無題

久しぶりの「鮨 まる嘉 (まるよし)」へ。
相変わらずのバラちらしは健在だが、今は刺身の有無で「ぶっかけちらし(生入り)」「花ちらし(生抜き)」の2種になっていた。

バラちらしと言えば蒸し海老がイメージだけど、ここはあまり蒸し海老が入ってない(時に蟹が入る)。でもでも美味しい。隠れている所にいろんなネタが潜っているの。そしてコレとっても大事、既に「漬け」になっていて、醤油をかける必要がない。



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もう2000回位書いてるのだけど
「海鮮ちらし寿司」が生まれながらにして内包する諸問題

●どう食べたら正解か分からない
●ネタと寿司のハーモニーを上手に楽しめない
●醤油かけ過ぎちゃいがち
●そもそも食べるのが面倒

などなどを、すべて解決するのが「バラちらし」!これ最高!
と常に思っている。

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いつかは夜にちゃんと来たいなぁと思いつつ。奥さんが外食苦手だと夜に素敵なお寿司やなんて来る機会、まずない。

そして昨日の仕事新年会で知った事実。
自分は今「磯野波平と同い歳」になった。昔なら家では和服。翌年には定年という歳。にも拘わらず、行きつけの鮨屋の1つもないなんて…悲しい。


と、書いてみたたかっただけで実際はなんとも思わない。こういう「大人なら行きつけのバーひとつもなきゃ」的な価値感に乗って引け目を感じること自体、自分にはそもそも合わないことに気づいた。これ、ちょっと押しつけがましいよね。らしさの押しつけ。

まる嘉のぶっかけちらし寿司ランチは1400円。たっぷりの丼と美味しいガラ汁をいただいただけでもう満足…と思うとデザートとコーヒーが付いてくる!!

おすすめ。


ドラマ『ライオンの隠れ家』感想

TBSドラマ『ライオンの隠れ家』をNetflixで観了。
柳楽優弥が主演で外す訳はないと思っていたけど、想像の何倍も素晴らしいドラマだった。
すごく、好き。

「柳楽優弥のおちょぼ口」な!!

【あらすじ】
両親を事故で失い、二人で暮らしている兄ひろと(柳楽優弥)と、ASDの弟みっくん(坂東龍汰)。そこにある日、6歳の「ライオン」を名乗る男の子(佐藤大空)が迷いこんでくる。どうやらライオンは、二人の異母姉の子供のようなのだが…

【感想】
子役含めた3人が全員、神がかってる位に上手い。

ライオン役佐藤大空くんのなんとナチュラルな愛らしさ。気まずさゼロ。
坂東龍汰に至ってはあまりにASDの演技が自然(に見えて)、その凄さが後半は実感できない位に普通化しちゃってて、とにかく凄い。

でもやっぱり柳楽優弥。彼はこの役の特徴を「おちょぼ口」に見いだしたようで、とにかくおちょぼ口が多発する笑。でもそれが性格や考えてることを言わずとも感じさせていて、素晴らしい発明だったと思う。身体全体から「ひろと」の人生を感じさせるこれぞ名演技でした。最高。ありがとう。

この3人の名演技があまりにあまりで、尾野真千子まで霞んでしまうくらい。

桜井ユキは彼女らしい役回りで相変わらず好き!(何度でも書くがNHK『だから私は推しました』観て!おれはこれで桜井ユキ推しになった)でんでん、岡山天音など安定の巧さに加え、ひろとの同僚の岡崎体育と齋藤飛鳥も良かった〜

このドラマ、全11話なんだけど、普通だったら大きな事件が解決した10話で終わるのが殆どだと思う。そこで「あと1話?え?何?」て思っていると、主人公:ひろとの人生の話が最後に始まる。これが最高。
主人公達3人に向けられる「目線」が、あくまで優しく愛おしい。

途中結構ハードな事件があったりするんだけど、ウェルメイドって言葉、こういうドラマに使いたい。全体通して相当大好きなドラマです。良かった!

