NHK『作りたい女と食べたい女』待望のseason2。
会食恐怖症を演じる藤吉夏鈴(南雲さん)、
主人公の恋愛相談に乗るネット知り合いのともさかりえ(矢子さん)が、どちらもすばらしい!
単行本がちょっと遅れている中で、TV版はいったいどこまで進むのだろう。
あと直前座談会が、素の春日さん(というか西野恵未さん)が見られて楽しかった〜
NHK『作りたい女と食べたい女』待望のseason2。
会食恐怖症を演じる藤吉夏鈴(南雲さん)、
主人公の恋愛相談に乗るネット知り合いのともさかりえ(矢子さん)が、どちらもすばらしい!
単行本がちょっと遅れている中で、TV版はいったいどこまで進むのだろう。
あと直前座談会が、素の春日さん(というか西野恵未さん)が見られて楽しかった〜
Netflix映画『ニモーナ』をTVで。
監督:ニック・ブルーノ&トロイ・クエイン
【あらすじ】
孤児出身でありながら騎士学校を主席で卒業したバリスターは、騎士任命式の最中に起こった女王殺しの犯人に仕立てあげられ、追われる身となってしまう。隠れ家に身を潜めて汚名をそそぐ機会をうかがう彼は、さまざまな生き物に自在に姿を変えることのできるいたずら好きの少女ニモーナと出会い、一緒に真犯人探しを始めるが……。(映画.com)
【感想】
アトロクの2023ベスト映画特集で絶賛されてたのをきっかけに鑑賞。
舞台は騎士の世界でありながらスマホや最先端の機器が使われているどこか架空の近世。主役のバリスターは孤児出身では初の騎士で、彼の同性の恋人はいわゆる「貴族」のような身分。身分違いで同性の恋人同士だがその点は劇中でまったく問われることはなく、当たり前に扱われる。
そんな世界で現れるニモーナは自在に変身できる、一見「人ならざるもの」。主役バリスターは最初彼女が一体何者なのかを問い続けるが「I’m Nimona.」としか答えず、昔の言い伝えにある「世の中を滅ぼすモンスター」ではないか、と疑う世間には極端な拒否反応を示す。
観ている自分も「モンスターなのでは?」と頭の中の疑念と戦いながら見続けることになるのだが…
「モンスター」という概念を利用し、誰しも心の中にある「普通じゃない」事への偏見を、見事に暴き出す傑作だった、バリスターと一緒にちょっと自分が恥ずかしくなるが最後の爽快感も素晴らしい。
ありそでなさそなストーリー展開に最後まで気が抜けず、主人公二人ともストーリーを作り出す為のステレオタイプではなくて、とっても新鮮。気持ちいい。劇伴もめちゃカッコイイ。
そして…
とにかく一番自分がぐっとキたのが、ニモーナ役クロエ・グレース・モレッツのとんでもない演技だ。破天荒かつデリケートな彼女の声がまー魅力的!見事な声優ぷり。
吹替版は観てないし、それはそれで良いのかも知れないけど、字幕お薦めです。
あとクライマックスがちょっと細田守的既視感が抜けなくて余計なところで残念だった。マイナスはそれ位。
アクロスザスパイダーバースがずば抜けてとんでもなくて、ライオン少年にビビって、その直後にまたこんな傑作が出て。いやー1年にこれだけ傑作アニメが出るモンなのか。
と思ってたらアカデミーにノミネートされた。然るべきだと思います。いやーすんごい。
『アフターサン』をAmazonレンタルで。
監督/脚本:シャーロット・ウェルズ(長編初監督)
ついに『アフターサン』を観た側の人になった。
イヤしかし…なんちう作品だ。
【あらすじ】
11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。
【感想】
表面上はこのストーリー通りなんだけど、そのうちに
「?」
「…??」
「ええ…」
「なにそれ…」
カット尻がやたら長くて、最初「新ツイン・ピークス」思い出す位だった。すごく淡々としてる。
観終わった時点ではそこまでのインパクトはなくて、え?あれどういう意味だったんだろうって、まさかって…
ちゃんと知りたくなって、考察サイト見て、ええーやっぱり!ってなって。
そう、観た直後はインパクトはないのに、2日経った今、思い出して書こうとすると泣けて泣けて…という。
