『バーフバリ 王の凱旋』感想

シネコンで2D字幕。
「楽しい、笑える、気持ち良い!」をそのまま映画にしました。と言えば言い過ぎなんだろうけど、それ位スッキリした映画。王政ファンタジー・アクション超大作のインド映画です。

見せ場の連続でまったくダレない141分。驚異。2作目だけど冒頭に前作のあらすじがかなり丁寧に語られるので初見でも大丈夫(とは言え自分は大きな勘違いをしていたことを後で知るのですが…)。

超気持ちいいアクション映画が観たい人にお薦め。無駄はとことん端折ってあるし(そもそもエンドクレジットが無い)、観たこともない笑ってしまうような凄いシーンが続出。

以下ネタバレ



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『ストレンジャー・シングス2』感想


NETFLIXオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス2』を観終えた。
1を最初観た時はどうしても、HBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ウエストワールド』なんかと比べちゃって、「よく出来たテレビシリーズ」止まりだよなぁとという印象で、でもそれなりに楽しんで観ていたのだけど、「2」の中程からどんどん盛り上がって、「テレビドラマ」枠なのは変わらずだけど、最終的には「舐めててごめんなさい」的な気持ちです。面白かった!夢中になった!脚本の練り具合が素晴らしい。

1も2も、数カ所で同時進行するプロットがタイミングを合わせて相互作用するところは同じなんだけど、2でスケールアップしながらも大味にならず、子供の物語と大人の物語がそれぞれ同じように世界にとって大切であるという、そのことが説得力を持って進められていくのが素晴らしい。

2になってより楽しくなった80年代アイテムがたくさん!『ゴーストバスターズ』に『ドラゴンズレア←まじで金食い虫!』に『DigDug』に…
メイキングインタビュー(全部で7本!)をつまみ食いして印象深かったところ。

●「80年代舞台だからこそ出来るドラマ。あの頃は今よりずっと親が子を放ったらかしにしていた。そもそも親は子供がどこにいるか知らなかった。今ドラマを作ったらそうはいかない。」
●子役オーディションのクオリティの高さにビビった。
●マックス可愛いねー。
●子役をまとめる大変さ。「撮影前にビンタしあうのはやめなさい。顔が赤くなるから」とのルールがあったり。
●かの国では、すべてに対して自分の考えを持っていること、いつでもそれを表現することができるのが当たり前なんだなーと、このインタビューを観て改めて思う。子役にもすべてシーンの感想と意味を聞くし、それに対して皆がちゃんと自分の意見を持って、話して人に伝えることができる。すげえなぁ。これは本当に育ちが違うと思った。
●2で嬉しかったのはショーン・アスティン(LotRのサムワイズ・ギャムジー役)の活躍。最初は悪役の予定だったのだけど、彼のキャラがあまりにも良くて、どんどん変わってあんなに活躍することになったそうだ。フラグ立ちまくりではあったけど、だから死んだ時は本当に悲しかった。サムの素晴らしい使い方!

『ワンダーウーマン』再見


iTunesレンタル吹替版を長女と。彼女は初見、自分は映画館の字幕に続いて2回目。吹替の違和感は無かった。

初見時、相当に期待して映画館に行ったのだけど、戦争と絡めた描写がどうしても気になってスッキリ楽しめなかった覚えがある。大好きなガル・ガドットは満点!何度観ても満点!特に笑顔が最高。今回は村を取り戻した夜の一連のシーンが特にきゅきゅんだった。

戦争(現実世界)と絡めた描写のうち、何が気になっているのか未だにイマイチちゃんと言葉にできない。誰かが悪人なのではなく、皆の責任で戦争が起こるという脚本は基本的には問題ないようでいて、それを支えるプロットや設定のせいで「お前がそれ言うなよ」状態になっている、のだろうか。米英のみが善で独軍がひたすら悪な描写にしてもいつものことだ。特に今更引っかかる訳でもない。結局もやっとしたまま…

彼女は、これからどのような方法で悪と対峙していくんだろう。原作はおろかDCユニバースも観ていないので全然分からないのだけど…
しかしアレだ。こういったアメコミ原作大作をまったく受付けない人が相当いることは容易に想像できるし(自分だって「アメコミ原作は満点で80点」タイプ)、そういう人はこのアメコミブーム、「ユニバース」ブームはなんとも居心地が悪いことだろうなぁ。