2か月以上続く首痛

11月中旬のある朝「あれ?首寝違えたかな」と思った日から…ずっとその痛みが直らない。
寝違いのような痛みはそのまま一ヵ月以上続き、今(1/18)も場所を微妙に変えつつ続いている。
日常生活は送れるが、なんとも気持ちが悪い。

この期間の通院。
●O接骨医:いつもの通りで「中にある問題がなくなれば自然となくなる」なくならないんだよ…
●T整形外科:いつも同じ治療。原因はいくら聞いてもはぐらかされる。首吊りと電気。首吊りは少し良くなった気がするが、すぐ元通りに。湿布はとても効いた。飲み薬は効いてる実感無し
●新F接骨医:ツボマッサージや電気やクオーターベッド。気のせいレベルで改善したかどうかまったく分からず、1度きりの通院
●Mリハ:妻も娘も行ってる。カラー治療で即時的な効果もあり。漢方薬をもらい、現在唯一続けている治療。一番信頼している。
●カイロ「サロンS」:ネットで調べて初。運動不足から来る腰のあたりの「動かなさ」が異常だとのこと。このままでは腰に来るのも心配。何度も通わないと直らないと言われる。

カイロで聞いたことをMリハで話したが「カイロはちょっとオススメしません」と言われ、どちらを信じるかと言えばもうMリハを信じるしかないので、カイロはやめてMリハ1本に。

しかし未だに朝起きるところから痛い。

続く。

2024年末〜25年始の雪

2024年の12月は毎週のように「10年に1度の大寒波」「日本海側で大雪に注意」と警報鳴りまくりだったのに、ことごとく外れた。3週外れたと思う。こんなことは記憶に無い。

結果新潟市中央区ではほとんど年内の積雪無し。年が明けてから10〜20cmが1回程度。
今年もこのまま積雪なく終わるような気がする。

これまでの経験から、
「全国で」大雪が降る仕組みと
「新潟市で」大雪が降る仕組みとは
全然違っていて、だから予想があまりつかないように思う。

娘が初の共通テスト

長女が初の「共通テスト」。
1/18が本番で、本気になって勉強をはじめたのが年末休みから、かな。
年明けは少なくとも毎日相当やっていた(ようには見える)。

1日目の自己採点は散々だったそう。思えばこれまでの模試で「想定よりずっと良かった!」なんて覚えはまずないし、聞いてみたら本番でも「模試ではこれくらいだったけど、本番ではこれくらい上がらなければダメ」という目標で…。そりゃ皆最後頑張るんだから無理でしょうよ。ホントにかけている時間に対して成果がない長女は、勉強が、特にテスト勉強が向いていないと思う。

でもナーバスになって家族に当たり散らす、ということは皆無で、メンタルは通常通りで基本明るいし、周りを明るくしようと自然に気を配ってるのが良く分かる。時に当たり散らすのは他の3人。

推薦試験には落ち、恐らく一般でも志望校合格は難しい。さてこの後どうするのかな。なんにしても健やかに楽しく暮らしてって欲しい。

NHKドラマ『その街のこども』が期間限定公開!

2010年のNHKドラマ『その街のこども』が、NHKプラスで1/20昼まで期間限定公開されています。
あと2日半しかないので、見逃しなく!

【あらすじ】
2010年1月16日、新神戸駅で偶然知り合った勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)。ふたりには、誰にも言えず、抱え続けてきた震災の記憶があった…。震災15年目の朝を迎えるまでの一晩の神戸を舞台に“語れずにいた想い”が不器用にあふれだす。脚本は映画「ジョゼと虎と魚たち」の渡辺あや。神戸で学生時代を過ごした渡辺、子どものころに震災を体験した森山未來と佐藤江梨子が、リアルな感情で挑む。(NHK公式)

【スタッフ】
脚本:渡辺あや(カーネーション、ワンダーウォール、エルピス)
演出:井上剛(あまちゃん、クライマーズ・ハイ、64)
音楽:大友良英(あまちゃん、花束みたいな恋をした)
出演:森山未來、佐藤江梨子、津田寛治

【感想】
また忘れられないドラマになりそう。感情をがっつり揺さぶられた。最後の方はもう号泣。
なんなのこれ。ストーリーも出来事も殆どない。ただ2人で夜の神戸を歩き、想い出話を語るだけ。

撮影も演出も、ほぼドキュメンタリーのようなつくりで、これは2人の本当の話?かと勘違いしてしまう位。実際に主演2人の実体験もかなりセリフに反映されているらしい。

2人のどちらも感情移入するようなキャラクターじゃ全然無いので、最初の吸引力は正直弱い。
だけど、ドキュメンタリーだかドラマだか分からない感情のまま、2人の夜散歩に付き合っていって、最後の方には何故かもう、あちこちの人が皆愛おしくなる。