こんな映画体験は数えるほどしかない。
これは、「観終わった後の映画」でもあるんだな。
お父さんと娘がテーマという先入観とは、少し違うモノが得られた。
映像とスタイリングも、とても好き。
切ない。
『ラジオ下神白』を新潟市ほんぽーとの上映会(監督トーク有)で。
監督:小森はるか
【あらすじ】
いわき市にある福島県復興公営住宅・下神白(しもかじろ)団地には、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故によって、浪江・双葉・大熊・富岡町から避難してきた方々が暮らしている。
2016年から、まちの思い出と、当時の馴染み深い曲について話を伺い、それをラジオ番組風のCDとして届けてきたプロジェクト「ラジオ下神白」。2019年には、住民さんの思い出の曲を演奏する「伴奏型支援バンド」を結成。バンドの生演奏による歌声喫茶やミュージックビデオの制作など、音楽を通じた、ちょっと変わった被災地支援活動をカメラが追いかけた。(公式サイト)
【感想】
もう避難ではなく、日常になっている下神白団地の皆さんの暮らしを、ラジオ下神白プロジェクトを通して描く。
震災から12年も経ち、あの時の気持ちを忘れかけていた中での能登半島地震。自分の住む西区も家が傾いたり損壊して避難や建替・修復を余儀なくされている方々がいる。自分は「たまたま」逃れただけ。避難生活はこの国の、もう1つの日常だと思った方がいい。想いの丈を詰め込んで家を建て、考えられないくらい長期のローンを組んで、なんとかギリギリで生活していても、明日にはすべてを失い、何の備蓄もない寒い体育館や知らない団地で住むことになるかも知れない。
そうなった時の幸せや喜びってなんだろう。
「話を聞いてもらうこと」「音楽を共に楽しむこと」の大切さを、この映画で改めて実感する。
自分には一番できない「傾聴」「ただ寄り添う」ことを続けるラジオ下神白のメンバー(恐らく20代くらいの若者ばかり)。ラジオもそうだが、その前の「ただ聞く」映像を見ていて、住民の皆さんがどれだけ救われているかが伝わってくる。若者たち本当にありがとう、と思う。このプロジェクトがアーツカウンシル東京による「アートプロジェクト」の一環として行われているのも嬉しい。
原発避難の方達が住む下神白団地、その向かいにある永崎団地は、津波避難の方達が住む。放射能から逃れる避難と、津波や地震で被災したケースでは賠償額が違い、そのことで大きな分断を生んでいるという。
このことに限らず、原発は本来不要でしかも決定的な分断を生む。その分断の様子は数字には表せないから政府や公務上では大きく捉えられず無視される。原発の一番許しがたい作用がこの、あらゆる分野での「分断」だと自分は思っている。だから反対する。
映画ではこの分断は直接描かれないが、最後に永崎団地の集会所で合同のカラオケ大会が開催される。
避難して団地に住む住民、という代名詞のような括りではない、ひとりひとりの暮らしが、歴史が、豊かな人柄がスクリーンに映され、淡々と続いていく。そのことがかえって、この映画を忘れられなくさせている。上映後にトークでも話されていた『阿賀に生きる』にも通じる手法。今作もこれからずっと上映され続け、今は亡くなった方々に想いを馳せ未来へ繋ぎ続ける、依り代になって欲しい。
映画はコロナ禍の冒頭で終わる。高齢者の多い団地に東京からの若者が来訪するなぞあり得ないという世界に急に変わってしまう。あの年の様子、自分は特に2021に父を亡くした経験も含め「やっぱzoomじゃだめなんだよ」の気持ちを思い出させる。メンバーも住民の皆も、さぞかし辛かったと思う。
この10数年で大震災と、津波と、放射能と、コロナと。1つだけでも信じられないような厄災が立て続けに襲ってきたんだよな…今後もきっとそうなんだろう。
自分の両親への至らなさを思い出し苦しくもなるが、自分にできることをやっていこう。
映画の読後?感は『ワンダーウォール』を思い出した。見えない壁。
あれも最後は皆で踊っていた。
上映後のトークでは小森監督の次回作の構想も少しだけ語られた。これもすごく楽しみ。
