カテゴリー: TV・映画感想

映画『若おかみは小学生!』感想

『若おかみは小学生!』をiTunesレンタルで。

2018年にリアルタイムで見逃して1番後悔していた作品。やっと家族のタイミングが合ったので一緒に鑑賞。
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【あらすじ】小学6年生のおっこは交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることに。旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、子鬼の鈴鬼(すずき)、ライバル旅館の跡取り・真月(まつき)らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修業を始めることに!慣れない修業に、毎日失敗の連続。落ち込むおっこだったけど、不思議な仲間に助けられ、いろんなお客様と触れ合い、もてなしながら、少しずつ成長していく。

ショッキングなクライマックスからエンディングまで、涙涙で細部が良く見えなかったくらいに泣かされた。

脚本がすごい。最初から伏線というか仕掛けが多いので、何度でも見たい。
子供向きの絵柄が本当に苦手、という人にはお奨めしないけど、絵の緻密さリアルさに関してはジブリの正統な継承者で、脚本はジブリ作品たちの上をいく出来だと思う。
『この世界の片隅に』以来アニメでこれだけ絶賛されているのを聴くのも久しぶりだけど、納得の傑作です。

監督はジブリで数々の作品を手掛けた後、黒田硫黄原作の茄子シリーズをアニメ化した高坂希太郎。

全編がちゃんとカンペキに「子供向け」になっているので小学生ならまず安心して一緒に観ることができると思う。そして「子供だまし」が一切ありません。
大人は、大号泣すると思う。今思い出しただけで、もうダメだ。

ジブリ映画の美味しい料理シーンとかホントそのままだし、背景も素晴らしく美しい。ただ車やファンタジーのCGとの整合性がもう少し自然になると良いのになぁとは思った。音楽は鈴木慶一!泣き笑いエンディング曲の藤原さくら『また明日』をあれから何度も聴いてる。これ歌詞を見るとまたストーリーと重ねちゃって涙腺崩壊。

同い年で大手旅館の娘、ピンフリことまつきちゃんがいい。一貫して良い仕事とは何ぞやを体現している少女。自分を省みて恥ずかしくなってしまう。彼女には最後に、一瞬なんだけどこれまたモーレツに泣かせるシーンが待っている。

仕事とは何か、ツラい悲しみとどう向き合っていくのか、人の気持ちに寄り添うとはどういうことなのか。主人公おっこと周りの人達を見つめ、改めて人生を前向きに考えさせる見事な構成だ。
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原作は子供向き人気ファンタジー小説シリーズ。以前長女がハマってて、パラ見したことがあった。タイトルにまずひいたし、中身も正直ファンタジー路線押しで全然ピンときてなかった。この映画は原作とは随分様相を変えているよう。

お薦めです。

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』感想

イオンシネマで『スパイダーマン:スパイダーバース』2D吹替
21:30からの上映とは言え、お客さんは自分ひとり。

もったいないよ!
観た後だから言えるけど、アニメの歴史が書き換えられる1作だと思う。
だからこの機会を逃すなんて、もったいないよ!

スパイダーマンの映画は3、4本観ているけど、「すごく好き!」って言える作品はなかった。おおよそ共通している、主役のウジウジ加減と、恋愛ストーリーにノれないのが主な原因。(恋愛のせいでウジウジされるともっと苦手)とにかくスパイダーマンとは相性が悪い自分です。

そんな自分が、あまりの高評価に押され観にいったら「サイコー!」でしたの巻。
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「技術」と「センス」がすごい。
観たことのない絵面がいくつも出てくる。この時代になってもまだこんなに使われてない手法があることにびっくり。

とはいえ「アニメと実写」を分けることにはあまり意味が無くなっているのは確かで、スパイダーバースの気持ち良さも「アニメの快感」と言うには既に次元が違っちゃっている気がする。この感覚を説明できないのでとにかく観て欲しい。
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『ベイマックス』を映画館で観た時に「日本アニメの良さを完全に吸収し血肉としつつ、ハリウッドアニメならではの新しい段階にステップアップしている」と痛感したけど、あれ以来のショックでした。

ルックも音楽も最高にカッコいい。そしてコミックばりに「文字」が多用されている。なので吹替がお薦めだと思う。

あの『SHARLOCK』の初期の頃に猛スピードで文字が出てきたけど、字幕だとセリフとその文字の二つ読まなきゃいけなくて追いつかなかったでしょ?あれです。スパイダーバースは吹替でも追いつくのがやっと。今の中高生とかこのペースがネイティブなんだろうな…。
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この背景に出てくる「文字」のローカライズも、一昔前の「MSゴシックか?WORDでつくったのか?」みたいなダサさは完全になくなっている。この映画ではそもそも原語版でも日本語の文字が使われているので、背景に出てくる文字が原語版なのかローカライズされた日本語なのか、見分けもつかない。