クライマックスで感じる、この表現できないうゎーて感情は、覚えがある!同じく渡辺あや脚本のNHK『ワンダーウォール』(NHK)だ。あのラストの「うゎー」って感じと、そっくりだ。(スタッフ全然違うのに…と思ったら撮影が同じ松宮拓という方だった)。
世の中、いかんともしがたい。でも我々は、そこでやっていくしかないんだ。その無情感と愛おしさの合い混じった気持ち。元気が出るのとは少し違うけど、生きていこうとちょっと思える。渡辺あやの脚本もすごいが、やっぱり演出だろう。

旅行先の電車で出会い、一晩歩いて話して、再会を約束し連絡先も交わさず別れる男女。そう、『ビフォア・サンライズ』みがある。全然あんなにロマンチックじゃないし、神戸案内にもなってないのだけど、でもあの感じ。途中思い出しちゃった。

このドラマは2010年制作。
2011年に『カーネーション』で脚本家の渡辺あやを知り、2013年の『あまちゃん』で井上監督や大友良英さんを知り、
『あまちゃん』制作の大きなきっかけになったのが『その街のこども』だとあちこちで読んでいた自分としては、ずっとずっと観たかった作品。(あまちゃんの座組の多くはこの番組からスライドされた筈)

何故かオンデマンドに入っていないし、NHKプラスの検索でも引っかからない。再編集した劇場版も翌年作られているが、それも配信で見つからない。劇場版は宇多丸さんのシネマハスラーで過去絶賛されていた。

ストーリーズにNHKプラスのリンクを入れたので、興味ある方はこの機会にぜひ!

雪が降らない2025年1月連休

三連休の最終日、朝。

1週間後に共テというタイミングで世間に強烈なインフル禍が襲ってきたので、お籠もり生活の日々である。同じく受験生のご家庭の皆さま、春まで踏ん張りましょうね。

まぁコロナと違って終わりが見えているので気は楽だし、料理もろもろとか色々と楽しめた。相変わらずの首痛でお酒はほんのちょびっと。

内緒だがラ○ーの入り口で売ってる焼き芋はコスパがヤバいので、連休中わざわざ焼き上がり時刻に合わせ2回も遠くまで行ったのに、入手できず。これはもう平日限定で考えよう。

しかし雪がさっぱり降らない。思うに全国での大雪と新潟「市」が大雪になる理由って、いつも違ってる気がする。今年も大して降らないのかな。

家計の味方、ダイレックスの鶏肉各種で鍋やら参鶏湯やら常備菜やらつくった。本も配信映画もドラマも観た。『地獄が呼んでいる』S2はメンタルやられるのでネットであらすじだけ追った。この後ダイジェストで観ようかなと思う。こんなの初めて。どう決着付けるのかだけは見届けたい…割に結局何も分からないまま終わるみたいね。

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の岸田奈美 @kishidanami さん、お母さんがまたまた洒落にならん状況になってて、インスタから目が離せない。(最近はメインのnoteの他に、インスタの画像で文章をアップされるようになった)何とか無事で日常に戻れますように。

ところでこれを読んでる時の頭の中のビジュアルは河合優実さんと奈美さん、お母さんと坂井真紀さんがごっちゃになってる。それ位、ビジュアルだけじゃなく現実感があった。あのドラマは。最高だった。

映画『ポトフ 美食家と料理人』感想

『ポトフ 美食家と料理人』をAmazonレンタルで。
監督:トラン・アン・ユン。

【あらすじ】
19世紀末のフランス郊外で暮らす美食家のドダンと、彼のアイデアを実践し時に凌駕する腕を持った料理人のウージェニーは、結婚はしないながらもパートナーとして一緒に生活してた。ある日、屋敷の使用人が連れてきた親戚の少女ポーリーヌが天性の舌と感性を持っていることに気付き、2人で料理人に育て上げたいと考える。その矢先にウージェニーが病に倒れ…。

【感想】
ずっと写されているキッチン、光と影が見たことないくらいに超絶美しい。フェルメールみたい。
全編通して、ほぼ料理を作っているだけのストーリー。しかし最初から魅入られたままであっという間に終わった。ストーリーはシンプルだけど染み入ってくる。

湯気と音、手技の美しさ、食材の色気がダダ漏れ状態。料理も衣装も美術も完璧。
フランス料理はそもそも食べた経験が少ないし興味もなかったけど、さすが!と思わせる説得力だった。

ドダンの美食仲間たちの、他人との距離感、ウージェニーとの関係も、時代は感じさせつつ、それでも心地良い。

劇伴が無かったと後で知ったが、え?マジで?と疑った。始終流れていたような記憶がある。つまり料理のSEがみな音楽に感じられるような作りだったのだろうか。

主演2人はもちろん、天才美少女ポーリーヌの演技も見事。この3人の姿をもっと見ていたかった。ちなみにドダンとウージェニー役の2人はプライベートでもパートナーだそう。

悔しい…絶対に映画館で観たかった作品だなぁ。再上映あったら逃さないようにしないと。

※カンヌの監督賞受賞作だそうです。

恩田陸『spring』感想

恩田陸『spring』(筑摩書房)。
なぜか1ヶ月以上行方不明になっていて、えらいこと読むのが遅くなってしまい、やっと読了。
面白かった!