『ラジオ下神白』、上映の機会があればぜひ。
『SHE SAID』をAmazonプライムで。
監督はマリア・シュラーダー
【あらすじ】
ハリウッドの大物映画プロデューサー・ハーヴェイ・ワインスタインの長年にわたる性暴行と陰湿な口封じについて地道に取材を続け記事を公開し、あの世界を揺るがす#metoo 運動のきっかけを作った、NYタイムズの記者2人の実話。殆ど実名で描かれていて、実際に被害に遭い告発していたアシュレイ・ジャッドが本人役で出演している。
【感想】
今さらです。今さら。そしてやっぱりすごく良かった。
辛いのは分かっているので少しずつ後回しにしてたのがこのざまだ。ばかやろうだ。もっともっと早く観ておけば良かった。
辛いのだけど、最後にはこの動きが#metoo に繋がり、本当に世界を動かしたことを存分に知ってるからもう、ぞわぞわ〜のカタルシスがすごい。
派手な画面はまったくなく、全編がほぼ地味な取材シーン。なのにこの緊張感。ハーヴェイを映さず(おまえなんかは映す価値なんざねーんだという意気込みが素晴らしい)、実際の性暴力シーンは一切なく(決して性的に消費させないという意気込みが素晴らしい)、被害者の話や音声録音だけでそのおぞましさを表現する手法、最後に至るまで小気味良いテンポの脚本(なのに決してぞんざいにしない、取りこぼさないという意気込みが細部に感じられて)なにもかも上手くいってると思う。後半はもう(感動の)涙でした…。
上司がかっこよい。主役二人のヘアやファッションもすっごくいい。
キャリー・マリガン、ドライヴとか未来を花束にしてとかドクターフーの名作回とかでめっちゃ好きだった女優さん。でも今作でまたもっと好きになった。見た目はそんなに変わらないのに、ベテラン記者の貫禄がその目からにじみ出てる。良かった。
こんな映画が製作・発表されること自体すごいことなのに、エンタメとしてもとんでもなく良い出来で、ちょっと日本とは別惑星にある国なのかしらと思った。だけどアカデミー総スカンは納得いかんわなぁ。
製作に入ってるブラッドピットが以前ワインスタインに噛みついた話とか、どこかで聴いてへぇーとか、他にも裏話は山ほどあるのでしょうね。原作読んでみたい。
そしてこの映画、冒頭はトランプの性被害を記事にしたにも拘わらず当選を許し、嫌がらせを受けたキャリー・マリガン演じる記者の挫折・絶望体験から始まっている。
全編通してトランプの失敗を繰り返すなというNYタイムズの記者たちの気合いを感じるし。
彼がふたたび台頭しつつある今、改めて広く知られるべき!映画だと思う。
面白かった〜!『スポットライト』とか好きな人ぜひ。
『雄獅少年/ライオン少年』をAmazonレンタルで。
監督:孫海鵬(ソン・ハイポン)
伝統芸能である獅子舞の演者を夢見る少年たちの姿を描いた、中国のアニメ。
【あらすじ】
片田舎で出稼ぎをしている父母の帰りを待つ貧しい少年チュンは、ある日、華麗な獅子舞バトルで屈強な男を倒した、同じ名前の少女チュンから、獅子頭を譲り受けた。チュンは、ちょっぴり情けない仲間のマオやワン公と獅子舞バトル全国大会を目指すことを決意する。
飲んだくれの元獅子舞選手チアンを口説き落として師匠に迎え、その妻アジェンの励ましを受け、特訓の日々を送る。しかし、大会目前でチュンの父が病に倒れてしまう。一家を支えるためにはチュンが出稼ぎに行くしかない。大都市での労働は夢を追う時間もないほどに過酷だった。疲れ果てたチュンの前に、あの少女が再び現れた――。(公式サイト)
【感想】
正統派少年マンガそのままのようなストーリー。なのに全く飽きさせず、古くささが気になる箇所もない。細部までアップデートが行き届いているのだと思う。
クライマックスは空前のカッコ良さ。どっかーん!最高!カタルシスに身体が痺れてしまう。
アニメの描写技術が凄い。獅子舞や伝統衣裳の細かい装飾、大量の房のそれぞれが実写としか思えないクオリティで跳ね回る。
2023年のベストで良く見たタイトルで、観た人が皆絶賛していたのがきっかけだった。イヤー良かった!