最初「スパイダーバース」の「バース」は「Birth 」かと思い込んでたけど、「verse」つまりシネマティックユニバースの、マルチユニバースの、ソレだった。つまりアメコミの色んな設定を同時存在させるために考えられた「すべてはパラレルワールドで存在している」というアレを、逆にメインの設定としてドラマが作られている。この後はお楽しみ。
【小学生なら一緒に観てOK・怖がりはダメかな】

全編に使われるHIPHOPの格好良さったら! 【以下ネタバレ】




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●スパイダーマン苦手な自分が今回受け入れられたのも、あのいつものどーでもいい恋愛要素がまったくなかったからなんだろうな…。
●モノクロのスパイダー・ノワールの声が大塚明夫さん(ネモ船長・バトー)最高だった。
●最初の世界が自分達の今の世界じゃなくて、ピーター「B」パーカーの世界がそうなんだよね?この設定もちょいちょい良い感じだ。あれだけ表現も世界観も違うアニメキャラ同士が共存する、その微妙な違和感を敢えて出せるのも今の技術のなせる技だよなー。お見事。
もう1回観たい!

映画『ルイスと不思議の時計』感想

長女と2人『ルイスと不思議の時計』をiTunesレンタルで。吹替。
このタイトル、何回見ても全然覚えられない。

ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットがダブル主役という時点で、迷う要素なし。問答無用で観た。

結果、2人の絵面が楽しめただけで充分満足。(この二人は)サイコーだ!2人のファンの人は観るべしだ!
あとケイト様の吹替の声、良いね。

まぁストーリーも設定もいわゆる「子供騙し」のレベルです。ちょい、イヤ結構、悪趣味ビジュアルとか単なる驚かせだけのシーンも多い。怖がりの子供はやめた方が良いと思う。

映画『ダウンサイズ』感想

『ダウンサイズ』をiTunesレンタルで。マット・デイモン主演。

映画としては良くできていて面白いのだけど、根本の設定に致命的な問題があり、それは結局解消されないのでずっと薄目で観ているかんじです。気になりすぎて途中で観るのをやめようかと思うくらい。だけど後半から段々どうでもよくなっておかしみが増え「これはこれで良いのか…」となってくるのは、やはり「マット・デイモン力」によるものと思われ。

このSF設定齟齬が気にならなければ、お薦めです。アンビバレント気分。

【あらすじ】
人口増加、環境問題などを解決するために、人間を10センチ程度にダウンサイズする技術が開発された。希望者は「小人」専用の町で大豪邸に住み、何不自由ない生活を終生送ることができる、という触れ込みだ。お金を貯めた希望者は「小人」化し、専用コロニーに移り住んでいく。

このダウンサイズを可能にするのが、ドラえもんのような「縮小ビーム」ではなく、薬を飲むことで生物学的に小さくするという技術。だから金歯や金属はすべて抜かれ、縮小後に再治療されるのだけど、1つでも身体以外のものを抜き忘れたら体が爆発してしまう。全身の毛も剃られるのだけど、これは意味が分からない。 .
【以下ネタバレ含む】
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SF設定齟齬について。

(問題その1 生物以外のミニチュアはどう作る?)
開発された技術が「薬で生物を小さくする」のみなので、じゃあ身の周りのものはどうやって作るのか、という疑問が出てくる。
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服や家具や印刷物や食べ物やさまざまなものが、映画の小人世界ではまったく普通に揃っているんだけど、これだけの生活を可能にするには、巨人世界と同じような工場や職人や歴史が小人世界にも必要な筈(小人世界の歴史は20年ほどしかない)。 .
「巨人」世界でこれくらいのミニサイズのものを生産するとしたら従来より遙かにコストがかかり、人口問題解決の役には立たない。小指の爪サイズの炊飯器やワインラベルをどうやって大量生産する?だからこの映画を観ている間中ずっと、「それどうやって作ったん?」というツッコミが途絶えない。

何か巨人世界のものをそのまま流用したようなものが家具に使われていたり(消しゴムが椅子になってたり)したらそこでリアリティが出るんだけど、普通に観ている限り一切ない。大きな薔薇が1箇所出てくるだけだ。
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椅子にしろテーブルにしろゴージャスなインテリアにしろ貧民街の食器類にしろ、すべてにおいて「ミニチュアです」というポーズがまったくない。町中の植栽まで巨人世界と同じものに見える。
劇中出てくるスラム街で貧民が使っているのが、明らかに超古い炊飯器。だからそれはどうやって…(略)

