カテゴリー: TV・映画感想

『タンタンの冒険』★★★☆☆

タンタンの冒険』を映画館で。3D。もう自分の観れるレイトだと3D以外の選択肢がないんだもの。

●何回も書いたけど3Dの意味は殆ど感じられない。すげーとか思ったのはステッキがこっちに向けてびょいーんて突きつけられた時くらいかな。でもこういううの、ストーリーに入り込むには逆に邪魔。

●タンタンが主人公だと思うとすげー色々気になるのでオススメしません。この映画での相方、ハドックさんが主人公だと思って観るのをオススメします。タンタン、そもそも人間的に何を動機に動いている人なのかが不明過ぎて(特ダネ追いにしてもねぇ…)そっちがいちいち気になっちゃう。

●何しろクライマックスが早くやってき過ぎちゃって、後がちょっと間延びなかんじ。これも主人公をハドックにすると少しマシに思える。

●実物と見間違う位リアルな顔だちなのに、お茶の水博士みたく、マンガチックで異常に鼻の大きい登場人物たち。正直ちょっと気味悪いですよ(笑)。

●服の質感とか異常。WETAの手によるCGはどこもかしこも驚愕のレベルの高さです。

●ダムが壊れてからの一連のシークエンス(この映画一番のヤマ場)はもうずっと爆笑しっぱなしだった。楽しい。

●楽しみ方の短さもストーリーのいいかげんさも浅さもみんな、たしかに『インディージョーンズ』シリーズにそっくりですな。

●この題材と舞台であれば、実写のものも観てみたいなぁ。『ヤング・シャーロックホームズ』みたいな。そういえば『インディー…』の3の冒頭でリバー・フェニックスが演じてた若きインディーが、まさにスピルバーグの中の「タンタン像」だったようだ。時期的に。宇多さんがラジオで言ってた。

●最初動機不明なタンタンも、しばらく観てるとそれもまた不思議な魅力になってくる気がする。

●もう一回観たいです。きっとまだ色々見つかりそう。

『エンディングノート』とか

宇多丸氏と決して映画の趣味が合うわけじゃないけど、ここまで言われるとさすがに観たくなる。『サウダーヂ』。
というか↓冒頭に紹介される「60歳女性」の感想に感動です。
シネマハスラー:『サウダーヂ』(MP3直リンク)
だってね、こんな映画ですよ。この映画を観た60歳女性の感想が…まぁラジオ聴いてください。

ところで先日、待望の『エンディングノート』観てきました。しみじみ良かった。これまでの薄い映画体験の中では、間違いなく目から出た水の量、最大。なのにあちこちで笑わせたり。監督である娘のナレーションが素晴らしい。当初は某ベテラン男優にお願いするつもりだったらしく、きっとそうなれば随分別のニュアンスになっただろうし、それはそれで見たかったけど、この「娘ナレーション」もいいんですよ。特に最後のセリフが効いてます。人が亡くなる映画ですが、じんわりと幸せな気分になること、保証付き。「普通」の幸せがそのままてらいも飾りもなく詰まっています。「普通」を映画にすることはきっと難しい、特にこのような題材だと

このタイプのものが100本作られたら、
99本は失敗すると思うんですよ。
ほぼ日刊イトイ新聞:『エンディングノート』が、あまりによかったので

らしいのですが。いくつもの奇跡が重なり、エンターテインメントとして結晶化しています。あまり「残る」タイプの作品ではないと思いますけど、好きです。この映画。ハナレグミの音楽も最高。

北の国から2011夏

TBSラジオ『Dig』のレーティング週間ゲストで倉本聰氏が出ていた。『北の国から』が今年30周年ということで、大根仁氏、BOSE氏(いずれも『北の国から』フリーク)が倉本氏に質問する形式。

