『ヤング≒アダルト』

DVD、字幕版。ネタバレあり感想。

(ちなみに最初料理をしながら吹き替えで見ようと思ったらモーレツに安っぽくて耐えられずやめました)

youngadult

高校時代イケイケだった37才女性のメイビス。都会に出て売れない独身ライターとして好き放題に(だらしなく)暮らしながらも、本当の幸せを感じることのできない毎日。そんな時、高校時代の元カレ・バディから出産のお知らせが届く。奥さんからカレを奪ってやろうと意気込んで田舎に帰ってくるメイビス。元カレは本当はちっとも幸せじゃない、だから自分に招待が来たんだ、お互いあの最高にイケてた頃が忘れられないんだと勝手に思い込み、色仕掛けに走るメイビス。そこで当時いじめられていたイケてないオタク、マットと出会い…。
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『トランスフォーマー/ロストエイジ』

映画館で2D字幕。
回を重ねるにつれ順調に倍々劣化していくこのシリーズ。見事に予想通りの出来でしたよ。
まぁ
どーーーーでもいい恋愛ネタが、
どーーーーでもいい親娘ネタに
なってたね。

それにしても今回ことほど残念なのは、全編通して一回も笑えないこと。大大大好きな一作目(→感想へ)は、有り体に言えばギャグ映画だった。映画館ではずっと笑ってた。なのに…。笑えないトランスフォーマーってさぁ…何を勘違いしちゃってるんだろう。そのくせストーリーは「突っ込みどころ」なんて言えないほどに全編通して本当にテキトー。語る気もしない。

「頼むから、もう10分、ストーリー練ってよ」

と哀願したくなる出来。ハリウッド大作映画だよ?大のオトナがよってたかって、どうしてこんな成り立ってないストーリーを世に出せることになっちゃうんだ?そのくせやたらと劇中タイアップが入って不自然なこと不自然なこと。

でもしょうがない。『ゴジラ』なんか見るより、たとえ一ミリも期待してなくたって『トランスフォーマー』の新作を観ることは、おれの義務。だからまったく後悔してない。次回作もきっと観に行く。しょうがないんだ。

☆★★★★

※10年ぶりくらいに、両隣にお客さんが座ってる状態で映画鑑賞しました。初日レイト。いつものお客さんの数(1〜10)の10倍くらい観に来ててびっくりした。こんなん(失礼)観に来るの俺くらいだと思ってたのに…

※半分中国映画なので舞台が中国になるのは分かるのだけど、そのくせ中国人(特に政府高官、あと下請け業者の女性)の扱いがすんごくぞんざいなのは笑った。え、これでいいんだ。そこはそんなこだわらないんだね、中国のひと。

 
 

今年買って良かったもの

fogのリネンのシーツ。いつも夏になるとすごく気持ち悪かった、綿シーツのがベタベタするあの不快感がない。どんな時でも本当にサラサラで気持ちいいです。コレと扇風機があるから、寝るときにエアコン無しでいられる。多少高価ですけど、迷ってる人は絶対買うべき。快適な夏が待っています。

 
 

ドツボにはまったきっかけ。

パソコン周りでまったく抜け出れないドツボへとハマったきっかけを書いておきます。

1)ThunderbirdからMacOSのアドレス帳へデータを移行
読み仮名データの無いまったく整理できないアドレスが膨大にインポートされiPhoneを占有。どうしようもできない。

2)iPhotoの再構築
サムネール表示がおかしいので「データベースを再構築」したらもうすべてが調子悪い。iPhotoは勿論、その日からMacOS全体がモサモサしはじめた。どうしようもできない。

この2つを行う場合は充分にご注意を。あ、(1)はやらなければ良いだけなんだけど、他に良いインポート方法がなくて仕方なく、なんです。アドレスの書き出し前に整理すれば良いかも。

 
 

夏本番/バルミューダGreenFan2レビュー

7/26(土)から1週間、毎日30度を超える真夏日。35度を超えた日も2〜3日あるかな。毎日海に行っても良いくらいの好天気。たまに夕立。
寝室は新しく購入した扇風機「GREEN FAN」だけで冷房はつけていない。
リビングは連日冷房が必要。扇風機併用。