このブームの理由は、中国資本の台頭によって映画文化のあまりなかった中国圏でも、つまり映画読解力の低いお客でも分かりやすいもの(トランスフォーマーやマーベル、DCなど)に、より予算が与えられるようになったせいだと確か町山さんだったかが言ってたけど…。本当かどうかはちょっと分からないと思ってる。

そうそう、ガル・ガドットを好きになったきっかけは『ワイルド・スピードMEGA MAX』だった。このシリーズは個人的にアメコミとちょっと違って「ナメてたらめちゃ面白い普通のエンターテインメント作」。稀有なケースでした。お薦め。
当時の感想へ

『美女と野獣』感想(再見)

ITunesレンタルで吹替。長女と再見(初見は劇場で字幕)。

初見時の感想はこちら

初見の印象は変わらず、素晴らしい作品だと思うのだけど、野獣の吹替の声が全然合っていなくてそれだけが超残念。変に高くて若くて違和感しかない。これから観る人にはぜひ字幕をお薦めします。

観直して改めて思ったのはエマ・ワトソンの演技力。いくつか忘れられない台詞無しのカットがある。例えば最初に城を脱出する際、野獣を助けるかどうするか一瞬迷うところ。彼女のこれまでの印象だといかにもな(眉をひそめた)顔演技を想像するけど、今作の説得力はどこもすごい。

初見はガストンやルーフーなど悪役?的な方に目が行ったけど、今回は存分にエマに集中して見れた。ダンスシーンも、少しだけだけど、相変わらず素晴らしいな。

『GHOST SOUP』のサントラを買う


クリスマスには間に合わなかったけどやっと届いた、92年のフジ深夜枠のドラマ『GHOST SOUP』のサントラ。主演は渡裕行、鈴木蘭々、デーブ・スペクター。

当時、週毎に作家を変えて料理をテーマにした30分ドラマを作らせる『La cuisine』という企画があり、未だ無名だった岩井俊二がプロデューサーに見初められ、合計3作を手がけている。その2作目、クリスマスの1時間スペシャルが『GHOST SOUP』。学生時代、岩井の作品に夢中になったきっかけがこの深夜枠で、翌年には『Ifもしも』の『打ち上げ花火…』が放映されている。どれもこれも強烈なインパクトだった。

『La cuisine』の最終回は名作『FRIED DRAGON FISH』で、それに比べるとこの『GHOST…』は主演者のアレな演技などちょっとおふざけ気味で全体がお薦めできる内容ではないけど、クライマックスからEDまでの怒濤の岩井節は近年の映画にもひけをとらない。特にEDの「CLOSE TO YOU」を始めとする劇伴が素晴らしくいつまでも記憶に残っている。手がけたのは『La cuisine』もやっている方なので、シリーズのEDのようなフレーズが一部被ってるぽいのは今回聴いて初めて気付いた。関連グラフィックも良くて全ての番組にタイトルロゴが入っていたと思う。

『FRIED…』EDのCHARA『BREAK THIS CHAIN』、『打ち上げ花火…』EDのREMEDIES『FOREVER FRIENDS』(今年はリメイクに合わせカバーされてた)などこの頃の岩井作品はどちらかというと「感動するPV」と表現した方が早く、比べて後の映画はどれも「大好き」と言えるものはない。だから自分はずっと岩井俊二は「最高で30分」との思いが消えない。

映画で言えば好きなのが『スワロウテイル』『Love Letter』(豊川悦司の関西弁が宜しくない)『リップヴァンウィンクルの花嫁』(ただし最初の1時間を除く)、という位。『花とアリス』は心に残るシーンがいくつもあった。その程度だから決して岩井俊二ファン、ではないよなぁ。

『スター・ウォーズEP8 最後のジェダイ』感想


シネコンで2D字幕。
設定とか戦いのアレコレで猛烈な突っ込み所が多々あって結構気になるんだけど、めちゃくちゃアガるシーンがいくつもあって、それらは時に脚本の齟齬をぶっ飛ばして涙ぐませたりするので、全体としては楽しめました。

長い尺の中で何度か怠いところもある…。でも、ストーリー自体は「SWだったらきっとこうなるんでしょ?」的に鼻くそぼじりながら思ってる部分がそうでもなかったりして、マンネリは脱しているし(でもSWは1つの型だからマンネリが悪い訳でもなく)チャレンジングなとこ好きです。ちょっとスタトレぽく感じるプロットもあったりして。「フォースの覚醒」と比べちゃうとレイの活躍が、もっと欲しかった〜。彼女を見に行ったようなモンなのに!