ドラえもんの縮小ビーム方式だったら、すべて問題なかったのに。
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(問題その2 この世界はどうやって存続する?)
そもそも巨人の貢献(生産・移動・その他)ありきでしか継続できないように見える時点で「ダウンサイズは解決策になり得ないのでは?」という根本的疑問。
. 「金持ち小人が、貧乏巨人から搾取する」図だとしたら、貧乏巨人のパンチ一発で金持ち世界が崩壊する力関係とは、明らかに矛盾する。いや台風一発、野生動物一匹で国1つが全壊しそうだけど。
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(問題その3 他の生物との共存は?)
ノルウェーだったかのコロニーは天井カバーがない。「蚊がいなくてラッキーだった」と登場人物がは言うけど、いやいやいや。狸1匹出てきただけで、鷲が一羽飛来しただけで、大惨劇ディザスターっすよ。良く平常心でいられるものだ。ダンゴムシ1匹だって相当恐い筈。

どう捉えていいのか、他の人はどうこの映画を観ているのか
気にならないのか?が気になってしようがない。

新元号発表(2019.4.1)

今日、1ヶ月後からはじまる新元号が発表されました。
天皇崩御前の新元号発表ということで昭和64年とは違いおめでたムード。発表の直後もおおよそ好意的な印象がTLを埋めていました。かくゆう自分もファーストインプレッションは「うん、いいじゃん。」。

発表前までは「タノムから元号とかやめてくれ。面倒臭いだけ。誰も得しない。」としか思っていなかったのに、いざ発表されるとこの「リセット感」なかなかイイじゃない、とまで思ってしまう。「新年」や「新年度」やとにかくリセットが好きな我々に向いているっちうことだね、元号。

あとは期待に反して脚本や劇伴のイマイチさが目立った『まんぷく』が先月終わり、今日からは東映動画時代の女性アニメーター(大塚康生さんや宮崎駿さんと同期)を主人公にした広瀬すず主演の『なつぞら』が開始。朝ドラ100本目だそう。いかにもなベタベタ朝ドラっぽい演出と演技がちょっと心配だけど、1話目から期待させる出来です。OPがアニメ!

映画『運び屋』感想

『運び屋』をユナイテッド・シネマで。2D字幕。

恐そうなビジュアルや、予告編の緊張感溢れるイメージに騙されないで!
80過ぎてもお盛んなチャラ男じいさん(クリント・イーストウッド)が主役の、明るく楽しいコメディだよ!(ドキドキするところは、あまりない)

ただこのアールじいさん、すごくチャーミングで愛らしい人なんだけど、家族にとってみたら基本どーしよーもないダメ男なので、そのあたり割り切れないでずっとイライラしちゃう人は結構いそう。

自分的には「まぁしゃあねえなぁ…」と苦笑いしながら楽しんで…でもやっぱりホロッとさせられました。なんか気持ち的には『ジャージー・ボーイズ』あたりになる?イーストウッド佳作。

どうしようもない過去を背負った人生。そんな人生の晩年でも、まだやり直すことはできる。鍵は「価値観をちゃんとアップデートすること」。
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そんなイーストウッドの想いが込められた主人公アールは、「ニグロ」の呼び名をたしなめれらた時も、レズビアンバイカーズの集団に出会った時も、そうか、今はそんな時代なんだな。とあっさり受け入れる。このあたりも「許しちゃう」ツボなんだろう。
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『グラン・トリノ』の主人公とは正反対のようでいて、どちらもきっとイーストウッド。彼自信の老いを通じて人生の後半期を考えさせられる。前向きなのがいい。

あの歳で、あれだけ多作で、今の世の中に大切なメッセージを素早く見抜き、タイミングを外さない早撮りでリリースする。圧倒的存在感。あと何作か分からないけど見守り続けたい。
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●イーストウッド自身の現在は、この「アール」程には老いていないそう。背を丸め足を引きずった様子はあくまで演技で、本人はずっとしゃんとしているそうだ。女性遍歴については言わずもがなで、アールよりもよっぽどお盛んらしい。
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●劇中、中年期になるまでアールとほぼ断絶状態だった娘を、イーストウッドの実際の娘が演じている。その娘も生まれてからほとんどイーストウッドには育てられていないそうだ。何の罪滅ぼしだ。

映画『ROMA』感想

『ROMA』をNetflixで。

アート系映画だよ〜とさんざん聞いていたので退屈するのかな、と思いきや。
退屈なのは冒頭のオープニングクレジットだけだった(面白いカットなんだけど、いかんせん長い!)。 アルフォンス・キュアロン監督の幼少期を映画化。メキシコのコロニア・ローマ地区の裕福な白人家庭でお手伝いとして働く先住民女性・クレアの日常を描く。
存命の本人に徹底的にヒアリングして構成したので、9割以上本当の話だとか。

観たことのない撮影の連続で飽きるヒマなんてなかった。全編モノクロで映像の密度が超高い。地味で驚きのカメラワーク。

見たことのない、人の演技とゆっくりパンのマッチングにまず驚く。これが町中に出るとドリー移動で同じことをやっていて、70年の背景美術にまた驚く。2回目は可能なら映画館で観たい。