久しぶりに家電を買ったので簡単にレビューしましょう。
一年前の型落ちモデルを近所の電気屋さんで買いました。
私が今も使っている扇風機は→コレです。何年製だったろう…70年くらいかな。最近の扇風機のことは殆ど知らないので、それを前提に読んでください。

●「自然な風」云々の前に、まず風力が弱い!というのが第一印象。4段階あるうち下の二つは、これまでの扇風機の感覚から言ったらいずれも最小以下の印象。最大を4とすると、寝苦しい夜はいつも3です。とはいえコレで今のところは寝室は冷房いらずなので、電力と併せて考えれば良い買い物だったのではと思う。冷房は涼しくてもやっぱり具合悪くなることもあるしね。

●「自然な風」を実感できるかどうか。正直自分的にはあまり…。窓から時たま入る風があまりに気持ち良すぎて、これに比べると所詮扇風機の風、という印象(笑)。でも1、2は寝るときには良いです。この二つなら殆ど動作音が無いし。扇風機としての3万円の価格には誰しもちょっと躊躇すると思うけど、電気代考えたらそんなには高くないと思う。

●その美しいデザインに対して、素材感、高級感ははっきり言ってかなり低い。プラモデルかと。何しろ普段リビングで使ってるのが前述のアレだからねぇ。比較するのも…ですけど。70年前の家電・家庭用品ってすごく作りが良くて、他にもいくつか現役で使っているものがあります。

●最初に書いた「弱すぎる」以下の風力と風の質にこだわり、電力を大幅に下げたコレは(最近の扇風機を知らないけども)扇風機に対する考え方を少し変えてしまうほどでした。うるさくないし、電力もあまり気にしないので点けっぱなしで忘れても良い、という意味で。

コストパフォーマンスにはさまざまな考え方があると思いますが、まぁまぁオススメかな。デザインは良いし。

 
 

『アオイホノオ』第二話

オタク小道具・ウンチク満載の満足クオリティ。前話のあらすじのNAといい、期待していた「金田飛び」解説が第二話の最初にして既にさらっと語られるところといい、相変わらずの当時コミック、アニメ雑誌、本屋再現度の高さといい。制作スタッフが楽しみにアレを入れよう、コレを入れようとやんやで会議している様子が見えるようだ。それらの蘊蓄を見事に笑いに昇華させる高い!高い!演出力。新登場の矢野健太郎氏もいい。ハーロックがモノクロ切り抜きで登場とか最高。BGMも見事。ガイナックスネタがほぼゼロにして全く中だるみのない吸引力。エンディングで明かされる驚きのゲスト出演者もいい。『桐島…』の山本美月(オタク公言)の異様な美女ぶり。全編に感じられる当時のカルチャーへの愛、愛、愛。このドラマ、第二話にして、既に合格!ごうかぁあああ〜〜くうううう!!!

 
 

ヤスケンの通りすがりざまの「動画枚数を計算しないと駄目なんだよ…(ハーロック歩きのリアルさについて)」のぼそっとした言い方とかね。「さりげなさ」がいい。極端さと、さりげなさのバランスがこのドラマ、見事ですよ!

 
 

『かくかくしかじか』東村アキコ

『アオイホノオ』絡みという訳ではないけれど、ママ友に貸す前にちょっとつまんだら止められなくなり一気再読。この間うっかりセブンイレブンで掲載誌『cocohana』を立ち読みしたらなんとどんぴしゃで(何時来るのかとドキドキしていた)あのシーンを読んでしまい、そのせいもあって、再読の一巻から、「ねぇ、先生」の語りかけに、涙。涙。

何度読んでも最高に痛すぎるのは、
金沢の美大に先生が来るところ。
主人公は周りに対する恥ずかしさと先生のあまりの変わらなさぶりと鬱陶しさに腹を立て、アパートに先生を泊め、自分は彼氏の家に逃げる。
先生が帰った後の部屋には、地元宮崎の高級焼酎が、ぽつんと残されていた。

「おそらく
先生は

金沢の
私のアパートで

20歳を超えて堂々とお酒が飲めるようになった私と
油絵科の私の友達を呼んで
宮崎の焼酎を飲みながら
夜通し話をしようと

それはもちろん

絵の話をしようと

ああ

私は本当に
最低な教え子です」

「でも
もう取り返せない
時間は元に戻らない」

誰でも一つは持ってる、
思い出すたびに頭をかきむしりたくなる、後悔のとき。

 
 