天才男性バレリーナ:春の少年期から青年期までを、
友人、幼馴染み、叔父、本人と、4つの目線=4つの章で描く。

同じ作者の『蜜蜂と遠雷』は、
「クラシックピアノの世界、しかもコンテストの内容を文章で伝える」
という信じられない難題を見事にクリヤし、読み終わってみると、むしろ文学だからこそ創られる意味があったのだ、と思い知らされるような傑作だった。

これをバレエの世界でまたもや!やってのけたのが、今作『Spring』。踊りの中で演者は何を想い何を見ているのか、観劇者はどこに連れて行かれるのか。体験したようで未体験のようで、やっぱり文学ってすごい…となってしまう。
(でも自分の中ではやっぱり『蜜蜂…』の方が上かな)

そして今作、なんと筆者が作中でバレエの新作を作り出している、つまり演出家やディレクターやコレオグラファーの役割まで果たしている、ということだ。これはもう文藝作家の域を超えていませんか?という…。

巻末のSPECIAL THANKS、
錚々たるバレリーナの面々が並ぶ中、一番上に書かれているのは、我が新潟市が誇る金森穣氏。noismの公演には欠かさず通っていたと恩田氏はインタビューに答えている。クラシックとコンテンポラリーダンス、ダンスの中でのコンテの位置など、勉強になりました…。

noismファンはもちろん、読んで損はしないと思う。

絶対絶対映像化は無理と思っていた(筆者もそう言ってた)『蜜蜂と遠雷』が、あんなに!見事に映画化されたんだから、きっと今作もいつの日か劇場で観る日が来るのだろうな。楽しみにしています。

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ところで何刷りまで続くか分からないけど、初版では一部が透明になったプラ製のしおりがついていて、そこを本文の気に入った文章・2〜3行の上に重ねて、写真を撮り、 #springわたしの推し文 というタグをつけて写真を投稿することで、他の読者がどこにぐっときたかが分かる、という素晴らしい販促企画が実施されてる。而してこのしおりも…無くしてます。悲しい。

でもこれ、大きなネタバレ無しに抜粋でその魅力が伝わる、めっちゃ良企画なので、これからメジャーになって欲しい!版権フリーでお願いします。

泥ノ田犬彦『君と宇宙を歩くために』感想

NHK『あたらしいテレビ』で吉田恵里香さんが推していた、泥ノ田犬彦『君と宇宙を歩くために』(アフタヌーンコミックス)既刊分読了。

【あらすじ】
勉強もバイトも何故かうまくいかない、どこか生きづらさを抱えているヤンキーの小林。そこに変わりモノで生真面目な転校生・宇野が現れる。彼も様々に生きづらさを抱えているが、メモ帳に対処法を書いて持ち歩いていた。彼のメソッドの凄さに気付き尊敬していく小林。2人は次第に仲良くなり、一緒に天文部へ入部することになる。

【感想】
すごく好き。この気持ち良さは『ヤンキー君と白杖ガール』に似ている。「誠実なヤンキーの魅力」か。いや、相手役となる転校生・宇野と白杖ガール・赤座ユキコとの共通点もあるような。この組合せ、今後もいけるんじゃね?

とかそんな簡単なもんじゃなくて、両作品に共通しているのは徹底した当事者目線と取材の深さ、エピソードへの落とし込みの巧さ。「ちょっとこれ、おかしくない?」て所がない。ひっかかりがないんだよね。あと本当にイヤな人が出てこない。

ちなみに主役の2人、明らかに発達障害の傾向がある。ADHDやひょっとしたらLDも。ではなぜこういった名称が出てこないかと言うと、これも直接の明言ではないけど「舞台が平成だから」と作者が1巻あとがきにやんわりと書いていた。あの頃、世の中で「発達障害」とその詳細がどれだけ認知されてたかということだと思う。なるほど。

確かにこの10年で認知度は大きく変わったし、書籍やエンタメも多く世に出て来た。おかげで我が家もすごく助かった部分がある。
このマンガで救われる人もきっと多いだろう。

