「新潟と、ことばと、翻訳と、2」in北書店

2/26に北書店で開催された新潟出身の翻訳者4人のトーク「新潟と、ことばと、翻訳と、2」に行ってきた。

1回目に引き続き結構なボリュームでまたしてもメモが大量だけど早く書いちゃわないと忘れちゃうので。印象的だったトピックのみ抜粋です。

【登壇者】
○斎藤真理子:言わずと知れた韓国語翻訳者。「世界で1番多くハン・ガンの著作を翻訳している人」らしい(byアトロク2)。新潟市ご出身。
○阿部大樹:精神科医で翻訳者。自著もあり。柏崎市出身。
○工藤順:ロシア語翻訳者。高校が自分と一緒。山北出身。
○福嶋伸洋:ポルトガル語翻訳者で作家。小出・十日町出身。

●4人全員が「翻訳大賞」受賞経験者。

●新潟出身だからこその「外国と日本」の捉え方についての話。ロシア、ハバロフスク、韓国との繋がり。

●南の国の人が北国の話に憧れたり、その逆だったり。「文学における「ないものねだり」」の話。

●「北に向かう作家と、南に向かう作家」がいる、という話。

●大量に本を読む医師の阿部さん。読書は人間理解に直接繋がるようには感じないが、患者に話す「たとえ話」の材料として役に立つ。

●自分の生まれ育った場所の記憶についての話。翻訳する際に「原風景を想像する」ことは大事だと思う。(斎藤)

●読書の話。小説とノンフィクション(を読むこと)の間には溝があり、しょっちゅう行ったり来たりしないと、読む筋力が落ちる。(斎藤)

●翻訳の際に「ざわざわ」と感じる違和感のようなもの。これを解消するために注釈を入れたり色々と手をかけたりすると、誤訳のきっかけにもなってしまう(斎藤)

●知り合いの本は読みずらい話

●ロシア文学は泥を書くのが得意?


●前回に続き「ロシア文学とは?」の話。宮澤賢治は純ロシア文学。

●クラリッセ ・リスペクトルは「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」(福嶋)

●マンガ「美味しんぼ」が大好きなのだが、お金を払うシーンが1度もないことについてずっと考えていた(福嶋)

●作家と作品を分けることについて。その分かちがたさ。「発話の意図」が分からなければ自分は訳せない(阿部)

●「とてもこの小説が面白かったから、原語で読みたい!」という感想に対する何とも言えない気持ち。特に韓国語にありがち?
たとえば「初版に価値がある」=いろいろな人が手を加えていないオリジナルのものに価値を感じる気持ちと通じるのでは。

●第一回同様、方言の訳し方について質問が。その答えの中で「イージーリスニング地方語(斎藤)」という名称が出て来た。たとえば手塚治虫の「がす」など。

●辞書に出ていないような文学を訳すことにワクワクする(福嶋)。

●ロシア圏は辞書がWEBで共有化されていて、辞書の名前+PDFでダウンロードできることが多い(工藤)。

ざっくりとしたメモを元に書いているので、細部は違っていることがありますが、今回も面白かった〜!

本場シナモンロール

最近『#北欧こじらせ日記』を全巻読んだ長女と「シナモンロールつくりてぇ〜!」ってなってた矢先、打ち合わせで行ったクルテクさんの店頭に「FIKA シナモンロールキット」なるものを発見。

「日本では入手の難しい粗びきカルダモン、パールシュガー付属で北欧の本格的な味を実現!」

だそうで、学校終わってヒマしてる長女が早速お昼につくったのだが、発酵モノ自体まったく初めてで、結局5時間くらいかかったらしい…笑。とても「夜中思いついてつくっちゃった」なんてマンガみたいにはいかないな。

完成品、カルダモンの香りがとっても効いててスパイシー。美味しかった!

(元SAAB、現VOLVOユーザーとしてこの旗は無条件で好印象)

Podcast「沖映社」の『フェンス』回が素晴らしい

以前書いた野木亜紀子脚本の2023ドラマ『フェンス』が最高だったという話だけど。

WOWOWドラマW『フェンス』また野木亜紀子傑作!

その後 @ruth_blackett_ と『フェンス』の話をしていて、教えてもらったのがこの「沖映社 | 沖縄と映画と社会と」というPodcast。沖縄出身の二人が映画と社会問題について語る番組らしい。

『フェンス』の回をまず聴いて、その解像度の高さと、沖縄関係者ならではの裏話が沢山聞けて、何よりドラマの分析力にとっても溜飲が下がって、ああこれはまた愛聴すべきラジオが増えた!と飛び跳ねて喜んでる。ありがとう!