『帰れない山』をAmazonレンタルで。
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
【あらすじ】
都会育ちで繊細な少年ピエトロは、山を愛する両親と休暇を過ごしていた山麓の小さな村で、同い年で牛飼いをする、 野性味たっぷりのブルーノに出会う。まるで対照的な二人だったが、大自然の中を駆け回り、濃密な時間を過ごし、たちまち親交を深めてゆく。やがて思春期のピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置いてしまう。時は流れ、 父の悲報を受け、村に戻ったピエトロは、ブルーノと再会を果たし…(公式サイトより)
隅から隅まで、大好き。
北イタリアのひたすらに美しい山岳地帯はどこか懐かしく、キャンプしかなかった子供時代やA.ランサムのツバメ号シリーズの興奮を思い出す。しかも主役の男性2人はちょうど自分と同年代の設定。
夏の別荘で地元の少年ブルーノと過ごす美しい夏が描かれる冒頭は、とにかくすべてが完璧。夢の中の世界のよう。シェーディングも巧みで、とても現代に撮られた映像に見えない。(そもそもこの映画は不思議な画角で、ビスタよりも縦長の、昔のTVサイズのようだになってる)
2人がとある理由で10年以上の時を経て再会してから、大人の物語が動き始める。舞台は過酷な山岳地帯だが、描かれる主題は多くの人が思い当たる、人としての生き方の問題。多くの山登りが語る、山が教えてくれるアレやコレやの話が、本当に「これどうやって撮ったの」と思わせる凄いロケーションで説得力を持って描かれている。役者は全員素晴らしく、特に子役は超絶。どうやって演出してるんだろう。すごい。 ピエトロとブルーノ、そしてピエトロの父との関係に胸を締め付けられる思い。舞台は北イタリアでも、皆どこかに自分の周りの人間を思わせたり、山に対する思いが通じている人が何人も思い当たって、まるで自分がそこにいるかのように入り込んでいた。
痺れました。大好きな映画だ。
これはきっと原作で多くが語られているのだろうなと思いすぐに近所の本屋で購入。すぐ買えるなんて素晴らしい環境。この雪が降る週末に読みたかった。嬉しい。
映画は @ninnymoa の年間ベストから教えてもらった。ありがとう。 山好きの人なら有無を言わずに観るべき。
撮影裏話やプロダクション・ノート的なものがめちゃくちゃ読みたいのだが見つからない…パンフ買うしかないかな
『林檎とポラロイド』をHuluで。
監督:クリストス・ニク(長編初監督作)
【あらすじ】記憶喪失になる病が蔓延している時代。周りと同じくバスの中で記憶のないまま目覚めた主人公の男は、病院の勧めるままに新しい自分として歩み始めるプロジェクトに参加する。送られたカセットテープに録音された、たわいもない日常の課題。「自転車に乗る」「ホラー映画を見る」「バーで女を誘う」などをこなし、証拠としてその都度ポラロイドで写真を撮りながら「新しい自分」の記憶を重ねていく。そんな中で出会った女性と触れあううちに男の過去が垣間見える瞬間が訪れるようになる。
画作りが全編、さりげなく美しいのでずっと観ていられる。ひたすら映される主人公男性の「目」が印象的。
見た目からはほとんど感情が見えない、彼の過去のヒントが、時たま、ほんのちょっとだけ出てくるが、特に大きなことは起こらないまま映画は淡々と進む。
少し間延びするところも感じられるけど、意外とあっという間に終わってしまう。1時間30分と実際に時間も短い。
過去なのか未来なのか分からない、スマホはなく、カセットテープが使われるような、アナログで不思議な世界感がとても好みだった。
映画祭でこの映画を観て惚れ込んだケイト・ブランシェットが完成後にも拘わらずプロデュースに入っている。
監督の次回作に出たかったのだけどその時点で配役が決まっていたらしく、いずれも製作にまわったそうだ。その次回作がAppleTV映画の『フィンガーネイルズ』。残念ながらAppleTV+に入ってないのでまずこっちを観たのだけど、これもHuluしかないというなかなかハードルの高い状況。
映画館で観たかった…
すごーく久し振りの、リアル映画部会。
こうやって集まれることが何よりの幸運。
よくぞここまで、たどりつきました。
覚えてることメモ
ブギウギのこと。もったいない
家族問題
TARのこと。女優陣が皆凄すぎ
わやまやまと野木亜紀子
バビロンとワンス・アポン・ア・タイム…のこと。ブラピとマーゴットロビーとチャゼルの映画愛
MONDAYSとカメ止め
実家問題まじキツい
Iryのペンネ美味しい
BTSと兵役
私の解放日誌と安達茉莉子さんと川内有緒さんと白鳥さんとバウル
別れる決心とお嬢さん
らんまん愛
昔tenetが分からない話で盛り上がったこと
エブエブは単館じゃろう
エブエブは今の俺達にはまだ理解できないのでは
吉沢亮と横浜流星
そういえばこの部屋で何回も映画会やってたな
舞妓さんちのまかないさん最高。是枝監督は少女漫画を映画化してくれ
宮さんと庵野、それぞれのプロフェッショナル。パクさんゆってるだけだった。
あと何かあったっけかな
またこうやって会って話せる日を、楽しみにいているよ〜
2023年映画・ドラマ振り返り
2023年、劇場で観た映画は8本、自宅鑑賞が33本、計41本。多分。