「このマンガがすごい!オトコ編1位」他いくつも賞をとっているのも嬉しい。多分もうドラマ化なんかも動いているんだろうけど、頼むよ…
色恋沙汰とか変なアレンジしないでね。ちゃんと、お願いしますよ。

『ヤンキー君と白杖ガール』のドラマ化は本当に、本当に素晴らしかった!主演は去年のドラマ女王だった杉咲花。

ちなみに『ヤンキー君…』のドラマが放映された2021年を過去記事で振り返ると…すごいなぁ。
大豆田とわ子、コントがはじまる、おかえりモネ、ヤンキー君(杉咲)、今ここにある危機とぼくの高感度、おちょやん(杉咲)、秘密の森…
当時もそう思ってたけど、あとから見ても改めて、とんでもない年だったんだ。

さて2025年、どんな年になるでしょうか。


我が家の漫画コーナー

倉本聰『破れ星、燃えた』感想

倉本聰『破れ星、燃えた』(幻冬舎)読了。
作者の自伝で脚本家として仕事を始める60年代から現代までを描く。
少年時代からその歳までは前作『破れ星、流れた』(未読)に。

営業的なアレで、帯には
「今でも、黒板五郎の幻影を見かけることがある。」
こんなコピーが出されているが、『北の国から』については後半少し割かれているだけ。

メインはなんといっても60年〜70年代の、脚本家としてめきめきと頭角を現す時代。
高倉健、北島三郎、笠智衆、石原裕次郎らといった錚々たる面々の素顔。TV局の名物P、芸能プロダクションの伝説的人物の描写。圧倒的。圧倒的過ぎて劇的過ぎて、好き嫌いはあるかも知れない。

自分は学生時代から倉本氏の書籍をぽつぽつ読み続けているので、北の国からの話はおよそ読んでいるし、他のエピソードについてはいくつかはきっと既読だったりするのかもしれない。だけど改めてこうやって一冊にまとめて読み直すのは感慨深い。あと倉本聰関連書籍はいつも北書店にあって、佐藤店長と彼の話をすることもあり、最近は北書店で買ってるかも。

倉本氏の運命を変えたNHKとの大げんか、その後のフジテレビとのやり取り、今も続く日曜劇場の当時の話、『海に眠るダイヤモンド』の記憶も新しい炭鉱閉山の話、どれもこれも面白く、読んだばかりの岡室美奈子『テレビドラマは時代を映す』と横糸が通る感じもあって…

テレビドラマの話が読みたい人、倉本聰のファンにはもちろんオススメ。

この2冊を読んでいると観たいドラマがいくつも出て来て、そのいくつかは配信で観られるのがなんとも嬉しい。が、あくまでフジ系を除いてだ。なんかFODのみ配信って文化の断絶じゃないかとさえ思う。

『君は海を見たか』とか『ライスカレー』とか、今見てぇーーーー!

映画『ソウルの春』感想

『ソウルの春』をAmazonプライムで。
監督:キム・ソンス

【あらすじ】
1979年に韓国で起きた「12・12粛軍クーデター」の経緯を初めて映画化。
役名は少し変えているが、殆どの出演者には実在のモデルがいる。

【感想】
昨年観ていたらベスト1にしていたと思う。
圧倒的なエンターテインメントにして、ラストには忘れられない悔しさを味わう。

このクーデターが成功し、その後10年以上も軍事独裁政権が続くという歴史を知りながら尚、こんなにハラハラさせられるなんて。

クーデター当日の両勢力の駆け引き、秒単位の情報戦のやり取りは言葉通り「息をするのを忘れる」すさまじい緊迫感。単なるアクション映画としてもトップクラスの面白さ。
(大好きな『クライマーズ・ハイ』のクライマックスを思い出す。ああゆうプロ対プロのやり取りが好きな人に全オススメ)

全斗煥に対抗する、実直で正義感の固まりのような首都警備司令官チャン・テワン(役名イ・テシン)を、『監視者たち』の最高悪役にしてトム・クルーズ似のチョン・ウソンが演じる。
映画のあらすじだけ読むとキツい内容に思ってしまうが、劇中の爽快カタルシスは彼が担当してくれるから大丈夫!