『フェンス』における100人近くという沖縄キャストの、巧みな使い方だったり(全然知らない話ばかり)。知り合いに聞いて知った、野木ドラマにおける事前取材の量と丁寧さなどの話が、特に印象に残る。

そして、前回書いていないことを思いだした。

このドラマは沖縄の基地問題、性暴力問題、人種差別問題ほかいろんな社会問題が遡上に載ってて、でも第1に面白いエンタメで、そのバランスがとてつもなく見事なんだけど。

主人公の松岡茉優と、青木崇高演じる元カレの警察官が昔の馴れ初めを話すところ。
その時に「(彼女が)お願いしなければ避妊をしなかったこと」や、その後のやりとりで、日常のセックスにおける男女の認識の差がまず表現される。

そしてその毎日の(無意識で、根深い)ジェンダーギャップこそが、ついては「性暴力」問題の解決の難しさに繋がっていることを(あくまでさりげなく)浮き彫りにするところ。日常の意識の延長線上に、犯罪の問題が潜んでいる、と見ている我々に痛感させるところ。

ここの脚本に、いたく感心したのだった。

ということが抜けていたので、書いておきます。


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良いラジオ番組を教えてもらうというのは他の何にも増してありがたいことなの。何でかというと他エンタメのように1回きりだったり全10話だったりじゃなくて、何年もの間、生活に寄り添ってもらえるから。

(逆に、同じ彼女に教えてもらった「読めば助かるのに…」は最高のマンガ評論番組で本当に一時期メンタルの拠り所だったのだが、配信停止になってその衝撃・ショックたるや凄まじいものがあった)

映画・ドラマで言うとあとは @imoueeeee の投稿で知った『映画雑談』、自分で検索して知った『エンタメ晩酌』位が、めっちゃ趣味のあうPodcast。何故「合う」のかは今試したけども言語化しにくい。でももしオススメのものがあったら教えて欲しい。


『フェンス』について色々書いたけど、決して社会問題ゴリゴリの堅苦しい暗い番組ではありません。野木亜紀子ドラマですよ?期待は裏切らないと思うので、気になる方は是非。

福嶋伸洋『リオデジャネイロに降る雪』

未だ半分位しか読んでないけど、これもいいのよねぇ。

こないだ北書店にいらしてた、ポルトガル語翻訳家・福嶋伸洋さんのブラジル滞在記『リオデジャネイロに降る雪』。
まったく異世界文化。祭りを愛する彼の国の人が、土地が、愛しくてたまらない。旅したくなる。高校生の頃に初めて吉田秋生『カリフォルニア物語』を読んだ時の、あの愛する感じに似てる…と思った。

装幀も、すごくかっこいい。

斎藤真理子さんはじめ、新潟出身の翻訳家総勢4名(全員が翻訳家大賞受賞経験者!)が集まったトーク「新潟と、ことばと、翻訳と vol.2」も初回に続きとっても面白かった。感想はまた今度。

『弾劾可決の日を歩く “私たちはいつもここにいた”(タバブックス)』

岡本有佳・編『弾劾可決の日を歩く “私たちはいつもここにいた”(タバブックス)』読了。

待ってました。あの裏側がとにかく読みたかった。
(きっとこれも映画になるよね、と映画部会で話してたっけ)

昨年末の韓国非常戒厳令発令から、大統領弾劾まで、特に若い女性達がどう動き、何を発していたのか。現地での臨場感溢れるレポート、その後のトークやインタビューをまとめたZINE。65Pで¥1,000。2/26初版発行。タバブックス通販サイトで買えます

そもそも知らないことがどんどん出て来て、すごく勉強になる。というかもう最初から最後まで感情を動かされっぱなし。これを「感動」と言っちゃうと、自分が彼ら彼女らの気持ちを消費しているようで(実際そういう面もあるのだろう)恥ずかしいのだけど、もうこれは、人が動くという感動以外何モノでもない。凄まじい感動でした。

知らなかったこと。
●尹錫悦元大統領の言論弾圧の実際の酷さ。女性政策を何十年も後退させるかのような前時代的な改革の数々。そしてかの大統領の横暴を、日本のTV局がほとんど報道してこなかったこと。

●デモに参加できない人が、デモ周辺の飲食店に前払いをしてデモ参加の若者達への無料の食事をサポートする仕組み。サイトで「あと何食」と見えるようになってる。この仕組みを、IUなど多くの著名人が寄付でサポートしている。

独立メディア「ニュース打破」:朴槿恵政権までの言論弾圧で公共放送を解雇・辞職した記者等が非営利で調査報道をするメディア。広告は取らずに市民からの支援金のみで運営されている。尹錫悦の言論弾圧でも1番ターゲットになった。

●メディア監視の「民主言論市民連合」:軍事政権下で解雇されたジャーナリスト達により1984年創立。

今韓国ではYouTubeで多くの独立系メディアが立ち上がっており、それらが、戒厳が発令されてからの国会での市民の動きを刻一刻と伝えてきたおかげで、素早い戒厳令の解除と弾劾裁判をサポートしてきたようだ。一方で尹錫悦が乗っ取ったメディアもあり、双方は全く違う様相なのだとか。
日本との違い、良い所も悪いところも。

K-POPを中心に、歌と共にあるデモの様子。討論の場づくりの様子。デモをやらざるを得ない状況は苦しいけども、でもその連帯が、とても羨ましくもある。

12月、あの迅速で素早く、そして大きな動きの裏にあるのは、韓国の近代史における人権弾圧の歴史はもちろんのこと、セウォル号事件やイテオン雑踏事件の惨事を未だリアルに体験している世代だっからこそ、と言われている。

「苦痛を直視しようとする心、他人の空腹と寒さから目を背けない心、差別と排除の苦痛を共にしようとする心が人間の心であり、人間の村に咲く花だと思った。私はこれらの顔からセウォル号の子どもたちを見た。セウォル号の子どもたちがその場に来たと固く信じた。死者が生者の道を開けてくれたと信じた。セウォル号以前と以後の世界は違わねばならないという意志が、人々の胸のなかに怒りの花を咲かせたと思った」
(12月南泰嶺の農民デモ後、関係者のFacebookより)