もともと素人だという主役をはじめ、何故こんなナチュラルな演技が可能なんだろう。どこまで計算してどこまで仕込めばこんな映画が可能になるんだろう。自分にとって新しい世界を確かに垣間見た。クライマックスほか忘れられないカットがいくつもある。

テーマはここでも差別。人種差別や男女差別。恋人のクソっぷりがもはや笑ってしまうレベルだけど、残る。

キュアロンが実の母と同じように慕っていた家政婦クレア。彼女や、実の母が当時どれだけの女性差別、人種差別の中にいたのか幼少期のキュアロンには分かるはずもなく、この映画はその罪ほろぼしのために製作したそうだ。

カメラがパンかドリーの横移動しかなく、アップもあまりないこの構成は、監督曰く
「過去にタイムスリップした僕が、魂だけなので人に触れなくてただ見ているしかないカンジ」
を表現しているそう。だから最後の最後にカメラが別の動きを見せると否が応でも目立つ効果がある。ちなみに今作は監督・脚本に加え撮影もキュアロン。

できるだけ大きな画面で、そして音響がすごく良いでのサラウンドを体感できる環境で観た方が良いと思う(ちなみに劇伴は無し)。あと今はイオンシネマ西で1日3回も上映やってるよ!イオンシネマ西の音響はユナイテッドや万代からすると好きになれないけど、自宅よりは良いしね。

映画『グリーンブック』感想

『グリーンブック』をユナイテッド・シネマで。

小学生後半なら一緒に観ても大丈夫。素晴らしいエンターテインメント作。『ドリーム』が好きな人には特にお薦めしたい。できればクリスマスに観ると最高。

最初に企画を聞いてからこの日まで期待していた内容を、見事にすべて100%以上で返してくれた。満足しかない。デブまっちょなイタリア系チンピラのトニー(ヴィゴ・モーテンセン)と、知的でおぼっちゃん育ちの黒人天才ピアニスト・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の珍道中。と聞いただけで、そりゃ絶対面白いでしょ。

流行りの実話ベースで、脚本はヴィゴ演じるトニー・リップの実の息子と監督が、共同で書いている。パンフレットにある、実際のトニーの家族と、この映画の深い関わり(実際の親戚が役者で出ていたり)を読めば映画のあのシーンが思い出されてニヤニヤすること請け合い。パンフのボリュームはそれ程ないけど、どの記事もぐっとくるのでお薦め。

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黒人差別が法的に許されていた最後の時代、60年代初期の南部をコンサートツアーで廻る訳だから、メインテーマは黒人差別。いや黒人に限らず「差別は無意識化で行われる」という『ドリーム』のあのテーマ。世界的に有名なピアニストが、コンサートでは白人富裕層にちやほやされながら、「いや黒人はここでは食事ができないんです。ほんとすんません」と同じ会場で食事をすることさえ拒まれる。

エグゼクティブ・プロデューサー陣には、あのオクタヴィア・スペンサーが名を連ねている。脚本を企画初期の段階から関わり、彼女独自の差別に対する考察がとても貴重だったと監督コメントにあった。

ずっと押し黙り反暴力で貫くシャーリー(アリ)と、ついつい口や手が出るトニー(ヴィゴ)のやり取りを通じて、異なる環境の人間同士の繋がりと理解について、セリフではなく脚本とその演技・表情で観客に考えさせる。しかも基本はギャグだ。

ここまではまだ想像できたけど、本作はすばらしい音楽映画でもある!シャーリーの演奏シーンがどれもこれもいい。しかもすべて違う曲ってのがポイント。いくら良い曲でも映画の中で被ることで「またこの曲?」って少し冷めちゃうことあるじゃない(『アリースター誕生』はそれでちょっと残念だった)。

家に帰ってから実際のシャーリーの曲聞いたけど、格好良かったなぁ。でも映画全体を貫くBGMはこのシャーリーの曲じゃなくて、60年代ならこれでしょ!なリズム&ブルース。このミクスチャがすごく気持ちいい。当時、黒人の曲は大好きなクセに自然体で人種差別している白人達。そのリアルな様子を音楽が浮かび上がらせている。

すべてのアクションが対になっているかのような構成力にも、ほんと褒めるところしかない。最初から最後までずっと好き。本当のエンターテインメントってこういうやつ。

以下ネタバレ含むかも━−━−━−━−━−━−━−━
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映画『焼き肉ドラゴン』感想

『焼き肉ドラゴン』をiTunesレンタルで。

大泉洋の役が、途中までは本当に許せないダメ男で、途中のクライマックスシーンも全然「はぁ?」って冷めちゃうんだけど、その後どんどん思い入れが強くなって、最後は結局泣かされました。結果オーライ。