このチョン・ウソンと悪役の権化のような全斗煥(役名チョン・ドゥグァン)を演じる名優ファン・ジョンミンのおかげで、ただでさえ見事な脚本・演出が超1級のアクションエンタメになってる。

「12・12クーデター」がその後2023年まで映画化されなかった理由として、首謀者の何人もがその後も韓国社会の重要な位置に居たからではないかと監督は語っている。彼は高3の時にこの事件を実体験し、翌日の新聞はじめその後の事件隠匿を肌で感じたことで映画化を決意したそうだ。

自分の年齢に当てはめてみると
「12・12」とその後の全斗煥による戒厳令〜光州事件(タクシー運転手)が起きた1979-80年、自分は10歳。
ヤマトやガンダムに夢中になっていた頃。

その後長く続いた軍事独裁政権が終わるきっかけとなる『1987、ある闘いの真実』の年に、高校2年生。
少女マンガオタク期。世は夕ニャンとおニャン子ととんねるずの時代。

「12・12」の罪を問われ全斗煥と盧泰愚が拘束・起訴され一応の解決を見る1995年に、自分は大学を卒業。
阪神大震災とオウム事件、Windows95、金融機関の財政破綻、バブルの完全崩壊。

自分が韓国で生まれ育っていたら。このあいだ起きたばかりの戒厳令の夜に、昨日の大統領拘束失敗に、何を思い、どう行動していたのだろうか。
 
このような作品が観られることが素直に嬉しくてありがたい。しかし観るのが遅すぎた。尻込みしてた。

傑作揃いの大人気韓国近代史シリーズ。この先もずっと語られる1作になるだろう。

我が家の正月


我が家の正月は、極力家事をやらないことにしてる。

奥さんが駅伝マニアということもあるのだが…。おせちや正月料理どころか、ご飯はほぼ作らない。各自で勝手に作って食べる。だからメニューはバラバラで、うどんやカップヌードルやレトルトカレーばっかりってこともある。

今年はご飯や餅のストックが多目にあって、年末に家の余り物を全部ぶち込んだ汁(結果的に雑煮っぽくなった)を大鍋一杯作ったので、ちょっとだけ正月ぽかった。今後これを我が家の雑煮としよう。(おにぎり用の冷凍焼き鮭を入れたのが新潟ぽい)

加えて今年は長女が受験のためずっと勉強オンリー。一層バラバラ。ちなみに自分は元旦に配信映画を3本観た。(劇場で今観たいのをやっていなかったのが残念)

『チャレンジャーズ』『ソウルの春』『プロジェクト・パワー』どれも面白くてお腹いっぱい。

2日のTBS『スロウトレイン』、ロケーションは勿論テーマ的にも海街diaryに近い作品。静かな中に野木さんらしいメッセージを感じられて良かった。しかし劇伴がちょっと好みじゃなかったな…。あとこの内容で単発ドラマだと土井監督が適任なのかしら、とか。(連ドラでこのコンビは素晴らしかった)

古舘さんとリリーフランキーのBarシーンはもはやユニバース。笑える。他にも今観てる『ライオンの隠れ家』とたまに世界がごっちゃになってしまい困った。多部ちゃんの韓国人の彼氏、裏切らなくて良かった。
何にせよ、オリジナル脚本でこれだけの作品を正月にぶつけてくれることの大切さ!ありがとうございます!

2日のお昼は毎年マクドナルドに行くことにしている。今日はベーコンレタスバーガーをチョイス。思ったよりお店は空いてた。明日はキムチチゲが食べたくなったので俺がつくる予定。

11月から続く寝違いのような首の痛みはずっと相変わらずで慢性化しつつあり、ここから来る頭痛はもう毎日のことで、いいかげん慣れてしまった。

こんな風に少しずつ不調が日常化して、重ね着のように増えていって…。そりゃ動作も口調もゆっくりになりますよ。元気かどうとかというより、怖くて早く動けないんだもん。また1歩、天国への階段を上りました。

お休みくらい毎日お酒が呑みたくても、頭痛のせいで遠慮がち。東西いろいろ通院して試したが、原因も治癒もさっぱりだ。共テ終わる頃までに、何かの運とかきっかけで直ってたりするといいなぁ。

NHK『あたらしいテレビ』感想

元旦恒例のNHK『あたらしいテレビ』。

NHK、民放、映画、配信、出版、ネット界隈に関わらずさまざまな業界人を集め2024年のコンテンツを1時間に渡って振り返る番組。

今年は吉田恵里香、山中瑤子監督が入っておお〜と思ったが、内容的には去年おととしのような、すげー!というとこまではいかなかったかな。でも面白いから興味ある方はプラスでやっている間にぜひ。