例年に比べると劇場鑑賞がとても少ない(昨年を除き通常は20本程度?)。自宅分はまぁ、平均的な本数。
9月以降はずっと、何も観る気が起こらないというか動ける気がしない期間が続いた。なので年間ベストは上半期ベストと殆ど変わっていない。いくつか次点が追加されただけ。映画館に行く気力も自宅で観る気も起こらなかったけど、TVドラマは、特に地デジをいくつか追っかけていた。
あと特に後半、なぜか韓ドラがピタっと止まってしまった。気力がない。『D.P.』S1は例外的に完走したがこれは1シーズン6話という前情報があったから、だった。
それぞれの感想は #movie_tv_dsm に書いてある、のだけど今のインスタの仕様では10数本しか遡れないんだよな〜。残念。インスタ感想文は自分自身が読み返すため、というのが大きなモチベーションなので、この仕様変更をきっかけに映画感想zineをつくることを決心。したのだけど、未だ全然進んでいない。
映画よりもドラマの方がインパクトあった年かも…
よしながふみ原作『#大奥』『#きのう何食べた?』2作の奇跡的な実写ドラマ化については先日書いたばかり。
見返すとこのアカウントでの露出が一番多かったのは朝ドラ『らんまん』だった。観るたびに「黙ってられない!」て感じだったのだろう笑。久しぶりに毎朝が楽しみだった!心より感謝。
Netflix『#舞妓さんちのまかないさん』はたしか3回観た。色々メンタルが低空飛行している時期で、その頃一番助けられた覚えがある。サントラは今でも会社BGMリストに入っている。大傑作。
NHK『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』主演の河合優実が本当に素晴らしい。ダウン症当事者の弟役の吉田葵も。そうそう福地桃子も最高だった。このドラマは前半が特に素晴らしかったように思う。
Netflix『ONI 』は、『トトロ』の後継、新しい日本のスタンダードじゃん。と観てる間思っていた。日本とハリウッド(ピクサーOB)の融合。#トンコハウス の今後に大きく期待しています。
掲載していない作品で記憶に残っているのは
『君たちはどう生きるか』面白かったとは単純に言えないけど、絶対に映画館で観る価値があった。
『FALL』強烈なホラー。
とか、かな〜
今年は正直メモもあやしくて、落ちてる作品もありそうだけど、まぁいいや。
このブログに掲載している作品を見て、結構気が合いそう…と思った人はぜひ2024年一緒に「あれ良かったよね〜」話でお茶しましょう。そういう時間が好きなんです。
タイムリープ邦画×2作。
どちらも面白かったが、特に『MONDAYS』大好き!
●『MONDAYS 〜このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
監督:竹林亮
○『リバー、流れないでよ』
監督:上田誠(ヨーロッパ企画)
■MONDAYSでは、小さな広告制作会社を舞台に1週間おきにタイムリープが起きて月曜に戻り、繰り返される。だがそのことに全員が気付いている訳ではなくて、少しずつその認知を広げていくことで繰り返しを止められるのではないかと考え、次第に皆が団結していく。その様子が爽快。最後に「気付かせる」べき上司がマキタスポーツ。彼がまた本当に良い。
普段から毎日が繰り返しのように感じてしまうハードワークを皮肉ったような設定。劇中の制作物も考証がちゃんとしていて(プレゼン段階というのもあるが)、広告業界モノにありがち、というか殆どそうなんだけど、できあがった完成物があまりに酷すぎてドラマに入り込めない、あの症状も起こらない。
最後にはオフィスの全員のことを、隅々まで全員好きになる。主人公は日々の仕事に疲れモチベーションを失い、当初は退職も考えている。彼女の最初の登場時と最後までの変化がいい。演じる #円井わん さん素晴らしいです!
皆が繰り返しにより少しずつスキルを積み重ねていって、上司に気付かせることを目的に団結していき通じ合っていく様子が、最後ちょっと泣いてしまうくらいぐっときた。この感動はアレだ『カメラを止めるな!』に似ている。あんな気持ちを味わいたいなーって人にお薦めしたい。
自分が以前からインスタをフォローしていた #夏生さえり さんが脚本というのも驚いた。
個人的に、歴代「広告業界モノ邦画&ドラマ」のナンバーワンです。
2023/11/10
○『リバー、流れないでよ』のタイムリープはなんと2分。舞台は京都・貴船の老舗旅館で、こちらは全員が最初からタイムリープに気付いている。だから繰り返しというよりもずっと続いているドラマのよう。手持カメラでずっと追っかけるスタイルで(ひょっとしてノーカット?)、旅館が舞台の演劇を観に来ているかのよう。MONDAYSよりもずっとコミカルでリアリティライン(そもそもだけど笑)も低い。2分でできることは限られている訳で、それをなんとか実現しようと皆が経験値を貯めて団結していく様子が心地良い。
こちらも良い脚本なのだけど、キャストを好きになる度、入り込み度はMONDAYSほどではなかった。シチュエーションもあるだろうしね。
でも最後のハッピー感はこちらもひけを取らず。演劇系演出とコメディ好き、ハッピーエンドを求める向きにお薦め。しかしこの舞台の旅館、聖地巡りで大変になっちゃうのでは…。自分も泊まりたいよう…!