真木よう子、井上真央、桜庭ななみというまったくあり得ない美人3姉妹が住む、戦後大阪・バラック韓国人街のホルモン焼き屋が舞台。

白眉は韓国人の両親で、この二人に最初から最後まで持って行かれる。すばらしいキャスティングだった。後半「アボジ、私はまだまだ元気だから…」のセリフが最高。泣き笑い。

真木よう子は当然としても、井上真央のなにやっとんじゃワレ演技は見物。この路線もっとやって欲しいな。

そしてコレこそを書きたくてアップしたのだけど、
(片足を引きずる)真木よう子のシャツ姿シルエットが、ハチクロのリカさんそのものだった!頭のカタチ、首から肩のライン、みごとそのまま。

WOWOWぷらすと「ぷらすと的2018年ベスト映画」を観る

今日の総移動時間はおよそ6時間くらい…
道中のお供はWOWOWぷらすとの「ぷらすと的2018年ベスト映画」公開収録3時間弱。楽しかった〜。時には大声で賛同し、時にはブーイングしながら最後まで。『ペンタゴン・ペーパーズ』そこまでじゃないよ!とかw。傑作と言われてるものでも6人の中で結構賛否が分かれてた。合議制ベスト10ってのは面白いね。

映画ってつくづく思うけど、人によって全然違う「どうしてもひっかかる(嫌な)ポイント」がある。それは致し方ない。この「ひっかかり」が各作品の賛否を大きく分ける原因になってることって結構あるな〜って、見ながら思いました。

YouTube面白かったけど「3時間も観れない!」って人は、plus.paravi.jpの中で記事になっているので興味ある方は検索してみてください。

改めて今後の私的TO DOリスト
(2018で観のがして今後絶対観なきゃいけないリスト)
『若おかみは小学生!』
『A Ghost Story』
『ワンダー君は太陽』
『ダウンサイズ』
『ブリグズビー・ベア』

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【ぷらすと的2018年ベスト映画 ベストテン】
結果は以下の通り

1位:ペンタゴン・ペーパーズ

2位:君の名前で僕を呼んで

3位:ブリグズビー・ベア

4位:きみの鳥はうたえる

5位:万引き家族

6位:菊とギロチン

7位:孤狼の血

8位:タクシー運転手
約束は海を越えて

9位:ブラック・パンサー

10位:カメラを止めるな!

【ぷらすと的2018年ベスト映画 個人賞】

西寺:ファントム・スレッド

宇野:15時17分、パリ行き

添野:ランペイジ巨獣大乱闘

松崎健夫:ワンダー 君は太陽

花くま:ザ・プレデター

矢田部:顔たち、ところどころ

松崎まこと:カランコエの花

池田:若おかみは小学生!

映画『スモール・フット』感想

『スモール・フット』をiTunesレンタルで。

やっと配信になった!お薦めです。

雲の上の山奥で暮らす心優しいイエティたち。若いミーゴはある日、伝説の小さな足を持つ「スモール・フット」に出会うが、誰もその話を信じてはくれない。スモールフットを探しに村を飛び出るミーゴはついに、彼らの住む町へと辿り着く。

そう、我々が「ビッグフット」と呼んでいた連中から、人間を見た物語。全編ギャグ満載で、笑いっぱなしなんだけど、中盤以降、彼らの目を通した人間達の行動を見るにつけ、笑いながら考えさせられる…でもピクサーディズニーみたいに説教臭くないんだ。その加減が見事。イルミネーション作品との間くらいのバランス。すっげー楽しかった〜!
【お子様OK】

映画『バッド・ジーニアス』感想

タイ映画『バッド・ジーニアス』をiTunesレンタルで。内容は『ザ・カンニング』。(って50近くじゃないと分かんないか)

予想と違って結構ヘビー。エンタメ映画としてのクオリティは文句無し。どうしてもモラル的にひっかかる箇所、心情的に理解しかねる箇所がいくつかあるので手放しで大好き!とは言えないけど、でも多分殆どの人は気にもならないのかな。

主人公の貧乏天才学生役の女の子(モデル出身らしい)、どんなにダサい格好をしても誤魔化せないスタイルの良さ。めちゃくちゃカッコいい。激カワイイお金持ちおばかヒロインちゃん(憎めない天然キャラ)と良いコンビ。

まぁちょっと、その計画じゃうまくいかないでしょ、という設定の甘さを、超緊迫した編集と演出で見せる見せる。いやーこんな映画どんどん作って欲しい。今後もタイ映画期待大。

映画『はやぶさHAYABUSA』感想など

毎年、1・2月は結構なペースで映画を観ている気がする。正月休みの流れがあるんだろうな。 『はやぶさHAYABUSA』を観たのは、別に今日のタッチダウンを事前に知っていたからじゃなくて単なる気まぐれとか偶然だったか。よく覚えていない。竹内結子が見たかったのかな。

