自主朝ドラ『あまちゃん』は
ついに北三陸編の最終週になってしまった。
EP71
夏ばっぱが、25年前のあの日のことを、春子に初めて謝る。
東京に行くという彼女をひきとめなかった自分。廻りの大人達を説得しなかった自分。
「すまなかったな春子
25年間
この通りだ。
許してけろ。」
深く頭を下げる夏ばっぱ。
多くの人が抱えている、親との問題。確執。無意識下の束縛。どうしても拭いきれない身体の中に染みこんでしまっている影響。
40代になっても50代になっても、時には親が亡くなっても解消ができず、知らずのうちに自分と他人との関係に問題が出てしまう、大変なこの親子問題を、あまちゃんでは親が生きている間に、これ以上ないという方法で昇華してくれる。
希望のある、夢だ。
謝った後、ばっぱは深く長い溜息をつき
「ふー……すっとしたー」
と呟く。
しばし沈黙の後
「あたしも、すっとした」
と春子。
二人の名演技、静かな演出に痺れる
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あまちゃんで毎話こんな感想をいちいち書いているとキリがなくて。
でも毎回書きたいと思いながら、次のクライマックス、次の名シーンがどんどん出て来て記録が追いつかない。
あと、
現役で観ている時は、どんなに面白くても「1日15分のドラマ」だったのだけど。
それが今や配信のおかげで
時には「1話1時間半のドラマ」になっちゃう。
自主「朝ドラ」なんて嘘。移動中に、多い時は1日で1週分は観ている。
(この頃は土曜もやっていて、1週6話ある)
クドカンの凄い脚本で詰め込むだけ詰め込まれた1時間半のドラマ。
今回の#自主朝ドラ は、「舞い上がれ!」の半分位で終わっちゃいそうだ。
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そして次のEP72は、『あまちゃん』の中でも間違いなくベスト3に入る回。
15分の中にクライマックスが4回訪れる。
1)北鉄に乗ったアキを見送る春子のセリフ。
「あんたは変わっていない。だけどみんなに好かれたね。みんなに好かれた。あんたじゃなくて、皆が変わったんだよ。自信を持ちなさい。それはね、案外すごいことなんだからね!」
この時の春子の表情!
あれから10年経ち、我が家も娘達のとの関係が変わる中で、また一層春子の気持ちを思い、泣けてしまう。
2)25年前の、春子の出発シーンの回想。
浜で大漁旗を振って春子を送る夏ばっぱ。25年間恨み続けたあの時のことを、今、勉さんの告白によって春子が知る。
前71話で和解したその次の回で、畳みかけるようにこれだから…
3)現在。アキの旅立ち。
また車掌に話しかけられ、あやうく同じことの繰り返しになりそうなところを、他の乗客に救われる。
夏ばっぱの見送りと、その思いを存分に受け取るアキ。
春子の思いも、春子ができなかったことも、1つ1つ実現していくアキ。メインテーマ曲が鳴り響く。
4)間髪入れず、ユイの父が倒れ一緒に行けないという衝撃の展開。
観ているこっちの気持ちはもう大波のように揺れ揺れ。
2人を隔てる北鉄のドア。たたみかける哀愁のBGM。絶叫しながら電車にすがりつき見送るユイ。呆然として見るアキ。電車はアキ一人だけを乗せて、出発する。
そして次回。東京編へ「つづく」。
ここまでが15分の1話。
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当時以上に大号泣の、北三陸編最終週でした。
毎日毎日、名優たちの虜になっています。