また韓国におけるジェンダー平等は、日本のそれよりもかなり遠い話で、これらのデモで話される言葉にも、その実感がにじみ出ている。
ここで勝っても終わりではない、弱者への関心を失わないで。その関心こそが皆を生かしてしていく唯一の道なのだから、と。

我が国が本当にどうしようもなくなっていく今この時、読んで良かったと思える一冊だった。

腹痛が終わったらと思ったら風邪

腹痛は2/10で完治。生卵は未だテストしていない。
首痛は2/13頃からむしろ悪化しているようだ。続けているツボ治療と漢方など、効果があるのかないのか。なんとも判断に悩む。

その矢先、2/16(土)から風邪に。
熱は37℃なのでただの風邪だと思うが、17(月)は人とのアポもないので1日ベッドで仕事。そのせいか首痛→頭痛が夕方には増してきて全然寝られない。体温も38℃に。

明日は病院に行こうかな。

会食からの腹痛

1/23に仕事での会食(100人程度)を終えた後、強烈な下痢・水便。少しの吐き気。
翌日に直ったかに見えた。
翌々日、晩ご飯が何故か(ごめん)すき焼き。その後強烈な下痢・水便。嘔吐。
ここから始まった「食後の腹痛」が長引いた…。油物だろうか?食べると痛くなる。
病院でもらった痛み止めも効かない。

2/10完治。(ここまで毎日薬を服用)
今想定しているのは「寄生虫などの要因で生卵アレルギーになってしまった」のではないか、ということ。
腹痛が始まるきっかけもそうだし、その後特に痛かった日は、生卵を食べていた。

現在2/15。半熟目玉焼きを食べて1回目のテスト。
しばらくしたら生卵も試してみよう。

※ちなみに首痛は未だ続いている。はじまって3か月になった。

「写真を撮る」ことを、若い頃バカにしていた話

「写ルンです」のレンズを再利用した「GIZMON Utulens」のFUJIマウントを買ってみた。¥5,670

※写真は装着しているところで、決してレンズキャップではない。レビューでは「写真も撮れるレンズキャップ」と称されていた笑。

あの「写ルンです」のかんじで撮れるという口コミで試しに買ってみたのだけど、元々FUJIのフィルムシミュレーションを使っている上にFUJIの「写ルンです」レンズを付けてこれはもはや「20万円の「写ルンです」」だ。何やってるんだ。

撮ってみたけど、やっぱりフラッシュないと、あの感じ出しにくい。昼の屋外限定かな。ムービーが面白そう。

ちなみに自分、「写ルンです」は高校時代位しか使ったことなくて、ポラとかと違ってあまり良い印象も想い出もない。カメラがない時の「代替品」ってだけだった。もちろんデジカメなんてなかったし、「写ルンです」はただ修学旅行とかのイメージ。

何でだろうって考えて、いろいろ思い出した。中学とか高校時代、写真を撮ること自体をすごく格好悪いと思っていたことを。すっかり忘れていた。

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記録を残す、将来のために残すということが、なんというか、貯金が趣味だったり、生保にたんまりお金を掛ける「オトナのだっさい考え方」のような気がして、軽蔑していた気がする。

だから本当に写真は全然残ってないし、自分が写るのもすごくイヤがってた。旅行とかで写真を撮っている人のことを横目で見て、アタマで覚えろよ、的な。青臭いにも程がある何も分かっていないガキだった。(そんな自分でもしょうがなく記録を残さなきゃ、ってなったのが修学旅行だった…だからそのイメージが残っているんだろう)

そんな自分が一転して写真を撮り始めるのは大学を卒業して働き始めた頃。父の一眼レフを使ったり、出始めのデジカメを使ったり。

考え方が急に変わった一番の理由は、
「記憶が永遠でないことが分かった」から。
つまり端的に言えば歳取って物覚えが悪くなることに気付いたから、だってゆうんだから、これこそダサ過ぎる。
あと写真を見て過去に浸ることの楽しさを知った。とか。

さらにデジカメが出たことで、フィルムカメラの面白さ・エモさ、つまりビジュアル面で目覚めたこともありそう。父譲りのCANON FT-bを使いはじめ、その後10数年、同じ機種を代替わりしながら使い続けた。トイカメラも使ったけど「写ルンです」に回帰することはなかったかな。

というような写真履歴の中で、何を今さら
「写ルンです」レンズだと?
恥を知れ、という話でした。

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製品としてはマウントアダプターが金属製でちゃんとしていて、悪くないです。価格の殆どはこれだろうな。「誰が使うん?」というデザインの、レンズに貼るシールが4種くらいついてます。

『妻、小学生になる。』1話が既にすごい

Netflixで配信中のTBSドラマ『妻、小学生になる。(2022)』1話が凄かったのでメモしておきたい。

【あらすじ】
心から愛してやまない妻(石田ゆり子)を、不慮の交通事故で亡くす夫(堤真一)。
娘(蒔田彩珠)と二人、抜け殻のように10年を過ごしていたある日、自分は亡くなった妻だと言う小4の女の子・万理華(毎田暖乃)が家を訪れる。あまり邪険にも扱えない二人に対し、万理華はまるで当たり前のように話し始めた。