YouTube界隈の話はまったく知らない世界ばかりで、その人の肩書きや業界がどうのということでもなく、もう皆が知ってる共通の話題なんてあり得ないんだ、ということが改めて分かる番組だった。かろうじてテレビが少し繋ぎ止めている、という位で。

だから自分にとってアトロクがどんなに貴重なのかってことなんだよな…。

●NHK『舟を編む』の脚本家、蛭田直美さんが2025推しに選ばれていたのが嬉しかった。『海に眠るダイヤモンド』でエライザさんいいじゃん、とちょっとでも思った人には『舟を編む』絶対観て欲しいなぁ。2024ドラマのベスト。エライザさんが凄まじく、良いです。

●フジテレビの田中良樹D(『新しいカギ』など)が言ってた「テレビは5〜6年前にあせって上の層(年輩)ばかりを狙っていた時期があって、今はそこからリカバっている最中」的なこと言っててへぇー。

●高石あかりちゃんの2024レコメンドのラインナップがなんか良かった。XGいいよね…

●インティマシーコーディネーターについての高嶋政伸コラムを挙げたドラマ批評家の方がいて、かなりの時間を割いてICについて当事者が説明していた。確かにそうで、こういうNHKの番組で挙げてもらったのは絶対良かったのだけど、あのコラムはあれであまりにもメンタル面をすべてICに?という誤解も生みそうで、IC入れればOKって話でもないというまた次のステップの話があって、とかあるよね。あとふてほどのあの回の酷さに言及はなく…当たり前か。そう言えばふてほどを挙げている人はいなかったな。

●吉田恵里香さんの推しマンガ『君と宇宙をあるくために』買うぞ。

『ぷらすと』がもたらしたもの

朝COBO活。7時のOPENあたりには誰一人いなかった。

今年の映画ベストをまとめはじめている。感想を書いていないものも何作品かあるけど、ちょっと年内にアップは無理そう。『ホールドーバーズ』良かったなぁ。Podcast『映画雑談』のホールドオーバーズ回は、虎に翼評も結構入ってて俺得だった。

北書店で先日買った別冊文藝『クリストファー・ノーラン』。
添野知生さんが『インターステラー』について書いていた。元々弟のジョナサンがスピルバーグに当て書きした脚本で、それにクリストファーが何を足したか。それは何故か。自分の娘のことがかなり関係しているみたい。ジョナサンの妻リサ・ジョイが女性目線で『ウエストワールド』などの傑作をものしている中、勿論分かっててあえて男性目線でSFを描き続けていること、その対比だとか。ほんとそうね。

『ぷらすと』で知って、松崎健夫さんと共にファンになったSF映画評論家の添野さん(岸政彦さん似)、近年は体調不良でYouTube番組にも出られていないので心配なんだけど、どこを見ても近況が分からない。どうか復活されますように。

『ぷらすと』が俺にもたらした影響も、終了した影響も、とっても大きい。もう何年も前のことなのに、未だにショックだ。
今終わられると恐らく立ち直れないくらいダメージを喰らうのは間違いなく『after6junction』で、終わらないように願掛けでステッカーをデザインしている。出来たら車の後部ウィンドウに貼ります。見たことないアトロクステッカーの貼ってあるVOLVO v50を見かけたら、それはワタクシ。

映画『ホールドオーバーズ』素晴らしかった。

『ホールドオーバーズ』をAmazonプライムで。
監督:アレクサンダー・ペイン(『ダウンサイズ』)

【あらすじ】
1970年代のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポールは、クリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることに。そんなポールと、母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることになった学生アンガス、寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見る一方で、自分の息子をベトナム戦争で亡くしたメアリーという、それぞれ立場も異なり、一見すると共通点のない3人が、2週間のクリスマス休暇を疑似家族のように過ごすことになる。
(映画ドットコム)

【感想】

これぞ人間賛歌。クリスマスには特にぴったり。映画であたたかい気持ちになりたい人いたら是非。70年代のファッションやカルチャーも良き!