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

映画館で。ネタバレ無し感想メモ。

オール・ユー・ニード・イズ・キル

異星人との戦いの最中、とあるきっかけで、死ぬと時間を遡り延々と同じ日をループして生きるようになった主人公、トム・クルーズ。
はじめは最低の腰抜けチキン野郎だった彼が、ループを繰り返して経験を積むうちに本当の兵士として自分を磨き、異星人との勝ち目の無い戦いへ、謎を解きながら向かっていくという物語。

シチュエーションはハッキリ言って大好物です。トムの腰抜け演技も、ストーリーが進むにつれてどんどんたくましくなってくその様もゾクゾクする。チキンが短期間で一流の兵士になる理由付けとして、本作のプロットはこれ以上ない説得力を持っている。ヒロインとの関係もいい。世界観も、余計なものを剥ぎ取ったシンプルな構成もいい。とにかくサバサバしてて、いい。SFとタイムループと映画は絶対に相性がいい。好きなシーンも沢山あった。

だけどどうしても乗り切れないトコが、ふたつだけあって。

延々とループを繰り返す訳ですよ。延々と。それが全部表現されている訳ではなくて、端折ってるんだけど、その背景には数限りないループの経験がある。その繰り返しを自分で勝手に想像して、「あー面倒臭いわ〜大変だわ〜」とおもっちゃったの。劇場内で。うんざりしちゃったの。感情移入して(笑)

観終わってから改めて考えると、そのループって、同じ人とのやり取りを先読みして少しづつ変えていける訳で、それはうんざりというよりも毎回毎回結構楽しいかも知れないな、と思ったけど、映画館で観ている最中は、とにかくその「勝手に想像してうんざり」感が邪魔していた。

あとラストだな〜。ラストがもっとひねってあれば全体の出来もぐんと印象良くなったと思う。もう何百回観たか分からないハリウッド大作のラストと、おーんなじ。

良い映画だと思うし、嫌いじゃないんだけどね。あ、最後の最後のトムのカット。大好き。ラストカット好き。

☆☆1/2★★

獸木野生『パーム』トークイベントの動画がアップされています!

4月10日、池袋で開催された『パーム』トークイベントの様子(→レポート)が、終了直後にYouTubeにアップされていたんですけど1日で非公開に。そのままの状態で3ヶ月を経た今、ついに公開されていました。前後編の2本。→こちらに貼り付けましたので、当日来れなかったパームファンの方々、是非。

また、このあまりに希有で楽しい機会が忘れられず、イベントレポートのフォームを通じて参加者の皆さんとやりとりし、是非また開催しよう!と固く決意しましたので、連絡用BBSを設置しました。

パーム掲示板

4/10にいらした方も、いらっしゃることができなかった方も、是非足跡を残してってください(←この言い方、懐かしいね)。

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『海街diary(6)』

最初から最後まですべて隙無しに大好き。前半のお仕事漫画的な要素とお姉さん達のベテランぶりと悩みと恋(ウブじゃ無い)が一緒になって一つ一つ確かに進められていく様は見事としかいいようがない。

取材した内容をストーリーに織り交ぜる手腕、のことをいつも思う。特に「業界モノ」と言われるような漫画は「取材しました感」満載で、ひどいのになると主人公がその業界を舞台にして、まるで陳腐なテレビドラマのごとく演じさせられているかのように見える作品も多い。要するにストーリーやキャラクターの血肉にできてないか、そうする気がないか、なんだろうと思う。ネタがあれば良いと。(それを売りにして笑いをとる佐々木倫子さんのような作風も結構あるし)

『海街diary』の4姉妹は、それぞれ病院、信用金庫、スポーツショップ、中学生と、ばらばらの「業界」で生きる女性達だ。その、それぞれが生きる舞台の、業界の、会社生活の、大切な芯が、作品のテーマと見事に合わさって、心にぐっとくる台詞に繋がっていく。背景の書き込みが納得できるものだからこそ、その決め台詞で「ぐっとくる」訳だ。恋愛オンリーモノが苦手と公言してる自分も、こんな世界の描かれ方の中での恋愛は、どれこれもきゅんとくる(笑)。台詞の一つ一つにも説得力があり、残る。