いつも映画と言えば平日ナイトで、ほぼ貸切みたいなさびしーい状態で観てばかりだから、雪降る中に、人出も賑やかな万代で映画館に行くという体験自体がとても楽しい。
あとTジョイはスクリーンの大きさはアレだけど、自分の行く3シネコン(ユナイテッド・イオン新潟西)の中では一番音質も音の位置もクリアに聞こえて、好みだな。(『ベイビードライバー』も最高だった)西の1番とか音が籠もっててホントガッカリする。
さてさて次作がどうなるのやら…。

雪が早い今年/11月末にタイヤ交換(2017年末)

例年なら
「12月アタマに一回雪は降るけど、ノーマルタイヤでやり過ごせるレベル。その後、年内はほぼ降らない」
という程度の認識だったけど(新潟市中央区)、
今年は11月下旬に雪が残る程度の降雪がありました。皆焦ってタイヤ交換。自分もね。
その後二回ほど積もらない降雪があり、
今日12/6はその時よりも降りがすごい。今朝だけど、どこまで積もるやら。

『3月のライオン』映画をぶっ通しで観る「ライオン・ナイト」を開催


映画『3月のライオン』前後編をぶっ通しで観ながら、ダラダラと吞み食べお喋り(絶賛)する会、というのを先日東京で開きました。有り体に言って最高でした。

愛すべき映画やテレビを流しながら気持ちを共有する会、というのは本当に楽しい。最近だと医学町ビルの「カルテット・ナイト」なんてのは本当にいつまでも忘れられない位幸せな夜だった。

さて、この『3月のライオン』映画版で吞み会をする場合は、一緒に過ごすメンバーがとても重要だと最初から思っていました。原作モノで、その原作は現世で最高かと思える位の傑作で、だけど映画版はあきらかに大幅な改変が行われていてそこが気になる人も多い、どころか全然評価できない人もいらっしゃる様子。

自分も最初映画館で観ている最中は確かにその改変がショックだったけど、物語が進むにつれて納得できた。実写ではむしろこの方が納得できる流れだし、最終的には羽海野チカさんが血反吐を吐いて紡いでいるあの漫画の「魂」を明らかに受け継いでいる、愛情に溢れた傑作だ!と観終わった瞬間に思ったのです。だからまず言いたいのは「羽海野さんは最高の幸せものだ」ってことだし「羽海野さん、おめでとー!」って気持ちだったりします。

羽海野さんも「原作者がこんなこと書くのは宣伝じみててあまり良くないことだと思うんだけど」「でもあまりに良い作品だから皆に観てほしくて」Twitterでさまざまに感想を書かれていました。

こんな時に、観ながら一緒に吞んで話したいのは、「イチを聞いて十を察する」仲間。まっさきに思い出したのは羽海野チカ原画展を見た時の感想を一瞬でも確かに分かち合った人達でした。血反吐を吐くようなネームの試行錯誤を見た時の、あの気持ち。素晴らしい作品を生むまでの努力、その凄まじさを間近に見せられた時の、畏敬とも言えるような気持ちを共有した人達。そういう「前提」がある人達と話したかった。

ということで漫画『PALM(獸木野生)』初の池袋公式イベントをきっかけに知り合い、これまで何度もオフ会を主催した方達と、今回は東京で「ライオン・ナイト」を開催しました。しかも前後編だけで4時間以上と長いので、メンバーのお一人のお宅にお邪魔して、こたつに入りながら。お酒と好きなおつまみを買って、計何時間話したことだろう。これ最高かと。

家主の好きなものに囲まれた(どこか川本家に通じるところもある)居心地の良い空間で、こたつを囲みあの映画を好きにくっちゃべるこのシヤワセ。もちろんイマイチなところもあって、本編以外の宣伝系はすべて呆れるほどダメだっていう話とか(本編とまったく違う予告編や、ディスク宣伝のメインビジュアルの補正しまくりつるっつるな神木君のキモい写真とか)。

神木君はやっぱり顎のラインが最高とか。主には島田、後藤、宗谷の匂い立つ色気の話なんだけど、でもでも香子もすごいし子役も見事だし神木君は神だし、まだまだアレもコレもと話は尽きない。家主は本編にエキストラ出演もしているので、その時の裏話も楽しい。これ以上満たされた環境はあるだろうか。イヤないよ。