氏が東京を離れ単身(本当に単身、妻も置いて)いじけてw札幌に出てきた時の話、北海道の数々のエピソード、北島三郎氏の付き人をしていたこと、当時のテレビ業界のことなど盛りだくさんで一秒も聞き逃せない面白さだったのだけど、その中で「北の国からは今?」という質問が出た。
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2011年8月お盆休みのこと・『ヒックとドラゴン』『クウネル』『海街diary』『恋と軍艦』

お盆休みはひたすら家族と過ごした。極力外にも出ず、外食もせず、うちにあるものといただきものを料理して食べた。子供とビデオや昔の写真を見たり、ボードゲームやかるたをしたり、本を読んだり掃除をしたりして過ごした。いつもこういうことを書くべきかどうか、もしくはどう表現したら良いのか分からないけど、これ以上ない至極の幸せだ。色々な細かい条件や運や風向きや偶然やちょっとの努力なんかがすべて合わさってこのようなことが実現できる訳で。当たり前のことなどと、思ったこともない。

おかげでお金は殆ど使わない連休だったけど、外食に行かなかったのは申し訳ない。食材の関係で今家族全員で外食できるお店は、ごく一部の知り合いの店のみ。外食担当の自分はせめて明日から復活しガシガシお気に入りのお店を廻って買い支えますよ!

お盆休みのもろもろ。

『ヒックとドラゴン』は何度観ても面白い。4歳の長女は少しでも怖いシーンや意地悪なシーンがあると号泣して観れないのだけど、この映画にはなんとそのようなシーンが一切、ない。それでも極上のエンターテインメントとして成立させているのだからすごい。伏線と回収、主人公とトゥースレスの魅力、まわりのバイキング達の魅力、見事に矛盾なく組み立てられたストーリー、なにもかもが「気持ちいい」。飛翔シーンやバトルシーンなど、アニメ技術的な見どころも多い(リピート鑑賞できるポイントだよね)。うーん。弱点が見当たらない…。
小さい子と観るのにもオススメです。是非。

『クウネル vol.51』で、長野陽一さんが自宅を建てる際のレポートがとっても「うんうん」な内容。タイトルは「ふつうが いちばんむずかしい」。そうなんです。つるつるの漆喰壁が当たり前じゃん!と思ってなんとかそれを目指したけど、実現することがどれだけ難しかったか。外壁、サッシ、床、壁、屋根…すべてにおいて自分が「ふつうだと思っていたこと」が、今の住宅業界では全然「ふつう」じゃないことに、まず愕然とするところから、家づくりは始まりました。逆境に向かうのが別に楽しみでもない自分は、だから無事家作りを終えた時に本当にほっとした。ひとより努力したとかそんなことは全然思わないけど、「なんでふつうのことができないの!」とは思い続けていて、それが逆境に向かう原動力になりました。長野さんの記事、本当に激しく同意。この夏久しぶりに自宅の取材を受けて、改めて建築当時のことを懐かしく思い出した。

益子スターネットの馬場さんの震災との向き合い方はとても勉強になった。あと「あれはセンサーを外して生きているんだよ」って、自分も良く思うことだ。なんで?なんで?は未だに消えない。消えない替わりに、身の回りに「なんで?」って思うような人は少なくなっている気がする。どっちが先なのか分からないけど。

永井宏さんの伝言。残念ながらご存命中にお会いすることは叶わなかったし、これまで多くのことは知らないままでしたけど、身近に大きな影響を受けている人達が多く、お話は聞いていた。今更だけどいくつかの書籍を読み、この「伝言」に出会って、やっとその理由の一端が分かった気がした。遅いですけど、これから少しでも軌跡を辿りたいと思う。

何冊か読んだマンガの中では吉田秋生『海街diary 4』が最高。吉田さん、まさかこの路線に来ていただけるとは、くらもちふさこの『天然コケッコー』に継ぐヨロコビ。YASHAとかのミーハー路線があまりにもソリが合わなかっただけに、このフトコロの深さが見れたのは本当に嬉しい。『ラヴァーズ・キス』も良かったけど、もう断然こっちの生活感が好き。4巻は純粋コイバナが花開くのですけど、これはもう40代以上限定の中学生恋愛物語じゃないだろうか、と思ってしまうくらいクラシックでオーソドックス。