【感想】
ドラマの1話だけなのに、まるで映画1本のような満足感。
(だから未だ2話も観ていない)

こんな荒唐無稽でリアリティがなくて、いっくらでもアレな作品になり得るような、難しい設定なのに。
すみませんもう1話からちょっとビックリするほどに泣いてしまった。

脚本・演出、そして何より、俳優のチカラ!
何度も書くけど、いくらでもコケそうな話をこれまでの傑作にしているのは奇跡。ちょっとタイムリープものの感動にも似ている。

万理華役の毎田暖乃がマジで!神がかってる石田ゆり子にしか見えない
もう以前から私イチ推しの俳優。
おちょやん→あなたのブツが、ここに→虎に翼などなど、出てくる度に感心させられてきた。よくある「ギフテッド」=天才の子を演じる子役俳優って、なんて大変なんだろうと思ってきたけど、このドラマの難しさも、似たトコあるよなぁ。やーすごいよ。

堤真一:プロデューサーのインタビューで
「かつて堤さんが主演された映画『クライマーズ・ハイ』がすごく好きで」オファーした、と書かれていてまぁ嬉しい。

蒔田彩珠:彼女も私イチ推し。『重版出来!』からかな。『おかえりモネ』はじめ、ちょっと書き切れない。今は『御上先生』で活躍中。

堤の会社の上司・森田望智:彼女もいくつもあるけど『おかえりモネ』『作りたい女と食べたい女』が良かったなぁ。もちろん虎に翼は最高!


毎田暖乃のお母さん・吉田羊:1話では出ただけ。

これだけ好きな俳優ばかり出ていて、(当時評判もめっちゃ良くて)何故!今の今まで観ていなかったのか!バカバカバカ。
ひとえにタイトルのせいなんだよな…。なんというか、分かりますかね?
でもこればっかりは原作モノらしいので仕方ない。

脚本は『凪のお暇』『サヨナラまでの30分』『水は海に向かって流れる』の大島里美。
プロデューサーは『凪のお暇』『重版出来!』『JIN(第2期)』の中井芳彦
※当アカウントで過去の作例を表記する場合、自分が観たものだけを書いています。

1話があまりに良くて、すぐに2話を見なくても満足しちゃってる。こんな体験はあまり覚えがない。また続きが楽しみなドラマが増えた!

※関係記事を検索しようとするとネタバレにあたりまくるのがちょっと辛い。我慢しないと。

WOWOWドラマW『フェンス』また野木亜紀子傑作!

アマプラで配信の始まった、WOWOWドラマW『フェンス』全6話を、1日で完走しちゃった。

2023年、野木亜紀子オリジナル脚本作品。当時はこのためにWOWOWに入ろうかと真剣に迷った位、観たかった作品。

見応えあった!良かった!

【あらすじ】
雑誌ライターのキーこと小松綺絵(松岡茉優)は、米兵による性的暴行事件の被害を訴えるブラックミックスの女性・大嶺桜(宮本エリアナ)を取材するために沖縄へ向かう。桜の供述には不審な点があり、事件の背景を探る必要があったのだ。(公式サイトより)

【感想】
野木亜紀子脚本の大傑作たちの中でもかなりノンフィクション寄り。そしてあまり明るくはない。正直1話のとっかかりがあまり良くないのだが、そのラストシーンからドライブがかかりはじめて、最後までつっぱしる。

さすがの野木脚本ですよ。ちゃんと希望を、前に進む気持ちをくれる。

監督は『ペンションメッツァ』『昨日なに食べた?S2』『団地のふたり』を手掛けた松本佳奈で、今はカンテレ『秘密〜THE TOP SECRET〜』がはじまっている。ノリノリだ

沖縄の基地問題と米兵による性暴力が事件として描かれるが、性暴力は特に、今この状況でこそ、観られるべき話。野木さんの真骨頂。

ドラマWと言えば最近は『0.5の男』が大傑作だったが勿論全作品が配信入りする訳ではない。

アカデミーにブラックボックスダイアリーズがノミネートされ、中居問題がこれだけ世間を賑わせ、ようやく日本のmeetooが始まろうというこの間際、このタイミングでの念願の『フェンス』配信に大感謝!!
今ですよ!まさに今すぐに観るべき。偶然だろうけど配信開始は2023や2024より今で良かった。

また自分は最近、岸政彦『調査する人生』を読了したばかりで、打越正行や上間陽子の目線越しの今作。さらに個人的タイムリー。

松岡茉優が本当にいい。沖縄空手を習得している役で見せ所もバッチリ。
あと特別出演のガッキー!野木ドラマと言えば、の彼女が、まさかの役でしっかり脇を固めてくれる。あの役!あの喋り方!あの目!
『だから私は推しました』の松田るかの活躍も嬉しい(松岡以外は沖縄出身)。

シリアスな話が多い中でも、女性同士の普段の会話がすごくナチュラルで。バカリズムのアレも好きだけど、野木亜紀子のこうゆう脚本力にも感心する。


野木脚本というか、これドラマとしてのつくりがそもそもすごくて。ほぼ沖縄出身キャストで固め、半分ノンフィクションのような、先日書いた『この街のこども』のような、フィクションとノンフィクションが交差する感じ。『ワンダウォール』とか。