本当に幸せな時間を、ありがとうございました。最高でした。

『安藤忠雄展〜挑戦〜』

『安藤忠雄展〜挑戦〜』in国立新美術館。圧倒されました。面白かった!
自分も含め、「建築家の展示?ちょっと…」という位の人でもきっと楽しめます。特にSF好きは行った方がいい。模型を見た限り「マジでこれ現存するの…?」と実在を信じられない「夢の世界のような建物」の数々。それらがちゃんと実在して、使われている証拠を動画で確認した時の驚き。実際使う人にとっては色々と優しくなさそうだ…と思ってしまう安藤建築ですが、その美しさは、桁外れでした。

模型の質が、それだけで芸術作品レベル。殆どが木で作られている。何故か丘の段差を表現するのにも等高線状に切られた板を多層に積み重ねるという…(業界では当然なのかどうか知りませんが)スケールも桁違い(個人宅から集合住宅、島まるごとまで)。この模型たちだけでも充分に見る価値ありました。

図録を買って帰って、見直してみると分かる。この展示は、模型の現物を見ているから故に、凄みが増すんだなということ。

屋外に再現された「光の教会」も、何か簡易的な材料で作られているのかと思いきや、叩いた限り普通のコンクリートなんですけど…これどうやって撤去するんだろう。

最初の建築例ラッシュ(30棟くらい)は行列になっていて、よほど時間を確保していかないと見れないです。人の後ろからでは見えない。自分は諦めました。でも奥の大部屋の展示はどこからでも自由に廻れる。お薦めです。

『SWITCH 是枝裕和の20年』2015


買いそびれていた2年前の特集号を取り寄せ。最近ラジオで是枝監督が話していることを聞く機会が幾度かあって、それは映画監督じゃなくBPO(放送倫理・番組向上機構)の委員長としての立場からだったりもあるのだけど、仰ることがイチイチ符に落ちて共感できるので、もっとこの人の言ってることを読んでみたいと思った。分厚い単行本に手を出す前に、『海街diary』ファンとしてこの1冊。

すげーー良かった!!!冒頭の樹木希林との対談(これは海街は殆ど関係ない)からがっつり引き込まれ、海街の4姉妹全員それぞれの個別インタビュー、4姉妹全員+監督のディスカッションと続き、どれも素晴らしい内容。斎藤工君の監督へのインタビューも実に鋭くて気持ちいい。節々に少しづつ出てくる吉田秋生先生とのやり取りの軌跡を感じるのも原作大ファンとして嬉しいポイント。

映画・海街diaryファンは絶対読んだ方が良いと思う。
だめだー盛り上がっちゃって、もうこれは豪華版BD-BOX買うしかないな。菅野よう子のサントラもすごく良いのだよね(音楽に菅野さんを推薦したのは長澤まさみさんらしいよ)。

『ゲーム・オブ・スローンズ』season7感想


『ゲーム・オブ・スローンズ』最新章・season7を観終える。
自分が観てきたありとあらゆる映画・テレビの中でも最高峰に出来の良いフィクション作品だと思う。脚本、演出、撮影、美術、演技、設定あらゆる面でずば抜けている。よく「ダーク・ファンタジー」と表現されている作品だけど、そのあまりの容赦ない「ダーク」な展開に、辛いプロットに、メンタルも体力も吸い取られるので、自分は「いつでも観れる」番組じゃない。だからこんなに時間かかっちゃった。

最終章の直前であるseason7。噂には聞いていたが、本当に盛り上がった。これまでのシーズンだって毎回とんでもなかった訳だけど、そのとんでもないが積み重なった上での、更に集大成のようなシーズン。詰め込み濃度がハンパないし、展開もこれまでになく早い。最後にまたあそこに戻るという展開が泣かせすぎ。「ああ、めげずにここまで観続けていて良かった」としみじみ思った。

『ザ・コミットメンツ』感想

DVD購入。1991年・アラン・パーカー監督
そんなに観ている訳じゃないけど、バンドものといえばまず思い出すのがこれ。ブックオフで見つけ25年ぶりに観た。そしてやっぱり最・高。

アイルランド・ダブリンの労働階級に生まれた若者たちが60-70年代ソウルカバーバンドを組む話。ボーカルのデコ(アンドリュー・ストロング)がとにかくすごくて、彼の歌を聴くだけでも映画を観る価値はある位だけど、他のメンバーもみんなすげーいい味出してる。