西炯子の新刊『恋と軍艦』…「なかよし」連載ですからね。って読み終わってから気付いた。
西さんは『姉の結婚』がまったく琴線にひっかからない内容で、その前にも色々『ふわふわポリス』とか『ちはるさんの娘』やら色々…つか最近どうしたんですか?という位多作ですねという中でちょっと自分的に流し見な内容が続いていましたのです。基本全部買ってますけど。
『恋と軍艦』。雑誌の対象年齢なのかどうなのか、キャピキャピおばか中学生女子が40オーバーの男性に抱く恋心、という、枯れ専も極まれりというか(笑)いや全然「枯れて」る男性ではないんですけどね。とにかく私的には非常に感情移入しにくい設定なんですけども、この相手の40オーバーの町長さんと、謎の同居をしている外国人のエロ漫画家ヒゲオヤジという二人のキャラの佇まいが、何だか中学生相手らしからぬ「西臭(にし・しゅう)」を放っていまして。一巻だけではどうにも判断できない潜在能力を感じているのです。西さん、アンタ中学生相手に何をやらかすつもりだい。え?これ位今は常識?新橋にたむろするネクタイ頭巻きサラリーマン萌えの中学生女子とか普通?←そこまで言ってない。

2011年の盆休みでした。生活の底にはすべて、福島の事故と日常をめぐる放射能問題が横たわっており、相方は毎日食材に悩まされています。

『借りぐらしのアリエッティ』を途中まで。

スタジオジブリ『借りぐらしのアリエッティ』をDVDで鑑賞。

もうすぐ5歳になる娘と相方と3人で観た。娘はジブリのメジャーどころは大方相方の実家で鑑賞済み。彼女はすっごく期待していた。公開時は(観てないけど)洗濯ばさみをポニーテールに挟む「アリエッティごっこ」がブームだった。

以下ネタバレになるので一応隠します。
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TV版『JIN』完結

TBSドラマ『JIN』が、2シーズンを費やして完結した。

歴史に残る名作になったと思う。

1stシーズン完結の時にも書いたけど、マンガ原作を忠実に再現し、さらに映像ならではの設定が追加され、俳優陣の名演と控えめな演出、時代考証、良質な脚本により、最後の最後までまったく外れなしとなった、奇跡的なTVシリーズだ。マンガ原作ドラマでは、迷うことなく生涯ナンバー1。

今ほど最終回を見終えたのだけど(超特大バカ地デジテロップが入る前で、本当に良かった)、もう最初っから「号泣メーン!」。一つ前の回で大きなクライマックスを終え、最終回はいわば後日談的な空気感で始まることも良い。これだけのフロシキを畳むのは、切ったはったのアクションクライマックスと一緒の回では落ち着いてできないだろう。

咲が緑膿菌に感染し、母の栄が見舞いを断るシーン。恭太郎(原作では最後に死亡)の上野行きから始まる橘家の一連の見せ場は、最終回の前半をこれ以上なく盛り上げた。栄役の麻生祐未の演技が泣かせる。

最後の着地点は原作にかなり近いものの、そこに至る細かな設定は至るところで書き換えられていて、その修正のいずれもが、見事に映像にマッチしていて鳥肌ものだ。現代に戻ってから、タイムリープの概念を「小説の設定として医者の友人に解説させる」やり方にも、そこで明らかになる整合性にも、なるほどなるほどの感心しっぱなし。で、自分がもといた世界の恋人(の祖先?)と、江戸での想い人が繋がり子孫を残したという、あの設定!(いずれも原作とは異なる)野風の出産前後のシーンが伏線となり、ここで見事に回収される。第1話との整合性もとられてるので、細部を確認しにまた最初から見直したくなる。