●そういえば雪が降るターンと降らないターンがあったんだけど、何か意味があったのだろうか。結局分からなかった。誰か知ってる人教えてください!
2023/12/23
シロさんが、ケンジのお母さんお姉さんたちと会食するこのエピソード、原作でもすごく印象的だったけど、ドラマも見事だった。そして原作イメージそのままの、このお母さん。
見るたびに、いつまでも静かに続いて欲しい…終わらないで欲しいなぁ…と思うのだけど、マンガと違ってドラマはあっという間にお別れが訪れる。寂しい。
同世代としてどうしてもシロさんに憧れがち。でも自分が見習うべきはケンジの「話す姿勢」だ。料理の美味しさ、パートナーへの「日々の」感謝、言葉にしなくても心の中では…と思っているのだけど、ケンジはちゃんと、言葉にして伝えられる。「思ってるだけ」と「言葉にすること」の間にある果てしない違い。そして話し方のニュアンス、伝え方など本当にケンジのあり方は勉強になる。
いつも見るたびに、俺はダメだなぁ。できてないなぁ。と痛感する。だからずっと続いて、気付かせていて欲しい。
Netflixに『MONDAYS 〜このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』が入っている!
前評判が異様に高いのでちょっとハードルを上げて観たのだけど、それでも予想以上の面白さ。
広告制作会社を舞台に、ある1週間が繰り返されていることに気付いた一部の社員が、そこから抜け出すために回りの社員を説得していく…というタイムリープもの。
うんざりするような制作会社の毎日が、タイムリープを抜け出す作戦を進める中で次第にすこしずつ変わっていく。自然と仕事のスキルも増していく様子が可笑しくて、気持ちいい。
広告業界ドラマは数あれど、自分は本作をいままでの歴代ナンバーワンとしたい!
という位に、仕事の描写もちゃんとしている。
最後には登場人物皆のことを好きになっているこの感じ、『カメラを止めるな!』にも似てる。あれが好きな人はきっと観た方がいい。最後じーんとしますよ。
主役の丸井わん、いいなー。『だから私は推しました』の桜井ユキ並みの素晴らしさ。
マキタスポーツは本当すごいね。最後にまとまるのも彼の演技あってこそ。
さくっと観れる快作です。オススメ!
Amazonレンタルで『バビロン』を。
監督:デイミアン・チャゼル(『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』)
酒池肉林の乱痴気騒ぎには興味を持てず辟易しちゃうのだけど、それ以外は面白かった。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とセットで観るべき!というかまた観たくなるー!
マーゴット・ロビー、ブラピ、ディエゴ・カルバが素晴らし過ぎ。メキシコ人でアシからプロデューサーまでのしあがるディエゴ・カルバを観ていると何故か『映画大好きポンポさん』を思い出して幸せを祈るのだが、当然こっちはそんなに甘くないのであった…。
ドラマ10大奥 幕末編、スタート。
医療編が終わって、強力に引っ張っていけるキャラも、赤面疱瘡という吸引力もなくなり「さすがにこれまでのクオリティを維持するのは難しいんじゃ…」と不安になりつつ、見始めた第1話。
結果、season2で一番感動する回だった。すごいよ。
阿部正弘(瀧内公美)の演技が、これまでの大奥から外れた、ちょっとぎょっとするような、ある意味わざとらしい、まるで現代人がタイムスリップして演じているみたいで、これはヤバいんじゃないかと思っていたのだけど…何故か節々で引き寄せられてしまう。この魅力、謎。脚本力が大きいと思う。
高嶋政伸も見事でした。
そして家定(愛希れいか)がとにかくめちゃくちゃ素晴らしい。元宝塚の方なんだね。いやーこの後楽しみ!そしてWEBの記事を見てたら、ええー!岸井ゆきの出るんだ!