大学生の頃は観た直後にサントラを2枚とも買って一時期ずっと聞いていた(彼ら「ザ・コミットメンツ」の人気がすごくてツアーもやったしサントラは番外編のvol.02までリリースされている)。『ブルース・ブラザーズ』のように、ソウルミュージックが本当に好きになる入り口のような作品だった。
この頃はちゃんと全部訳詞字幕が出てるのもいい。最近みたいに半分訳詞が出なかったりしたら全然伝わらないよね、こういう映画。

当時はとにかく音楽にハマって、バンドもののカタルシスが見事に詰まってるその快感に溺れ、だからこそ最後の終わり方には寂しさを感じてたけど、25年経った今観るとまた違う感慨があるなぁ。劇中の「俺たちは黒人だ」の叫びもすっと入ってくる。あの頃は良く分かっていなかった、ダブリンの労働者階級に生まれるということとか、だからこその刹那というか。(監督曰くのしあがるには3つしかない。プロボクサーか、サッカー選手か、音楽か)

今回DVDを買うことで25年越しに初めてメイキングドキュメンタリーを見た。メインボーカルの、かすれだみ声で飲んだくれたおっさんデコは、唄うととんでもない才能を持っているんだけど、他はくそ野郎という設定(実際そこまでは思わないんだけどね)。彼はなんと撮影当時16歳。観ていた大学生の俺よりもずっと年下か。

他のメンバーもオーディションで選んだまったくの素人揃い。主役であるマネージャー・ジミーは当初ボーカルかトランペット役での採用だったとか。この、G.ラヴみたいなイケメンの彼がメインボーカルを張ってる「Treat her right」のミュージッククリップもDVD特典にあって、死ぬほどカッコいい。

嗚呼いいわー嗚呼さいこう。こういう音楽モノはやっぱり円盤を買うに限りますな!

『アトミック・ブロンド』感想

シネコンで2D字幕。
女主人公のガチンコスパイアクション。ガチンコなのでアクション自体に派手さはなく地味。そのかわりひたすらにリアルで痛そう。

実際に女が男に勝つ戦い方とはなんぞや、を実践していて、これは本当だとイヤでも信じられるリアル感。その殆どは主役シャーリーズ・セロンが自ら演じているという驚異的な事実。彼女は練習中に歯を食いしばり過ぎて2本折っている。

ストーリーは(カタカナの名前を覚えられない自分には)かなり分かりにくく初見では全部理解できないんだけど、シャーリーズだけでも観に行く価値があった。最高だ。アクションは勿論だけど、彼女の演技!目の演技力!そして美しい。

87Elevenというスタジオで『ジョン・ウィック チャプター2』準備中のキアヌ・リーヴスと仲良く特訓していたというエピソード。シャーリーズのあの他者寄せ付けずな性格とキアヌという組み合わせがたまらなくキュンキュンくる。ずっと仲良しでいて欲しいよ…。

YouTubeに公式メイキングが上がっていて、予告編よりアクションのガチンコぶりを堪能できるので、これは鑑賞前でも後でもお薦めです。

当時の80’Sポップが全面に流れて音楽モノとしてもすごく楽しい(曲セレクトの妙はパンフレットの宇野維正氏の全曲解説に詳しい)。こないだ『ベイビードライバー』という音モノ超傑作を観たばかりなのに。今年はすごいなー。豊作だ!

『ブレードランナー2049』感想

初日夜にシネコンで、2D字幕。

これまたとんでもない作品が生まれたんじゃないか?
美術も撮影も音もすべてに圧倒されっぱなしの2時間44分。現代のSFでは当たり前になってしまったあれやこれや、の大元ネタである『ブレードランナー』が、35年越しの新作で、相変わらず他を圧倒する世界観を作り上げたことに素直に驚いたし、安心した。とんでもなく難しい仕事を見事にやり遂げたと思う。

劇伴が相当な大音量なので、劇場で観ないと大損だし、暗い画面が多くて、これはIMAXで観るべきなんだろうな(4DX選ばないで良かった)。暗い画面が多いと言ってもイライラする類いのそれではなくて、みんな美しいのです。

いわゆる「楽しい」シーンはほぼないし主人公は最後まで笑わないけど、この世界に浸りきる心地良さと言ったら。3時間近くずっとこんな気分で過ごす映画はSFでもSF以外でも近年なかった。ある意味ではLOTRが出てきた時に近いかな。長くは感じるけど「その間ずっとこの世界に居られるんだ」とプラスに思えてしまう。ストーリー的にめちゃめちゃすごい傑作とは思わないけど全体がとにかく「圧倒」的。「圧倒」って単語しか使ってないじゃん。