南方がいなくなってからも一人記憶を残す咲。その記憶が薄れる中ですぐさま文書で残そうとするその聡明さ。書いた手紙が子孫を通して現代に戻った南方に渡る。南方が消えた後、野風の子を養子として引き取り、一生独り身で、医師としての生涯を終えた咲。その記憶写真や手紙を前に涙を流す南方。手紙を通して繋がる現代と江戸時代。タイムリープの定番ネタながら、これ系にぐっと弱い自分はもうずっと泣かされっぱなしですよ。(原作では、歴史の記録に南方仁が残っている。南方と咲は結婚していたことを現生で知り、龍馬の力を借りて、一瞬だけ結婚当時のことを想い出す。)綾瀬はるかサン、これだけの当たり役に恵まれることはもうないんじゃないの?って位魅力的だった。多少演技のアレな所だって、江戸時代の言い回しと咲の性格を考えると、逆にナチュラルに見える。脇を固める名優陣も、龍馬も、そして主人公のTKOこと大沢たかお(今まで良いイメージなかった)、すべてのパズルのピースがぴったりと合っていた。

TBS、よくやりました。拍手です。いやー面白かった。

『アバター』★★★☆☆

映画館で『アバター(3D字幕版)』を観る。2時間40分ほど?だったらしいけどその長い時間を感じさせなかった。しかし我慢できずに途中で放尿タイム一回。近いんだもん。

直前に車で『ギャラクシー・クエスト』の4回目になる再見を終えたばかりで、これまた観れば観るほど大傑作なものだから『アバター』楽しめるか心配だったのだけど。結果的にかなり楽しめました。美術・グラフィックが特に良かった。いわゆる「アニメ」以外であれだけ宮崎ハヤオ的「高い所でおっとっと」な気持ち良さを味わえる映画はなかったんじゃないだろーか。ストーリーはまぁ、特筆すべきところはないです(笑)。
(以下ネタバレかも)

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TV版『JIN』

TVドラマ版『JIN』が終わった。といってもまだまだ続きを予感させる終わり方だけど。
近年まれにみるマンガ原作・TVドラマ化の成功例だったと思う。毎週楽しみだった。マンガはまだまだ続いていて終わる気配もないのだけど、そんな中でうまくプロットを取捨選択してTVのクールに収めている。脚本が本当に良い。終わり方も好きだ。

中谷美紀と武田鉄矢の存在が大きかった。特に中谷美紀はこのドラマ成功の立て役者だろうな。他にもいい働きをしてた脇役がいっぱいいた。予算がちゃんとついてるのか、小道具や美術もTVドラマにしては見事。NHKの連ドラよりもずっとちゃんとしてるんじゃないか。あの時代での医療器具も、ちゃんと考証されてるのが伝わってきたし、出来もよかった。

原作も大好きで当初からずっと読んでるけど、これはある意味原作を超えたと言えるね。坂本龍馬とタイムリープの関わりなどは全然原作にない話だけど、引き込まれる。

もし続編が映画になるんだったら、これは楽しみだね。

『グラン・トリノ』★★★★☆

DVDで『グラン・トリノ』を。

一人のおじいちゃんのしかめっ面だけで最後までもたせる傑作。俳優ってこうゆうことだ。
目立つ演出もED以外記憶に残る音楽もアクションもないけれど、笑ってじいんときて考えさせる。
あまり映画を観ず、それゆえ選択眼がなく、ハズレばかり掴まされ、それゆえジャッジが厳しいオレみたいな映画初心者には、いやだからこそかも知れないけど、「映画の良さってこうゆうモンだよな」と思わされます。

重いラストだけど、後味は全然悪くない。そして見終わった後に色々考えさせられる。
いい時間でした。

今、大人が迷う時代。
でも、この男がいる。

公式サイトより

陳腐な使い古したコピーのようだけど、この映画を観ればナットク。イーストウッドにこそふさわしい。

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NHK版『クライマーズ・ハイ』★★★★☆

DVDを車で鑑賞。
ネットの評判を読むと「映画よりNHK版が断然上」という意見が殆どで、ずっと気になっていたんだけど…やっと借りてきました。

結論。面白かった。だけど総じてどっちが上とか全然思えない。この二作は別物だと思います。テレビドラマでコレは最善だと思うし、映画であればやはりオレは映画版の方が好き。原作は読んでないので忠実度や原作者の意図などはまったく分かりませんが。ずっと「暗い」のが映画版、少しでもまだマシなのがテレビ版、ってとこ。

