えると、逆にナチュラルに見える。脇を固める名優陣も、龍馬も、そして主人公のTKOこと大沢たかお(今まで良いイメージなかった)、すべてのパズルのピースがぴったりと合っていた。
TBS、よくやりました。拍手です。いやー面白かった。
TVドラマ版『JIN』が終わった。といってもまだまだ続きを予感させる終わり方だけど。
近年まれにみるマンガ原作・TVドラマ化の成功例だったと思う。毎週楽しみだった。マンガはまだまだ続いていて終わる気配もないのだけど、そんな中でうまくプロットを取捨選択してTVのクールに収めている。脚本が本当に良い。終わり方も好きだ。
中谷美紀と武田鉄矢の存在が大きかった。特に中谷美紀はこのドラマ成功の立て役者だろうな。他にもいい働きをしてた脇役がいっぱいいた。予算がちゃんとついてるのか、小道具や美術もTVドラマにしては見事。NHKの連ドラよりもずっとちゃんとしてるんじゃないか。あの時代での医療器具も、ちゃんと考証されてるのが伝わってきたし、出来もよかった。
原作も大好きで当初からずっと読んでるけど、これはある意味原作を超えたと言えるね。坂本龍馬とタイムリープの関わりなどは全然原作にない話だけど、引き込まれる。
もし続編が映画になるんだったら、これは楽しみだね。