取材した内容を上手く活かせてない例って山ほど思いつくんだけど(こないだ観た『ばしゃ馬さんとビッグマウス(→感想)』の主人公女ライターもきっと上手く書けない人のまんま典型だ)、上手くいってる例って記憶にない。理由は簡単で、そんなこと意識されないから「上手い」ってことなんだ。でもそこで敢えて考えてみると、『海街diary』なんて「取材結果を血肉にしている」顕著な例だと思った。

本当のところは知らないけど(全部筆者の実体験だったり取材してなかったり)。

いよいよ映画化するらしい。キャストはまるでポッキー姉妹のようなラインナップだし特にボーイッシュな三女チカが夏帆ってなぁ…。アフロにしてくれるんだろうね…。是枝監督ですので原作とは違った魅力を引き出してくれることを期待します。特にこの6巻読んで、この台詞・啖呵の気持ち良さって絶対漫画にはかなわないだろうな、って思った。だけど別の可能性はいくらでもあるしね。このキャストで…素晴らしい作品を撮ってください!

前回の海街diaryの感想へ

『ぷらせぼくらぶ』

ふんわりヘタウマ系な画にだまされるべからず。『桐島、部活やめるってよ(映画)』よりもタイトで繊細で刺さってくるスクールカーストの記憶。と、西炯子STAYシリーズを思わせるような女子-女子の関係のひりひり感、そしてヨコロビ。『桐島…』では何もトラウマを引き出されなかった自分だけど、これを読んでしまうと本当にあの頃の気持ちを一瞬思い出すことがあって…。

傑作だと思います。ひりひりするけど、読後感はそれほど悪くない。オススメ。

初海水浴と台風

金曜日に台風最接近、土曜日(7/12)に初海水浴。多少風が強かったものの、存分に楽しめた。仲良し一家と一緒に我が家で晩ご飯。明けて日曜の今日は一転して雨。そして寒い。天気予報上の気温は3〜4℃しか違わないのになぁ。

写真は打ち上げられていた巨大魚、こいつ水族館で良く観るやつだけど名前が出てこない。

IMG_5141

『私の男』

映画館で。レイトではやっていなかったけどたまたま日曜に時間が空いて観に行くことができた。珍しく10人以上の客。

冒頭から引き込まれる、圧倒的な迫力。画と音の力、つまり映画の魅力が詰まっていた。これぞ映画館で観るべきだと思う。アヴァンから微かに流れているキシキシキュウキュウ言ってる音が…流氷の音なんだと分かる。そこからの展開もすごい。目が離せない。最後まで北海道のとんでもない風景がふんだんに挿入される。後のシーンを一瞬入れる編集もあざとく感じさせずしかしぐさっとくる。つなぎで音が先にすかっと無くなったりとか。緊張感がすごい。画自体が後の展開への伏線になってるような構図がどんどん続く。とにかく、脚本も演出も音も画もすげえなぁ…という印象。

 

 

 

だけど…

この映画が描こうとしている主題に、おれは正直興味が持てなかった。
最初の展開から、

「ああ、そうでしょうねぇ…ああ、そうなったら当然そうでしょうよ。分かる分かる…、ああ、そうきた。うんうん分かる。だったら当然、ああやっぱり、そうなるでしょうねぇ…次は…ああ当然そうなっちゃったらそうでしょうねぇ。次は…ああそういう人だったら、そりゃそうするでしょうねぇ…うんうん、分かる分かる。そうだよね〜。

………………で?