ラストはちょっとアレだったけど結構いいじゃんこれ!専門用語を余計な説明なく淡々と呟いていくプロフェッショナル系映画、好きです。竹内結子の他も、映画を観ない層ウケだけを狙ってキャスティングされたであろう面々も、皆良い仕事をしていたと思う。

類似作(全部で4つくらい同じネタの映画がある)を調べようと検索したら、この映画、どこでもぼろくそのけちょんけちょんにけなされていた。そういえば当時もこのバッシングの嵐で観る気をなくしていたんだった。色々思い出した。そもそも監督の名前だけで普段ならまず観ることはなかったと思う。自分の物忘れのひどさに、こんな時は感謝。聞くと観るとは大違いだ。

今日のお昼はJAXAのアーカイブ動画をずっと流していた。分かりやすい技術解説も驚きの画も出てきたりで飽きない。インパクターも無事動いて14年前の雪辱を果たした面々の笑顔も、PMの説明も、皆嬉し楽しや。よいタイミングで映画を観れて良かった。

映画『ファースト・マン』感想

『ファースト・マン』字幕2Dをユナイテッド・シネマで。ほぼネタバレ無し感想。ってみんな知ってるアレですから。

人類で初めて月面を歩いたニール・アームストロングと宇宙飛行士の物語。

賛否分かれるかも知れないけど自分はすごく良かった。この作品は映画館での上映を観逃さない方がいいです絶対。

当時の技術で月に達するまで飛行することのあまりのリスクに驚く。やはり今とは違う。誰もが知るあの「小さな1歩」に至るまでに、どれだけの犠牲があったかを、改めて知って考え込んでしまう。

次々に訓練中の事故でなくなる同僚。彼らを支え家で待ち続ける妻。感情を表に出さず、常に冷静で、家族にさえもあまり心を開かなかったニール。彼にとって月に行くことはどういう意味があったのか。

冒頭の衝撃的な悲劇から、彼にはずっと大切な人達の喪失が続く。それだけの悲しみを抱え、何故あそこまでの成果を残せたのか。あの危険とリスクの中で生還することができたのか。

その理由を、技術ではなく「人」で見せる。アームストロングとその周りの人たちを。宇宙を扱う映画でありながら、徹底的に「人」を描写し続ける。しかも主人公がほとんど喋らないのに(笑)これだけ心に訴えてくる、その演出と演技が素晴らしい。

ライアンにはいつもどこか空虚さを感じるけど、そんなところもニール役にははまったように思う。大好きな演者じゃないけど、納得です。『ブレードランナー2049』に続く名演。

これまでの宇宙映画でメインになったようなプロットが、意外なほどあっけなく省かれたりするが、かと言って蔑ろにされている訳ではない。むしろ映画の白眉は、時間こそ短いけれど宇宙の「画」だ。打ち上げシークエンスも宇宙でのシーンも、観たことのない臨場感。 『ゼロ・グラビティ』よりも息苦しい宇宙「体験」だった。

延々とジェミニやアポロの小さい窓からの光景だけを映し続けたり、ヘルメットに写る反射だけで宇宙の時の流れを見せたり。『ラ・ラ・ランド』でアカデミー撮影賞を撮ったリヌス・サンドグレン撮影監督がまたまた超絶いい仕事をしている。今回はノミネートされてないようだけど。

当時の空気を再現するためにすべてがフィルム撮影。CG合成無し。バックに巨大なLEDモニターで背景を写し撮っている。ロケット類も実物大かミニチュアを製作。映像の質感がハンパない。

月以外は16&35mm、月面では65mmIMAXフィルム撮影。さらに月の無音部分が加わることで、この「地球」←→「月」の対比が凄く効果的に見える。
ああ、これが宇宙に行くということなのか。

自分がその時(俺の生まれる1年前だけど)その場にいて、一緒に宇宙船に乗っているという圧倒的な現場感。

音声面でも、テルミン、アナログのテープディレイ装置、当時のシンセ、ぐるぐる回るレスリースピーカーを通して録音したトレモロ効果、など、あくまで当時の技術で作ることに徹しているらしい。勿論説明を聞かなければそんなことは分からないけれども、この映画に「音」が果たした役割はとても大きい。映画館で体験できて良かった。

感情を表に出さず、あまり喋らず、家族にさえ心を開かない、「1番冷静だった宇宙飛行士」が主人公。

熱い感動も、『オデッセイ』のようなザ・アメリカンな盛り上がりもない。明るさもない。ずっと不穏な映画。ずっと揺れてる(笑)。 だけどすごく魅力的。SF映画の新しい境地を少し垣間見た気がする。やっぱチャゼル監督すごいわ!