相変わらず展開が急過ぎて、ちょっとはしょり過ぎのところはどうしても気になるけど。
もう脳内補完がすごいからね笑。
大奥ドラマ版のカタルシスは、時にLotRと通じるところがある。主君と家臣の忠義の美しさ。
どこまでも裏切らないなー。2023年日本キャスティング大賞は、映画ドラマ含めて『大奥』に決定でしょう。
いよいよフィナーレの『らんまん』。
最後まで来てまたドン下げか!という関東大震災(まぁ史実だからしゃあないのだけど)が起こりまた辛すぎる日々。
今週驚いたのがすえちゃんのこのセリフ。
目が見えなくなっても八犬伝を完成させた馬琴先生のことは、身分の違う特別な人だから出来たんだと思えた。でも図鑑を完成させようとする夫に対しては「万ちゃんを特別と思いたくない」「あなたは特別だから描けて当たり前って、そう思いたくないんです」というセリフ。
これってある意味、有名人をモデルにした朝ドラでは、メタな含みも感じるよな。て思って。
こんなセリフ、朝ドラで聞いたことないな。すごいなーと思った。
あと金曜のあさイチ、神木君の登場回。まぁ充実しまくっていました。最高。
この中で仲良しの志尊淳との役作りエピソードが色々紹介される中で
「万太郎がこのままでは嫌われ者になってしまう。なんとかそれは避けたい」
と、前後のセリフを工夫したり、竹雄のセリフ、それに対する万太郎のやりとりの声のトーンをコントロールしたり、恐らく相当な手入れと調整をしていることが感じられる話をしていた。
こういった名優(=名演出家でもある)たちの数多くの工夫によって、あの愛すべき万ちゃんが最後まで愛されるままでいられたんだな。
それができてない例って、今までの朝ドラで山ほど観てきたよね。愛したいけど、これでは愛せないよ、ってゆうディテールの杜撰さが、どこまで俺たちの思い入れ・没入を阻んできたことか。
愛されない主人公級のキャラ、いっぱいいたのですよ。これまで。
それを避けることができたらんまん、すごい。
あさイチは脚本家・長田育恵さんのコメントにもぐっときた。万太郎の「自分は競っている。人間の欲望と」ってゆうセリフ。明らかに戦争も指していて、今だからこそのすごいメッセージの強さを感じて、めちゃ印象に残っていた。ああこのドラマはちゃんとやる気なんだ、と。
このセリフなんと神木君のアイデア(本人覚えてなかったみたいだけど)。長田氏自身だけではあまりに強くて書けない言葉だったと。それを神木君が言ってくれたことでふっきれて、以降の脚本にも影響が大きかったそうだ。
裏側を垣間見れて楽しかった。
さて最終週だ。
岩井俊二の過去作『檸檬色の夢』が、21木まで限定公開されているのを知ったのはインスタのタイムライン。お知りあいが美術関係を担当されていたらしい。岩井監督で主演が蒔田彩珠!
ええ!観たことない!うそ!と気付いたのが配信終了21日当日の23:45。作品は1時間以上とある。間に合わないじゃん…とドキドキしながら観始めたが…。0時でいきなり消えることはなく、最後までちゃんと観終わることができた。
岩井俊二監督『檸檬色の夢』は、今年の頭にLINE NEWS VISIONで全8話の縦型ドラマとして配信されていた。それを今回横型に再編集し、1本の映画にまとめた、ということらしい。
同監督の新作映画『キリエのうた』の公開記念企画。
今回の撮影にはあまり岩井俊二感は無かったが、脚本は往年のフジテレビ時代の岩井作品をちょっと思い起こさせるテイストで、相変わらず劇伴は最高オブ最高で、ちょっと最後じぃんと来るやつで、不思議テイスト入ってて。ああ見逃さずに良かった。でもこれきっと縦型の方が面白かったように思う。
なんでも岩井監督はLINEの主催する「LINE NEWS AWARDS 2021」で、翌年ニュースになりそうな人を表彰する“NEXT NEWS賞”に蒔田彩珠を選出し、その縁で今回の主演が実現したそうだ。21年というと『おかえりモネ』の年だね。
今年の冬とかもう完全に死んでてニュースも目に入らず見逃していたんだろうな。
岩井監督の近年の作品、ちょっと…というイメージだったけど、これで『キリエのうた』も観たくなった。『檸檬色の夢』の出演者も何人か出ているし『水は海に向かって流れる』観たばかりの広瀬すずだし。もういろいろ繋がってて。
あと今作のタイトルバックにもなってるドローイング、作中の蒔田彩珠演じる美大生の作品って設定なのだけどこれがどれもこれもメチャ素晴らしくて。誰の作品なんだろう。追っかけたいけど検索では見つからなかった。
『水は海に向かって流れる』をAmazonプライムで。え?こんなに早く?