 

というのが正直な気持ち。
ここで描かれているような事をワタクシが映画で観たとて、その後何ひとつ変わらないんだよな。かといって楽しくもならず、どどーんと落ち込むこともなく…あ、そう。とても分かるけど、別に映画で観たくもないなぁ。というかんじ。

たとえば『渡る世間は鬼ばかり』って自分本当に苦手なんです。絶対観ない。どうしても放っておいてもイヤなことは溢れている世の中で、わざわざテレビでアレ観たいの?と思うんだけど、それともちょっと共通する、かな。イヤなことではなかったけどね。画と音はすごかった。確かにアレは記憶に残るかもです。

二階堂ふみさんはネットで観る限り宮崎あおいさんと殆ど見分けが付かなかったけれど、この映画でも半分くらいはそうだった。バリバリ化粧すると明らかに分かる。地味目メイクだと本当似てるね。

その主人公に対抗する親戚の独身女性(河井青葉)が、まさにアラフォーワタクシ的にぐっとくるナオンでしたが、あまりに扱いがぞんざいで笑っちゃった。ネタバレ→東京行ってパーマかけて帰ってきて一瞬映って終わりって…イヤ映画の流れ的にはそれで良いと思うんですけど。そりゃいくらなんでもあんまりだ。親戚の家にいる時のあのエロさ、最高です。180点。

たまたま主題に興味がなかったのは残念ですが、素晴らしい映画だと思いますよ。

☆☆★★★

『ツバメ号とアマゾン号』シリーズ

『ツバメ号とアマゾン号』は、私にとっては、命を終えるその日まで心の底で輝きつづける永遠の夏の光だ。

上橋奈穂子(作家/文化人類学教授)

岩波少年文庫で復刊された『ツバメ号とアマゾン号』シリーズ、通称「ランサム・サーガ」を全巻揃えて読み始めています。元の分厚い単行本では全12巻だったけど、文庫だとその倍の24冊。

記憶があまり定かじゃないのだけど、小学校の2〜4年生くらいのどこかで肺炎にかかり、2〜3週間学校を休まなきゃいけなくなって、その時に母が図書館から借りてきたのがこのシリーズでした。当時の自分はもう夢中になって読み続けて、最後の12巻を読むときは、もう終わってしまうのが本当に悲しくてさめざめと泣いていたことを今でもハッキリと覚えています。

これが、今読んでも驚くほどに面白い。というか普通に夢中になってしまっている、なう。
舞台は今から100年近く前のイングランド湖沼地方。夏休みを過ごしに来たウォーカー兄弟と現地のナンシー姉妹の交流から物語は始まる。子供達(おそらく殆ど小学生か、一番上で中学生くらい)は、自分たちだけで無人島にキャンプを張り、食事を毎日作り、気の向くままに冒険を続ける。移動は小さな帆船ツバメ号とアマゾン号。というと、なんだか子供の理想の世界のあまーいお話にも聞こえそうだけど、違う。彼ら彼女たちの操船、キャンプ設営、食事の作り方、火のおこし方に至るまで丁寧に描写され、そのスキルの高さがイヤでも分かるようになっている。そのあたりの描写は、徹底してリアル。そして特筆すべきは彼らの「マナー」と気持ちのまっすぐさ、真面目さ。通底する彼ら子供達の気持ち良さが、ランサム・サーガの大きな魅力ではないかと思う。

その基本があった上での、「理想の休暇」が物語り中では延々と続く。読む自分も一緒になってイングランドを冒険している。この気持ち。何と言ったらいいんだろう。初読時に12巻を迎え泣いた気持ちが、今でも良く分かる。だけど一度最後が分かってしまえばもう大丈夫。また一巻から読み直せばいいんだから!永遠に繰り返せばいいんだから!←オトナのスキル

古さがないといえば嘘になる。だけど古さが一つもマイナスに感じられない物語。理想の時代の、理想の夏休み。本当に大好きな物語。

是非こちらの感想文もどうぞ。ちなみに作者のアーサー・ランサムのファンクラブが世界で最初にできたのが日本だそうですよ。(→アーサー・ランサム・クラブ
愛しの本たち:ツバメ号シリーズ/アーサー・ランサム

週末はこの本を読みながら、娘達に遊びをせがまれて、読書が中断されて、でもそれはそれでどちらも本当に嬉しくて、こういう状態がたとえようもなく幸せだなぁと思います。

 

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1999年のWEB日記時代から始めた個人サイト。ブログ移行にあたって過去記事も抜粋してアーカイブしています。
(HTMLサイト→SereneBachブログ→WORDPRESSブログと転移)

好きな漫画(2014年版)はこの記事の最後に。

最近は(インスタ)でアップしているTV・映画感想の投稿を、半年に1回くらい一気に転載しています。

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