まず、演技と演出は映画の緊張感の方が断然リアリティがあるけど、テレビ版はテレビなりの上質な演出になっていた。これは媒体の違いで、比べて優越つける気にはならない。どっちも良かった。でもね、映画のあの異常な緊張感、クライマックスのアレは特別ですよ。ここだけは、NHK版では絶対に敵わない。

脚本が違ってて、例えば主人公と息子のすれ違いが映画版にはまったく書かれていなかったのでNHK版見てやっと理解できたカンジ。映画版のエンディングはちょっと寂しかったね。だけど、この家族のエピソードをあの映画版に入れるってどうかと思うし…。

さすがNHK版だけあって当時のニュース映像がバリバリ流れるのはすごかった。ああそういえばこのアナウンサーNHKだったっけ、みたいなヒトが。これはちょっとずるいけどでも臨場感イヤ増し。

佐藤浩市って全然すきじゃないんだけど、要するに「使われ方」が好きじゃないんだなって、うすうす分かってたけどこの映画で実感した。ムスメに慰められるシーン、あすこの泣き顔はぐっとくるねー。

クライマックスで「抜き」を外してしまった後の社長とのやり取り(テレビでは投書が原因)も随分違うんだけど、オレはどっちのパターンも好き。映画版ではさっさと辞表を突きつけるカタルシス、テレビ版ではなんとも即答できない現実のじめじめしたリアルが、それぞれ良かった。そしてあの機内で書かれた手紙には、毎回号泣。ムスメを持ってしまった自分にはあまりにも…。

女子大生?の投書のくだりはちょっとどうかな。無い映画版の方が良かった。
山登りシーンはNHKがもう断然上。観ながら震え上がること間違いなし(どうやって撮ったの?)。あの登山(登攀か)の持つ意味もNHKではとても丁寧に描かれていた。

まぁとにかく、どっちもオススメですよ。是非両方ご覧ください。NHK版は前後編で150分で、そんなに長い訳でもないです。

映画版の感想へ

※今月日航機の新しい残骸が見つかったんだってね。NHK版観た直後なんですげえ驚いた。

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追悼・金田伊功

なんでBIRTHがないんだーと思いながら。でも燃える。
金田パース。金田立ち。そして板野氏が出る前の「金田サーカス」(こんな呼び名してなかったと思うけど。
↓これ観た後はみんな「金田立ち」したくなるよね。そしてアニメ界にCGは必要だったのかと疑問に思ってしまう。

とんでもない人でした。合掌。

【追記】上の動画が削除されていたのであらためて。

『西の魔女が死んだ』『クライマーズ・ハイ』

DVDで、どちらも車の移動中に鑑賞。

『西の魔女が死んだ』
ターサ・デューダー的なことを取り込みたいんだ。それは分かる。だけどあまりにも上っ面。スタイリング&絵作りは良く、薄っぺらなカンジは『めがね』なんかに似てると思いきや、観賞後の印象は正反対。何というかこう、雑な脚本でつっこみまくりだし、ラストも「何だそれ?」状態。ピーターバラカンにそっくりなおばあちゃんも主演の女の子も大して好きにはなれないけど、でも勿体ないなぁ。
★★☆☆☆

『クライマーズ・ハイ』
そんながっかり気分で、続けて見たのがコレ。偶然にも前橋へ行く往復の車中だ。(舞台は前橋の新聞社)
1日に長い間高速を移動する際は、必ず途中で1回仮眠を取らなければいけないオレ(眠り病のため)ですが、この映画のおかげで一睡もする気分にならなかった。基本的には気分悪くなる系の映画で、こういうタイプのモノはどんなに傑作でも再見したりはしないのだけど、帰ってくるなり二度目の鑑賞。二度目でも、目を離せるスキがない。最初から最後まで、息をつかせぬ怒濤のイキオイ。無駄カットがない。こんな映画、最近見たことない。