田島列島の大大大好きな原作を前田哲監督(『こんな夜更けにバナナかよ』)が実写映画化。
大好きだ!
俳優それぞれの演出が本当に丁寧。セリフのない目の演技とかを繊細に画面に映していて、俳優もそれに十二分に応えていて、すべてがナチュラルという、この手の漫画原作邦画ではあまりない(静かな)クオリティのように思う。
沖田修一監督による実写化『子供はわかってあげない』も独特な傑作だったけど、今作も田島列島のあの「間」をちゃんと再現しようとしていて、結果を残している。田島作品はギャグが特徴でそれも実写化の心配事だったけど、頻度は少なくてもちゃんと独特の笑いに繋げられていた。
広瀬すずが榊さんで良かった。直達君役の大西利空君と合わせ、年齢とルックが絶妙な頃合い。
榊さんが彼を恋愛対象として見られないことが良く分かる、でも絶妙な、境目のふわふわした年頃。
楓ちゃん役の當真あみさんも良かった〜この3人はベストキャスティングだと思う。
すぐにでも見返したくなる名シーンがいくつもあった。
榊さんのお盆投げ!
榊さんのドロップキック!
楓ちゃんの
「何を隠そうこの私。この私のことです。」「ご理解いただけたか!このハート泥棒」
はこの映画屈指の名シーン。
実際に見返しちゃってる。演技演出もそうだけど、編集のキレがめっちゃ良いんだよな。
榊さんと楓ちゃんの対決シーンもほんっとうに良かった!
漫画から実写になることで色々なことがリアルになってるんだけど、特にグサッと降りかかってくるのが、彼らの親世代への共感。特に直達君のお父さんの空回り具合とか、「せめて自分を良い人間と思いたい」とか、もうあーて感じで辛すぎる。
あと…忘れちゃいけないのが猫の名演技ね。
エンドクレジット見ると1匹だけみたいだけど、一瞬出てくる散歩中の柴犬も見事で、これは動物タレントコーディネイターの力量なんだろうな。
あと美術さんも(キッチンとか道具とか)スタイリストさんも(直達君のファッションだとか)良い仕事してました。
というかんじでこれは映画館で観たかった〜と思わせる、数少ない邦画体験でした。
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最後に苦言を少々。
ニゲミチ先生役の高良健吾だけはちょっと…うーん。もうちょっと合ってる人いたんじゃないかな。彼のこういう使われ方はもういいや、てゆうか彼が可哀想じゃね?
最後の終わり方。そっかー。「何を隠そうこの私です」があまりにも名シーンだったので、榊さんがそれっきりなのも寂しいし、ラストの笑い方もなんか納得いかない。それまで全てのシーンで納得してたのに、最後「え?」て感じ。原作がどうかは別として、映画の中の流れとしてすんなり納得できなかったなぁ。
9月に入ってからの『らんまん』は、毎日がクライマックスで、とても心が追いつかない。
フィニッシュに向けてこれでもかこれでもかと盛り上げていく。
このドラマの凄さって、ひとつひとつの細かい努力の積み重ねを、時には説明無しに、でもちゃーんと丁寧に描いていて。
だからあとで報われた時の説得力が半端ない。時にカタルシスになって、感動がどどっと押し寄せてくる…
そういう総決算を最終月で毎日やってくれてる。すごいサービスというか何と言うか。
モネ以来久しぶりに「朝ドラが楽しみな毎日」を実感できた今シーズンでした。辛い展開もめっちゃ多くて楽しいばかりじゃなかったけど、ほんといちいち説得力がすごいし、「学問の魅力」を圧倒的な細部の描写と設定で見せてくれました。学問に限らずだな。だからお仕事ドラマとしても最高。
次の朝ドラがどうなるのか分からないけど、ほんと寂しいよ…。
ええ、もう?てかんじ。
関係者の皆さん、ありがとうございました。
個人的にずっと推してる『重版出来!』『おかえりモネ』の、あの!蒔田彩珠と、
『ベイビーわるきゅーれ』の超絶JK殺し屋こと髙石あかりのW主演だなんて…そんなん期待しちゃうでしょーよ。
tofubeatsの劇伴もいいかんじだ。今4話で全32話。
蒔田彩珠を初主演に据えてくれたプロデューサー様様、ありがとうございます!きっと後で自慢できる筈!