だから他の野木ドラマのように、フィクションにがっつりとはまり込むあの感覚とは、少し違う。

刑事同士のセリフは、自分は意味が分からない位の沖縄方言。今『虎に翼』の新潟編終盤なんだけど(再見・自主朝ドラ)新潟弁がめっちゃネイティブで違和感なくて、でもこれ他県の人から見るとこんな感じなのかなーって思った。

「この社会が正しくないから、被害者が名乗り出ることが難しい。
この世界が間違ってるから、正しいことができないんだよ。」

この企画はきっと、WOWOWだからできたのかも知れない。ばからしいけど、この日本の流れが5年後には変わっていることを祈るばかり。


NHK『東京サラダボウル』4話がとんでもなく良かった

NHK『東京サラダボウル』4話がすごく良かったのでその理由を書いておきたい。

※Amazonプライムでも1週遅れで最初から観れます

【あらすじ】
ミドリ髪の国際捜査の警察官(奈緒)&中国語の通訳人(松田龍平)のコンビが、日本社会からこぼれ落ちそうな人生を拾っていく。
3-4話は2話で前後編。乳幼児を誘拐された夫婦、ドラッグストアでのおむつ万引き事件。この2つの発端から、物語は意外な方向に進んでいく。

【4話の素晴らしいところを言いたい】

●脚本が素晴らしい。原作あってだろうけど、だからってその説得力がそのままドラマに出ることはむしろ稀有だからね。社会問題をさりげなく盛り込み最後には容赦のない感動を呼ぶ見事な回。
自分は『アンナチュラル』の初見時の、1話とか2−3話で「これはとんでもないものがやってきた」って驚愕した、あの記憶を呼び起こされました。

●奈緒は好きなんだけど(特に『ヤンキー君と白杖ガール』)彼女の演技って、その軽さがドラマのリアリティラインを下げ(演出の責任)、そのせいで自分はノれない作品が多かった。今回もあまり期待せず(でも松田龍平だし…)と思って見ていたのだけど、この4話で信じる気持ちになれた。

彼女の役って、1-2話を見る限り、犯人に同情するあまり職域を超え深入りして、周りに迷惑をかけちゃって、でも「何故か」あとで解決できちゃう昔の朝ドラヒロインのような、ありがち陽キャになっちゃうのかな…との疑いを払拭できなかった。

彼女がいい人で、在日外国人に「深入りし過ぎる」ことが事件の解決に繋がった…だけではありふれている

問題はその解決に至るまでのロジックと納得度合いだろう。それが1,2話ではじんわりと、この4話では決定的に腑に落とされる。彼女が在日外国人を思いやり、思い入れ、入り込み過ぎることで周りの人が動き(特に龍平)、最終的に少しでも良い未来に導かれる、そこまでの「繋ぎ」が絶妙なのよ。脚本と演出の勝利。

松田龍平はやっぱりすごくて、奈緒はその引き立て役になっちゃうのかな…て気持ちで見始めたら、なんのなんの。役のまんま龍平と一緒に奈緒に感心してる自分がいた。

●松田龍平がここぞとばかりに元刑事のかっこいい感じを見せてくるシーン、そのカタルシスが最高。

●今回出てくる中国人の夫婦のなんとも言えないリアルさ。どこにでもいる2人が、それぞれの理由で帰国が出来ず、偽装夫婦となる。派手なことは何もない。そして二人とも演技が抜群。男性の方はゲスト俳優だなんてこれっぽっちも思えず、どころか完全に主役級のうまさ。

●松田龍平の元上司の刑事(阿部進之介)がいい。過去にトラブルで龍平と仲違いした上司。でも上司は龍平の実力をめちゃくちゃ認めていたので、龍平が刑事をやめることに納得できず、ドラマの最初はずっと怒ってて感じ悪い。でも4話で結構すぐにバディになる。

過去の怨恨は解決してないけど、2人の実力をすぐに認め、イジワルしないのがいい。イジワルの時間が好きじゃないので。そうこのドラマ、組織内で面倒イジメがなく、ちゃんと力を認め合っている姿がすっごく気持ちいい。

現実はそう上手くいかないこと位、言われなくてもイヤというほど分かってるから。

●龍平のひらめきが解決のきっかけになるんだけど、それだけに要因が偏っていない脚本の絶妙さ。奈緒の力も、他の訳者や刑事達も、皆の働きあってこそ、というバランスの良さがいい。

●最後奈緒が中国人の彼に伝えた伝言の内容。というか別れる前にあの内容を伝えたいという奈緒の心配りにマジ痺れる。彼女の真髄に触れるクライマックス。

●たとえば「中国で行方不明になっている○○という男の子を探す」というプロットにしても、ここで嘘くささというか「そんなん無理に決まってるし他に○○すればいいじゃん」というツッコミが入る設定だと、自分はすぐにどっちらけるんだよね。そういった「仕事」設定に対する誠意。多分自分はここがドラマや映画で一番と言える位、大切な要素。(最近始まった弁護士ドラマも最初の15分位でどうしても観れなくなった。理由はまさにそこ)

●松田龍平はやっぱりすごいよ。あとハマケンのゲロ演技すさまじかった。最近すごく吐いたばかりなので笑

●イモトが出ていると知って「ええ?」と思って見ても、どうしてもそうは思えない。刑事・通訳たちの配役が皆いい。キャスティングの力!NHKすげーて思う。
この流れで「宇航が あなたを守ってくれました」って、なんちうセリフや…(ノД`)・゜・。

