ユナイテッド・シネマ新潟で『スペシャルズ!』を鑑賞。
サブタイトルは「政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」
【映画.com あらすじ】
自閉症児をケアする施設「正義の声」を経営するブリュノ。他の施設などで見放された子どもたちも断らずに受け入れる彼の施設には、さまざまな問題を抱えた子どもたちであふれていた。この施設では、ブリュノの友人のマリクに教育されたドロップアウトした若者たちが働いている。社会からはじかれた子どもたちをまとめて救おうとしていたブリュノとマリクだったが、無認可で赤字経営の「正義の声」に監査が入ることになり、施設閉鎖の危機に迫られる。
ドキュメントタッチで描かれる実話ベースの映画で、演技・演出とも非常にリアル。『クリムゾン・リバー』のヴァンサン・カッセルが好きで彼目当てに行ったのだけど、十二分に堪能できた。主役2人とも、とても演技には見えない。他にも「介護者と自閉症の若者、その家族たちが多数キャスティングされている」ことを今初めて知った。
病院でも施設でも手に余る重度の自閉症児たちを条件なしで請け負う2人の男。彼らの気負わない凄みというか、深い経験と人生を思わせる演技が、作品を信頼おけるものにしている。
【追記】
(公式サイトに以下のような記事があった。なるほどリアルな訳だ!)本作は監督たちが25年以上付き合いのある施設を舞台に、長年温めてきた肝いりの企画。本来脚本を書いてから役者にオファーするのが常だが、実は今回カッセルとカテブには脚本執筆前に出演をオファーしたという。「作品に対するアイディアはあるが、脚本は用意していない。僕らと一緒にモデルになっている団体と長時間過ごしてほしい。それが無理なら、この映画の話はなし。断ってくれ」と大物二人にかなり強気に交渉したという監督たち。
ナカシュ監督曰く、彼らからの返事は早かったそうで「僕らのやり方は間違っていなかった。その日の夕方には二人からほぼ同じ内容のメッセージが送られてきた。『脚本がなくても大丈夫。このまま冒険を続けよう』とね」。
病院や施設のベテラン達が手に負えない問題児でさえ「彼らならなんとかやってくれる」と思われている最後の手段的存在「正義の声」。監査が入った男女調査員とのやり取りが一番のクライマックスで、もう号泣メ〜ン(ノД`)・゜・。
どの国でもある問題なのだろうな…。「正義の声」のスタッフ達の明るさとゆるい連帯感、プロ意識もすごく気持ちが良い。2人の他にちょっとしか出ない脇役までみんなイイのよ…(きっと俳優じゃない人も含まれてる)
隅々まで好き。機会あったらもう一度観たい。