いやーすごかった。今んとこ今年観た16本の中でナンバーワン。

映画『パワーレンジャー』感想

『パワーレンジャー』吹替をNetflixで。(何で字幕版がない?)

日本初の戦隊モノがアメリカに行って、映画化して逆輸入。その辺まったく詳しくないけども、『ジュウレンジャー』が元ネタらしい。まず自分では観るジャンルではないけども、あまりに評価が面白くてつられてしまった。

実際この映画が「戦隊モノ」になるのは、後半1/4くらいになってから。

それまではずっと「変身できずに皆で訓練する高校生ドラマ」なので、どちらかと言うと『ジュマンジ・ウェルカムトゥザジャングル』とか『ブレックファストクラブ』とか高校生版グーニーズとか、そんなカンジで、実に楽しい!

どうしようもないイジメや、裏切りや、イヤな奴が全然出てこなくてサクサク進むし、その分多少薄っぺらい嫌いはあるにせよ、その明るさパワーで持って行かれる!
ただ全員のキャラがちゃんと丁寧に描かれているかと言ったら、かなり雑。そのあたりは前述の傑作達とは並ぶべくもない。

んで戦隊ものパートは正直興味ないのでどうでも良かったです。そもそも戦隊ものったって、ショッカー達とちょっと戦った後は、ずーっと巨大ロボのコクピットに座ってるだけじゃん。え?そういうもんなの?

戦隊ものが特にお好きな人以外は、前半のみお薦めします。前半楽しい!

『素敵なダイナマイトスキャンダル』感想

『素敵なダイナマイトスキャンダル』をiTunesレンタルで。

元白夜書房の編集者・末井昭さんのはちゃめちゃ人生を描いた自伝を映画化。原作未読。西原理恵子さんをデビュー作から読んでいる自分としては、「倍々プッシュ・先物取引で毎回大失敗・億単位で借金の末井どん」でお馴染みの人。以前働いてた会社では白夜書房の仕事を専門に請け負うセクションもあった。

70年代の美術と撮影と音楽が素晴らしくて、これだけでも観る価値がある。当時の喫茶店のやり取り、煙草で煙ったあの空気。匂いまで漂ってくるよう。

関係ないけど今年の弊社の年賀状はちょうど1960年後期の社内の写真を使っていて、末井さんが最初働いていたグラフィックデザインの会社とうまいこと被ってて色々興味深かった。

その後エロ本編集時代がずっと続くのだけど、ギャンブルや女で破滅的な生活を送っているのに、「会社では落ち着かないから」と自宅で相変わらず版下貼ってるその編集者根性が憎めない(イヤ他にも理由はあるのだろうけど)。業界覗き見的な意味でも面白い。

菊地成孔劇伴の不穏な空気がこの美術にぴったり。菊池本人はアラーキー役で出ていて、これも良かった。

柄本佑、熱演。劇中ではまるっきり末井さんに見える。
原作が出たのが少し前なので最近の様子が入っていないのが少し残念か。

『はじまりのうた』感想

『はじまりのうた』をNetflixで。

やっぱり良かった。今後ジョン・カーニー監督作品はすべて観ることに決定。

同監督の日本公開作品は
『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』『シング・ストリート』の3作。Wikiによればまだ4作あって、特に前2作の間に作られた『Zonad』が気になるなぁ。

『フロリダ・プロジェクト』感想


『フロリダ・プロジェクト』をAmazonレンタルで。

フロリダ・ディズニーワールドの隣の安モーテルで暮らす若いシングルマザー・ヘイリーと5歳の娘ムーニー。毎月の家賃も払えず、母親はディズニーに来た観光客相手にパチモンの化粧品を売ったり体を売ったりして暮らしている。厳しく抜け出せない貧困層のリアル。

主人公母子も、周りの住民達の暮らしぶりも、子供やママ友とのやりとりりも、客観的に観たら相当なろくでなし。モラル的にアウト!なこと連発。悲惨に描こうと思えばいくらでもできるシチュエーション。

そんな底辺の暮らしを、この映画は子供の目線からユートピアのように描く。子供の目から見た、カラフルでワクワクに満ちた世界。遊びの基地となる何棟ものモーテルや廃屋、パンケーキの貰えるダイナー、観光客を騙して小銭を稼ぎ、仲間と舐め合うソフトクリーム、雨の後の虹、向こうの世界で上がっている美しい花火。

母ヘイリーはロクデナシだけど、娘を間違いなく愛していて、常に優しく、子供の目線で一緒になって遊ぶ。こちらからの「カワイソウ」なんて目線はどこ吹く風、常に笑顔の絶えない、本当に愛おしい日々。