まだまだ書き切れないくらい。4話はとにかく良かった。

NHKドラマが何故かアマプラで(1週遅れで)配信している最近の流れは、とってもいいね。オススメしやすい。

他にも今シーズン、『ホットスポット』『御上先生』が面白いし、『阿修羅のごとく』も観終わってないし、これぞNetflix案件と思っていた(日本の予算では実現化しえない)清水玲子『秘密』のドラマ版もおっかなびっくりだけどみてみたいし、嬉しい悲鳴です。

『ザ・クリエイター/創造者』『プロジェクト・パワー』配信SF映画2作

1月に観てかなり良かったSF映画2作。既にウロ覚えだけどメモだけ残しておきたい。

『ザ・クリエイター/創造者』Amazonプライム。

メカデザインがめちゃくちゃ良い。新ブレラン位に痺れた。AIを絶滅させようとする正規軍と、対抗するAI&人間反乱軍という構図(ウロ覚え)も好みだった。AIを応援してしまう。メインビジュアルに出ている最終兵器の子役も激カワイイ。
空からレーザーを照射する絵面が見事で、これは劇場で観たかった…。
監督は『ローグ・ワン』の人と知って納得。あの気持ち良さと似てるわ。『TENET』のジョン・デヴィッド・ワシントンが主演でこっちは人間らしい役だからずっと好きになったよ。



『プロジェクト・パワー』Netflixオリジナル。
呑むと5分間だけ、その人だけの超人的な能力“POWER(パワー)”を得られる謎の薬…と聞いて『THE BOYS』的なアレかな、と思って観始めた。
確かにその要素もあるのだけど、この映画は復讐に燃える主役と、外れ者の刑事と、ラッパー少女、3人の「バディ感」が一番の燃えポイント。さらに彼らが抱えるそれぞれの問題に対しちゃんと気持ちの良いカタルシス・シーンがある。上手な脚本だった!あとJゴードンレビット好きだし他の2人も良かった。

無題

久しぶりの「鮨 まる嘉 (まるよし)」へ。
相変わらずのバラちらしは健在だが、今は刺身の有無で「ぶっかけちらし(生入り)」「花ちらし(生抜き)」の2種になっていた。

バラちらしと言えば蒸し海老がイメージだけど、ここはあまり蒸し海老が入ってない(時に蟹が入る)。でもでも美味しい。隠れている所にいろんなネタが潜っているの。そしてコレとっても大事、既に「漬け」になっていて、醤油をかける必要がない。



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もう2000回位書いてるのだけど
「海鮮ちらし寿司」が生まれながらにして内包する諸問題

●どう食べたら正解か分からない
●ネタと寿司のハーモニーを上手に楽しめない
●醤油かけ過ぎちゃいがち
●そもそも食べるのが面倒

などなどを、すべて解決するのが「バラちらし」!これ最高!
と常に思っている。

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いつかは夜にちゃんと来たいなぁと思いつつ。奥さんが外食苦手だと夜に素敵なお寿司やなんて来る機会、まずない。

そして昨日の仕事新年会で知った事実。
自分は今「磯野波平と同い歳」になった。昔なら家では和服。翌年には定年という歳。にも拘わらず、行きつけの鮨屋の1つもないなんて…悲しい。


と、書いてみたたかっただけで実際はなんとも思わない。こういう「大人なら行きつけのバーひとつもなきゃ」的な価値感に乗って引け目を感じること自体、自分にはそもそも合わないことに気づいた。これ、ちょっと押しつけがましいよね。らしさの押しつけ。

まる嘉のぶっかけちらし寿司ランチは1400円。たっぷりの丼と美味しいガラ汁をいただいただけでもう満足…と思うとデザートとコーヒーが付いてくる!!

おすすめ。


無題

TBSドラマ『ライオンの隠れ家』をNetflixで観了。
柳楽優弥が主演で外す訳はないと思っていたけど、想像の何倍も素晴らしいドラマだった。
すごく、好き。

「柳楽優弥のおちょぼ口」な!!

【あらすじ】
両親を事故で失い、二人で暮らしている兄ひろと(柳楽優弥)と、ASDの弟みっくん(坂東龍汰)。そこにある日、6歳の「ライオン」を名乗る男の子(佐藤大空)が迷いこんでくる。どうやらライオンは、二人の異母姉の子供のようなのだが…

【感想】
子役含めた3人が全員、神がかってる位に上手い。

ライオン役佐藤大空くんのなんとナチュラルな愛らしさ。気まずさゼロ。
坂東龍汰に至ってはあまりにASDの演技が自然(に見えて)、その凄さが後半は実感できない位に普通化しちゃってて、とにかく凄い。

でもやっぱり柳楽優弥。彼はこの役の特徴を「おちょぼ口」に見いだしたようで、とにかくおちょぼ口が多発する笑。でもそれが性格や考えてることを言わずとも感じさせていて、素晴らしい発明だったと思う。身体全体から「ひろと」の人生を感じさせるこれぞ名演技でした。最高。ありがとう。

この3人の名演技があまりにあまりで、尾野真千子まで霞んでしまうくらい。

桜井ユキは彼女らしい役回りで相変わらず好き!(何度でも書くがNHK『だから私は推しました』観て!おれはこれで桜井ユキ推しになった)でんでん、岡山天音など安定の巧さに加え、ひろとの同僚の岡崎体育と齋藤飛鳥も良かった〜

このドラマ、全11話なんだけど、普通だったら大きな事件が解決した10話で終わるのが殆どだと思う。そこで「あと1話?え?何?」て思っていると、主人公:ひろとの人生の話が最後に始まる。これが最高。
主人公達3人に向けられる「目線」が、あくまで優しく愛おしい。

途中結構ハードな事件があったりするんだけど、ウェルメイドって言葉、こういうドラマに使いたい。全体通して相当大好きなドラマです。良かった!