以下ネタバレ
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若菜晃子『街と山のあいだ』感想

雑誌『mürren』を発行されている方がエッセイ集を出すと聞いて、すごく気になっていたのだけど忘れちゃってて。こないだ佐久間裕美子さんのトークで北書店に行った時に座った時、ちょうど目の前にあったのです。これは!と即買い。

これは「生理的に相性の良い文章」とでも言うのかな。山登りのエッセイ、でも自分は山登りはしませんが、すべてがすんなりと入ってきて、まるで自分が立山に登っているかのような臨場感。山に登る人の気持ちがとても良く分かった気がします。印象深いのは、たとえばこんな一文。

(山にでも行かないか、と誘うことについて)お互い山には行っていても、ふだんから山行をともにしていない相手に、たまには行こうかというときは、それは特別な意味をもつ。
下界ではもうどうしようもないこと、行き詰まっていること、そこから抜け出せないことも、山に行って歩くだけで変わることもあるし、山に行けば話す気になることもあるだろう。もし何も話さなかったとしても、それはそれで、一緒に山に行って歩いたということだけでいい。ただ一緒に「山に行く」という行為が、すでにもう話をしているのと同じ意味をもっている。そのことは、山に行く者同士言わずとも分かっていることである。山仲間というのはそういうものである。

(こないだ『クライマーズ・ハイ』観直して再ブーム中なこともあるしね…)
山登りは…いつか家族と行動をあまり共にしなくなった時にでも始めるのかもな。相方はまずやりそうにないし。

内容がとっても良いのは勿論、装幀も組みも章末に入るイラストも、すべてが心地良い。今年ベストの1冊かも知れない。ちなみにタイトルは『mürren』誌のキャッチコピー。

若菜晃子『街と山のあいだ(アノニマ・スタジオ)』

重版出来!(10)



10巻にもなってこのカンペキさ。今年ナンバーワンかって位の隙の無さ。フォントデザイナー、ファッション誌のマンガ特集、映画化、採り上げるエピソードすべて、上っ面をさらって「取材しました〜」的な落とし込みは1つもない。出てくる皆に血肉を感じて毎回泣いてしまう。

素晴らしい作品が出来上がる時、その裏側にあるさまざまな人達の並ならぬ努力と魂の様を見せてくれるのがこの『重版出来!』な訳だけど、まったく同じことがこの作品自体にも言える。巻末クレジットに出てくる関係者の名前すべてに、きっと同じような物語がある。数々の名作を送り出す小学館の担当編集山内さん、責任編集、デザイン、販売、宣伝、制作、スペシャルサンクス、すべての個人名の裏に、ドラマが見えてくる。このメタ効果。そもそもこの作品自体が最高に幸福な映像化を成し遂げたことを思うと、また二重の意味で感動する。

冒頭、自分の小説のためにオリジナルフォントを作って欲しいと要求する小説家のエピソードがあるんだけど、そもそもフォントって読者に「これいいね」なんて意識されるべきではないし(フォントデザイナーは誰一人としてそんなことは望んでいない筈)、ましてや小説の本文、そうそうオリジナルの意味なんて出せる訳ないでしょ…と内心思いつつ、読み進めたんだけど。

最後に完成したフォントでの本文組みを見て、「あ、これはひょっとしてアリかも」と思わされました。驚いた。勿論、実際に掲載されているフォントの「本物の力」があってこそだ。

映像の感想で良く書く「美術の説得力」と一緒。なんでも取材先の字游工房からフォントごとの掲載許可をもらったそうです。きっとこの掲載許可に至るまでも、マンガの中と同じドラマがあったんだろう。作者松田さんの見ていないところでの編集者の熱弁があったのかも知れないし、預かり知らぬ人が字游工房に対して松田さんのことを後押ししたのかも知れない。

仕事はおおよそ、そういうドラマで動いているんですよ。業界関わらず、誠実な人がちゃんといる場所であれば。この1冊に入っている話は、今もどこかでこのまま起こってても何の不思議もない。

取材がちゃんと自分ごとになっている作者の手腕の凄さ(そしてもちろん編集さんをはじめとする周りの皆さんの凄さ)。

「仕事をする」って「世の中をつくる」って、どうゆうことかをちゃんと形にして描き続けてくれている。大好きな作品です。

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