めちゃくちゃオススメ映画です。

出てくる俳優が、隅々の脇役に至るまでリアリティに満ちあふれてる。オトコがオトコらしく、カッコイイ。仕事にかけるプロ意識が、気持ちイイ。

キャラを生かした見事な脚本。ストイックで過剰さがない分だけ凄みを感じさせる演出。無理のない編集。堤真一もイイが、なんつっても堺雅人だ。オレはこの映画で完全に堺雅人にマイッたよ。堤&堺萌え映画だ。

ああ、イイ映画に出会った。どうしようもない社内派閥問題や人間のクズのような販売部長、見るだけで気分の悪くなるようなシークエンスも、あまりの完成度の高さに二度見を終える頃には愛おしく思えてきたほどだ。

こんなイイ映画に出会った時は、大抵自分の言いたいことを書いてくれるこの方の感想文を検索してみた。やっぱりいつもの通りだった。この中にに殆ど表現されています。

そのエラーの原因が何なのか、私には不明:クライマーズ・ハイ

もう1つは破壊屋さんだけど、感想見つからなかった…。

他にも

アヌトパンナ・アニルッダ:クライマーズ・ハイ

→後でNHK版を観た感想こちら

★★★★★

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映画版『グーグーだって猫である』★★☆☆☆

車で、レンタルDVD。
公開前はすごく楽しみにしていた覚えがあります。『ジョゼ』『メゾン・ド・ヒミコ』の監督に、細野晴臣の音楽ですから!

で、観てみたのですけどもね。

「野良猫無限増殖&ガン闘病マンガ」
が、
「吉祥寺オシャレ少女マンガ家の恋愛映画」
になってますたヨ!

↓以下ネタバレ感想です。

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うろ覚え映画感想(ダークナイト、レミーのおいしいレストラン、HOT FUZZ、クローバーフィールド)

最近1ヶ月位に観た映画感想です。ネタバレ多少有り。

darkknight.jpg『ダーク・ナイト』
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すんごく良くできた映画だと思うんだけど、個人的に不快なシーンが多くてダメでした。バットマン、実は殆ど見たことないです。だからじゃなけど、ちょっと告白。真面目なシーンであのバットマンの仮面がアップになるとね、何か笑ってしまう。保育園で作ったネズミの仮面みたいなんだもん。あの↑「耳」ってカワイ過ぎじゃね?
どんなに不快なシーンが多くても、ちょっとのカタルシスで帳消しになったりするモンですが、この映画には、残念ながらその帳消し箇所もありませんでした。やっぱねー、あんましカッコよく思えないのが大きいスよ。あの耳!あ、そうそう。変身しないでランボルギーニ(ジャミロクワイのPVにも出てた車?*)乗ってるのは、カッコよかったなー。
★★★☆☆
*間違いでした。ジャミロクワイのはディアブロ、ダーク・ナイトのはムルシエラゴ。

『HOT FUZZ 〜俺たちスーパーポリスメン!』
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出だしから主人公に超好感。優等生過ぎて地方に左遷される真面目で不器用な秀才警官なのですが、そんな彼と田舎社会とのギャップが、とても楽しい。最後もバカバカしすぎて笑っちゃいますが、あの「敵」はあまりにありきたり過ぎて、もちょっと捻りが欲しかった。
★★★★☆

『レミーのおいしいレストラン』
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めちゃくちゃ楽しかった。なんだこのネズミの動きのリアルさは。舞台である「パリのレストラン」の美術が始終モーレツにオレ好みですが、ドブネズミの中で1匹だけいきなり誕生した、異様に鼻の利く料理センス抜群のネズミ、っていう設定だけでもう、ご飯何杯もイケますね。悪役の辛口料理評論家のイゴーが良い。そしてこれ以上ない気持ちの良いハッピーエンド。最高です。
★★★★★