2か月以上続く首痛

11月中旬のある朝「あれ?首寝違えたかな」と思った日から…ずっとその痛みが直らない。
寝違いのような痛みはそのまま一ヵ月以上続き、今(1/18)も場所を微妙に変えつつ続いている。
日常生活は送れるが、なんとも気持ちが悪い。

この期間の通院。
●O接骨医:いつもの通りで「中にある問題がなくなれば自然となくなる」なくならないんだよ…
●T整形外科:いつも同じ治療。原因はいくら聞いてもはぐらかされる。首吊りと電気。首吊りは少し良くなった気がするが、すぐ元通りに。湿布はとても効いた。飲み薬は効いてる実感無し
●新F接骨医:ツボマッサージや電気やクオーターベッド。気のせいレベルで改善したかどうかまったく分からず、1度きりの通院
●Mリハ:妻も娘も行ってる。カラー治療で即時的な効果もあり。漢方薬をもらい、現在唯一続けている治療。一番信頼している。
●カイロ「サロンS」:ネットで調べて初。運動不足から来る腰のあたりの「動かなさ」が異常だとのこと。このままでは腰に来るのも心配。何度も通わないと直らないと言われる。

カイロで聞いたことをMリハで話したが「カイロはちょっとオススメしません」と言われ、どちらを信じるかと言えばもうMリハを信じるしかないので、カイロはやめてMリハ1本に。

しかし未だに朝起きるところから痛い。

続く。

2024年末〜25年始の雪

2024年の12月は毎週のように「10年に1度の大寒波」「日本海側で大雪に注意」と警報鳴りまくりだったのに、ことごとく外れた。3週外れたと思う。こんなことは記憶に無い。

結果新潟市中央区ではほとんど年内の積雪無し。年が明けてから10〜20cmが1回程度。
今年もこのまま積雪なく終わるような気がする。

これまでの経験から、
「全国で」大雪が降る仕組みと
「新潟市で」大雪が降る仕組みとは
全然違っていて、だから予想があまりつかないように思う。

娘が初の共通テスト

長女が初の「共通テスト」。
1/18が本番で、本気になって勉強をはじめたのが年末休みから、かな。
年明けは少なくとも毎日相当やっていた(ようには見える)。

1日目の自己採点は散々だったそう。思えばこれまでの模試で「想定よりずっと良かった!」なんて覚えはまずないし、聞いてみたら本番でも「模試ではこれくらいだったけど、本番ではこれくらい上がらなければダメ」という目標で…。そりゃ皆最後頑張るんだから無理でしょうよ。ホントにかけている時間に対して成果がない長女は、勉強が、特にテスト勉強が向いていないと思う。

でもナーバスになって家族に当たり散らす、ということは皆無で、メンタルは通常通りで基本明るいし、周りを明るくしようと自然に気を配ってるのが良く分かる。時に当たり散らすのは他の3人。

推薦試験には落ち、恐らく一般でも志望校合格は難しい。さてこの後どうするのかな。なんにしても健やかに楽しく暮らしてって欲しい。

NHKドラマ『その街のこども』が期間限定公開!

2010年のNHKドラマ『その街のこども』が、NHKプラスで1/20昼まで期間限定公開されています。
あと2日半しかないので、見逃しなく!

【あらすじ】
2010年1月16日、新神戸駅で偶然知り合った勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)。ふたりには、誰にも言えず、抱え続けてきた震災の記憶があった…。震災15年目の朝を迎えるまでの一晩の神戸を舞台に“語れずにいた想い”が不器用にあふれだす。脚本は映画「ジョゼと虎と魚たち」の渡辺あや。神戸で学生時代を過ごした渡辺、子どものころに震災を体験した森山未來と佐藤江梨子が、リアルな感情で挑む。(NHK公式)

【スタッフ】
脚本:渡辺あや(カーネーション、ワンダーウォール、エルピス)
演出:井上剛(あまちゃん、クライマーズ・ハイ、64)
音楽:大友良英(あまちゃん、花束みたいな恋をした)
出演:森山未來、佐藤江梨子、津田寛治

【感想】
また忘れられないドラマになりそう。感情をがっつり揺さぶられた。最後の方はもう号泣。
なんなのこれ。ストーリーも出来事も殆どない。ただ2人で夜の神戸を歩き、想い出話を語るだけ。

撮影も演出も、ほぼドキュメンタリーのようなつくりで、これは2人の本当の話?かと勘違いしてしまう位。実際に主演2人の実体験もかなりセリフに反映されているらしい。

2人のどちらも感情移入するようなキャラクターじゃ全然無いので、最初の吸引力は正直弱い。
だけど、ドキュメンタリーだかドラマだか分からない感情のまま、2人の夜散歩に付き合っていって、最後の方には何故かもう、あちこちの人が皆愛おしくなる。

