恐怖の地上デジタル放送

イヤね。もともと実現するワケないと思ってた。つかずっと遅くなると思ってたの。地上波のデジタル化。

だって殆どのヒトにとって、何のメリットもないじゃない。こうゆう言い方は違うか。かかるお金ぶんのメリット、ないでしょ。  


.

地デジの3つのメリット
コレはTBSのPRページ。

地上デジタル放送の最大の魅力は、なんといっても迫力たっぷりのデジタルハイビジョン。

ってソレはさ。何十万円もするTVの魅力でしょ。今だってやってることだし。まさか地上デジタル放送が全番組ハイビジョンでスタートしたワケでもないでしょーが。何だよソレ。

あと多チャンネル化による細分化・専門化・コンテンツの充実って、すでにCSが実現してることだけど、あくまでも課金制での話。スポンサー頼りの無料放送でどうやって番組を増やせるんだよ!ただでさえ従来の広告モデルが疑問視されてるこのご時世にだヨ?

と思ったら、もう多チャンネル化って地上デジタルのメリットとして声を大にして言わなくなってたんだね(笑)。さすがに自らの首を絞めるもの。

EPG???ええ??何を今サラ…

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まぁそんなこんなの理由で、「ありえねーよ」と思ったきり地上波デジタルに関する情報は殆どスルーしてきた自分なのですが、イヤ知らないウチにとんでもない事になってたんですね。コピーワンスですよ。以前からスカパー2とかで名前だけは知ってたんだけど。
「ああ、HDから1回だけしかダビングできないんだ。ヤだね〜」位にしか思ってなかった。そもそもスカパー2やBSデジなんて無縁だし…って。

とんでもない。最近知ったんですが、コピーワンスってそもそもHDからDVD-Rにコピーできないらしいですよ。まぁ細かい事は後で書きますが、大ざっぱに言うとそうなの。

知るきっかけになった記事はコレ
ITmedia+D LifeStyle:「コピーワンス」大そもそも論
要約すると、
地上デジタル放送は全てコピーワンス制限がかかっており、その試聴機器にはかならず「B-CASカード」を入れなければいけない。そのカードは何故か民間の1社が独占して販売している。何故?

そもそも現行のコピーワンスの仕様を決めたのはARIB/(社)電波産業会なのだが、この団体は電気通信事業、放送事業の様々な企業が会員となっている利権組織である。

一方、この11月にJEITA/(社)電子情報技術産業協会長が「放送事業者とコピーワンスを見直す方向で調整に入る」と発表。だがこれは言ってみれば

要するに、自分らの会社の技術畑のエラい人がどんどこ変なふうに決めてっちゃったことで、自分たちがものすごく商売がやりづらい立場になってしまった。利益を追求する経営陣としては、オマエらええかげんにせいよ、全然儲からねえじゃねえかと、いうわけである。右手と左手が喧嘩しているようなものだ。こんな痛快さを秘めながらもどことなくシニカルに笑える話は、近年珍しい。

ということらしい。現行コピーワンスでは、録画機器が売れんじゃないかと。

そもそも放送にDRM(デジタルコピー防止)をかけている国なんて世界中で日本だけ。著作権者保護の名の元に「言うことをきかせてきた」日本企業。だけど結局「見られなければ儲からない」んじゃないの?

映画でも特許でも、知財ならなんでもそうなのだが、多く利用されなければ、儲からないのだ。
1つの漏れなく10個売るのと、1000個ぐらい盗まれるが10億個売れるのと、どちらが資本主義社会としてマシだろう。乱暴なようだが、このシンプルな本質を、タテマエ抜きでどれだけやれるか。

以上が要約。
最後のは確かにちょっと乱暴な理屈ではあるけど(笑)

————————-
この記事自体も色々ショックなんだけど、なんといっても、コピーワンスの内容をハッキリと知った時が、一番ショックだった。なにしろ「地上放送の全コピーワンス化」ってのは、2004年の4月に、全部決まっちゃってたってんだもの。

●参考:(社)地上デジタル放送推進協会のコピーワンス説明ページ

細かい仕様がどうなってるかというと…
●はてなキーワード:コピーワンスとはより
基本的には放送→録画機器(HDorDVD)の1回のみ録画可能。その後は、

>D-VHSなどへの強制移動が可能
>CPRMという規格に対応したレコーダー(つまり超最新機種)でR、RW、RAMへ強制移動が可能
>ただしその移動もVRモードに限られる。