だけどそんな生活はいつまでも続かず、終焉が刻々と近づいていく。

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●ムーニーを演じる子役がとんでもなく素晴らしい。町山智浩さんが『ギフテッド』の主役の子と並べていたけど納得。きっとこれからどんどん有名になるだろう。吐く言葉はろくでもないけど、あまりのキュートさと愛くるしさ、だからこその最後のある瞬間の表情に、胸を裂かれた。

●美人の母親ヘイリーを演じたブリア・ヴィネイトはきっと名のある女優なんだろうと思っていたけど、監督がインスタで発掘したデザイナーだそう。この映画の演技が認められて、次々と大作出演が決まっているようだ。

●この母子2人のシーンはどれもすごく幸せで、やってることは褒められたもんじゃないのに、できればこのまま続いて欲しいのになぁと自然と願っている自分に気付く。苦しく抜け出せない貧困暮らしで、周りからみたら相当に大変な状況だとしても、徹底的に「ジャッジしない目線((C)宇多丸)」で描くというこのやり方自体が、この映画の最大のメッセージだと思う。

●描かれているものと、描かれていない(ように見える)もの、その構造が巧み。最初観た時は普通の1シーンが、あとで考えると、胸が苦しくなるような破滅の予兆だったり。

●母子を見つめる、ウィリアム・デフォー演じるモーテル管理人の渋い演技もいい。一見何でもない場面に見えるけど、彼の動きを通じて、実はいつも危険と隣り合わせだということを思い出させたり。ここの演出すごい。

●射貫かれるような一瞬の「目」の演技が何回かあって、強烈に印象に残った。

●最初観た時には呆然となったラストシーン。でも観終わった直後に思い出しただけで打ち震える。これは歴代ベスト5くらいに入りそうなラスト。それまでまったく見えなかったアレが、最後の最後で初めて急に姿を見せる。まわりに居る観光客達が、主人公2人に比べなんと空虚に見えることか。

●全編通して圧倒的なビジュアルセンス!

まだ書きたいことはあるけど、とても自分の語彙では表現できない。あちこち見事!な一作だった。また見直したいな。『ギフテッド』とこの2本、最強・天才・カワイイ子役映画。

『ビフォア・サンセット』感想

『ビフォア・サンセット』はビフォアシリーズ3部作の2作目。少し前に書いた「2作目より3作目を先に観てしまった」アレです。Amazonプライム。

1作目『ビフォア・サンライズ』から9年後。パリの書店で再会した2人が、その2時間後くらいに再び別れるまでの物語。なのでほぼリアルタイム進行。延々と街を歩きながら2人で話し続けるだけの映画。すごいよ。これがずっと面白いんだもの。主役2人も一緒になって考えた、練りに練られた脚本らしい。たびたび出てくるウンチク話がイチイチ面白くて、聴き入ってしまう。

前回の感想では倦怠期夫婦モノみたいな印象を書いたけど、それはあくまで3作目の後半だけ。3部作のほとんどは、誰もがラブラブ恋気分を味わえる筈。センスが良くウィットに富み「へー!」なウンチク連発、時にすごく考えさせられるこの会話の妙!パリの町並みも楽しめる。気持ち良かった。

NHK『いだてん』感想

『いだてん』最高!
毎回何も考えず45分間、家族で満喫しています。楽しい!楽しい!夢を見ているのかと思う位、期待に溢れる今年No.1ドラマ(予想)。 クドカン、大友良英、井上ディレクターの『あまちゃん』ドリームチーム!あまちゃんのキャスト、大好きな俳優達がたくさん。脇役がいない。皆が活き活きしてる。

特に好きなのは中村獅童演ずる四三の兄。他にもミシマ家のシマ、森山未來演ずる(大好きだった澪つくし料理帖を思い出す…)若き志ん生、峯田、キョンキョン、活躍は未だないけど神木君、いつもは嫌いなビートたけしでさえ、1人のおっさん芸人として面白いよ…!山本美月ちゃんまで!

オープニングは横尾忠則に山口晃(そう、うちの子供達はみずつち企画で山口先生に直接教えていただいたことがある)。そして大友さんのまた大傑作のOP曲!早くサントラが欲しい。
あと我が家ではいつも誰かが「逢〜いたかば〜ってん逢われ〜んた〜い♪」を謳っている。

おちゃらけているようで、全てのセリフに説得力がある。今のこの時期にオリンピックドラマをやることの稔侍をしっかりと抱き、2020をただ礼賛するなんてことがある筈もなく、当時のオリンピックと国内事情を(ギャグの皮を被せて)丁寧に描写することで、表向きバンザーイ!裏では2020周辺の今のモロモロへの皮肉になっているこの構図。クドカン先生、ほんと見事っす。す・べ・てが気持ちいい。

主人公の四三が毎回毎回チャーミング過ぎる。何なのこのベストキャスティング。
綾瀬はるかに「良かったね」と声をかけてあげたい気分。
今いちばん楽しみなTVドラマです。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。