『クローバーフィールド』
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ああ子供の時にこんなリアルな怪獣映画を見ることができてたら…。イヤ逆にどうなんだろう。ホームビデオで撮られた、という設定を聞くだけで酔いそうだけど、車の小さな画面で観たので具合は悪くなりませんでした。それどころか画面作りはすごくよかった。パニックの手ぶれ撮影で、ビルの谷間に一瞬映る、異形の怪物。ぞくぞくしました。ぞくぞくと言えば、最初に皆が屋上に出てあたりを見回し、遠くで爆発があるシーンね。向こうから何だかカタマリがボコボコ飛んでくるの。あそこ良かったなぁ〜。あと傾いたビルの屋上を渡るときに、向こうのビルの谷間からやってくる怪物の絵も。何だかゲーム『GOD OF WAR』の引きの絵を思い起こさせます。この映画は絵も音も良いので、もしウチにブルーレイ環境が揃ったら見直す候補だね。
車で観たのは勿体ない。もう一回見直したいな。
★★★★☆

『WALL-E』

劇場で『WALL-E』を観た。萌え映画だ。
オレ的にはクラシックメカ萌え&ジャンク萌えだ。特に地球パートはまったく目が離せない。何より印象に残ったのはオープニング&エンディング。OPのタイトルバックは鳥肌ものだった。萌え泣きポインツが何ヶ所もある。間違いなく隣に座ってた小学生女子より、オレの方がいっぱい泣いていたと思う。
あと今のアニメってもう実写みたいな物なんだね。CGという意識さえないくらい。どちらかというと「特撮?」的な見方だった気がする。
以下ネタバレ含みます。

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女子高生のスカート

今朝のフジ『とくダネ!』を見ていたら、
日本一女子高生のスカートが短いと言われる新潟の高校で、教員が「スカートの丈を長くする」「気品を持て」みたいなポスターを貼ってなんとかスカートを短くさせないように努力してるというニュースをやってました。

そのポスターがまた中途半端に若者ウケなイラストを使ってて、それなのにキャッチコピーは警察のポスターみたいな「言葉ひっかけ」を使ってて全体的に残念な感じなのです。

えっとね。放っとけば流行って必ず恥ずかしくなるものなのに、このポスターによってその寿命がかえって少し延びちゃってる可能性、あるよね。

スカートの丈を伸ばしたかったら一番効果あるのはまず大人が奨めることだと思うよ。大人が「カッコいい〜」って言えば、たとえば『とくダネ!』で小倉さんが「短いのって今結構イイよね」とか言う方が、効くと思う。じわりじわりと、「コレ(ミニスカート)、ダメなんじゃね?」気分が広がるような(笑)。校内ポスターにするなら、携帯用語をちりばめたキャッチコピーでミニスカートを絶賛!!勿論中途半端な若者イラスト入りで。

TVタックルと『そこまで言って委員会』

こないだ車の移動中に『ビートたけしのTVタックル』を10分程観た。不景気回復策についての論議の中で、山本一太だったと思うのだけど「子供も産んでいない独身女性のパフォーマンスは低く見られがち」との意見を控えめに言ったらそれに対して司会の阿川佐和子がまた「それは私のこと?」みたいなどうでもいい突っ込みをしてて皆の笑いをとらなきゃみたいなスタンスでそれはもう阿川のせいというレベルを超えて番組自体がそうしないと進行しない所まで行ってて本当にもう「あ〜あ」なのだ。このどーしよーもない阿川やたけしのチャチャ入れでまともな論議がいつも妨害されるのが『タックル』だ。

おかげで森永卓郎の突っ込みドコロ満載の理想論も番組上ではまともに批判もされず、彼の反論も聞けない。だめ理論をこてんぱんに論破してみせるカタルシスは片鱗も無く、どうしようもない自慰話を延々と聞かされたあげくソレへの突っ込みが見れないという2重のストレスがたまる。よく皆見れるよなぁ。

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ABOUT

1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。