「移動」とは、コピー後に元データが消去されるということ。HDからDVDに1回でも「移動」すると、HDの内容は消されるし、DVDからHDに戻すこともできない(おそらくRAMでもできないだろう)。そのDVDはもう「確定」となるんだろうね。

VRモードでしかDVDを作成できないとなると、再生機器もものスゴく少なくなるね。つまり、オレ達が今シコシコ作ってる「未来へ残しておきたいTV録画DVD集」が、全部VRモードでしか作れなくなる(それもCPRM対応機種を買っての話だけど)。互換性の低いVRモードじゃ「保存版」の意味がそもそもなくなりそう。
※追記:今後VRモードが再生機器の標準になれば話は別。RにVRモードで焼けるレコーダも最近出始めたらしい。

●気になる番組を録りまくる。→RWのVIDEOモードで焼いてクルマで見る→残したい番組のみ選びRで保存版を作る。というオレのDVDライフは、コピーワンスにより完全に撃沈されてしまうワケです(車ではVIEOモードしか見れない)。あと「先週の『どうでしょう』見逃しちゃったよ!録画してた?」なんつって友達から焼いてもらうこともできなくなる。友達に焼いた分が保存版になっちゃう。

※参考:夕刊フジBLOG『デジタル放送「コピーワンス」が阻む「録画の自由」』

さらにココを読むと、そもそもCPRM対応機器じゃないと、1回目の録画もできないみたいですねー。ふーん。今すでに地上デジタル放送を見てる人って、レコーダーも最新のを購入してるのかしらね。スゴいや。

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PSXを買ってから生活が変わった。本当に充実したTVライフを送ってるって話はココにも何度か書いてますが、相変わらずです。「ああツマンネェなぁ」と思いながら見る番組はゼロ。時間があったら常に録りだめた番組を観ているし、オモロいと思った番組は殆ど逃していないし、今までは見ようにも見れなかった昼間の15分毎日オビ番組とかを一気に見れたりする。同様にレコーダを買った友人とはお互いにオススメ番組をやり取りできるし、DVDの保存版は作れるし、未来の子供のためにもとっておける。最高ですよ。

だからこそ、今回コピーワンスの内容を知った時はショックだった。もうお先真っ暗と思いました。何だよ、この先何を楽しみに生きてけばイイんだよ。何でコレだけの技術の進歩が逆に楽しみを奪っていくコトになっちゃうんだよ。VHSだってコピーできたのによ。

でもね、今はこう思います。地上波がデジタルに完全移行する2011年(絶対遅れると思うけど)までには、このコピーワンスの仕様が変わるか、互換性のあるメディアへ(孫じゃない)コピーが何回でもできるようになるんじゃないか、とね。こんなママで続くワケがないよ。マトモな保存版が作れないなんて。そんなワケがないって。

??最初に書いたフレーズに戻ってるな(笑)。

もしも変わらなかったら、そりゃもうオレはアングラに向かいますよ。何としたって自分の保存分と友人との交換分くらいはキープする。絶対にね。(まぁアングラじゃなくたって今みんなフツーにDVDのコピーやってるワケだし)

そうでも思わないと、やってられん。

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最後に。コレだけは書いておきたい。キー局民放がやってた地上派デジタル化へのイメージCM。あの各局のアナウンサーが手を繋いで、地上デジタル放送をただ「とにかくイイですよ」と連呼するだけのクズのようなイメージCMあったじゃない?

このキー局の悪影響なんだろうけど、地元ローカル局も今、ゴミみたいな啓蒙CMを垂れ流しています(こっちは来春からデジタル放送開始)。街中で今風の若者が「ちょースゴいんです。ホントに。便利。」とかだらだらと話す、それだけ。あとは音楽でなんとかかっこ良くごまかそうとして…。「イメージ先行広告」の体裁をとってるけど、その内実は「イメージしか言えない」というどーしょーもない話。地上デジタルのEPGが現行EPGとどれだけ違うのか、現行ハイビジョンに比べて地デジハイビジョンの何がスゴいのか、我々の必要投資額を含めて説明して欲しいな

イヤホント、見るたびにフツフツと沸き上がるこの怒りはどう表現したら良いのだろう。↓以下CM動画へ直リン。
デジタルハイビジョン編(wmv)
EPG編(wmv)
データ放送編(wmv)
なんでまだ始まってない放送に対してね、こうゆう風に「ナチュラルに感想を言わす」必要があるの?オレ達視聴者って、ほんとバカにされてるんだなぁ。

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
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