クライマックスで感じる、この表現できないうゎーて感情は、覚えがある!同じく渡辺あや脚本のNHK『ワンダーウォール』(NHK)だ。あのラストの「うゎー」って感じと、そっくりだ。(スタッフ全然違うのに…と思ったら撮影が同じ松宮拓という方だった)。
世の中、いかんともしがたい。でも我々は、そこでやっていくしかないんだ。その無情感と愛おしさの合い混じった気持ち。元気が出るのとは少し違うけど、生きていこうとちょっと思える。渡辺あやの脚本もすごいが、やっぱり演出だろう。

旅行先の電車で出会い、一晩歩いて話して、再会を約束し連絡先も交わさず別れる男女。そう、『ビフォア・サンライズ』みがある。全然あんなにロマンチックじゃないし、神戸案内にもなってないのだけど、でもあの感じ。途中思い出しちゃった。

このドラマは2010年制作。
2011年に『カーネーション』で脚本家の渡辺あやを知り、2013年の『あまちゃん』で井上監督や大友良英さんを知り、
『あまちゃん』制作の大きなきっかけになったのが『その街のこども』だとあちこちで読んでいた自分としては、ずっとずっと観たかった作品。(あまちゃんの座組の多くはこの番組からスライドされた筈)

何故かオンデマンドに入っていないし、NHKプラスの検索でも引っかからない。再編集した劇場版も翌年作られているが、それも配信で見つからない。劇場版は宇多丸さんのシネマハスラーで過去絶賛されていた。

ストーリーズにNHKプラスのリンクを入れたので、興味ある方はこの機会にぜひ!

雪が降らない2025年1月連休

三連休の最終日、朝。

1週間後に共テというタイミングで世間に強烈なインフル禍が襲ってきたので、お籠もり生活の日々である。同じく受験生のご家庭の皆さま、春まで踏ん張りましょうね。

まぁコロナと違って終わりが見えているので気は楽だし、料理もろもろとか色々と楽しめた。相変わらずの首痛でお酒はほんのちょびっと。

内緒だがラ○ーの入り口で売ってる焼き芋はコスパがヤバいので、連休中わざわざ焼き上がり時刻に合わせ2回も遠くまで行ったのに、入手できず。これはもう平日限定で考えよう。

しかし雪がさっぱり降らない。思うに全国での大雪と新潟「市」が大雪になる理由って、いつも違ってる気がする。今年も大して降らないのかな。

家計の味方、ダイレックスの鶏肉各種で鍋やら参鶏湯やら常備菜やらつくった。本も配信映画もドラマも観た。『地獄が呼んでいる』S2はメンタルやられるのでネットであらすじだけ追った。この後ダイジェストで観ようかなと思う。こんなの初めて。どう決着付けるのかだけは見届けたい…割に結局何も分からないまま終わるみたいね。

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の岸田奈美 @kishidanami さん、お母さんがまたまた洒落にならん状況になってて、インスタから目が離せない。(最近はメインのnoteの他に、インスタの画像で文章をアップされるようになった)何とか無事で日常に戻れますように。

ところでこれを読んでる時の頭の中のビジュアルは河合優実さんと奈美さん、お母さんと坂井真紀さんがごっちゃになってる。それ位、ビジュアルだけじゃなく現実感があった。あのドラマは。最高だった。

映画『ポトフ 美食家と料理人』感想

『ポトフ 美食家と料理人』をAmazonレンタルで。
監督:トラン・アン・ユン。

【あらすじ】
19世紀末のフランス郊外で暮らす美食家のドダンと、彼のアイデアを実践し時に凌駕する腕を持った料理人のウージェニーは、結婚はしないながらもパートナーとして一緒に生活してた。ある日、屋敷の使用人が連れてきた親戚の少女ポーリーヌが天性の舌と感性を持っていることに気付き、2人で料理人に育て上げたいと考える。その矢先にウージェニーが病に倒れ…。

【感想】
ずっと写されているキッチン、光と影が見たことないくらいに超絶美しい。フェルメールみたい。
全編通して、ほぼ料理を作っているだけのストーリー。しかし最初から魅入られたままであっという間に終わった。ストーリーはシンプルだけど染み入ってくる。

湯気と音、手技の美しさ、食材の色気がダダ漏れ状態。料理も衣装も美術も完璧。
フランス料理はそもそも食べた経験が少ないし興味もなかったけど、さすが!と思わせる説得力だった。

ドダンの美食仲間たちの、他人との距離感、ウージェニーとの関係も、時代は感じさせつつ、それでも心地良い。

劇伴が無かったと後で知ったが、え?マジで?と疑った。始終流れていたような記憶がある。つまり料理のSEがみな音楽に感じられるような作りだったのだろうか。

主演2人はもちろん、天才美少女ポーリーヌの演技も見事。この3人の姿をもっと見ていたかった。ちなみにドダンとウージェニー役の2人はプライベートでもパートナーだそう。

悔しい…絶対に映画館で観たかった作品だなぁ。再上映あったら逃さないようにしないと。

※カンヌの監督賞受賞作だそうです。

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