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みはじめて数十分のころ、やばい。これはNot for meなのでは…と思う位に、主演の3人誰もが好きになれなかった。

主演の頑固なポール先生(体臭・偏見の持ち主)、不機嫌な料理長のメアリー、お坊ちゃまでがきんちょのアンガス。

このさっぱり魅力を感じられない3人が一緒に過ごす、気まずくて暗い冬の光景を、延々見せられるのかと。しかし。

観終わる頃には、3人のことが大好きになっている、どころか「この映画サイコーじゃね?」に変わっている。

この落差。

断っておくけど、別に途中ですごい事件が起こる訳でもない。場所は変わったり、他の人物が絡んだりはしてくるけど。

何が起こるかと言えば、静かに、ゆっくりと、3人がどういう人なのかが分かっていく。それだけ。

何故頑固なのか、体臭の理由は、何故クリスマスに急に寄宿舎に残ることになったのか。どうして不機嫌なのか。すべて、背景を知ることで、その人の人生の片鱗を知っただけで、印象が変わっていく。劇中のお互いの理解も深まる。

そう、人は「知る」ことだけで全然違うんだよなぁ。という今さらのことを思い知らされる。早とちりせず、第一印象で決めつけない大切さを自分に言い聞かせた。

もちろんエンタメの世界はそれだけでは不十分。ただ背景を知るエピソードをゆっくり織り込んでいくだけで「素晴らしい作品」になることはない。入念な脚本と、セリフで説明しない演出、滲み出る演技力、その他諸々がすべて合致するという奇跡があってこそ、こんな傑作が生まれうるんだ。

前の映画会でも話していた「駄作になったかも知れない分岐点」のこと。当作はそんなプロットばかりだ。よくこんなに良い作品になったものだと思う。

主人公3人はどれもめちゃくちゃ素晴らしい俳優だと思うのだが、学生のアンガスはなんと、ロケ地になった学校の演劇部の生徒がオーディションで選ばれたそうだ。まだ素人。信じられない。全然信じられない。

ずっと忘れられない、大切な作品になりました。

『映像研には手を出すな!』9巻。すごい。

大童澄瞳『映像研には手を出すな!』最新9巻。

なんつの。このネタで、このパワーダウンの無さ。いやー楽しい。最高です。

映像研の1巻が出た時は本当に衝撃で、「これだけ自分達(60〜70年代生)の好みを知り尽くしているのだから間違いなく同年代、若くても40年代だろう。なんて遅咲き。でもめっちゃウェルカム。出てきてくれてありがとう!!(編集さんありがとう!)」というような感想を書いていたことを思い出す。

大童澄瞳さんが90年代生まれだって聞いた時はまず信じなかったし、なんか間違って検索しちゃったんだろうなって思った位だもの。嘘でしょって。この若さでこの内容?
まじかよ…。てなったんだよね。

あれからもう7年くらいか。まさかアニメ制作の現代を憂うこの作品がアニメになったり実写になったりするなんて想像しようもなかった。
そんなこと関係なく原作が面白つづけるのが最高です。生きてく糧のひとつ。

岡室美奈子『テレビドラマは時代を映す』

岡室美奈子『テレビドラマは時代を映す』(ハヤカワ新書)読了。

著者は早稲田大学教授、テレビドラマ論/現代演劇論が専門。60年代頃から現代までをいくつかに区切り、それぞれの時代のテレビドラマが、どのように世相を盛り込んできたかを描く、毎日新聞連載のコラムを新書化。

1コマが2P程度と短く読みやすい。またドラマに限らず時にバラエティ、ノンフィクション、紅白などの音楽番組までも取り上げていて、ドラマを語るというよりも「テレビを通じてその時々を語っていく時事エッセイ」の気分。

大まかな時代背景もそうだが、忘れかけていた個々の事件やムーブメントについてドラマを通して思い出すことができるのが楽しい。残念ながら『虎に翼』の直前までなのだが、かの作品が描いたジェンダーギャップやマイノリティ差別の歴史、見え方の変化についても本書で追いかけることができる。
(出版後に岡室さんはあちこちのラジオでとらつばを激推ししてた。入れられなかったのは残念だったでしょうね…)

現代で自分などが追いかける野木亜紀子、渡辺あや、坂元裕二、安達奈緒子などなどの作家は勿論、自分が産まれたころからの作家論・プロデューサー論をざざーっと読めるのもすごい。この後読んだ倉本聰の自伝もちょうど60年代から現代までのテレビが舞台になっており、御大が一方的にテレビドラマ界の衰退を嘆くのと一緒に読めたのは笑ラッキーだった。あと『海に眠るダイヤモンド』が終わったばかりだけど、本書でも倉本の著作でも、炭鉱の事故や閉山という事実が世間的にどれだけ大きなニュースだったかが、見て取れる。あと東芝日曜劇場(現『日曜劇場』)の偉大さとか。こういう風に立体的に繋がるの、嬉しい。

ラジオでいつもお聞きしている岡室先生の著作をやっと読みました。これからも楽しみにしてます!

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